福田こうへいが、現代版股旅演歌の新曲『北風よ…』を引っさげて、 11月の新歌舞伎座・特別公演で初の時代劇に挑戦! 「見どころは殺陣、ビシッと決めたいですね」

2022.11.2

民謡で培った伸びやかな歌声を武器に、数々のヒット曲を世に送り出してきた福田こうへいが、新曲『北風よ…』(c/w『十六夜鴉』)をリリースした。11月に大阪・新歌舞伎座で幕を開ける公演の挿入歌で、股旅演歌を現代風にアレンジ。これまでの福田とは一味違った魅力を堪能できる作品となった。2012年のデビューから10年を経て新たな一歩を踏み出した福田に、新曲にかける思いや5年ぶりの座長公演への意気込みを聞いた。


――新曲『北風よ…』ですが、トランペットの音色が印象的で、これまでの福田さんのイメージを一新した曲となりましたね。
弦(哲也)先生からいただいたメロディですが、まったくのド演歌でもない、歌謡曲でもない新鮮さを感じました。演歌歌手は皆さんそうだと思いますが、新曲が手元に来るときのデモ音源は、たいていギター1本です。それでメロディを覚えて、レコーディングの場所でアレンジを加えた完成形を聞くわけですが、この曲を聞いた時は「ああ、こういう風に化けるのか」と驚きました。

――『北風よ…』もカップリングの『十六夜鴉』も、とても気持ちよさそうに歌っていらっしゃるという印象を持ちましたが、実際に歌われてみて感じたことはありますか。
『北風よ…』の弦先生のメロディは現代風ですが、万城(たかし)先生の歌詞はこれまでの股旅演歌を踏襲しています。歌詞の中に「芒(すすき)を噛んで」とありますが、今、芒を噛む人っていないじゃないですか。曲調は新しいですが、そこは木枯し紋次郎です。まさに現代版の股旅演歌だと思いました。一方の『十六夜鴉』は王道の股旅演歌で、岩手の人間(万城)が作って、岩手の人間(福田)が歌っていますから、歌詞に岩手富士や奥州路が出てきて、岩手に寄せた曲になっていると思います。

――『北風よ…』は公演の中で上演するお芝居の挿入歌でもあるとお聞きしました。
2020年にやるはずだった公演が、コロナで延期になってしまって。ですからその時にもうこの曲は出来ていて、大事にとっておいた歌です。公演でやるお芝居は股旅物の時代劇ですから、『十六夜鴉』のほうが挿入歌のイメージがありました。でもお芝居を見た後に『北風よ…』を聞くと、お客さんがよりジーンとするのかなと思って、こちらを挿入歌にしました。

――股旅物には必ずヒーローが出てきます。福田さんも歌われた沓掛時次郎とか番場の忠太郎、それこそ木枯し紋次郎もそうですね。股旅物と言って福田さんの頭に浮かぶのは、どんなヒーローですか。
映画やドラマなどいろんな作品がありますが、自分は時代劇でいうと世代的にギリギリ『水戸黄門』がスタートなので、股旅物といってもすぐには思い浮かばないですね。それより自分が股旅物をかっこよく思うのは、ドスの利いた声で歌われる主題歌だったりします。村田英雄さんのイメージが強かったために、今回の『北風よ…』を始めて聞いた時は、現代風の股旅演歌でしたから驚きましたね。

――さて、11月には大阪の新歌舞伎座で特別公演が行われます。5年ぶりの座長公演ですし、コロナ禍での延期を経て実現した待望の公演です。今、率直にどんな心境ですか。
いやー、緊張しています。2017年に明治座の公演で『母ちゃんの浜唄』というお芝居をやった時に、寝ぼけてセリフをしゃべりながら起き上がって、壁にぶつかったことあったんです(笑)。それだけ緊張していたと思うのですが、今回も同じようなことがあるんじゃないかと。自分は歌手なので歌のことだけやろうと思ってきたのに、この10年のうちに芝居を3回もやらせてもらえるなんて思ってもみませんでした。

――今回はカツラを付けて、初の時代劇に挑戦ですね。
初ですねえ! カツラが似合うかどうか心配です。今回は殺陣もありますし、一度にいろんなことがドッとやってきて(笑)、もう大変です。見どころですか? 殺陣もそのひとつだと思います。ビシッと決められればいいなと思っています。

――お客様にここを見てほしいというところはありますか。
全部で8場面ありまして、最後までお客さんが息苦しくならないように、笑う場面では大いに笑ってもらって、決めるところは決めるという、白黒はっきりさせたお芝居にしたいと思っています。

――第2部の「福田こうへいコンサート2022」も楽しみです。
歌には流れがあって、どの曲をどう並べるかによって、全く雰囲気が変わってしまいます。流れが悪いと、せっかくのいい歌も上手く伝わりませんから、そこは気をつけようと、演出の先生やスタッフの方たちといろいろ話し合って構成を決めました。『北風よ…』が現代風の股旅演歌ですので、逆に王道の水前寺(清子)さんの『涙を抱いた渡り鳥』に初めてチャレンジしようと考えています。楽しんでいただけたら嬉しいですね。

――チャンネル銀河では5カ月連続で福田こうへい特集をお送りしていますが、オリジナル番組『里山ライブ』が好評です。ロケは毎回、楽しそうですね。
ロケはどこに行くか、何をするか決めずに行き当たりばったりなのが面白いです。前回、自分の故郷に行った時は、以前住んでいた家の裏の石屋さんの電動バイクを乗り回したりして(笑)。次はゴルフをやるらしいですが、どうなりますか!?

――ゴルフといえば釣りと並んでなかなかの腕前とお聞きしました。
今でも90は切りますね。最近は全然やれていませんが、練習しない方が案外上手くいったりします。ドライバーですか、今は240~250ヤードくらい。昔、ムキムキだった頃は280~300ヤードは飛んでいましたから、体力が落ちるとこんなに飛ばなくなるんだと思っています。

――難しいスポーツだと思いますが、福田さんにとってゴルフの楽しさはどのあたりにありますか。
上手くいってもいかなくても、すべて自分の責任だというところでしょうか。歌も一緒ですけどね。一度失敗しても上手くカバーすれば、挽回することもできますし。

――歌手仲間の方たちともラウンドされることはありますか。
最近はコロナもあってあまり行けていませんが、北山(たけし)さんとはよくやりました。面白い遊び方があって、地元の仲間とやる時に、そのホールで負けた人のバッグから好きなクラブを1本抜いていいというルールで、取ったり取り返したりして、あれは楽しいですよ。たまに腕前に差のある人とやると相手のクラブが全部こっちに来てしまって、向こうが使うクラブがなくなってしまったりしてね(笑)。

――さて、今年も終盤戦に入りました。1年を振り返って2022年はどんな年でしたか。
この間でちょうど全国ツアーが終わったのですが、今年はコンサートの内容が濃かったというのが一番の印象です。振り返ってみると、この演目は省いてもよかったんじゃないかという部分もあったのですが、毎回、来てくださっているファンの方もいるので、やはり全部の演目をやらなくてはならないと思いました。そういう意味では、これまでで一番、内容の濃いツアーだったと思います。何しろコンサートの後半でお客さんが「もう歌わなくていい」っていうくらいでしたから。その割にアンコールはやるんですけど(笑)。

――濃いコンサートとは、どんな内容だったのでしょうか。
休憩を入れて、2時間20分で終わらせなくてはならないところを、気づくと3時間やってしまいます。自分のMCが長いということもありますが(笑)、曲数も多くて、33曲。普通は20曲前後が多いと思いますが、自分はそれでは納得できなくて。他人は他人、俺は俺という気持ちでやっています。

――コロナ禍でそんなに濃い内容のコンサートを続けてこられたのはすごいと思います。
これまでコロナで休んだ分と、お待たせした分と、あと延期させてしまった分と、そういうことを考えると、やっぱりお客さんにやって差し上げなくてはいけないと思いました。

――最後に、歌手生活11年目に入って新たな目標や挑戦したいことなどを教えてください。
自分の歌を聞いてくださっている方の中には、コロナが怖くてコンサート会場に足を運べなかったという方もたくさんいらっしゃると思います。これからはそういう方が少しでも自分の歌を聞きにきていただけるように各地を回りたいですし、コンサートの現場1カ所、1カ所を大切にしていきたいと思っています。内容も今年ほどギュッと詰め込まず、息がつけるものにして、より楽しんでいただけるようにしたいですね。

――トラックの荷台をステージにした、東日本大震災の被災地を巡るライブも続けていかれるとお聞きしました。
今年はこれから寒くなるので難しいですが、来年またスケジュールが許す限り行きたいです

福田こうへい 『北風よ・・・』

2022年11月02日発売

品番:KICM-31082
価格:¥1400(税込)

【収録曲】

1.北風よ・・・
作詞:万城 たかし 作曲:弦 哲也 編曲:野村 豊
2.十六夜鴉
作詞:万城 たかし 作曲:宮下 健治 編曲:野村 豊
3.北風よ・・・(オリジナルカラオケ)
4.北風よ・・・(一般用半音下げカラオケ)
5.十六夜鴉(オリジナルカラオケ)
6.十六夜鴉(一般用半音下げカラオケ)

チャンネル銀河で「5カ月連続 福田こうへい特集」を好評放送中!

チャンネル銀河では、2022年9月より、デビュー10周年を迎えた福田こうへいを5ヶ月連続で大特集! 仲良し演歌歌手と共に自然と歌を満喫するオリジナル番組から、その歌声に酔いしれるTV初放送のコンサートまで、福田こうへいの魅力をあますことなくお届けする。

特集ページ:https://www.ch-ginga.jp/detail/satoyamalive/

【11月の放送情報】
『福田こうへいコンサート2017 IN 明治座』 *TV初
放送日:2022年11月12日(土)10:00〜11:30ほか
『福田こうへい・三山ひろし・市川由紀乃のふるさと自慢!自然王国編』
放送日:2022年11月26日(土)10:00〜11:30

【12月の放送情報】
『2018福田こうへいコンサートIN 浅草公会堂 〜真心伝心〜』
放送日:2022年12月10日(土)10:00〜11:45ほか
『ふるさと自慢!スペシャルステージ 福田こうへい・三山ひろし・市川由紀乃』
放送日:2022年12月24日(土)10:00〜11:30
【1月の放送情報】
『福田こうへいオリジナル番組第3弾』(タイトル未定)
放送日:2023年1月14日(土)10:00〜11:30(予定)ほか
『福田こうへい・市川由紀乃・徳永ゆうきの里山ライブ』 『福田こうへい・徳永ゆうきの里山ライブ2』
放送日:2023年1月28日(土)10:00〜13:00(予定)

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