演歌シンガーソングライター大沢桃子が魅せるコブシとエレキのハーモニー『エレキDE演歌』

2020.9.14

歌の師匠に「エレキの神様」として知られる寺内タケシ氏、踊りの師匠に浅香光代氏をもつ演歌シンガーソングライター・大沢桃子が11日、北とぴあ さくらホールにて専属バンド、スーパーピンクパンサーとともに「大沢桃子&スーパーピンクパンサーライブ~エレキDE演歌~」を開催した。

 

会場にはコロナウイルス感染対策のため、ファンクラブ会員の中から抽選で選ばれた100名が参加し、配信も同時に行うハイブリットコンサートとして行われた。

 

演歌・歌謡曲のコンサートではめずらしく、エレキギターの轟音が鳴り響くバンド演奏でライブはスタート。
獅子舞も登場し、舞台も温まったところで大沢桃子が登場。師匠・寺内タケシ氏の十八番でもある民謡シリーズとして『ノーエ節』、『よさこい節』、『花笠音頭』のエレキアレンジを力強く披露。大沢のコブシとスーパーピンクパンサーの演奏という主張の強い両者が見事にまとまってひとつの大きなパワーを生み出し、そこにさらに大沢の踊りも加わって舞台はお祭りさながらの熱気を放つ。

コロナウイルス感染拡大防止のため、声援が禁じられている中、会場は拍手に包まれる。
拍手がこんなに嬉しいなんて
大沢にとってこれが今年初のコンサート。歌える喜びを噛みしめながらも「久々のステージに手に汗が」と、緊張も。昨今の状況下においてコンサートが開催できること、そして会場に駆けつけたファンや配信で観ているファンに御礼を述べつつバンド演奏で続いての曲『コーヒールンバ』(西田佐知子)、『ヴァケーション』(弘田三枝子)を可愛らしさ満点で披露。

ここで早速衣装チェンジの為大沢が舞台を後にすると、この日の司会を務める、お馴染み、風呂わく三が登場。

スーパーピンクパンサーのメンバー紹介の後、話題は大沢桃子とスーパーピンクパンサーの名義で2016年にリリースした『恋する銀座』について。
実はこの曲9月9日放送の「グッとラック!」(TBS系)内にて立川志らく氏が「レトロな感じですごくいい曲」「一回聴くとハマっちゃう」と紹介し、大沢についても会ったことが無い中で「演歌界の新しい顔」と絶賛したことで話題になっているのだ。
新たに黄色のロカビリーワンピースに身を包んだ大沢がそんな話題の『恋する銀座』をこちらも可愛らしさたっぷりで披露。

歌い終えると、再び衣装チェンジのため舞台を後に。ここからはスーパーピンクパンサーによる演奏コーナー。

エレキの名曲『涙のギター』に始まり、ザ・ベンチャーズ『ダイアモンドヘッド』、加山雄三『夜空の星』や『キャラバン』、『津軽じょんから節』を続けて披露。懐かしの名曲たちに聴き惚れていると、海辺のような効果音が流れ、新たなピンクの着物に袖を通した大沢が登場し、岩手にある宮沢賢治が名付けたとされる海岸を舞台にした楽曲『イギリス海岸』を披露。

その後も5月にリリースした大沢20枚目のシングル『どんどはれ』のカップリングでカップリング曲としては異例のUSEN HIT 演歌/歌謡曲ランキングで10位以内に入ったムード歌謡『神戸しのび恋』を披露。歌唱後には「この曲をカラオケボックスで一人で歌って採点したら96点だったんです。『オリジナル曲をよくコピーしていますね。アレンジを加えてはいかがでしょうか』とコメントされちゃいました』というエピソードトークで笑いをとりつつ、2010年リリースの『風の丘』をバンドバージョンで、故郷・岩手で帰りを待つ母に想いを馳せながら『懐郷』を披露し、気づけばあっという間にコンサートも終盤に。
ここで再び風呂わく三が登場し、改めて心境を聞かれると
「(久々のコンサートに)初心に帰るような気持ちですね。(会場を見渡して)広い会場をゆっくり使えてとっても贅沢」
また、話題は5月にリリースした大沢20枚目のシングル『どんどはれ』について。
「どんどはれ」とは岩手県中北部の方言で、民話(昔話)の語り終わりの最後に付ける言葉で、「これで おしまい」や「めでたしめでたし」と言った意味。コロナウイルスによる影響が広がる昨今についても「どんどはれ」と言える日が来るようにと上手くまとめたところで歌唱を披露。「聴いてくれる、歌ってくれる人が笑顔に、朗らかな気持ちになるようにかいた(自身作詞作曲 ※仲村つばき名義)」と話すように満面の笑顔で届けた。最後はデビュー3年目に自身で作詞作曲した楽曲で、この歌でテレビ出演したことをキッカケに多くの人に知ってもらえたと話す当時の自身の気持ちを描いた『南部恋唄』でコンサートの幕を閉じた。

 

エレキの轟音とコブシが見事にマッチした『エレキDE演歌』。10/10(土)には浅草公会堂で開催予定。
舞台全体を笑顔で舞う、大沢桃子の姿も印象的なこの唯一無二のスタイルを一度体感してみてはいかがだろうか。

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