中澤卓也7か月ぶりに生観客動員コンサートを開催。どんな環境下でも歩みを止めない決意のステージ。

2020.9.15

8月5日にオリジナル1stアルバム『歩み Part1』、最新曲『北のたずね人』のタイプE版リリースと、コロナ禍でも精力的な活動を続ける中澤卓也が、2カ月の延期を経て、9月12日(土)に北とぴあ さくらホールでコンサートを開催。

「中澤卓也ハイブリッドコンサート~会場、そしてオンライン...2つが織りなす、新たなステージの扉~」と銘打たれた本公演は、7か月ぶりに観客を動員すると同時に、インターネットを通じて生配信されるという“新しいコンサート様式”へのチャレンジでもある。

各種規制が緩和されてきたとはいえ、いまこの環境で観客を会場に迎えるということは、演者・スタッフともに並々ならぬ覚悟と努力が必要だったということは想像に難くない。

ペンライトを握り静かに開演を待つ目の前の観客だけでなく、インターネットの向こうに多くの観客がいると思うと、エンターテイメントを届ける側の”想いの強さ”と”想像力”が試されるような心持ちがする。

応援してくれるファンの皆にはずっと笑顔でいてほしい

そんな新しいコンサートの始まりは、「F1グランプリ」のテーマ曲でお馴染みの『TRUTH』という、かつてレーシングドライバーを志していた中澤ならではの選曲。”そう来たか!”と思わずニヤリとしてしまう演出に、否応にも観客の気持ちは高まる。
そしていよいよ、キラッキラの青いスパンコールの衣装でステージに登場した中澤は、久しぶりに観客が目の前にいる喜びを抑えきれない満面の笑顔で『俺の愛だから』『青いダイヤモンド』を披露。
普段なら観客の声援が入る“卓也コール”も、声援禁止のこの日はリズムも息もばっちりの手拍子に変化していた。
また、生配信の画面にも多くの「たくやーーーー!!」の文字が重なる。

 

続いて、100曲の歌い継ぎに挑戦するというyoutubeチャンネルの企画「歌ごころ」でも披露した、『Pretender(Official髭男dism)』『Forget-me-not(尾崎豊)』『福笑い(高橋優)』をカバー。
緊急事態宣言が発令された4月から数カ月間、ほとんど自宅にいたという中澤は、
「ファンの皆さんからもらっていたパワーのありがたさ、拍手・歓声のありがたさをひしひしと感じた」と言い、
「まだまだ辛いこと、大変なことがあるとは思うけれど、ファンの皆さんにはずっと笑っていて欲しい。そして、いつか必ずまた“卓也コール”をもらえる日が来ることを信じて、僕も笑顔を届けたい」
というファンへの想いを『福笑い』の選曲に込めた。

そして、「プロのミュージシャンがいるとやりづらいので(笑)」と一度バンドメンバーをステージから見送り、ギターの弾き語りで披露した『歌うたいのバラッド(斎藤和義)』にも、歌い手として「今の気持ちと重なる部分が多くある」という。

やるたびに“新しい色”になるのがステージの魅力

換気も兼ねた休憩を挟んだ後は、真っ赤なスーツの衣装に着替え、ラテンのリズムで盛り上がり必至のナンバー『江の島セニョリータ』を歌唱。

MCコーナーで暴露された様々なタレコミ情報(といっても、久しぶりのレーシングカートにはしゃいで肋骨に軽い打撲を負ったとか、一度普通盛りで注文したあと必ず大盛に変更する優柔不断な一面とか、20代の青年らしい愛くるしい一面ばかり)に本人は不服そうな表情を浮かべるも、周りのスタッフとも相思相愛の関係が築けていることを窺わせるエピソードに心が温まる。
(ドラムセットを片付けていたら手伝いを申し出てくれた、というジェントルなタレコミも!!)

そして”中澤卓也はやっぱりバラード”というファンからのタレコミで『ゆびきり』『最後の雨(中西保志)』『東京タワー』の至極のバラード3曲を披露。
歌い終わった後に中澤が語ったのは、「バンドとボーカルの間には呼吸のようなものがあって、歌い方を変えればバンドの演奏も変わる。今のパフォーマンスも、リハーサルとは違う新しい色になった」という自身が感じるステージの面白味。
また、NHK紅白歌合戦の無観客開催の発表を受け、これまでもyoutubeの配信など“無観客の帝王(?)”として積極的に活動を続けてきた身として思うところを司会者から聞かれると、
「もちろん歌手なら誰しも目指す舞台だと思うし、虚像のようだった紅白がだんだん実像として感じられるようになってきた」と語り、年末も含む今後の活動にも決意をにじませた。

そして、今年の勝負曲『北のたずね人』の歌唱でステージ本編が締めくくられると、“アンコール”の声援に代わる力強い手拍子が会場から、熱いメッセージがオンラインから寄せられる。

ファンがいてくれてこその“ちーむ中澤”の歩み

バンドメンバーとともにオフィシャルTシャツで再登場すると、バラード、ポップス系の選曲がメインだったこれまでとはガラリと雰囲気を変えて『長岡大花火音頭』を披露。
これまでも”ジャンルレス”の活躍を目の当たりにしてきたが、本当に何でも歌えるのだな…と思わせられる力強くも美しいこぶし回しが圧巻の歌唱に、また会場全体が熱くなる。

 

そして、「2カ月越しにやっと、やっと開催することができて、内心ホッとしている」とようやく安堵の様子を見せた中澤は、
「このTシャツに書かれている“ちーむ中澤”というのは、スタッフだけではなく、応援してくださっている皆さんのことでもあり、ファンの方ひとりひとりが僕の原動力。レーシングカートに例えるなら“ガソリン”で、皆さんがいなければ走ることができない」と改めてファン、スタッフの大切さを語った。

実は昨年末から喉を壊して声が思うように出なくなっていたということを初告白した中澤だったが、そんな中で突入したstayhome期間は、
「(コロナ禍によって)歌えない不安、このまま喉が治らなかったらという不安でいっぱいだったが、ファンの皆の顔が思い浮かんで頑張ることができた。待っていてくれる人がいると思うだけでこんなにも頑張れるんだと感じた」と語り、
休息期間を経て、喉も無事回復したいま「これから歌ももっと磨いて、”新しい中澤卓也”をひとつひとつ積み上げていきたいので、その気持ちを受け取って一緒に歩んでいってもらえたら」とファンへ熱い想いを伝えた。
最後に、その中澤の想いが詰まったともいえる『ありがとう あなたへ』を歌唱し、会場とオンライン配信のハイブリットという新たなステージは幕を閉じた。

「初めて歌うことが苦痛に感じた」というほどの苦悩と戦った中澤にとって、奇しくもstayhome期間は、これまで以上の飛躍をするための小休止だったのかもしれない。
“ファン”そして、”歌”への想いをより強めた彼は、きっとこれからも形にとらわれることなく、様々な方法で最高のパフォーマンスを見せてくれることだろう。
どんな環境下でも決して歩みを止めない中澤卓也に、我々観客も“ちーむ中澤”としてしっかりと歩幅を合わせていきたい。

放送情報

「中澤卓也ハイブリッドコンサート」
~会場、そしてオンライン...2つが織りなす、新たなステージの扉~

CS放送 チャンネル銀河
12月放送予定
※詳細は決まり次第、公式ホームページ/SNS等で発表

コンサート情報

「中澤卓也ハイブリッドコンサート」VOL.2
~会場とオンラインで、誰かさんの誕生日も祝ってくれたら嬉しい~

【日程】10月3日(土)
【会場】ティアラこうとう ( 東京都江東区住吉2-28-36 )
【アクセス】都営地下鉄新宿線・東京メトロ半蔵門線「住吉」駅 A4 出口より徒歩約4分
【時間】開場 12:30、開演 13:30~
【料金】5,000円(全席指定・税込)※未就学児童入場不可
https://bellworldmusic.com/event/performance/20201003nakazawahybrid-koto

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