演歌界のニュータイプシンガー・望月琉叶が5作目の新曲『朧月』を発表! 「思い描いたのは『源氏物語』の世界。平安貴族の実らぬ恋を妄想しながら歌っています」

2024.6.12

2021年に「第63回日本レコード大賞新人賞」を受賞、2022年10月からは、5人のボカロPとタッグを組んで5カ月連続配信企画に挑戦するなど、歌謡界に話題を振りまいてきた望月琉叶が、メジャーデビュー5枚目のシングル『朧月』(c/w『貴方との出会いの日』、『花散里(はなちるさと)』)を発表。作詞に麻こよみ、作曲に木村竜蔵を迎え、「演歌のテイストは残しつつ、老若男女に幅広く聴いてもらえる曲を」とリクエストして完成した自信作だ。演歌歌手の枠を軽々と飛び越え、奔放な活動でファンを魅了し続ける望月に、新曲への思い、1000人を集めた3周年記念コンサートの反響、 “エンターテイナー・望月琉叶”のこれからなどを聞いた。


――新曲『朧月』は、同じ演歌作品でも、本格演歌に挑戦した前作の『百年の冬』とは、また味わいの違う曲になりました。

『朧月』は、ジャンルで言ったら演歌なんですけど、とはいえ演歌に徹した曲ではないんです。作曲してくださった木村竜蔵さんと打ち合わせでお会いした時、私がお願したのは、老若男女、幅広い層の方々に届く曲。J-POPと演歌の間のイメージで、聴いた時に、「えっ、これが演歌!?」みたいに思える斬新なコード進行と転調を入れてほしい、でもどこかに演歌のテイストは残してほしいということでした。そうしたら、このような素晴らしい楽曲が出来上がってきました。

――歌詞を読んで、すごく大人っぽい歌だと感じました。妄想することがお得意な望月さんとしては、どんなイメージを描きながら歌っていますか。

思い描いたのは『源氏物語』の世界。身分の違う平安貴族の叶わぬ恋を、『朧月』で描いている世界観と重ね合わせてイメージしています。“朧月”というのはきっと、恋しい人を思って涙ぐみながら見上げた月のこと、そんなことを思いながら歌っています。

――こういう大人の恋の歌が望月さんの年齢とちょうどマッチしてきたように思いますが、歌ってみてどう感じましたか。

実際の年齢的にはマッチしてきたのかもしれませんが、精神年齢がまだお子ちゃまなので(笑)、歌の世界を本当に理解するのは難しいです。特にこの歌は、『百年の冬』の静御前の悲恋のように具体的な設定がありませんから、想像することが大事だと思いました。ただ、私は空想したり妄想したりするのは得意なので、歌の主人公はこういう女性なんだろうなというイメージを持ちながら歌えてはいると思います。

――さびから最後にかけては、こぶしやビブラートを駆使して情感たっぷりに歌い上げていらっしゃいます。歌い方で特に意識した点はありますか。

作曲してくださった木村さんが、「この曲はロックだ」とおっしゃられたので、感情を抑えないで自分らしく歌うことを心がけました。先ほども言いましたが、この曲はあまり演歌、演歌した曲調ではないので、木村さんとも話して、演歌の味わいを加えようと、あえてこぶしやビブラートを多めにしていることはあります。

――今回は作曲の木村さんとも、作詞の麻こよみさんとも初めてタッグを組まれましたね。

木村さんとはテレビ大分で放送されている『歌魂カラオケ大賞』というカラオケ勝ち抜き番組の収録でご一緒していて、そのご縁もあって今回、曲を描いていただくことになったのですが、レコーディングでは、こぶしやビブラートの入れ方など細かいところまで歌唱指導していただきました。麻先生には仮歌を録音する時に来ていただきました。ちょっと大人っぽい歌でしたし、私の歌い方でマッチするのか不安だったのですが、「いいじゃなーい!!」ってすごくほめてくださいました。私の自己肯定感をひたすら上げてくださって、とても嬉しかったです。

――『朧月』はメロディーもキャッチ―ですし、カラオケで歌う方も多いと思います。かっこよく歌えるポイントを教えていただけますか。

この曲は、出だしはしっとり重みのある感じなので、ここは余裕を持ちながら淡々と歌います。そして一番大事な「♪もう二度と振り向かないで~」からの部分で、高音が続きますが、はずさないように頑張る。あと持っているテクニックをすべて投入して、泣きをいれながら、こぶしを回してビブラートをかけます。聴いている人をびっくりさせるように頑張って歌っていただければと思います。

――最後の「もう二度と~」からが、とにかく大事ということですね。

そこが一番の“きゅんポイント”で、私も頑張って歌っています。あと、振りもあって、「♪滲む月明り」のところで、こう着物の袖を顔にもっていきながら目を閉じるんです。朧月というタイトルともマッチした振りですし、色っぽいので、ぜひ皆さんもやってみてほしいです。

――ミュージックビデオ(MV)撮影時のお話を聞かせてください。

いろんな場所で撮影したのですが、メインは静岡県伊東市にある「まぼろし博覧会」という施設をお借りして撮りました。昭和初期の人形とか家具とかを集めたテーマパークで、昔にタイムスリップしたような不思議な感覚になる場所でした。あとはいきなり飛んで、東京タワーの近くの歩道橋とか。夜撮影したので、会社帰りのサラリーマンやOLさんが歩いている横で音源を流しながら私が熱唱するという。いろんな人に見られながらで、ちょっとドキドキしましたが、すごくいいMVになったと思います。心も強くなりましたし(笑)。

――カップリングは、今回は2曲。『貴方との出会いの日』と『花散里』ですが、それぞれどんな曲ですか。

『貴方との出会いの日』は、とにかくハッピー、ハッピーな曲です。あなたとのご縁、今まで出会った人とのご縁に感謝という明るい曲ですから、とにかく楽しく歌ってください。一度、コンサートで歌ったことがあるのですが、お客様もノリノリで、踊っちゃう方もたくさんいました。『花散里』はしっとり系の落ち着いた曲。悲しい恋を歌っているわりに、とても気持ちよく歌えるので、歌っていてもぜんぜん疲れませんし、お客様もゆったりした気分で聴いていただけると思います。

――昨年の11月には大分県の別府でデビュー3周年記念コンサートを開催しました。1000人ものお客様を前に歌った感想はいかがでしたか。

あんなに大きなステージで歌えて嬉しかったのと同時に緊張もしました。オリジナル曲のほかに石川さゆりさん、坂本冬美さんから中森明菜さんの曲まで13曲を歌わせていただいたのですが、やっぱり名曲を歌うというのは、プレッシャーがあります。でも、ちゃんとお客さんに届くようにという思いで、頑張ることができたと思います。

――お客様からはどんな反響がありましたか。

今回、大分にある日田林工高校の生徒さんたちが作った竹灯篭をお借りしてステージを飾ったのですが、暗くなると灯篭の中の灯がゆれて、歌はもちろんですが、視覚的にも楽しんでいただけたようです。私自身も歌い終わって舞台の袖に帰るときにふと見て、ああ綺麗ってテンションがあがりました。

――ステージは歌手にとって一番の見せ場だと思います。たくさんのお客様から声援をもらって歌うのは気持ちいいんじゃないですか。

これまではステージに上がると緊張ばっかりしていました。それが聴いてくださるお客様にも伝わっていたみたいで、「琉叶ちゃん見てるとこっちまでひやひやする」って言われたりしましたが、最近は私が楽しく歌っていないと皆もつまらないんだなっていうのが分かってきました。楽しくやるように心がけたら、お客様も安心して聴けるようになったようで、「るかちの歌をもっと聴きたいよ」って言ってくださる方が増えてきて、よかったと思っています。

――ところで、グラビアに挑戦したり、絵を描かれたりとエンターテイナーとして多才に活動されている望月さんですが、これから歌以外で挑戦したいことってありますか。

ドラマに出てみたいという夢はあります。以前、里見浩太朗さんの舞台で『緋鯉大名』という時代劇に出させていただいたことがありまして、最初は、台詞は棒読みだし、終わったって思ったのですが(笑)、その場になったら感情が入って、案外できるかもって思っちゃいました。泣いているお客様もいらっしゃったんですよ。もしできるのなら、時代劇、現代劇関係なく、やってみたいです。

――玄人はだしだと評判の絵ですが、展覧会などで発表する野望はないのでしょうか。

もちろん、いつかやってみたいという思いはあります。ただ、もしアトリエとか作ってしまい、一度そこに籠ると本当に私、一生出てこないかもしれません(笑)。描き始めるとご飯を食べるのも忘れてしまうし、寝ることも忘れてしまう。なので絵を描くことは私にとっては“魔”でもあるんです。時間さえあればと思いますが、でも何十年後かでいいので展覧会は実現させたいです。

――絵を描くこと以外で最近のマイブームがあれば教えてください。

マイブームとは違うかもしれませんが、ピアノを弾くことでしょうか。ピアノは小さなころからやっていましたが、昨年、『芸能界特技王決定戦 TEPPEN』(フジテレビ系)という番組に出演した時に、坂本冬美さんに許可をいただいてピアノで『夜桜お七』を弾かせていただいたことがあって、最近はまたピアノにはまっています。

――以前、お休みの日は、喉のメンテをしてエゴサーチして一日が終わると言っていましが、最近はどんな過ごし方ですか。

最近は喉のケアにプラスしてカイロプラクティックにも通っています。今度、健康診断にも行こうと思っています。

――健康オタクなんですか。

そうですね。喉のケアには毎日濡れマスクをつけて寝ています。胃腸炎になった時以外は無休で、これまでに使った濡れマスクは1800枚になりました。その他、青汁を飲んだり、毎日バナナを食べたり。今追加しようと思っているのはサツマイモです。でも健康オタクと言いながら、コンビニご飯ですませたり、ファミレスにも行っちゃったりしますけど(笑)。

――最後に今後の目標などをお聞きします。22年から5人のボカロPとコラボした企画を発表されるなど、演歌歌手の枠を超えた活動もやられてきましたが、今後、アーティストとしてどういう方向に向かっていきたいですか。

これからも演歌歌手という軸はそのままだと思います。ただ、木に例えると、いろんな木になっているいろんな実をとりに行く作業はしたいと思っています。演歌という実だけじゃなくていろんなジャンルの音楽という果実をとってきて、こんなことできるの?みたいな、今まで見せてこなかったるかちを見せていきたいです。あと個人的には落ち着いた女性になりたいです。今は部屋で言うと荒れている状態。ここを片付けていると、そうだここもやらなきゃ、だめだ、こっちもみたいになってしまっていて。だから一つひとつ、落ち着いて綺麗に片付けられる女性になりたいです。

――では、改めて、新曲『朧月』を待ち望んでいるファンにアピールしてください。

この曲は少し難しいかもしれませんが、新しい形の演歌です。友達や恋人とカラオケに行った時に歌うと、聴く人をドキドキさせられること間違いなしですので、ぜひ歌ってみてください。それから曲の最後の部分、「♪ひとり見送れば 滲む月明り」のところで、手を顔の前にかざして歌ったら絶対、みんな拍手をしてくれると思いますので、やってみていただければ。楽しんでください!

望月琉叶『朧月』(おぼろづき)ミュージックビデオ

望月琉叶『朧月』(おぼろづき)

望月琉叶「朧月」COCA18210

2024年6月12日(水)発売

品番:COCA-18210
価格:¥1,500(税込)

【収録曲】

1.朧月(作詞:麻 こよみ/作曲:木村竜蔵/編曲:遠山 敦)
2.貴方との出会いの日(作詞:仕立屋甚五郎/作曲:オーイシカズヒーロー/編曲:大野ヒロ)
3.花散里(はなちるさと)(作詞:小林 元/作曲:オーイシカズヒーロー/編曲:大野ヒロ)
4.朧月(オリジナル・カラオケ)
5.貴方との出会いの日(オリジナル・カラオケ)
6.花散里(オリジナル・カラオケ)
7.朧月(半音下げオリジナル・カラオケ)
8.朧月(1ハーフコーラスオリジナル・カラオケ)

※各音楽配信サイトでもストリーミング&ダウンロード配信

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