門松みゆきが6枚目のシングル『今もヨコハマ』をリリース! 「歌謡曲路線にシフトした新チームでの濃密な1年が詰まった曲です」

2024.7.24

昨年デビュー5周年を迎えた歌手・門松みゆきが、新曲『今もヨコハマ』(作詞:吉井省一、作曲:国安修二、編曲:矢田部正)を7月24日にリリース。新境地を開拓した前作『愛・DA・LI・DA』に続いて、作曲に『ねぇ』のヒットで知られるシンガーソングライター・国安修二を迎え、独特のどっしりとした中低音が響く大人の歌謡曲が完成した。インタビューでは歌謡曲路線へシフトした思いや、“飲みニケーション”で築いた制作チームとの絆、そしてすっかりお馴染みとなった酒豪エピソードと、実はかわいらしい素顔を明かしてもらった。


聴く人それぞれの横浜に寄り添えるように

──新曲『今もヨコハマ』は、前作で確立された都会的な大人の歌謡曲路線がますます色濃くなっている印象ですが、歌ってみていかがでしたか?

レコーディングではこれまでにないくらい肩の力を抜いて歌いました。作曲の国安修二先生からは「門松は十分歌えているのだから、この歌は鼻歌くらいの感覚で歌ったほうがいい」と言われていました。もともと私は歌にしっかり感情を乗せるというか、メリハリをつける歌い癖がありますので、そこを削ぎ落とすのはなかなか難しかったですね。そこで何かが掴めるかなと思って、レコーディングの数日前に1人で横浜の街をブラブラと歩いてみたんです。

──門松さんは神奈川県小田原市出身。横浜も馴染み深いのでは?

中学生くらいからよく友だちと遊びに行っていました。高校生になってからは好きなバンドさんを見にライブハウスに足を運びましたし、20歳をすぎてからはやっぱりお酒ですね(笑)。高層ビルから夜景を見下ろして飲むお酒は大人の味がしましたし、1人で波の音を聞きながら開けた缶ビールは裏寂しい味がしたなとか──。そんな思い出に浸りながら横浜の街を歩いていると、作詞の吉井省一先生の「聴いてくれる1人ひとりにとっての横浜の風景がよみがえる歌にしたい」という言葉が「なるほど」と理解できたんです。

──門松さんにとっての横浜ではないのですね。

そうですね。横浜のあの狭い一角にはきらびやかな繁華街もあれば、ちょっと外れれば誰もいない潮風だけが流れていく桟橋もあって、どこを切り取っても絵になるんです。だからこそ、その場所を訪れると“あの頃”がよみがえってくる、そんな不思議な魅力が横浜の街にはあるんですね。もちろん私にも横浜の思い出はたくさんあります。だけどそれを押しつけるのは違うなと。聴いてくださる方にとってのそれぞれの横浜に寄り添えるように、私としてはなるべく客観的に歌おうと決めました。

──テンポ感がいい曲ですが、ことさらに感情を込めなくてもカラオケ映えしそうですね。

そうなんですよ。リズムに言葉を乗せるだけで十分かっこいいですし、ご自身の感情があふれ出したなら強弱をつけてもいいですし、私がこう歌ってくださいというよりも、歌ってくださる方ご自身で調理していただいたほうがこの歌は生きると思います。みなさんの横浜の思い出とともに、長く愛していただける1曲になったら嬉しいですね。

ミュージックビデオでの切ない表情の秘密

──ミュージックビデオも横浜で撮影されたとのことですが、制作の裏話を教えていただけますか?

撮影にあたって10日間禁酒しました。衣装が肌の露出多めということと、この歌にかける願掛け的な意味合いも込めて。成果としては、なかなかしっかり絞ることができまして、この歌の主人公の未練とか切なさが表現できたのではないかなと思います。これだけ長いことお酒を抜いたのは初めてで、悲壮感あふれる表情は「早く飲みたい!」というリアルな気持ちからです(笑)。

──ということは、オールアップ後は乾杯ですか?

もちろんです。うちの制作チームはみんな酒飲みでして、仕事が終わると「誰が口火を切るかな?」という雰囲気になるんです(笑)。前作『愛DA・LI・DA』から新たに一緒にやってきているのですが、この1年間、何度もお酒を酌み交わしてきて、今やものすごくいいチームになったと感じています。本来、私はかなり人見知りなんですが、“一緒に飲んだら友だち”という海賊マインドがあるので(笑)、人間関係を築くうえでお酒は最高のツールなんです。

演歌歌手としてのこだわりと歌謡曲路線への葛藤

──人見知りということは、新チーム体制の当初は戸惑いもありましたか?

そうですね。新チームに馴染めるだろうかという不安もさることながら、もともと私は演歌歌手だという意識があったので、歌謡曲色の強い『愛DA・LI・DA』をいただいた時は、私に歌えるだろうかとか、ファンのみなさんが受け入れてくださるだろうかとか、ぐるぐる悩んでしまったというのが正直なところです。

──昨年はデビュー5年目、そして30歳という節目の試練があったわけですね。

振り返ると、私には歌しか真剣になれるものがなかったですし、だからこそ歌だけは自分というものを確立したくて、言葉のニュアンスや息の吐き方、ビブラートの速度……そうした土台を師匠とともにデビュー前からしっかり作り上げてきたという思いがあったんです。だから5年目にしていきなり環境が変わったことには大きな葛藤もあって、歌に向き合えなくなった時期もありました。

──その逆境をどのように乗り越えたのでしょうか?

やっぱり“飲みニケーション”は大きかったですね。うちのチームはわりと頻繁にお酒の席で制作の話もするんですが、そういう場だと現場では言えなかった本音も出るんですよね。何よりよかったのは、お互いの思いを深く知ることができたこと。悩んでいた歌謡曲路線も、新しい門松みゆきを引き出そうと作家の先生方はじめ、ディレクターさんたちが全力で取り組んでくださっていることがわかりましたし、それに応えることで歌手としてもっと成長したいという気持ちもどんどん高まっていきました。『今もヨコハマ』には新チームで歩んできた濃密な1年が詰まっています。

究極の酒のアテはめんつゆ!?

──それにしてもお酒の話がよく出てきますが(笑)、門松さん=お酒好きというのもファンの間ではすっかりお馴染みですね。

ありがたいことにお酒をいただくことも多く、家にはワインからシャンパンからウイスキーから焼酎から日本酒から一通り揃っています(笑)。冷蔵庫を開けて「今日はこれがあるからワインにしようかな」とアテとお酒をマッチングさせるのが、1日の終わりの楽しみです。

──最速で飲みたい時には、どんなおつまみを作られますか?

最近は麻婆豆腐ですね。わりと刻みネギを常備していますので、あとは豆腐を賽の目に切って、鶏ガラと塩コショウ、豆板醤とごま油で味付けすれば10分くらいで完成します。お肉がなくてもOKですし、なんなら豆腐なしのアンの部分だけでも十分おつまみになります。ちなみに昔はよくめんつゆをちびちび舐めながら飲んだりもしていました(笑)。

──塩をアテにするというのは酒飲みあるあるですが、めんつゆですか?

なぜめんつゆにたどり着いたかといいますと、時代劇を見ると昔の人ってお蕎麦屋さんで飲んでいたみたいなんですよね。そしてお蕎麦を食べた後に残るおつゆ、あれに蕎麦湯を入れて飲むのって最高においしいじゃないですか。これだ! と思ったんです。蕎麦焼酎があれば最高ですが、贅沢は言いません。めんつゆは究極のおつまみです。お酒飲みの方にはぜひ試していただきたいです(笑)。

ピンクの部屋にぬいぐるみ。かわいいキャラ大好き!

──ライベートについてもお聞きしたいと思うのですが、ブログによると先日1人でディズニーランドに行かれたとか。

はい。今日着ているワンピース、実は柄の一部にミッキーマウスが紛れ込んでいるんですよ。写真でわかりますかね? よかったら探してみてください。ディズニーランドは昔から大好きで、高校時代は週1ペースで行っていました。あの頃は入場料も今より安かったですが、それでも必死でバイトを掛け持ちしていましたね。さらに今はランドもシーもビールが飲めるようになって最高です。パレード観覧の定番のお供はスモーキーターキーレッグとビールです。

──またまたお酒の話になりましたが(笑)、ディズニーグッズ収集も趣味だそうで、キャラクターものがお好きなんですか?

ディズニーも好きですが、最近は『パンどろぼう』という絵本のキャラクターにもハマっています。ただ、キャラクター好きを表立って言うのはちょっと恥ずかしくて。こんな海賊みたいな大酒飲みのくせに、部屋はめちゃくちゃピンクだし、ベッドにもちゃんとぬいぐるみを置いていたりするんですけどね。

──むしろギャップ萌えです!

本当ですか!? でも、今のところは自分のなかでのこっそりな楽しみにしておこうと思っています(笑)。

──いよいよリリースされる『今もヨコハマ』ですが、カップリングには2ndシングル『浜木綿しぐれ』(作詞:石原信一、作曲:藤竜之介、編曲:馬飼野俊一)、そしてちあきなおみの『かもめの街』(作詩:ちあき哲也、作曲:杉本眞人、編曲:西村真吾)のカバーが収録されます。それぞれどんな思い入れがありますか?

『浜木綿しぐれ』は王道の演歌ブルースです。この曲を発売した2020年にコロナが始まって、当時なかなかキャンペーンができなかったのですが、カラオケ好きの方の間で根強い人気のある曲のため、改めて収録させていただきました。『かもめの街』も2ndシングルのカップリングに収録したものです。ちあきなおみさんの歌のなかでもややマイナーな楽曲ではありますが、ピアノ1本で語る独特な世界をもっと多くの方に聴いていただきたいという思いがあります。自分のオリジナル曲を充実させつつ、往年の素晴らしいヒット曲をしっかり歌い継いでいくということも私たち世代の役割だと思っています。

──最後にファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

デビューから5年を超え、新人という枠には甘えられないということ、そしてまたここから新たなチャレンジをしていく段階に入ったことを肌で感じています。前作から歌謡曲路線にシフトしましたが、新しい門松みゆきをみなさんに見届けていただけたら嬉しいです。加えてやはり私は演歌でこの世界に入っていますし、演歌を歌える歌手として恥じない、しっかりした歌をお届けできるように精進していきますので、これからも応援をよろしくお願いいたします。

門松みゆき『今もヨコハマ』

門松みゆき「今もヨコハマ」COCA-18216

2024年7月24日(水)発売

価格:¥1,500(税込)
品番:COCA-18216

【収録曲】

1.今もヨコハマ(作詩:吉井省一 作曲:国安修二 編曲:矢田部正)
2.浜木綿しぐれ(作詩:石原信一 作曲:藤竜之介 編曲:馬飼野俊一 )
3.かもめの街(作詩:ちあき哲也 作曲:杉本眞人 編曲:西村真吾 )
4.今もヨコハマ (オリジナル・カラオケ)
5.浜木綿しぐれ(オリジナル・カラオケ)
6.かもめの街(オリジナル・カラオケ)
7.今もヨコハマ (2コーラスカラオケ)
8.浜木綿しぐれ(2コーラスカラオケ)

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