「うたびと」初登場の花咲ゆき美が1年半ぶりの新曲『雨の港駅』をリリース 「全国キャンペーンで皆さんと楽しく歌いたいです!」
2007年に “艶歌の妖精”のキャッチフレーズでデビューした花咲ゆき美。哀愁に満ちた歌声で悲しい恋の世界を歌い上げる花咲が、新曲『雨の港駅』でタッグを組んだのは『てっぺん』『人生の挽歌』で注目のシンガーソングライター・HANZO(ハンゾー)。曲とは違って明るくホンワカした雰囲気の彼女に、デビューから現在までの軌跡と新曲にかける思い、最近ハマっていることなどを聞いた。
━━新曲『雨の港駅』聞かせていただきました。花咲さんの持ち味の細かいビブラートが、曲の世界観をドラマチックに盛り上げていますね。
ありがとうございます! レコーディングではいろいろな歌い方で10回以上歌って、最終的にCDに収録した歌唱に落ち着きました。実は今回、レコーディング現場で歌詞もメロディも変わるという初めての経験をしました。
━━歌詞が変わることがあるとは聞きますが、メロディが変わるというのは初めて聞きました。
私も初めてでした! 実際に私が歌ってみて、それを聞いたHANZOさんが「こうした方がもっと良くなる」とひらめき、歌詞とメロディの一部を変えることになりました。歌詞は冒頭のフレーズが変わり、メロディは前半の4行分を変えたのですが、譜面を書き換える時間もなかったので、HANZOさんが歌うのを聞いてその場で覚えて歌いました。変な汗をかきながら、無我夢中で頑張りました(笑)。
━━今回は6月のリリースですが、今まで花咲さんは冬のリリースが多かったとお聞きしました。
私は失恋の曲が多く、発売時期も冬が多かったのですが、今回は母の介護など身辺の変化がありまして、1年半ぶりのリリースとなりました。今、全国をキャンペーンで回っていますが、ファンの方から「歌いやすい曲だね」という感想をいただきます。
━━レコーディング当日も曲を磨き続けた甲斐があって、ファンの心にダイレクトに届く歌になったのかもしれませんね。カラオケで歌う時のアドバイスを教えてください。
切ない曲なのですが、最初から感情を込めると重くなってしまうので、出だしのAメロは言葉をはっきりと明るく、情景を頭に描いて歌ってください。Bメロは少し切なげに低音を響かせて、サビは強弱をつけながらもふんわりと優しく包み込むような感じで、ラストは感情全開で思いっきり切なく歌ってください。「行かないで、あなた!」と泣き叫ぶようにお願いします(笑)。
━━ドラマチックなカラオケ指導ですね。1番、2番、3番とも歌詞が「港駅」という言葉で終わりますが、最後の音をどれだけ伸ばすかにコツがあるとお聞きしました。
1番と2番は4拍から5拍伸ばしていただき、3番は頑張って10拍ほど伸ばしてください。10拍伸ばし終わるとアウトロが始まって、きれいに曲を終えることができます。歌っていているご本人も気持ちがいいと思いますよ。
━━カップリング曲『お店噺し』は打って変わってノリの良い酒場ソングです。こちらもHANZOさんの曲ですね。
この曲はHANZOさんの歌でデモテープをいただいて覚えました。レコーディングでは感情を込めたり、クールだったりといろいろな歌い方を試してみて、最終的にHANZOさん風にカッコよく歌ったテイクが採用になりました。コンサートやキャンペーンで、ファンの方によく「ゆき美―!」と掛け声をかけていただきますが、HANZOさんが掛け声をかけやすい曲に仕立ててくださいました。
━━花咲さんのコンサートは掛け声が飛び交って楽しそうです。ところで、「うたびと」初登場ということで、デビューから今までの話をお聞かせください。
私は青森県の野辺地(のへじ)という下北半島の付け根に生まれて、赤ちゃんの頃に東京の武蔵村山に引っ越しました。野辺地にいとこがたくさんいたので、当時は上野駅から電車で10時間くらいかかったのですが、子どもの頃から1人で遊びに行っていました。初めて人前で歌ったのも「のへじサマーカーニバル」という現地のカラオケ大会で、そこで初めて優勝しました。
━━演歌を好きになったきっかけは?
母がカラオケのお店を経営していて、当時はよく、歌手の方がキャンペーンで、夜に来店してくださいました。きれいな女性が美しい着物姿で歌って、お客様に喜んでいただける……そんな世界に憧れました。私はピアノを習っていて譜面が読めたので、母に譜面とカセットテープを買ってもらって、ピアノを弾きながら歌っていました。小6の時にレコード会社の方がキャンペーンでお店にいらっしゃったので、私の歌を聞いてもらいました。
━━その時は何を歌ったのですか?
中山美穂さんの『世界中の誰よりきっと』です。その時にスタッフの方から「声が演歌に向いている」と言われて、その気になりました(笑)。そして父母から、コブシが回せるように民謡を習った方がいいと勧められ、中学時代は民謡を習っていました。
━━『ルックルックこんにちは』女ののど自慢大会・女子高生大会で受賞されたり、千葉テレビの『カラオケトライアル』で10週勝ち抜かれたりと、ぐんぐん頭角を表します。日本クラウンのオーディションを受け、『哀愁本線』でデビューして17年、長かったですか? 短かったですか?
この17年はあっという間でしたが、デビュー前、師匠の新井利昌先生のところに通い始めた最初の2年間が、今までで一番長かったですね。それまで民謡を習っていた私は、蝋燭の炎が消えないように歌っていましたが、歌謡曲は逆で、息を混ぜて発声しないと歌えないと指導されました。なかなか民謡の発声が抜けなくて、先生に褒められたことは一度もなかったです。
━━怖い先生でしたか?
はい、とても厳しかったです。でも、レッスンが終わるといつも喫茶店に連れて行ってくれて、その時は優しかったです。5年間通って歌謡曲の発声ができるようになり、今ではいろいろなジャンルの曲が歌えるので、とても感謝しています。これは今だから言えるのですが、レッスンは発声練習が多く、歌を歌うことは基本的に禁止でした。でも、母のお店に馴染みのお客様がいて、一度だけその方に乞われて門倉有希さんの『ノラ』を歌ってしまいました。先生は私の声を聞いてすぐにわかって、とても叱られました。それから発声を元に戻すまでしばらくかかりました。
━━そんな厳しい修行時代を経て、デビュー2年目に故郷の武蔵村山で凱旋コンサートを開きました。
小中高の恩師や友達から近所のおじさん、おばさんまで来てくれて、とても嬉しかったです。でも、早着替えの時にドレスのチャックが生地に噛んでしまい、チャックが上がらないまま舞台へ。客席に背中が見えないように、カニ歩きで映画『タイタニック』の主題歌『My Heart Will Go On』を歌いました(笑)。
━━忘れられない思い出ですね(笑)。あと数年で20周年を迎えますが、どんなことをやりたいですか?
20周年は歌手の成人式なので、しっかりしたコンサートをやりたいですね。今度また早着替えをするなら、チャックにはとことん気をつけるようにします(笑)。あと、話す声と歌声が違うとよく言われるので、話し声にも特徴があるのかなと思います。ぜひナレーションや声優のお仕事もやってみたいですね。それから、台湾、韓国、ブラジルなど、外国に行って私の歌を聞いてもらいたいという夢もあります。外国の方が私の歌を聞いて、どんな反応をしてくれるか興味があります。
━━プライベートなこともお聞きします。ブログによく登場するチワワのクムクムさんは、良き相棒という感じですね。
5歳の男の子ですが暴れん坊で……カメラ嫌いで目線をくれないので、YouTube「花咲ゆき美ちゃんねる」ではいつも大変です。クムクムという名前の由来は、デビュー当時に飼っていたメスのチワワ「くぅ」からきているのですが、ファンの方から「韓国時代劇とか好きな俳優さんの名前からとったのですか?」と聞かれたりして、ファンとの交流にも一役かっています。
━━多趣味だと伺いましたが、最近ハマっていることは?
今回のキャンペーンが始まってからは行けていないのですが、17歳上の兄から小5の時に習ったボーリングです。マイシューズやマイボールも兄が買ってくれて、当時は140以上と、子どもとしてはハイスコアでした。昨年、ファンの皆さんとのイベントでボーリングをすることになって、久しぶりにボーリング場に行ったら体が重い!(笑)。でも、休日に練習に行くようにしたら、体が覚えていたのでしょうか、160以上のスコアが出るようになりました。
━━すごいです!
肝心のイベントの日のスコアは、120と少ししか出せなかったのですが……また練習してハイスコアを狙いたいですね。ボーリングのファンイベントも、自分を含めもっと皆さんに楽しんでいただけるように知恵を絞っています。
━━最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
現在、『雨の港駅』の全国キャンペーン中なのですが、今回は今まで行けていなかった地方にも足を伸ばして、もっとたくさんの方に花咲ゆき美の歌を聞いていただけたらと思っています。デビューして数年たった頃、祖母が通っていたデイサービスで歌ったら、お年寄りの方たちが泣いて喜んでくれて、私もとても感動しました。今回もレコード店はもちろん、カラオケ喫茶から高齢者向け施設まで、いろいろな場所で歌わせていただければと思います。お越しになった皆さんが楽しめるように、スタッフ一同いろいろな工夫をしていますので、花咲がお近くに伺った際は、ぜひ歌を聞きに来てください!
花咲ゆき美『雨の港駅』ミュージックビデオ
花咲ゆき美『雨の港駅』
発売中
品番:CRCN-8666
価格:¥1,500(税¥1,364)
【収録曲】
1.雨の港駅(作詩:菅 麻貴子/作曲:HANZO/編曲:伊戸 のりお)
2.お店噺し (作詩:菅 麻貴子/作曲:HANZO/編曲:伊戸 のりお )
3.雨の港駅〔オリジナル・カラオケ〕
4.お店噺し〔オリジナル・カラオケ〕
5.雨の港駅〔一般用カラオケ(1 音下げ)〕
6.お店噺し〔一般用カラオケ(1 音下げ)〕