氷川きよし デビュー記念日に思い出の地でコンサート「ゼロからのスタートで新しい世界を広げたい」

2020.2.3

20回目のデビュー記念日となった2月2日、氷川きよしが思い出の地・中野サンプラザで『氷川きよしコンサートツアー2020~それぞれの花のように~』を開催した。中野サンプラザは2001年、氷川が初の単独ステージ“チャレンジステージ”を行った場所。公演は1、2日の2日間にわたり計4回行われ、毎公演満席の2200人を動員。この日も、満席の客席は色とりどりのペンライトやグッズを持った多くのファンで埋め尽くされ、開幕を待ちわびるファンたちの熱気に包まれた。

コンサートは、ツアータイトルでもある『それぞれの花のように』の冒頭の「桜は桜、梅は梅、桃は桃、そしてすももはすもも。自分にしか咲かせることができない花を咲かせて。私らしく、そして、あなたらしく」という氷川のメッセージからスタート。バタフライをイメージした鮮やかな青の衣装で登場した氷川は、『それぞれの花のように』に続き、『天地人』を情感たっぷり歌い上げ、観客を一気に新生・氷川きよしの世界へ引き込んだ。

 

次いで、桜の模様があしらわれた白と黒の着流しに着替えて『最上の船頭』を歌唱。3曲メドレーに酔いしれた観客からの大きな拍手を浴びた後、「氷川きよしが誕生した2月2日のデビュー記念日に、皆さまようこそお越しくださいました。皆さまに支えられて今日の日を迎えられました。ただただ感謝の気持ちでいっぱいです」と挨拶した。
さらに、「これからもしっかり自分を持って、21年目はゼロからのスタートですから、新しい氷川きよしの世界を広げていきたい」と抱負を語ると、会場からは、氷川の新しいニックネーム『キー』の声援が。手を振って観客に応えた氷川は、「おひとりおひとりに届くように魂込めて歌わせていただきます」と瞳を輝かせ、喜びに満ちた笑顔で語った。

 

続けて、15周年記念曲第2弾の『ちょいときまぐれ渡り鳥』、20周年記念曲の『越後の雪次郎』、ミリオンヒットとなった『大井追っかけ音次郎』、同じくミリオンヒットとなったデビュー曲の『箱根八里の半次郎』をメドレーで熱唱。氷川のこだわりでもある股旅演歌で観客を魅了した後は、一転、母への深い愛情を歌った新曲『母』を、この楽曲のために新調したマザーブルーの衣装でしっとりと歌い上げた。

直後、ステージには、20周年を記念するお祝いのケーキが登場。バラがデコレーションされたケーキに「え~、かわいい~」と氷川が声をあげると、会場からも「おめでとう!」の声が沸き起こり、氷川は「ありがとうございます。みなさんのおかげでございます。20年間歌い続けてきて良かった」と大感激。そんな中、20年間、氷川の専属MCを務める西寄ひがしからケーキの真ん中にまんじゅうが2つのっていることを告げられると「なんで?」と氷川は疑問顔。「まんじゅうが2個、今日は満20、まんにじゅうねん、まんじゅうに…」の説明に、「あ!それで!」と顔をほころばせ、観客を笑いに包み込んだ

新曲『母』について、「新生・氷川きよしとして、21年目をゼロから、母から生まれたときのような真っ白な思いで歌っていきたいなと思って、新曲『母』をつくっていただきました。なかにし礼先生が3年かけてこの詞を書いてくださいました。一生、大切に歌っていきたい曲です」とコメント。西寄との息の合ったトークでは、氷川とそっくりな実母が10年前に大病し、命の危険にあったことや、そんな実母に『母』を聞かせたところ、「よか歌ね」と意外とあっさりした反応で、むしろ親戚のおばさんがワンワン泣いてしまったというエピソードを披露した。

その後、『母』のカップリング曲の『いつか会えますように』『おもいで酒場』を歌唱。「平和で、差別なく、みんながハッピーで、そういう地球にしたい」という願いとともに、「日本が盛り上がれば」という思いを込めた、もう一つのカップリング曲『東京ヨイトコ音頭2020』で会場を沸かせると、そのまま続けて、『きよしの令和音頭』『きよしのズンドコ節』を熱唱。カラフルにライトアップされたステージと氷川の歌声に高揚した観客の手拍子が会場に響き渡った。

 

後半は、紋付き袴姿で登場し、『一剣』『浪曲一代』『白雲の城』という代表作をメドレーで披露。観客は伸びやかな歌声に酔いしれた。

 


場内のライトが一瞬消され、再び照らされたそこには、昨年末の「紅白歌合戦」で大きな話題を呼んだラメ入りの黒い衣装に着替えた氷川が颯爽と登場。ロック曲『確信』を歌い、会場を盛り上げると、続けて、ステージを駆け、『限界突破×サバイバー』を熱唱。客席では、ペンライトが盛大に振られ、大きな歓声が飛んだ。

 


次に、星があしらわれた白と黒の衣装に着替えた氷川は、昨年12月の『氷川きよしスペシャルコンサート2019 きよしこの夜Vol.19』で披露し、人気となった『ボヘミアン・ラプソディー』を熱唱。圧巻の歌唱力に、ロックの興奮から一転、会場は静まり返り、歌唱後には「ブラボー!」の声が飛んだ。それを受け、氷川は、「自分の魂に浸みる名曲を、日本語で、日本の方にお届けしたいと思った。これからも人間にとって大切なことを歌で伝えていきたい」とコメント。さらに『ボヘミアン・ラプソディー』を日本語で歌うことについては、MCの西寄とのこんなトークでも会場を沸かせた。
氷川「僕、ハーフなんですけどね」
西寄「ヨーロッパとかアメリカとかですか?」
氷川「うううん、佐賀と福岡!」

 

さらに、「(名曲の)継承も大事だけど、オリジナルもたくさん歌っていきたい」と語った後は、バラードの『恋初めし』と、GReeeeNとのコラボレーションで、「ストレートに20周年の思いを伝えられる」と氷川が語る『碧し』のポップス2曲を披露。


2時間を越すコンサートの締めくくり、アンコールでは、ゴールドのゴージャスな衣装に身を包み、故・美空ひばりのカバー曲『歌は我が命』を熱唱。「今日から21年目。1日1日を大切に、感謝して、毎日、楽しく、自分らしく、歌っていきたい。世の中に必要なのは、“愛”と“歌”と“平和”。その思いをすべて、歌に込めて、氷川きよしは歌い続けていきたいと思います」と決意を表明した。そして、最後は、昨年のロングヒット曲『大丈夫』を観客と共に熱唱。別れを惜しむ観客に「からだにお気をつけて、いついつまでもお元気で!」「とにかく、お体を大切にお元気で!」と笑顔で手を振り続け、2時間半、23曲を披露したコンサートは幕を閉じた。


『氷川きよしコンサートツター2020~それぞれの花のように~』中野サンプラザ公演セットリスト
01 それぞれの花のように
02 天地人
03 最上の船頭
04 ちょいときまぐれ渡り鳥
05 越後の雪次郎
06 大井追っかけ音次郎
07 箱根八里の半次郎
08 母
09 いつか会えますように
10 おもいで酒場
11 東京ヨイトコ音頭2020
12 きよしの令和音頭
13 きよしのズンドコ節
14 一剣
15 浪曲一代
16 白雲の城
17 確信
18 限界突破×サバイバー
19 ボヘミアン・ラプソディ
20 恋初めし
21 碧し
22 歌は我が命
23 大丈夫

関連キーワード