木村徹二の新曲『風神雷神』は、兄・竜蔵作詞・作曲による男らしい王道演歌。「兄からの『お前はこういう方向に進めよ』というメッセージを強く感じました」
デビューから4年、4作目となる2026年の勝負曲『風神雷神』(作詩・作曲:木村竜蔵、編曲:遠山敦)が、オリコンウィークリー演歌・歌謡チャート1位、週間USEN HIT演歌/歌謡曲ランキング1位獲得と快進撃を続けている木村徹二。本作に賭ける意気込みから、父・鳥羽一郎、叔父・山川豊、兄・木村竜蔵が勢ぞろいする「木村家ファミリーコンサート」や1月よりチャンネル銀河で放送がスタートした新番組「木村ファミリーみだれ旅~予定調和はキライです~」の裏話、さらに4月に開催される「木村竜蔵 木村徹二が歌う 坂東玉三郎の世界」での新たな挑戦までを聞いた。
男らしさをいかに表現できるかを考え抜いた
――新曲の『風神雷神』は、“風神”と“雷神”をモチーフに、新時代を切り拓く男の意気込みを歌ったエネルギッシュで骨太な演歌ですが、最初に聴いた時の感想はいかがでしたか?
デビュー1作目の『二代目』は王道演歌、2作目の『みだれ咲き』はポップス寄りの演歌、そして3作目の『雪唄』はさらにポップス要素を増やし、ポップスを演歌寄りにギリギリまで攻めた楽曲でした。異なる3タイプをリリースしてきて、この先、どの方向性で行くべきかを考えていった結果、兄が作り上げたのが、力強さを全面に押し出した男らしい王道演歌の『風神雷神』でした。最初に聴いた時は、兄からの「お前はこういう方向に進めよ」というメッセージを強く感じました。
――本作リリース前の取材で、竜蔵さんが「(徹二の)男っぽさは他にはないタイプ。ボクサーパンツより、ふんどしが似合う。そんな楽曲です」と答えていたのが印象的でした。徹二さんの考える男らしさとは?
僕の中での男らしい演歌っていうとやっぱり親父、鳥羽さんなんです。今回、その男らしさを表現しようと思って本当に衝撃を受けました。というのも、小さい頃から親父の歌を聴いていて、「男らしい曲ってカッコいいよな」と思ってきたし、その魅力も十分理解していたつもりだったんです。でも自分で歌うとなると、どうやっても親父のような男らしさは出せない。どうしてなのかといろいろと考えましたが、やっぱり歌には歩んできた生き様など歌い手が持つさまざまな側面が表れることを痛感しました。
――偉大なお父様がいる分、プレッシャーもあったのでは?
それはあまり感じませんでした。そもそも鳥羽さんにも叔父の山川(豊)さんにも勝てると思っていないので、勝負しようという気もないですし(笑)。時代も違えば、世間が持っている演歌のイメージも、今と親父の時代とではまったく別ですしね。兄と僕は過去にとらわれずに、今の時代にない演歌を作って歌おうとしているので、従来の演歌からするとある意味、非常識で的外れでもいいのかなと思っているんです。だから歌のうまさや技術的なことよりは、マインドのほうが大事だと思っていて、今回は自分の中の男らしさをいかに表現できるかを考えてレコーディングに臨みました。
――実際のレコーディングはいかがでしたか?
少しでも親父が歌っているような男らしさに近づけたいと思って、今回はレコーディング機材での修正はせずに、録音したものをそのままの状態で出してほしいとお願いしました。例えば、今はピッチ(一つの音の高さ)調整やリズムでの0.01秒のわずかなズレの調整など、細かい修正は簡単にできます。でも、親父の時代はそんなことはできませんでしたから、一発勝負とまではいかなくても、2回か3回歌ったものがそのまま音源になっていた。やっぱりその覚悟や気持ちって絶対歌に出るだろうと思ったんです。
――男らしさを表現するためにいろいろ考えられたんですね。
男らしさをきっかけに、親父の歌がなぜこんなに耳心地が良くて、聴いていて違和感がないのかについても、その理由をとことん考えました。一番厄介なのが、本人は何の自覚もなくそれをやっているので、口で説明できないことなんです。ということは言語化できない何かがあるのだろうということで、僕も頭で考えないように歌おうと思ってはみたものの、「いや、やっぱり理由が知りたい!」「でも、やっぱり何も考えないほうがいいのか?」の繰り返しになってしまって(苦笑)。でも、それがゲームみたいな感じで楽しいんです。
――タイプAのカップリング曲『太陽』(作詩・作曲:木村竜蔵 編曲:遠山敦)は、大切なものを守るため苦闘する男の想いを描いた、ファンには胸キュンのポップス寄りの楽曲になっています。
実はこちらを表題曲にする案もあったんです。『太陽』はまさに等身大の今の自分が歌える曲。兄も「お客様に喜んでいただける楽曲を」と書いた作品でしたから。実際、お客様からはとてもよい反応をいただいていています。でも、先ほどもお話した通り、これからの木村徹二の歌の方向性を決めるにあたり、僕らはもっと先に行かなくてはいけないと考えた時に、リアルな今を歌うよりも未来を見据えた、突き進んでいく歌のほうがいいと思ったんです。カップリングにするのはもったいない曲ですが、15年、20年と長く大切に歌い続けていく楽曲になると思います。
―― 一方、タイプBのカップリング曲『赤提灯』(作詩・作曲:木村竜蔵 編曲:遠山敦)は、港の居酒屋のひと時を描いた昭和演歌の香り漂う楽曲ですね。
そうですね。この『赤提灯』をきっかけに、より多くの若い世代の人たちにも「演歌っていいな」と思ってもらえたらうれしいですね。
坂東玉三郎さんやファミリーとのステージには学びがいっぱい
――4月2日・3日には『木村竜蔵 木村徹二が歌う 坂東玉三郎の世界』が東京・新橋演舞場で開催されます。人間国宝の坂東玉三郎さんが構成、演出、MCを担当し、古き良き時代のアメリカンスタンダートやカンツォーネ、J-POPなど幅広い音楽を披露されるそうですね。
訳詞をメロディーに当てるのって意外と大変で、試行錯誤しながら歌を覚えています。僕ら演歌の人間って、歌い方は自分で決めるものなので、楽譜ってそんなにきちんと見ないんです。でも、今回、玉三郎さんがチョイスされた楽曲は、楽譜にピッタリ合っていることが美学という時代の作品だったりするので、楽譜に忠実に歌いながらもオリジナリティーをいかに出せるかを考えなければいけません。今まで求められてきたことではないので、ちょっと苦労していますが、玉三郎さんは表現に関するこだわりや深さが尋常ではないので、ご一緒している時間すべてが深い学びになっていると感じています。
――そもそも玉三郎さんとご一緒することになったきっかけは何だったのですか?
玉三郎さんがテレビで「木村家ファミリーコンサート」をご覧くださったことでした。「ファミリーコンサート」では歌う曲も振り分けも構成もまったく決めずにやっていて、なんとなく4人で並んでステージに立って、誰かが歌いそうだなと思ったら他の人は引くし、誰も歌わなさそうだなと思ったら自分が歌うという感じなんですけど、そのファミリーの空気感がすごく良かったとおっしゃってくださって。それをご縁に、僕らから何かご一緒させていただけないかとお話させていただき、演歌ではないジャンルで、玉三郎さんの好きな時代の好きな楽曲でのコンサートにチャレンジすることになりました。
――その「ファミリーコンサート」は、昨年初めて開催されましたが、毎回チケットが完売になる人気ぶりですね。
僕は生まれてからこれまで、親父が忙しかっただけに、2人で密に会話をしたり、一緒に遊びに行ったりした記憶がほとんどないんです。それが今はできているし、僕がデビューしなければ、一緒にコンサートをすることもなかったわけですから、それが一番「デビューして良かったな」と思うことかもしれません。それは叔父さんも同じで。たぶん皆さんも自分の叔父さんと会う回数って限られていますよね。僕がデビューしたことによって、叔父さんとも一緒に仕事してお会いできる。ファミリーの時間が増えて、歌の道に進んで良かったと思います。
――ファミリーではあるけれど、ステージ上ではプロ同士。歌う時はどのような心境なのですか?
ステージに立てば、親子、叔父・甥という関係よりはそれぞれが1人のシンガー。ファミリー感を出しつつも、プロの歌い手として横に並ばなければいけません。当然、お客様に対して、僕は親父のパフォーマンスと同じクオリティーのものをお見せしなければならない。そこにプレッシャーはありませんが、責任感は感じます。横で聴いていても親父はバケモンみたいに歌がうまいですから。僕は必死にそこに食らいついていけるようにやる責任があると思って、毎回ステージに立っています。

考えることが多すぎてリラックスできない!?
―― 一方、チャンネル銀河で1月からスタートした『木村ファミリーみだれ旅~予定調和はキライです~』は、ファミリー4人の素顔が見られる家族水入らずの旅番組ですね。
ファンの皆さんから「大変ですね」というお言葉をよくいただきますが……いやー、もう、本当に大変です(笑)。僕は常に周囲を見ながら、どのように振舞えばいいかといったことを考えてしまうタイプですが、僕以外の3人は本当に自由気まま。今回の第1弾では、富士山パノラマロープウェイに乗車して、絶景の映え写真を撮影すれば番組として成立するだろうと思っていたらまさかの休止。じゃあ次の目的地はどうする? となった時も、兄貴は運転しているし、親父は寝ているし、山川さんはなんか自由にしているし。僕1人がスマホで必死に検索しながら、次に何をすれば番組が成立するかと焦っていて……。最終的には、千昌夫さんから突然電話がかかってきたり、休業日だったはずの綾小路きみまろさんのお店がなぜか開いていたりと、さすが“持っているファミリー”だとは僕自身も感じましたけど(笑)。
――4人それぞれの性格が表れているところが面白いですし、まさにサブタイトルどおり、「予定調和ではない」ところが楽しいです。
僕自身は、鳥羽さんのあまり“作っていない”感じが伝わるところが良かったなと思っています。テレビ番組だと思うと、喋り方も行動も無理に誇張してしまいがちですが、親父の場合、当たり前のように言い出すワガママも自然体なんです。でもそれって人として純粋でないと、できないことだと思うんですよね。その純粋さがご覧になった皆さんにも伝わったのではないかと。僕は真逆も真逆なんですけどね(笑)。
――今後番組で行ってみたい場所はありますか?
間違いなく親父は故郷の伊勢志摩と言うでしょうが、絶対ダメです。だってこれまでいっぱい行っているし、親戚がやっている馴染みの店に行ってエビフライを食べるに決まっています。思い出の旅をする番組ではないんですから(笑)。その点、似合いそうなのは日本海に面した町でしょうか。親父の歌にもいっぱい出てきますので、そういう漁港に行って、気づいてもらえたら1ポイントとか、ご自宅に招いてもらって、歌ったらごちそうしてもらえるとか、いろいろアイデアは浮かんできます。
――お話をうかがっていると、考えることがお好きで、周りへの気遣いもされていて、気が休まる暇がないと思うのですが、リラックス法は?
実は何もないんです。食べ歩きが好きだったんですけど、太りやすい体質なので今はそれもしていなくて、温泉行きたいなとか沖縄行きたいなと思っても、忙しさにかまけて面倒になってしまって。演歌歌手って覚える仕事なんです。毎月、新しい歌を歌う機会があるので、歌詞を覚えて、どのように歌うか表現方法も考えなければならない。そうすると、温泉に入っていても、マッサージに行っても、そのことばかりに気がいってしまって、ちっとも気持ちよくないし休まらないんです(笑)。旅に出たとしても、僕のXを楽しみにご覧になる方々も大勢いらっしゃるので、写真を撮って、文章を考えて……結局全部仕事につながって、完全なオフタイムとはなりませんね。だからといってXはやめたくないし、文章にもこだわりたい。結局、僕は考えていることが好きなんだと思います。

演歌界の堅苦しいイメージを少しでも打破したい
――デビューから4年、着実に実績を重ね、活動の幅も広げられていますが、今のお気持ちは?
20歳くらいからぼんやりと「音楽をやりたいな」という思いを抱えていて、24歳で兄貴と竜徹日記を始めて、でも全然売れなくて。やりたくてもできなかった時間が長かっただけに、今、どんなに忙しくても楽しいと思えるし、これが長く続けばいいなという思いが大きいですね。
――今年の抱負を教えてください。
男らしい歌というのは、ただ力強く歌えば味が出るわけではなく、間違いなく生き方が歌に出るということを今回『風神雷神』を通して実感しました。いかにそういう経験を積んでいけるかを大切にしていきたいです。僕には幼少期に歌の大会で優勝したような実績や、師匠について習ってきたという経験がないので、拠り所がないことに「甘んじられない」と思っているんです。他の演歌歌手の方々はいつも安定して歌えるのが当たり前だと思うのですが、僕は現場ごとに「声が出るかな」といった不安を抱えつつ、全力投球する必要がある。だからこそ生まれる魅力もあると思うし、その全力投球が僕の強みだと思っています。この「甘んじられない」という気持ちをなくさずにこれからも進んでいきたいと思います。
――最後にファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
ふざけたことばかりをやっていたりしますが、そこが一番のウリですし、演歌界の堅苦しいイメージを少しでも打破できるよう、今後もおかしなことをやり続けます。ぜひ振り落とされないようにしながら、見続けていただければうれしいです。

木村徹二『風神雷神』ミュージックビデオ
木村徹二『風神雷神』
発売中
価格:各¥1,500(税込)

タイプA
品番:CRCN-8823
【収録曲】
1.風神雷神(作詞・作曲:木村竜蔵/編曲:遠山敦)
2.太陽(作詞・作曲:木村竜蔵/編曲:遠山敦)
3.風神雷神 (オリジナル・カラオケ)
4.太陽 (オリジナル・カラオケ)

タイプB
品番:CRCN-8824
【収録曲】
1.風神雷神(作詞・作曲:木村竜蔵/編曲:遠山敦)
2.赤提灯(作詞・作曲:木村竜蔵/編曲:遠山敦)
3.風神雷神 (オリジナル・カラオケ)
4.赤提灯 (オリジナル・カラオケ)
木村徹二『LIVEⅢ~アイアンファミリー集結!キミとアナタとそして俺』

発売中
品番:CRBN-147
価格:¥5,800 (税込)
【収録曲】
1.雪唄
2.つむじ風
3.湯の街
4.みだれ咲き
5.兄弟船
6.アメリカ橋
7.愛待草より
8.海よ海よ
9.誰かのヒーロー(竜徹日記)
10.めぐりあい(木村竜蔵)
11.紅い花
12.長い夜
13.青春の影
14.北の宿から
15.石狩挽歌
16.ラヴ・イズ・オーバー
17.二代目
18.男の拳
19.湯呑み酒
20.夢の花道
21.雪唄(ピアノバラードバージョン)
22.山河
https://www.myricamusic.com/maison-2nd/
<あわせて読みたい>
鳥羽一郎・山川豊・木村竜蔵・木村徹二出演のCSチャンネル銀河『木村ファミリーみだれ旅~予定調和はキライです~』 3月7日(土)放送回の収録の模様を密着レポート!
鳥羽一郎・山川豊・木村竜蔵・木村徹二出演のCSチャンネル銀河『木村ファミリーみだれ旅~予定調和はキライです~』 2月21日(土)放送回の収録の模様を密着レポート!
鳥羽一郎・山川豊・木村竜蔵・木村徹二出演のCSチャンネル銀河『木村ファミリーみだれ旅~予定調和はキライです~』 2月7日(土)放送回の収録の模様を密着レポート!
鳥羽一郎・山川豊・木村竜蔵・木村徹二出演のCSチャンネル銀河『木村ファミリーみだれ旅~予定調和はキライです~』 1月24日(土)放送回の収録の模様を密着レポート!
鳥羽一郎・山川豊・木村竜蔵・木村徹二、都内で「木村家ファミリーコンサート」開催! ファミリー企画の新曲『あぁひとり旅』披露、「ステージではライバル。若い人たちに負けられない」
木村徹二、都内でワンマンコンサート追加公演を開催! 新曲『風神雷神』コンサート初披露&兄・竜蔵も雷神風衣装で出演「男らしく進んでいく姿を見届けてほしい」
木村徹二、アニメーションと実写を融合した新曲『風神雷神』MV公開! 兄でプロデューサーの木村竜蔵からコメント到着
“最強演歌ファミリー”鳥羽一郎・山川豊・木村徹二、『あぁひとり旅』MV公開! 本人たちのコメント到着
鳥羽一郎・山川豊・木村竜蔵・木村徹二出演! 演歌界最強ファミリーによる新オリジナル番組『木村ファミリーみだれ旅~予定調和はキライです~』2026年1月よりCSチャンネル銀河で全4回放送


