今や韓国トロット界のレジェンドとして活躍中のキム・ヨンジャが、 演歌の最新シングル『女の荒波』を発売中! 「韓国での活動を通じて成長した姿を日本の方々にも見ていただきたい!」

2026.6.23

これまで3回NHK紅白歌合戦へ出場し、日本でも数多くの演歌ファンに支持されるキム・ヨンジャ。2009年に韓国での活動を本格的に再開し、今では韓国トロット界の大スターとしても活躍中の彼女が、演歌の最新シングル『女の荒波』への思いや日韓のファンの違い、日韓で共通する歌手としての心構えなどを赤裸々に語ってくれた。


――発売中の『女の荒波』ですが、リリース直後と今とで歌っていて変わってきた部分はありますか。

いつも新曲をいただく時は、最初はオロオロするのですが、歌い続けていくことで次第に落ち着いてくるんです。最近はもう、本当にリラックスして『女の荒波』を歌っています。

――ファンの反応で変化した部分はありますか。

私は日本にあまりいないのでわからなかったのですが、ディレクターからカラオケでファンの皆さんがたくさん歌ってくださっているという話を聞いています。それはすごくうれしいですね。

――現在は韓国にお住まいのキム・ヨンジャさんですが、どういったペースで日本での活動をしているのですか。

だいたい数カ月に一度くらいのペースだと思います。今回は10日ほどの滞在ですが、短ければ2泊3日ということもありますね。月に何回も来るということは少ないです。

――日本のファンと韓国のファンでは、何か違うと感じる部分はありますか。

日本のファンの皆さんは、歌をしっかり聞いて拍手をしてくださいます。でも韓国のファンは参加型で、歌っている最中もノリノリなんです。そこは違いだなと以前は思っていたのですが、先日イベントで歌わせていただいた時は、日本のお客様がすごくノリノリだったんです。私はコロナ禍以降は日本でコンサートをしていないのですが、日本の方々も少し変わってきているのかなと思いました。

――今後、日本でコンサートを開く予定はありますか。

実は来年になるのですが、久しぶりにコンサートをやりたいと思って準備を始めています。コンサートやディナーショーなど、ファンの方々に直接歌を届ける機会を作りたいと思っていますので、期待して待っていてほしいですね。

――日本のファンには朗報ですね。

コロナ禍からもう7年ほど経ちました。その間は歌をお届けするのはテレビ番組などを通してばかりだったので、久しぶりに直接私の歌を聴いていただく機会を私自身も楽しみにしています。新型コロナウイルスの流行が始まってから3年くらいは、日本に来たくてもなかなか入国できませんでした。このまま一生日本に行けないかもしれないと思って、当時は本当に怖かったのを覚えています。だから入国できるようになった時は本当にうれしくて、すぐに来日したのを覚えています。

――首を長くしてステージを待っていた日本のファンも多いでしょうね。

私も早くファンの皆さんにお会いしたい。韓国での活動を通じて少しは成長した姿を見ていただきたいと思っています。歌手は“気持ち”が大事だと私は思っているんです。気持ちを抑えてしまうと歌も小さくなってしまいますが、皆さんの応援を実感すると、思った以上の力を発揮することができる。私は2009年に韓国での活動を本格的に再開しましたが、たくさんの応援のおかげでヒット曲にも恵まれ、大きな自信になりました。そうした自信を得て成長した自分を、早く日本の皆さんに見ていただきたいと思っています。

――そうした点も、日本のファンには楽しみですね。

コロナ禍の後に最初に日本に来た時は、しばらく日本語を使っていなかったので、話したり歌ったりすることに少し緊張していました。でもそのおかげで吹っ切れた部分もあったんです。

以前は、日本で仕事をする時は日本語を間違ってはいけないという思いが強くて、プレッシャーを感じている部分もありました。でも韓国を中心に活動する中で、気持ちがオープンになっていったように思います。そのおかげで今は、「私は外国人だし、失礼でなければ間違いがあっても仕方がない」と思えるようになりました。

だから今は、自然体でやっています。こういうのを、一皮むけたと言うんでしょうか。
とは言っても、今でも日本で歌う時は緊張しますけどね。間違わないように、忘れないようにって。

――日本のファンは、もし言葉を間違ったとしても気にしないと思いますが。

ダメです。私自身が許せない。私は韓国でも間違った時は、「情けない、何をやっているんだ」と、すごく反省しています。やっぱりプロですから、そういうのは絶対に許せません。もちろん人間だから失敗はありますが、できる限り失敗しないように気をつけています。

そういうところは、昔から変わっていないかもしれませんね。一つひとつの音を大事にして正確に歌うのは、歌手として当たり前のことだと思うんです。坂本冬美さんや瀬川瑛子さん、島津亜矢ちゃんの隣の楽屋だと、いつもすごくにぎやかですよ。本番前はみんな練習しています。彼女たちは白鳥と一緒で一見優雅ですが、見えない水の中では懸命に努力をしているんです。私も、少しでも近づけるように頑張りたいと思っています。

――韓国ではトロットの第一人者として活躍されていますが、演歌とトロットではどんな違いがありますか。

演歌は、やさしく穏やかな川の流れのように歌うのが私のイメージです。それに対してトロットは強弱が激しく、大きな岩のある流れの速い川のような感じで、エネルギッシュな歌が多いような気がします。私自身がそういう歌い方ですし、若い歌手の皆さんもそうだと思いますね。今はふたつの放送局でトロットのオーディション番組をやっていて、年間で7人ずつ合格者が出ます。1年で14人がデビューするのですが、みんな上手な上にパワフルですね。

――ファンも歌手も、パワフルなのが韓国の特徴なんですね。

韓国は、お酒の飲み方もパワフルです。日本では、乾杯は最初だけですよね。でも韓国は何度も乾杯するんです。繰り返し乾杯するので、結構エネルギーいるんですよね。韓国に戻ったばかりの頃は面倒くさいと思っていたのですが、今は自然にやるようになりました。

私はビールが大好きで、韓国メーカーの「CASS(カス)」というビールをよく飲んでいました。でも最近は体型が気になるので、焼酎にチャンレンジしています。これが結構飲めるんですよ。1本は軽いですね。

韓国の焼酎にはお米が主原料のものとタピオカを使ったものがあるのですが、私は日本酒が好きなのもあって、お米で作った「セロ(새로」というお酒をよく飲んでいます。でも、仕事の前日は絶対に飲まないようにしているんです。昔、お酒を飲んだ翌日に歌ったら自分が気に入るように歌えなかったことがあって、それ以来自分でルールを決めて、歌う前日には一切飲まなくなりました。

――お酒は歌い終わった後に飲むものなんですね。

そうです、打ち上げです。仕事で自分に厳しくしているためか、オフの時はみんなでワイワイするのが大好きなんです。やっぱりオンとオフをしっかり切り替えるのは、大事ですよね。

――オフの日は、どんな風に過ごしていますか。

ショッピングをしたり、ソウルを流れる漢江の川沿いを散歩したり、美味しいものを食べたりですね。家でのんびりすることも多いです。

実は今自宅を建てていて、7月に引っ越す予定でいます。1984年に買った土地と家があるのですが、その建物を建て直しているんです。家を建てるのは初めてなのですが、大変ですね。いろいろ決めなくてはいけないことは多いし、情勢の影響で材料費が上がって追加料金がかかったりもしました。途中で工事を止めるわけにもいかないので頑張っていますが、とにかく大変です(苦笑)。心配事もたくさんありますしね。

――どんな点が心配なんですか。

一軒家なので、特に治安が心配ですね。今韓国では、芸能人の家が強盗の被害を受ける事件が続いているんです。同じ人が2回入られたという事件もありました。今住んでいるのはマンションなのでセキュリティの面では安心しているのですが、今度は一軒家なので。しかも、私が日本で暮らしていた時も母がずっと住んでいたところなので、周りの人はみんなあそこが私の家だって知っているんですよ。

もともとは母と一緒に住むために建てることを決めたんですが、87歳の母は体調を崩してしまい、今は養老院で暮らしています。残念ながらもう家には戻れそうにはないのですが、完成したら一度連れてきてあげたいと思っています。

韓国は高齢化が進んでいて政府も頭を悩ませているみたいですが、それがトロットの人気につながっている点もあるようです。

――トロット好きの元気な年配者がたくさんいるのですね。

私もあと2年で70歳になります。でも、歳を意識したことはあまりないんです。心のどこかで、自分はまだ若いと思っているんですよね。鏡に映る姿は年を取っていますが、鏡はあんまり見ないので(笑)。この歳でも歌を皆さんに聴いていただけるなんて、本当に幸せなことですよね。

――「うたびと」の読者へメッセージをお願いします。

来年はまた皆さんにお会いできるように、コンサートの準備を進めています。いつも良い歌を届けられるように頑張っていますので、応援していただけたらうれしいです。韓国にいても日本にいても、キム・ヨンジャはキム・ヨンジャです。これからも引き続きよろしくお願いします。

キム・ヨンジャ『女の荒波』ミュージックビデオ

キム・ヨンジャ『女の荒波』

発売中

品番:CRCN-8762
定価:¥1,500(税込)

【収録曲】

1.女の荒波(作詩:麻こよみ、作曲:水森英夫、編曲:竹内弘一)
2.天使の梯子(作詩:麻こよみ、作曲:水森英夫、編曲:竹内弘一)
3.女の荒波(オリジナル・カラオケ)
4.天使の梯子(オリジナル・カラオケ)

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