マヒナ、純烈、タブ純!ムード歌謡のレジェンドと新星が「3人の歌仲間」で夢の共演!

2019.9.19

3組の歌手が生バンド演奏による歌唱と楽しいトークを繰り広げる人気のコンサートシリーズ「3人の歌仲間」。9月5日に東京・北とぴあ ツツジホールで開催された第25回は純烈、タブレット純、そしてマヒナスターズ&櫻井まりと、ムード歌謡のレジェンドと新星による夢の競演となった。
オープニングはマヒナスターズの大ヒット曲『愛して愛して愛しちゃったのよ』を出演者全員で歌唱。「ヤ・ヤ・ヤン・ヤン」というおなじみの掛け合いも大勢の声が重なり合い、豊かにホールに響き渡った。

 この日は純烈のリーダー・酒井一圭が中心となってトークを進行。マヒナスターズのボーカル・松平直樹について「御年なんと85歳。ムード歌謡界の神さまです!」と紹介すると、松平はすかさず「もうすぐホトケになるけどね」。年齢を感じさせないその見事な切り返しに、ステージも客席もドッと沸いた。

続いて純烈が『今夜はドラマチック』をダンサブルに、『スターライト札幌』をしっとりと歌唱。昨年、悲願の紅白歌合戦出場を果たした彼らだが、両曲ともにブレイク前のシングル曲。長い下積み生活の間にはスーパー銭湯ライブはもとより、さまざまな工夫を凝らした公演を行ってきた彼ら、最年少メンバーの後上翔太が「デビュー翌年、お客さんがほとんどいないライブに松平さんがゲストとして力を貸してくださった。あの日があるから、今の僕らがあるんです」と大先輩への感謝を感慨深く語った。

 

一方、タブレット純とマヒナスターズとの関わりも深い。お笑い芸人としての顔が知られる“タブ純”だが、その原点はマヒナスターズの元メンバーである故・和田弘主宰のカラオケ教室へ入門したことで、マヒナのボーカルとしてステージに立っていたこともある。


この日、歌唱したオリジナル曲『そんな事より気になるの』も、歌詞はコミカルながら低音ボイスを響かせる歌唱力はホンモノ。またギター弾き語りの流しとしても活動しており、「昨日の老人会では盛り上がったんですけど、今日はどうでしょう」と『チャンチキおけさ』(民謡)や『潮来笠』(橋幸夫)などを含む懐メロメドレーを披露。歌声とはまったく異なる中性的なか細い声で「3曲500円です。あとでロビーにて徴収いたします(笑)」と冗談をつぶやくなど、ユニークなステージを繰り広げた。

 小学校の頃から古い歌謡曲マニアだったというタブ純。「卒業文集の好きな芸能人の欄にマヒナスターズと書く、友だちのいない子でした」と彼らしい表現でマヒナ愛を語りつつ、「中でもボーカリストとしての松平さんの声の魅力は、私の永遠の憧れです」と、続くマヒナスターズのステージに繋げた。

 

マヒナスターズは昭和39年の東京オリンピックの年に大ヒットした『お座敷小唄』、そして東京タワーが完成した昭和33年のデビュー曲『泣かないで』と、まさに昭和歌謡史を彩ったナンバーを披露。数々のメンバー改編や逝去を経て、いまや唯一のオリジナルメンバーとなった松平は「東京タワーもそろそろ壊れそうなのに、僕だけ1人残りまして」とマヒナスターズの紆余曲折を語りつつも、その口調に湿っぽさは一切なし。若かりし頃に多くの女性をトリコにしたという軽妙洒脱さは健在だ。


仲良しトークコーナーでは、日本の芸能史でも5本の指に入るプレイボーイ(!?)と呼ばれる松平のモテ男伝説が数多く語られた。マヒナスターズは銀座のナイトクラブでも活動することが多かったと言い、「芸者さんや銀座の女性たちがお客さんと一緒に来るの。これが楽しくてね」と松平がその華やかな世界を語ると、酒井が「当時は週刊文春みたいなのはなかったんですかね?」と純烈のメンバー脱退にまつわる自虐をポツリ。

 すると、タブ純が「純烈加入のオファーを待ってるんですけど」とアピール。小田井涼平が家業の関係で活動できなかった数年前、タブ純がヘルプで純烈のコーラスを務めたステージがあったことを語った。さらに「当日、メンバー全員の唇を奪いました」と楽屋裏を明かすタブ純に、純烈メンバーも「それがあるから(加入は無理)!」とツッコミ。こうした意外な交流を知ることができるのも「3人の歌仲間」の楽しみの1つだ。

そして何と言っても見どころは、出演者によるコラボコーナー。この日はマヒナの代表曲である『ウナ・セラ・ディ東京』、『誰よりも君を愛す』、『夜霧の執着港』が全員で披露された。数々の名曲ムード歌謡をカバーしている純烈だが、『誰よりも~』は「敷居が高いので、ライブでも演ったことがないんです。今日は胸をお借りします」と酒井が自身も大好きだというこの曲を歌える喜びを語った。
昭和に愛されたムード歌謡を、平成を超えてさらに令和の時代にも歌い継ぐ純烈とタブ純に、松平が「30年くらい(ムード歌謡の)後輩ができなかったから、うれしいね」と声をかけると、酒井は感激の面持ちで「タブちゃん、頑張っていこうね!」と同志としての絆を新たにしていた。
最後は出演者全員で『上を向いて歩こう』を歌唱。誰もが歌える日本のスタンダードナンバーに、客席も一体となった手拍子と合唱が沸き起こった。

この日の模様はBS日テレの番組『新・3人の歌仲間』で10月1日より1ヶ月にわたり放送(毎週火曜日朝5:00~5:30)。さらに来年2月にはCS放送・チャンネル銀河でもコンサート全編が放送される予定だ。

ステージの魅力たっぷりにお届けする番組だが、存分に楽しめるのはやはり生のライブ。今後の「3人の歌仲間」のスケジュールもぜひチェックしてほしい。

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