愛しのレコードジャケット<ロックンロール大集合>

2019.12.27

うおぉぉー!年末である。
雨が夜更け過ぎに雪へと変わろうが、隣のおしゃれなお姉さんから恋人がサンタクロースと教えてもらおうが、クリスマスが過ぎればあっという間に大晦日、そしてお正月だ。
ああ、何もしないうちにまた1年がすぎてしまう。
などとつい取り乱してしまったことを反省しつつ、今日も懐かしのレコジャケを紹介しよう。

今回のお題は「ロックンロール」。
アメリカ発祥のロックンロールはそのノリの良さから、音頭やディスコと同様に様々な変わり種ロックが登場している。
集めてみると歌謡曲はもちろん、映画の主題歌、アニソン、野球応援歌、珍獣と多岐にわたっているのも興味深い。

お化けのロック/郷ひろみ・樹木希林
作詞:阿木耀子 作曲:宇崎竜童

昭和歌謡曲ファンなら誰もが知っている歌謡曲ロックの大ヒット曲。
ドラマ「ムー」で共演した郷ひろみと樹木希林が、揃いのオーバーオール姿でコミカルに踊り、歌っている。
阿木耀子・宇崎竜童のヒットメーカー夫婦作の曲は、ノリノリのロックンロールで歌詞の内容も楽しい。

シンボルロック/梅宮辰夫
作詞:志賀大介 作曲:藤本卓也

東映映画「夜遊びの帝王」主題歌。
「ロック」とタイトルはついているが、曲はスローテンポでブルースに近い。
独身時代は毎晩銀座に繰り出すなど「夜の帝王」を自任していた辰兄ぃが渋く歌っている。
映画の内容に合わせて、歌詞がちょっと際どいのはご愛敬だ。
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※梅宮辰夫さんは2019年12月11日に逝去されました。
謹んでお悔やみ申し上げます。

ピョン吉・ロックンロール/とんねるず
作詞:翔 作曲:横浜銀蝿

アニメ「新・ド根性ガエル」主題歌。
人気絶頂直前のとんねるずが歌い、横浜銀蝿が作曲を手がけている。
後年、多くのヒット曲を生み出したとんねるず初のシングルだが、企画レコードのため正式なディスコグラフィーにはカウントされないらしい。
アニメ主題歌とはいえ、若くて勢いのある二人がロックンロールを力強く歌い、後のヒット歌手としての片鱗がうかがえる。
ちなみにジャケットは2種類あり、初版はアニメの絵だが後にとんねるずバージョンが出ている。

やめてクレ・・・ROCK’N ROLL!!/ミッキー
作詞:ジミー木内 作曲:井上大輔

ビートたけし主演のドラマ「刑事ヨロシク」に出演したミッキー岡野のデビュー曲。
ミッキーは、小柄で幼い容姿ながらツッパるスタイルで人気者になった。
ブルー・コメッツの井上大輔による曲は正統なロックンロールで、ミッキーの歌は抜群に上手いとは言い難いがパワフルに歌っているのが良い。

オリバー君のロックンロール/池田鴻
作詞:高田ひろお 作曲:安部芳明

1976年に「謎の類人猿」として来日しブームとなったオリバー君をテーマにした曲。
いわゆるブーム便乗の企画レコードなのだが、「機動戦士ガンダム」のテーマ「翔べ! ガンダム」を歌う池田鴻が抜群の歌唱力でロックンロールをシャウトしているのがポイント高い。

カニカニ・ダガニのロックンロール/MODOKI
作詞・作曲;高橋ジョージ

テレビ東京「少女雑記専門TV」挿入歌
虎舞竜の高橋ジョージが作詞作曲をしていて、バラードの「ロード」とはがらっと変わった小気味よいロックンロールである。
歌詞は、カニと名古屋弁をかけたダジャレという他愛のないものだが、ロックンロールのパワーで押し切る潔さが良い。

ROCK’N ROLL恋占い/麗灑
作詞作曲:翔

横浜銀蝿一家の「姉御」としてデビューした麗灑のデビュー曲。
麗灑は日本テレビ「スター誕生」の決戦大会に出場した実績があり、歌唱力は抜群だ。
曲は横浜銀蠅独特のロックンロールだが、歌詞は「恋占い」というテーマで女性に向けた男性目線の内容で、女性ファンをターゲットにした歌ともいえる。

ロックンロール・タイフーン/寺島まゆみ
作詞:遠藤幸三 作曲:林哲司

セクシー女優として、当時のヤングボーイズから絶大な人気を誇った寺島まゆみのセカンドシングル。
正調ロックンロールではないがロック風のアイドル歌謡曲で、日本テレビ「スター誕生」予選にも出場した経験のある寺島まゆみの歌声は、80年代アイドル風で良い感じだ。

ダメな男のロック/せんだみつお
作詞・作曲:麻田浩

ナハ!のギャグや日本テレビ「うわさのチャンネル」で活躍したせんだみつおのシングルレコード。
グループサウンズのザ・モップスが全面的にバックアップし、メンバーの鈴木ヒロミツがプロデュースし、演奏もモップスが担当している。
レコーディングはライブ形式で行われ、歌うせんだが合間に観客に話しかけるなど熱のこもった雰囲気が味わえる。
週刊漫画誌「ビッグコミック」の表紙のようなイラストジャケットも良い。

ドラ・ドラ・ロックンロール/藤本房子
新ドラ・ドラ・ロックンロール/玉田真弓
作詞:篠塚愛子 作曲:佐々木忠孝

プロ野球団中日ドラゴンズの応援ソングで、中京テレビ放送の中日ドラゴンズ情報番組のオープニング曲としても使用された。
プロ野球チームの応援歌としては、音頭や行進曲などがあるがロックンロールは珍しい。
応援歌なので当然選手名が歌詞に入っているが、後に発売された「新ドラ・ドラ・ロックンロール」では監督や選手の名前が一部変わっており、トレードや退団など浮き沈みの激しいプロ野球界の苦労がちょっぴりうかがえる。

ロックよさこい囃子/ぱんぷきん娘
作詞:夢虹二 作曲:鈴木英明

高知民謡の「よさこい節」をロック調にアレンジした曲。
ぱんぷきん娘は子ども民謡歌手のアイドルユニットと思われるが、詳しい情報が無いのが残念。
3人の歌唱力は抜群で、リズムが異なるロックを難なく歌っているのはさすがである。
センターの小神野智加サイン入りジャケットがうれしい。

パンダのロック/石崎恵美子
作詞・作曲:津田義彦

タイトルに「ロック」とはあるが、歌っているのは子役の石崎恵美子で、ロックというよりちびっこ歌謡である。
70年代のパンダブームに便乗した企画レコードだが、石崎恵美子の歌声が可愛く微笑ましい。

恋のメキシカン・ロック/橋幸夫
作詞:佐伯孝夫 作曲:吉田正

リズム歌謡の帝王橋幸夫が歌うメキシコ風ロックンロール。
ものまねタレントの清水アキラがこの曲を歌ったことで再び注目され、橋幸夫の代表曲の一つになった。
軽快なリズムと情熱的な歌詞は、橋の十八番であるリズム歌謡の真骨頂ともいえる。
見開きジャケットの橋の全身ポーズもよいデザインだ。

 

いかがであろうか。
大晦日はこたつで「紅白歌合戦」もよいけれど、「シンボルロック」や「恋のメキシカン・ロック」を聴きながら一人ニューイヤーロックフェスティバルというのもおつなものだ。
それでは皆様、来年もよいレコジャケを。