新譜!にっぽんのうた~ノーカット編~成底ゆう子『生きている歓び』 ※本人コメント動画
成底ゆう子さんの新譜『生きている歓び』について、ご本人にお話を伺いました。
チャンネル銀河での本放送では入りきらなかったインタビューの模様をうたびと限定でお届け!
成底さんに、4年半ぶりのリリースとなるアルバム『島心~しまぐくる~』の中から、リード曲『生きている歓び』の制作秘話や、アルバム収録曲『父』に込めた父親への思い、故郷・石垣島のおすすめ観光スポットなど、たっぷりと語ってもらいました。
ノーカットのインタビュー動画はこちら。
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――まずは自己紹介をお願いします。
はいさーい(こんにちは)! 沖縄県石垣島出身のシンガーソングライター、成底ゆう子です。沖縄本島でもすごく珍しい名字だとよく言われますが、石垣島に多いです。というか、ほとんど親戚です(笑)。
――アルバム『島心~しまぐくる~』のPRをお願いします。
私は石垣島出身ということで、島に生まれたからこそ歌える歌や、故郷への思い、離れて住む家族への愛情を歌にしているので、恩返しの意味を込めて『島心~しまぐくる~』というタイトルにしました。
今回は4年半ぶりにアルバムをリリースするので、いろんなチャレンジをさせていただきました。まずは作詞家さんと一緒に曲を書くということをチャレンジさせていただきました。リード曲の『生きている歓び』は、鮎川めぐみさんに作詞をお願いし、『光と風の島』という曲は、保岡直樹さんと一緒に曲を作らせていただきました。
そしてもう1つのチャレンジがあり、ファーストアルバムに『ダイナミック琉球』という曲が収録されていますが、この曲をずっと歌わせていただいて、今回はピアノ1本で『ダイナミック琉球』を表現しています。
そして島への思いということで、私は幼稚園の頃まで沖縄独特の赤瓦の家に住んでいましたが、その時の思いや、父へのラブレターということで『父』という曲も書いていますので、皆さんぜひ家族や故郷、沖縄の風を感じていただきたいと思います。
――リード曲『生きている歓び』のPRをお願いします。
私自身がすごく思っているのは、生きているということは奇跡だと思います。みんな明日のことは分からないですし、今生きているということがどれほど大切なのかというのを伝えたくて、いろんなものにぶつかっていて、今いろいろ悩んでいる方々にも聴いてほしい曲だと思っています。
曲を先に作りましたが、曲のイメージがケルティック島人(しまんちゅ)というのがテーマでした。私が石垣島出身で、三線を弾いたり、島唄で育ち、音楽大学で声学を習っていました。なので、成底ゆう子しかできない音楽ということで、風を感じるような雄大なメロディーを作りました。
鮎川さんと打ち合わせをしている時に「生きている歓びや、魂からの歓びみたいな、そういう歌っていいですよね」と話をしていて、鮎川さんが「生きている歓びってタイトルにしてもいいかもね」とおっしゃって、それで『生きている歓び』という曲ができました。
――島唄と声楽を融合した歌唱法だそうですね。
島唄は喉を締めて歌いますが、声楽は喉を開いてファルセットと地声を混ぜながら歌うので、根本的に歌い方が違います。ソプラノの上のコロラトゥーラで練習をしていた時に、ラララララと転がすような歌い方があり、それをやっていた時に、大学の先生に「島っぽいからその島っぽさを取ってほしい」と言われたので、すごく練習しました。
ある時、イタリアの先生に教えてもらう機会があって、この節回しを取ろうと思っていたら、「あなたはそれを生かした方がいいよ。あなたにしかないものだと思うから、これは取るべきものじゃなくて、あなたの武器です」と言われて、その時はどっちが正しいのだろうと思いましたが、今思うと島唄というのは私の中にDNAとして入っていて、オペラやいろんな歌を歌っても、その島の風みたいなのは出るだろうなというのはすごく思います。
――レコーディング時の裏話を教えてください。
実は声帯が炎症を起こしていました。レコーディングする日はその日しかなかったのですが、徐々に声が出てきて自分でもびっくりするぐらいすごくいい声が出て、無事にレコーディングができたので良かったです。
あと『父』という曲では、娘と父親というのは近いような遠いような、大好きだけど嫌いみたいな、そういう距離感があると思います。それをどうやって歌っていいのかが分からなかったのですが、ディレクターさんから「こうやって歌った方がいいんじゃないの」と指示していただいて、それで歌った時に「こういうふうな歌い方だったら歌えるかもしれない」と思いました。ちょっと恥ずかしいという感じが出ていたと思いますが、指示をいただいて素直に歌えるようになりました。
――アルバム収録曲『父』のPRをお願いします。
どうしても思春期になってくると、父親がどんどん娘に対して口うるさくなっていきます。それがすごく嫌で、父の目も見たくないし口も利きたくないし、東京に出てきたのも、父親がすぐ来られない東京に出てこようと思って、絶対に東京の大学に合格して、それで私は都会の女になってやると思って出てきましたが、父親は東京に会いに来てくれたことがありました。私は田舎の父親と一緒なのがすごく嫌だな、恥ずかしいなと思い、会っても素直になれずにいました。強い訛りで喋ると周りの目も気になったりして、「何でうちの父ちゃんってこんな父ちゃんなんだろう?」と思っていました。
父親としては、話をしなくなったけどもそれでも東京に出て行った娘に少しでも近づこうと頑張ってくれていたんだなというのを感じてはいましたが、素直に詞を書いたり、父に「ありがとう」と言えたことがなかったので、そのままの実体験を歌にしました。包み隠さず書いているので、ぜひ聴いてほしいと思っています。日本中、世界中の娘さんを代表してのラブレターになっています。
――ミュージックビデオについて教えてください。
ミュージックビデオの撮影は本当に楽しかったです。水辺のシーンでは、ロングワンピースを着ていましたが、「ちょっと短い方がいいね」という話になり、紐で結んでミニワンピースのようにして撮影しました。それがジブリの世界みたいな衣装になって、とても気に入りました。
撮影の時に、木の上に座って撮影しようとしていましたが、思いっきり滑ってしまってずぶ濡れになりました(笑)。ずぶ濡れになりましたが、ここにいる自然の神様が迎えてくれたんだという不思議な気分になったのを覚えています。
――カラオケのポイントを教えてください。
レンジの幅がすごくあるので、歌い上げるとなると喉を痛めてしまうと思います。自分が感じるままに歌って、とにかく気持ちよく優雅に、あとは語るように歌うと、すごく上手く歌えるんじゃないかなと思っています。
――曲作りに対するこだわりを教えてください。
石垣島に育ち、島にいた頃は島の良さは全然分かっていなくて、「こんなサトウキビと牛小屋しかない田舎には住んでいられない」と思い、都会にすごく憧れていました。東京に出てきてからも、「自分の幸せや楽しさを東京でいっぱい見つけて、2度と島には帰らない」と思っていましたが、島から離れてみて感じたことは、生まれた時から自分が理想とする幸せや温かさ、あとは島の風景がどれだけ尊いもので、それが私自身の心の素直さみたいなところを育ててくれていたということを感じました。村の人たちに小さい頃から家族のように育てられ、その島にいる人たちの豊かな心や優しさ、そして家族の愛情というのをすごく感じたので、私に作れる曲というのは、そういうものを伝えていくのが私の歌なのかなというのはすごく感じています。
曲作りは歌詞から入りますが、いろんなフレーズみたいなものをメモに書いていって、歌詞の方向性を決めて作ります。歌詞の一部がメロディーを歌います。そうなってくるとそのメロディーで、書いているそばから自然とメロディーが出来上がっていくというのが私のスタイルです。
1曲作ってみたけど、Bメロの1カ所だけ歌詞とメロディーが合わなそうだったら、絶対この歌詞ではないだろうというのが分かるので、そのメロディーにマッチするまで、言い方を変えて作っていきます。私は歌詞というものをすごく重要にして作っています。
――故・森繁久彌から“次世代へ託した奇跡の歌姫”と絶賛されていましたね。
森繁久彌さんとの出会いは、歌を続けていくということでは一番の励みになりました。メジャーデビューをしていない時に、「自分が作っている曲はこういうのでいいんだろうか?」と、シンガーソングライターというものを諦めようかとすごく悩んでいた時期に、森繁さんが私の『里景色』という曲を選んでくださり、森繁さんの前で歌わせていただきました。
その時に森繁さんは隣で指揮をするような感じで聴いてくださり、最後に「とても素敵な曲をありがとう」と言ってくださいました。私にとってみたら、森繁久彌さんはテレビの中でしか見たことなくて、雲の上の人でした。森繁さんには私を救ってくださったと思うので、森繁さんがいなかったら、こうやって歌い続けられているとは思いませんでした。ありがたいと思っています。
――石垣島の魅力を教えてください。
石垣島に来たら一番行ってほしいところは、底地(すくじ)ビーチです。穏やかで、白い砂浜でとてもきれいです。石垣島は八重山諸島の玄関口でもあるので、同じ沖縄八重山諸島と言っても全然違う顔がありますので、ぜひ離島にも行ってほしいと思います。
――石垣島のおすすめ料理はありますか?
私は島で取れたゴーヤのチャンプルーとジーマーミ豆腐が好きです。海ぶどうももずくも好きです。おいしいですよ。あとヘチマ(ナーベラー)ですね。皆さんヘチマは食べないと思いますが、向こうでは食べます。ヘチマを切って味噌で炒めたりすると、これがおいしいんですよ。ナーベラーの味噌煮、ぜひ食べてみてください!
――東京と石垣島の生活の違いを教えてください。
自分の中でスイッチが違います。東京にいる時は基本的にせっかちなので、歩くのも速いですし、何かをするにもすごく早いです。島に帰るとネジが緩んだ感じで、ボーッとしています。みんな時間通りにちゃんと来ないというのが八重山タイムで、せっかちな私が島に帰ると時間が守れなくなります(笑)。
島のゆったりとした感じや、温かい風、あとは周りの人たちものんびりとした雰囲気があります。軽トラックは歩いた方が速いんじゃないかというぐらい、すごく遅く感じたりするので、自然と体がほぐれるというか、自然に帰る感じがあります。時間がゆっくりしていて、東京とは全然違います。今となっては島の方が好きです。
――オフの日の過ごし方を教えてください。
ダンスが大好きです。島に生まれたからかもしれませんが、島の人は小さい頃からモーヤーとかカチャーシーを踊っているので、お酒を飲んでいても踊りたくなります。高校の時にダンス部に入っていたというのもありますが、ダンスをするのはすごく好きです。踊っているだけでも楽しくなります。
――今ハマっていることはありますか?
ちょっと怖い動画を見るのにハマっています(笑)。元々沖縄にはユタという巫女さんみたいな方がいらっしゃいますが、私の祖母も司でした。その血を私が継いでいて、小さい頃からお化けとかよく見ていました。私は歌の世界に行くので、お祓いをしてもらったら本当に見えなくなりました。何で祓ってもらったんだろうと思うぐらい、怖いものが大好きでよく見ています。しかも1人で夜中に見ています。
「この人は生きてない人かな?」とかありますね。特にスクランブル交差点に行くと、さっと避けたら誰もいなかったというのは日常茶飯事です。あとは、いろんな音が聞こえますね。足音が聞こえたりしますが、全然怖くないです。
――最後にファンの方へメッセージをお願いします。
いつも応援していただいてありがとうございます。4年半ぶりのニューアルバム『島心~しまぐくる~』は、皆さんへの恩返しというのがテーマになっています。成底ゆう子からのありがとうという気持ちと、故郷や島への思い、そして家族への思いがたくさん詰まっていますので、この歌を聴いて大切な人への何かのきっかけになったり、元気を出してもらえるような曲もたくさんありますので、ぜひ聴いてみてください。
放送情報
放送チャンネル:CS放送チャンネル銀河
放送日時などの詳細は⇒
https://www.ch-ginga.jp/detail/nipponnouta_gingaselection/episode.html?id=24280
成底ゆう子『生きている歓び』ミュージックビデオ
成底ゆう子『島心~しまぐくる~』
発売中
品番:KICX-1185
価格:¥2,200(税込)
【収録曲】
1.生きている歓び
2.光と風の島
3.音(おん)がえし
4.ダイナミック琉球(Acoustic version)
5.赤瓦の家
6.父
7.生きている歓び(Instrumental)
8.光と風の島(Instrumental)
9.音(おん)がえし(Instrumental)
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