山内惠介がニューシングル『こころ万華鏡』をリリース! 「自分流のグルーヴの出し方を発見できました」

2023.3.1

今年5月に40歳となる山内惠介が、3月1日にニューシングル『こころ万華鏡』を、それぞれカップリング曲が異なる「愛盤」「旅盤」「夜盤」、CDにミュージックビデオを収録したDVDを加えた「唄盤」の4タイプでリリースする。NHK連続テレビ小説やスタジオジブリ作品など数々のドラマ、映画、舞台の音楽を手がけてきた作曲家 村松崇継の万華鏡のように変化に富んだ華やかで壮大なサウンドに、松井五郎の作詞による「いのちまっすぐ生きてみろ」という力強いメッセージを、繊細かつ熱情たっぷりに歌い上げた『こころ万華鏡』は、まさに40代を迎える節目にふさわしい新境地を開く一曲だ。自ら「新しい山内惠介」と語る新曲にかける思いからプライベートライフまでを聞いた。


詞の力強い言葉に恥じない生き方をする覚悟

――『こころ万華鏡』を作詞の松井五郎先生は「混乱の時代に送る応援歌」とおっしゃっていますが、コロナ禍や戦争で傷ついた人々へのエールと同時に、40代を迎える山内さんご自身の強い決意を歌われているようにも思われました。作品の世界観をどのように捉えていますか。

『こころ万華鏡』は、人の心を万華鏡に見立てています。詞にもあるように、二度と同じ形(かた)はないと今をしっかり受け止めて「いのちまっすぐ生きてみろ」と謳う力強い応援歌です。この曲を歌うに際して、松井先生から「いつも君のことを歌の中で見守っていますよ」とメッセージをいただきました。それは僕自身も歌い手として、いのちまっすぐ生きていけば、それがまっすぐな道となっていくことだと受け止めています。そのうえで今度は僕が、聴いてくださったみなさんがまっすぐに、力強く生きようと思っていただけるように表現したい。そういう思いでこの歌に取り組んでいます。いのちまっすぐ生きてみろ、このような強い言葉で詞を書いていただいたのは、初めてです。僕はそのフレーズに恥じない生き方をしなくてはいけないし、深い言葉をいただいたと感じました。歌手冥利に尽きます。

――山内さんの「いのちまっすぐ」とは、どのようなことを指すのでしょう。

歌い手になりたいという夢を叶え、今年4月でこの世界に入って23年目です。25周年をどう迎えるか。この目標に向かって歩いていくことが「いのちまっすぐ」という言葉と個人的にはリンクしていくと感じています。その歩みは、僕の中では既に始まっています。

――30、40年といった遥か先の夢に向かっての道ではなく、まず目の前の25年を見据えるということですか?

17歳でデビューをしてから四半世紀も歌えるというのは、当時は夢にも思っていなかったことです。しかも、その間に東日本大震災やコロナ禍など予想もできない出来事が起こり、現在も世界で悲しいニュースが続くなかで、好きな歌を歌い続けられることは、本当に奇跡だと思っています。だから目の前の25年を一層大切にしたいと感じます。

オーケストラの一員になった感覚

――今回の楽曲は、シングル曲としては初めて師の水森英夫先生の作品ではない、村松崇継先生の作品です。新たなチャレンジだと思いますが、村松先生と制作することになった経緯を教えてください。

レーベルメイトで同郷の福岡県出身のアーティスト、手嶌葵さんに村松先生が曲を提供されていました。それを知った僕と同世代のディレクターが、「村松メロディーは、山内惠介の声にも合うのではないか」ということでオファーをしてくださったところ、なんと村松先生は山内惠介のことをずっと気にかけ、「いつかチャンスがあれば、曲を書きたい」と思っていてくださったそうです。実現して本当にうれしいですね。

――作・編曲とも村松先生の楽曲は、繊細なピアノの旋律からストリングスの音色が壮大なオーケストラ、和楽器も効果的なアクセントとして入り、ジャンルを縦横無尽に行き来するような華やかなサウンドですね。

もうスペクタクルです。耳で聴いていても楽しいです。お琴の音色が奏でられ、そして鳴り響く太鼓の音。これは“お祭り”ですね。心の底からお祭り好きという日本人の血が騒ぐ贅沢なサウンドになっています。僕も歌っていて楽しくて、ヴォーカルとしてオーケストラの一員になっているという感覚です。僕の父は今年78歳ですが、「どうだった?」って聞いたら、「いや、えらいシャレとう、綺麗なメロディーだね」と、福岡の言葉で言うくらいオシャレな曲です(笑)。そこに和洋折衷のような形で、みなさんが今まで聴いてきた心地良い楽器の音が縦糸、横糸のように織り込まれています。芸術だと感じましたし、まさに音の万華鏡です。

――レコーディングで改めて気づかれたことはありましたか。

歌い出しはバラードから入るのですが、バラードのような歌の乗り方は演歌にはあまりないんです。この場合、“待つ”という歌い方が大切なのですが、演歌ではどうしても先に先に“かぶせる”歌い方をしがちです。そこをあえて“待つ”ことで声にしっとりした質感が出るのですが、そこが非常に難しかったところです。また、曲の中盤に中低音をずっと引っ張るところがあり、自分でも知らず知らずの内にこぶしや節を回していたのですが、村松先生が「山内惠介のグルーヴが出ている」と褒めてくださいました。自然に自分で節を付けているんですね。テンポが速いのでしっかり聴かないと分からないかもしれませんが、僕としては自分流のグルーヴの出し方をそこで発見できましたし、「あぁ! やっぱり僕は演歌歌手なんだ」と再認識させられました。ぜひ節回しにも注目して聴いてください。

――歌唱で尊敬する美空ひばりさんを意識されていることはあるのでしょうか。

僕はひばりさんを聴いて育ったので、どんな歌に取り組むときも、ひばりさんだったらどのように歌われるかと想像をめぐらせます。今回の『こころ万華鏡』もそうです。僕にとっての子守唄はひばりさんでしたので、大きな影響を受けていますが、決して物まねにならないように歌っていくこと。そして、山内惠介の個性を出していくことは、常に考えています。聴いた方に「ここはひばりさんだな」と思われないように、エッセンスとして入れる感覚です。料理でいえば分からない程度の隠し味といったところです。

人生の戦士たちの背中を押す曲になる

――聴いてくださる方には、この曲をどのように受け止めて欲しいでしょう。

一人ひとりが人生の戦士、誰もがそれぞれ何かと向き合い、日々闘っていると思うんです。何かと格闘することによって自分の人生をより楽しくしたい、人のために何か役に立ちたいなど、人によって異なるとは思いますが、そういう闘う気持ちを抱えているみなさんの背中を押す一曲に必ずなると感じています。

――『こころ万華鏡』をカラオケで歌う際のアドバイスを教えてください。

最初は声質がより湿度を感じてもらえるように、しっとりとした感じで歌い始めていただきたいです。次のパートからは思い切ってその湿度をなくして、メリハリをつけてください。サウンドの変化も含め、夜から昼へ転換するイメージです。

――「愛盤」「旅盤」「夜盤」のカップリング曲の聴きどころを教えてください。

「愛盤」の『こぬか雨』は、作詞の鈴木紀代先生が前々作の『古傷』(2021年)のアンサーソングとして書いてくださいました。やっぱりお前は俺にとって大切な人だったんだという男性のメッセージを“雨”の情緒を通して表現している作品です。

「旅盤」の『ひとり流浪』は、今は亡き作詞家の坂口照幸先生がワルツのメロディーに乗せて、非常に雄大な小林旭さんの「渡り鳥」シリーズの世界を彷彿とさせる歌を作っていただきました。歌っていて気持ち良い作品です。

そして、「夜盤」の『言いわけ』は、「男はみんな少年」だという無償の愛を持った女性が主人公です。だから、言いわけも許せるという女性の深い母性愛を感じられる作品です。

振り付けは高校の後輩・花園直道が担当

――「唄盤」に収録された『こころ万華鏡』のミュージックビデオ(MV)は、目にも鮮やかで絢爛な世界が展開します。

僕が福岡から歌手になるため上京後、転入した高校の後輩でもある舞踊家の花園直道さんが振りを付けてくれました。ステージは能舞台で、多くのダンサーの方々と『こころ万華鏡』の世界を表現しています。和太鼓、お琴の奏者の方にも参加していただき、まさに和洋合奏ですので、MVをご覧いただければ曲の世界観がストレートに伝わります。着物も今を感じるような、和洋モダンな衣装になっています。『こころ万華鏡』を目で見ても楽しんでいただきたいですね。

――撮影時のエピソードはありますか。

『こころ万華鏡』のサビは、花(華)が一気に咲く、と歌い締めるのですが、その花は何かとイメージしたときにやはり桜だとなりました。花は散り際が一番美しい。花吹雪が下から舞い上がるシーンは、まるでCGのように見えますが、実際にはアナログな手法で撮影しています。ご覧になる方も舞い散る花が美しいと思っていただける場面になったと思います。

――花園直道さんが振り付けということですが、これからテレビやステージでもMVの振りは見られますか。

ぜひ披露したいと思っています。マイクを持って歌いますが、そのなかに踊りを取り入れます。観ている方もすぐ覚えていただけそうな簡単な振りもありますので、ステージでは、客席のファンの方と一緒に楽しみたいですね。

不思議に力が出たキツネダンスとのコラボ

――踊りといえば、昨年の紅白歌合戦では、北海道日本ハムファイターズのキツネダンスとコラボされたことが話題になりました。

僕の第二の故郷といえるのが北海道です。ゆかりの歌もたくさん歌っていますし、そのご縁でラジオのレギュラー番組を今もやらせてもらっています。ファイターズガールのみなさんと一緒に稽古したのですが、メンバーの平均年齢が21歳とうかがい、「みんな僕のことを知ってくれているのかしら?」と尋ねたら、リーダーの方が「山内さんのことを北海道で知らない人はいませんよ」とうれしいことを言ってくださいました。不思議なことに一人で踊っていると出ない力が、大勢で足並みを揃えると出てくるものなんですよね。「楽しもうね」と一致団結して本番はうまくいき、初々しいメンバーのみなさんのおかげで僕も若返りました。

――プライベートで新たに始められたことや取り組んでみたいことはありますか。

サウナ好きなので、いよいよ念願のジムの会員になろうかなと思っています。息抜きにもなり、体も鍛えられますし。

――数年前にはガラケーを使用されているとお話しされていましたが、演歌を唄うためにライフスタイルにもこだわっている点があるのでしょうか。

実は今でも電話をかけるときはガラケーなんです。コロナ禍になった2020年の春からスマホも持ち始めましたが、コロナ禍にならなければ、そのままずっとガラケーだけだったと思います。ただ、映像も音も簡単にすぐやりとりできますから、スマホはやはり便利ですね。あとは自分の足を使って極力行動しています。電車にもふつうに乗りますし、エスカレーターを一切使わずに、階段を上り下りしています。

――スマホといえば、事務所の後輩、山西アカリさんが山内さんのLINEスタンプのイラストを描いたそうですね。歌の世界での先輩後輩間で、最近の印象的な出来事などがあれば、教えてください。

LINEスタンプはもちろん使っていますよ。そのスタンプを同級生に送ったら「初めてスタンプの持ち主からスタンプが送られてきた。ウケる!」と言っていました(笑)。本人のスタンプが本人から送られてくるとかなりビックリするみたいですね。

先輩の話をしますと、天童よしみさんにはかわいがっていただいています。大体、月に1~2回は長電話をしますね。毎回、1時間以上はお話しします。こちらも気合を入れてお電話すると、「惠ちゃん、今お風呂入るところだから」「あ、じゃあまた次の日かけます」「ちょっと待って、すぐ上がるから」なんてことも。それで30~40分後ぐらいに電話がかかってきて、そこから1時間くらい長話をするのですが、湯上がりで風邪をひくんじゃないかと心配になります(笑)。そういえば天童さんの出演されるお風呂の映画『湯道』も公開されますね(2月23日~東宝系全国公開)。

40代からのキャッチフレーズは“永遠の”貴公子!?

――かつて水森先生からは「40歳まで結婚するな」と言われていましたが。

そのことを先生は忘れていらっしゃるんですよね。だから、もうそろそろして結婚しても良いんじゃないかみたいな。ただ、5月31日で40歳になりますが、一向にその予定はございませんが(笑)。

――デビュー当時は「ぼくはエンカな高校生」、現在は「演歌界の貴公子」。40代からは、どのようなキャッチコピーに?

「演歌界の“永遠の”貴公子」です(笑)。実際にスタッフの方に「いつまで演歌界の貴公子って言うの?」と言われてしまいまして。一瞬ムッとしたのですが、「そうだ!“永遠の”を使えばもっと面白くなるかも」とステージで付け足したところ、お客様が笑顔で喜んでくださるので、それからは“永遠の”という冠を付けています。

――2月8日に「山内惠介コンサートツアー2022 ~歌のまごころ、あなたに届け!~」がBlu-ray・DVD・CD(ライブアルバム)で発売されました。3月9日からは中野サンプラザを皮切りに「コンサートツアー2023」もスタートします。

コンサートへお越しになる前に予習として、「去年はこういうステージをやっていたのだな」と映像でご覧いただくと、今年のコンサートをより楽しんでいただけると思います。そして、『こころ万華鏡』を聴いていただいてからお越しいただければ、ライブでのサウンドの変化など、生の臨場感を感じていただけると思います。ぜひ足を運んでいただけますようお待ちしています。

――改めて『こころ万華鏡』への思いとファンの方へのメッセージをお願いします。

まさに『こころ万華鏡』という歌との出会いで、新しい山内惠介の扉が開かれた思いです。この曲とともに不惑の40歳を迎えられることは、幸せなことだと思っています。大変ありがたいことに、ファンの方はそれが予想外のことであっても、山内惠介の挑戦をいつも応援してくださいます。だからこそ僕も新たな挑戦を続けていくなかで、ご期待に応えられる以上の表現をしていきたいと思っています。

山内惠介『こころ万華鏡』

愛盤

品番:VICL-37667(CD)、VISL-37667(CT)
価格:¥1,350

【収録曲】

1.こころ万華鏡(作詞:松井五郎/作・編曲:村松崇継)
2.こぬか雨(作詞:鈴木紀代/作曲:水森英夫/編曲:伊戸のりお)
3.こころ万華鏡(オリジナル・カラオケ)
4.こぬか雨(オリジナル・カラオケ)

旅盤

品番:VICL-37668(CD)、VISL-37668(CT)
価格:¥1,350

【収録曲】

1. こころ万華鏡
2. ひとり流浪(さすらい)(作詞:坂口照幸/作曲:水森英夫/編曲:馬飼野俊一)
3. こころ万華鏡(オリジナル・カラオケ)
4. ひとり流浪(オリジナル・カラオケ)

夜盤

品番:VICL-37669(CD)、VISL-37669(CT)
価格:¥1,350

【収録曲】

1. こころ万華鏡
2. 言いわけ(作詞:田久保真見/作曲:水森英夫/編曲:上杉洋史)
3. こころ万華鏡(オリジナル・カラオケ)
4. 言いわけ(オリジナル・カラオケ)

唄盤

品番:VIZL-2155(CD+DVD)
価格:¥1,800

【収録内容】

[CD]
1. こころ万華鏡
2. こころ万華鏡(オリジナル・カラオケ)
3. こころ万華鏡(女性用オリジナル・カラオケ、Key=Fm)

[DVD]
1.こころ万華鏡 ミュージックビデオ
2.こころ万華鏡 男性用カラオケ・ミュージックビデオ
3.こころ万華鏡 女性用カラオケ・ミュージックビデオ

山内惠介 コンサートツアー2023

2023年3月09日(木)開演:15:00 東京・中野サンプラザ 完売
2023年3月15日(水)開演:14:00 千葉・習志野文化ホール 完売
2023年3月18日(土)開演:15:00 兵庫・アワーズホール・明石市立市民会館 大ホール
2023年3月19日(日)開演:15:00 大阪・SAYAKAホール 大ホール 完売
2023年3月21日(火)開演:14:00 岐阜・不二羽島文化センター スカイホール
2023年3月27日(月)開演:14:00 静岡・三島市民文化会館 大ホール
2023年4月05日(水)開演:14:00 埼玉・サンシティ越谷市民ホール 大ホール
2023年4月12日(水)開演:14:00 神奈川・相模女子大学グリーンホール
2023年4月22日(土)開演:14:00 群馬・太田市民会館
2023年4月28日(金)開演:14:00 埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール

山内惠介コンサート2023 北海道ツアー

2023年5月10日(水)開演:15:00 函館市民会館
2023年5月12日(金)開演:15:00 北ガス文化ホール(千歳市民文化センター)
2023年5月13日(土)開演:15:00 帯広市民文化ホール
2023年5月15日(月)開演:15:00 北見市民会館
2023年5月16日(火)開演:15:00 旭川市民文化会館
2023年5月18日(木)開演:15:00 カナモトホール(札幌市民ホール) S席完売
2023年5月19日(金)開演:15:00 カナモトホール(札幌市民ホール) S席完売
2023年5月20日(土)開演:15:00 カナモトホール(札幌市民ホール) S席完売

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