“マジカルボイス”葉月みなみが『レイニー・バスステーション』をCDリリース。 「もっと上を目指して、自分を進化させていきたい」

葉月みなみ
2023.9.28

世界配信で話題となった『レイニー・バスステーション』を、自身のイニシャルを冠した新レーベル「HMミュージックジャパン」より第1弾CDシングルとして8月30日にリリースした葉月みなみ。演歌歌手として活動していた地元・新潟から2020年1月に一念発起して上京。コロナ禍に見舞われながらも、現在のプロデューサーと出会い、自身のキャッチフレーズとなる“マジカルボイス”を開花させ、メジャーデビュー~世界配信と次々と道を切り拓いてきた。歌手として常に高みを目指して邁進し続けてきた彼女に、現在に至る山あり谷ありの道のりを聞き、その素顔に迫った。


一日中歌っていた小学生時代の夢は演歌歌手

葉月みなみ

――『レイニー・バスステーション』(作詞:門谷憲二 作曲:花岡優平)は、昨年9月に世界戦略曲第1弾として配信されて以降、YouTubeの再生回数が12万回を突破、ミュージックビデオはApple Music(日本)の歌謡曲トップミュージックビデオ部門で1位を2度獲得するなど、大きな話題となりました。

CD化でなく、まず世界配信をすると聞いたときはビックリしました。でも、もっともっとたくさんの人に私の歌を届けたいと思って東京に出てきた自分にとって、新しいことへの挑戦は大きな喜びでした。実際、自分の歌を聴いてくださる方が世界中にいることがわかり、すごくうれしかったです。

――2009年から地元・新潟を拠点に演歌歌手として活動されていたなか、2020年1月に単身、上京されたそうですね。

とにかく高みを目指したくて、東京に出なければ道は開けないと思って、車に必要最小限の物を積めるだけ積んで出てきました。何の当てもなかったのですが、そのときは不安よりも「このままじゃダメだ!」という気持ちのほうが強かったですね。

――そもそも歌手を目指したのはいつ頃からだったのでしょう。

母に聞くと、小さな頃から一日中歌っている子どもだったそうです。小学生のときには「のど自慢に出たい」「演歌歌手になる」と言っていて、その思いを文集にも書いていました。周りはみんなアイドルに夢中な子ばかりでしたが、私はまったく興味がなくて、松原のぶえさんの『演歌みち』がお気に入りでした。おじいちゃんおばあちゃんと母が演歌・歌謡曲が大好きだったので、その影響もあったと思います。

――その気持ちをずっと育まれてきたのですね。

実は大学を卒業してから、一度はお勤めしているんです。でも、やっぱり諦められなくて、カラオケ大会に出場したりしていました。ずっと夢だった『NHKのど自慢』にも応募したところ、3万通のなかから250組までは残ったのですが、結局予選で落ちてしまいました。それがもう悔しくて! そのとき絶対プロになろうって思いました。

ポップスに取り組んだことで歌が変わった

葉月みなみ

―― 一念発起して上京されたことといい、こうと決めたら突き進むタイプなんですね。

火がつくと、勢いで進むタイプかもしれません(笑)。東京に出てきてから身に染みて感じたことですが、やっぱり自分で行動しないと何も変わらないですよね。上京してすぐにコロナ禍になって、新潟でいただいていたお仕事が全部なくなってしまったときに、山野楽器さんでアルバイトを始めたんです。そこで「絶対大丈夫!」と思って諦めずに行動していたら、プロデューサーの岩尾三四郎さんと出会うことができ、翌年のメジャーデビューへとつながりました。自分が行動したからこそ縁を呼ぶことができたのかなと思います。

――岩尾さんとの出会いからメジャーデビューまでは、どのような経緯があったのでしょうか?

まず、岩尾さんがおっしゃったのは「新潟時代のことは全部忘れなさい」ということ。ボイストレーニングなど基礎からすべてやり直して、勉強させてもらいました。

――それまで身につけてきたことを捨てるのは、不安ではなかったですか?

最初は驚きましたし、正直、抵抗もありました。でも、お話ししていくうちに、岩尾さんについていったら何かが変わると感じたんです。実際、根気よくアドバイスをいただきながら課題曲を歌っていくうちに、どんどん自分の歌が変わっていったんです。それが面白くて楽しくて、歌がもっともっと好きになっていきました。

――その過程で、“マジカルボイス”と命名されたんですね。

レッスンで平原綾香さんの『マスカット』を歌ったことがきっかけでした。それまで聴いたことはあっても歌ったことはなかったポップスが、課題曲として次から次へと出されたのですが、この歌で生まれて初めて裏声を褒められました。いろいろな声や歌い方を使い分けられる表現力を持ったアーティストということで、岩尾さんから“マジカルボイス”と名付けていただききました。

試練は乗り越えられるからやってくる

葉月みなみ

――そして2021年に歌謡曲テイストの『許さないで…ねぇ』をリリースされました。ド演歌を歌っていた新潟時代とは歌世界が一変しましたね。

着物姿からドレス姿へと外見も変わりましたしね(笑)。でも、新潟時代からもっとも変わったのは、やっぱり表現力だと思います。歌に合わせて声色や歌い方が変えられるようになったことは、大きかったですね。

――さらに現在は、ステージでポップスやアニソンを歌ったり、子どもの頃から習っていたフルートやピアノを披露されたりと、幅広い表現方法でご自身の世界を創り上げています。

もともとヒーロー戦隊ものやアニソンは大好きだったのですが、みなさんの前で披露したことはなかったんです。でも、そんな話をしたら、岩尾さんが「好きならやろうよ!」と言ってくださって。すごくうれしくて、思わず「いいの?」って聞き返したほどでした(笑)。フルートやピアノはあくまでも趣味でやっていたのですが、これまた岩尾さんが「そんなにいい特技があるなら全部出していこう!」と。自分が歌いたいものや好きなことをすべて出してもいいんだと思ったら、パッカーンと自分の中で扉が開いた感覚で、本当に今はめちゃくちゃ幸せです。何よりコンサートに来てくださる方に楽しんでいただけるように、私自身がいろいろなことに挑戦して、趣向を凝らしたステージにしたいですからね。

――新しい世界を切り拓いていく分、壁にぶつかるようなこともあったのでは?

とにかく前しか見ないと考えていたので、嫌なことはどんどん忘れていきました(笑)。壁にぶつかったときも、これは自分に与えられた試練で、乗り越えられるからこそ自分のところに来たんだと考えてきましたし、歌の練習でできないことがいっぱいあっても、練習は裏切らないと自分に言い聞かせて、やり遂げるようにしてきました。たとえ辛いことがあっても、その先に目指すものが明確にありましたから大丈夫でしたね。

――その目指すものとは?

ヒット曲を出して、紅白歌合戦に出て、天下を獲ることです! ということで、今は、『レイニー・バスステーション』をヒット曲にすることを目標に頑張っています!

――『レイニー・バスステーション』のCDには、世界配信第2弾の『風の東京』(作詞:夏海裕子 作曲:花岡優平 編曲:中村力哉)と第3弾の『魔法のしずく~ありがとう~』(作詞:はるな 作曲・編曲:周防泰臣)と、これまでの世界配信3曲が収録されていることも話題となっていますね。

『レイニー・バスステーション』は、まさに私のマジカルボイスの音域が上から下まで入っていて、自分の真骨頂を発揮できた歌ですが、『風の東京』もまた異なる世界観でマジカルボイスを表現できたかなと思っています。そして『魔法のしずく』の詞は、私のいとこが書いています。パティシエになるという夢に向かっているときの気持ちを書いた詞で、何年も前に見せてもらったときにあまりにも素敵だったので、いつか曲にできたらいいなと思っていたのですが、ようやく実現できました。そのいとこは夢を叶えてパティシエになり、今はフランス人の方と結婚して、現地に住んでいるんです。そのことを聞いた岩尾さんが「曲の最後に『ありがとう』をフランス語で入れたらどう?」と言ってくださいました。フランス語はRの発音がとても難しいのですが、いとこのパートナーにリモートでレッスンしてもらいました。その「メルスィー・ボクゥ」の発音、そしてフルートも自分で吹いていますので、ぜひ注目していただけたらと思います。

タップダンスを凱旋コンサートで初披露

葉月みなみ

――プライベートで今、ハマっていることはありますか?

タップダンスです。大学生のときにサミー・デイビス・ジュニアのダンスを見て衝撃を受けてから、ずっとチャレンジしてみたいと思っていたんです。まだ習い始めて3カ月足らずですが、新潟県南魚沼市での初めての凱旋コンサートでも披露させてもらいました。もっとうまく踊れるように、練習を頑張っています。
食べることも大好きですね。でも、体型を維持するのが大変です。着物のときは目立たなかったお腹周りや二の腕のあたりが、ドレスだと目立ってしまうので、凱旋コンサートを控えたこの夏は糸こんにゃくの冷やし中華ばかり食べていました(笑)。

――最後に「うたびと」読者にメッセ―ジをお願いします。

CD『レイニー・バスステーション』は、世界配信の3曲を収録した思いのこもった一枚になっています。ぜひみなさんに聴いて、歌っていただけたらと思います。これからも演歌、歌謡曲からポップス、アニソンまで幅広いジャンルの曲を歌いこなし、ピアノやフルートも演奏できるマルチなアーティストとして頑張っていきます。マジカルボイスの名に恥じないように、もっともっと上を目指して自分を進化させていきますので、応援いただけたらうれしいです。よろしくお願いいたします!

葉月みなみ『レイニー・バスステーション』

2023年8月30日(水)発売

品番:TJCH-9001
価格:¥1,400

【収録曲】

1.レイニー・バスステーション(作詞:門谷憲二/作曲:花岡優平/編曲:中村力哉)
2.風の東京(作詞:夏海裕子/作曲:花岡優平/編曲:中村力哉)
3.魔法のしずく~ありがとう~(作詞:はるな/作・編曲:周防泰臣)
4.レイニー・バスステーション (オリジナル・カラオケ)
5.風の東京(オリジナル・カラオケ)
6.魔法のしずく~ありがとう~(オリジナル・カラオケ)

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