本人作詞・作曲! 石原詢子、デビュー37年目の新曲『風花岬』(かざはなみさき)をリリース 「今が一番充実しています。新しい石原詢子の風を感じてください」
「しあわせ演歌」の石原詢子が作詞・作曲を手がける2曲目のシングル『風花岬』は、失恋の切なさを清らかに歌う新境地。自身の新しい世界を体現した新曲に対する思いや、カラオケで歌うコツ、父の意思を継いだ詩吟教室「揖水流詢風会(いすいりゅうじゅんぷうかい)」の活動から大好きなコンビニスイーツまで、石原詢子の“今“を聞いた。
———新曲の『風花岬』は、失恋の喪失感や孤独感を「風」「雪」「花」といったモチーフに託して歌い上げた新境地です。まず「風花」という言葉について教えてください。
「風花」とは、とても晴れた日の紺碧の空に舞う雪のことを言います。私は故郷・岐阜で、伊吹おろしと呼ばれる冷たい風に舞う風花を見たことがあって、とてもきれいでした。今回の曲は“一途”をテーマにしようと決まった時、切なく消えていく「風花」を歌詞に使おうと思い立ちました。いつも歌詞を先に作るのですが、「風花」から連想した言葉を紡いで歌詞を書きました。
———今回の作曲はどのようにされたのですか?
ピアノを使いました。ピアノは50歳を過ぎてから始め、30周年のリサイタルで皆さんに弾き語りをお披露しました。それまでも作曲はしていたのですが、自分でメロディーを口ずさんで、譜面に起こしていただいていました。今はピアノでメロディーを弾いて、それを譜面に起こしていただいています。
———とても美しい曲ですが、カラオケで歌う時のコツを教えてください。
私は同じフレーズを繰り返す曲が好きなのですが、この歌も「風に」「あなた」と何度か同じ言葉を繰り返します。最初の言葉を弱く、次の言葉を強くなど、繰り返しの言葉に強弱をつけると、曲に深みが出ると思います。
具体的には、最初の2行は優しく自分に言い聞かせるように、次の2行はカラオケの音に合わせて刻むように、サビはしっかりと声を前に出して歌ってください。締めの1行に曲のタイトルと同じ「風花岬」という言葉が入っているので、海を前に立っているような気持ちで大らかに、ゆったりと歌ってください。
———カップリングの『母春秋』(ははしゅんじゅう)はガラリと変わってフォーク調です。杉本眞人先生の作曲ですが、この曲はどのようにしてできたのでしょうか。
『母春秋』は8年前にできた曲なのですが、杉本先生に曲をお願いすることが決まった席で、「先生の『吾亦紅』(われもこう)を超える曲をください」とお願いしました(笑)。当時、母が亡くなって20年ほどたった頃でしたが、やはり母が恋しくて、「母」をモチーフにした歌を作っていただきました。
———ここで歌われる母像は、石原さんの亡きお母様とオーバーラップする部分はありますか?
すごくありますね。私の母に限らず、自分より子どもを優先するお母さんは、おそらく多いのだと思います。この曲の歌詞は菅 麻貴子先生という方で、私は初めて歌わせていただくのですが、歌詞にとても感動しました。ピアノとギターのアレンジも切なくて、今でも歌うたびに泣いてしまいそうになります。皆さんがカラオケで歌う時は、ポツリポツリと語るように歌っていただくと、聞いている方の胸に届くのではないかと思います。
———先ほどもカラオケで歌う時のコツをお聞きしましたが、You Tubeで配信された前曲『五島椿』のカラオケ教室が、とてもわかりやすかったです。教え方がお上手なのは、いつも揖水流詢風会で生徒さんを教えていらっしゃるからでしょうか。
そう言っていただけると嬉しいですね。『五島椿』のカラオケ教室では、私自身が「誰かがこんなふうに歌った曲を聞きたい」ということをベースに説明させていただきました。詩吟もそうですが、歌は「言葉」がとても大切です。同じ言葉でも母音を強調するかしないかでは、音の厚みが違います。例えば「しらかば」と「しぃらぁかぁばぁ」では違う。母音を意識すると、その歌が持つ豊かさが増すと思いませんか? ちょっとしたコツがわかれば、歌うことがもっと楽しくなる。いつもそう思ってアドバイスさせていただいています。
———「揖水流詢風会」では、現在どのくらいの数の生徒さんがいらっしゃるのでしょうか?
東京と大阪で、リモートの生徒さんも合わせて80名ほどでしょうか。年代は上の方が多いですが、下は5歳のお子さんもいらっしゃいます。私は父の影響で小さな頃から詩吟に触れていましたが、一般の方は詩吟に触れる機会がとても少ないですよね。そこで「子どもプロジェクト」と題して、お子さんたちに詩吟を広める取り組みをしています。学校がお休みの日に来てくれる高校生の方もいらっしゃいますよ。大阪は約30名でほぼ男性ですが、東京は50名中30名が女性。皆さん頑張って続けられています。
———石原さんは12歳で師範代になられ、高校生の時には生徒さんに教えていたそうですね。
兄も私も高校生の頃から、父がいない時には生徒さんに教えていました。そういう意味では「揖水流詢風会」で皆さんに教えると、昔を思い出すことがありますね。昨年5周年を迎え、詩吟にゆかりのある場所を訪ねて、生徒さんたちと発表会を兼ねた1泊旅行に出かけました。詩吟は漢詩に節をつけて吟じますが、日本国内にゆかりの土地がたくさんあります。岐阜県大垣市にも、歴史家・詩人の頼 山陽(らい さんよう)の漢詩の舞台となった場所があります。今回はそこで発表会とコンクールを開催し、頼 山陽にまつわる場所を散策しました。あいにくの大雨で、最終目的地までは行けなかったのですが、皆さん喜んでくださいました。
———今後の活動はどのようにお考えですか?
今はまだ、教えられる人が私しかいないので、これからは指導者を増やしていきたいです。それとともに、まだまだ詩吟を知らない方が多いので、もっと多くの方に詩吟の素晴らしさを広めていきたいと思います。
———話は変わりますが、ブログを拝見していますと、コンビニスイーツにお詳しいですね。
コンビニスイーツが大好きで、いつもチェックしています。高級なスイーツはもちろんおいしいですが、ちょっとだけ食べたい時や気分転換をしたい時に、コンビニスイーツは最適ですね。ローソンの抹茶シリーズが登場すると、「もう一年経ったのか」と季節の移り変わりを感じます(笑)。
———特におすすめの商品を教えてください。
私はカステラ生地と生クリームが大好きなので、台湾カステラが発売されたら絶対買いますし、シュークリームやエクレアにも目がないですね。ハズレがないのが小さいエクレアがたくさん入っている商品で、少し食べては冷蔵庫に閉まって、ちょこちょこと楽しんで気分転換しています。一番良く行くのはファミリーマートですね。
———猫好きとしても有名な石原さんですが、だいず、きなこ、あずきの3匹の猫たち「だいきなぁず」はお元気ですか?
「猫は軟体動物」とよく聞きますが、彼らは本当に面白いポーズをするので、シャッターチャンスを逃さずに撮影するのが大変です。特にきなこがカメラ嫌い。だいちゃん(だいず)はのんびりしているので撮らせてくれますが、きなこは抱っこもさせてくれないし……猫は本当に一筋縄ではいきません。鳴き方もそれぞれ違って、あずきは猫というよりイタチみたいな声で鳴きます。人間と一緒で、みんな個性的ですね。
———他に今、ハマっていることはありますか?
私は食べることもお酒も大好きなので、コロナ前からジムに通っています。これから先も元気でいるためには体が資本ですから、パーソナル・トレーナーに指導していただいて、体幹トレーニングとマシンを使った筋トレをしています。もともと腹筋はある方ですが、トレーニングでさらに強化しました。
———今後の夢を教えてください。
三味線のお稽古を始めた頃から、和楽器を使ったライブをやりたいと考えています。例えば、和太鼓、尺八、三味線で、私のオリジナル曲などを和楽器で演奏する。ライブハウスや小さめのコンサートホールでやってみたいですね。三味線は近所に教室があって、コロナ禍の頃に始めました。三味線は自分に合っているのか、弾いていてとても楽しいです。津軽三味線も習ってみたいのですが、「これ以上、習い事を増やさないでください」とスタッフにお願いされています(笑)。
———多方面で充実されてますます忙しくなりそうですね。何日かお休みがあったら、大好きな長崎県の五島に行かれるともお聞きしました。
今すぐにでも行きたいです(笑)。前曲『五島椿』でご縁ができた五島には、今年、すでに何度か訪れました。また秋のお祭りの時期に行くのを楽しみにしています。
———最後にファンへのメッセージをお願いします。
気がつけばデビューして36年という月日が流れました。若い時は若いなりの歌があったと思いますが、今、50歳を超えて、今までで一番、“熟している”と感じます。新曲『風花岬』で、今までとはまた違った、新しい石原詢子の風を感じてくださったら嬉しいです。引き続き応援よろしくお願いします!
石原詢子『風花岬』
2024年7月10日発売
品番:MHCL-3094
価格:¥1,500(税込)
【収録曲】
1.風花岬 (作詞・作曲 いとう冨士子 編曲 若草 恵)
2.母春秋 (作詞 菅 麻貴子 作曲 杉本眞人 編曲 佐藤和豊)
3.風花岬 (オリジナルカラオケ)
4.母春秋 (オリジナルカラオケ)
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