山本譲二が7月24日にデビュー50周年記念シングル『妻よ…ありがとう』を発売! 「日ごろ言えない想いを込めた曲に、妻から『最高!』のひと言をもらいました」
1974年に『夜霧のあなた』でデビューし、下積み時代を経て1980年にリリースした『みちのくひとり旅』が大ヒットした山本譲二。デビュー50周年を迎える演歌界のトップスターに、「うたびと」は初インタビューを敢行! 最新シングルや話題を呼んだ「山本譲二メタル化計画」、休日のほとんどを費やす「今一番幸せな時間」などについて話を聞いた。
――デビュー50周年を記念する第1弾シングル『妻よ…ありがとう』は奥様への感謝を、カップリング曲『恋しき孫よ』はお孫さんへの気持ちをストレートに表現した、ご家族への愛を込めたシングルとなりましたね。
やっぱりこの50年を振り返って思うのは、妻がいてくれたからここまでこられたということですよね。でも僕らの世代の男性は、普段の生活の中で妻に「ありがとう」「愛してるよ」なんてなかなか言えませんから、そうした気持ちを込めた歌にしたいと思って、吉幾三に曲作りをお願いしました。そうして生まれたのが表題曲の『妻よ…ありがとう』です。
――完成した曲を聴いた時の印象は?
吉の歌でデモテープが届いたのですが、横にいた妻が「俺のこの手… 離すな」の歌詞に特に感動していたのが印象的でした。歌い手ではない妻が感動する様子を見て、この歌には本当に力があるんだと感じましたね。その時はそれ以上多くは語らなかった妻ですが、レコーディングして仮歌を聴かせたら「こんな歌い方でいいの?」と言われてしまったんです。具体的に何かを指摘されたわけではないのですが、僕も通じるものがあって、翌日2度目のレコーディングをしました。吉は「兄弟、昨日の歌で十分だと思うぞ」と言ってくれたのですが、僕自身が納得するまで録り直させてもらいました。
――改めてレコーディングした歌を聴いた時の奥様のご感想は?
「最高!」のひと言でした。いい笑顔でしたね。ちなみに川中美幸ちゃんにも聴いてもらう機会があったのですが、彼女も感動して涙を流してくれました。
――カップリングの『恋しき孫よ』も吉幾三さんの作詞・作曲ですが、こちらは吉さんとどんなやりとりがあったのでしょうか?
『妻よ…ありがとう』の曲作りの相談をした時に、吉が「カップリングはどうする?」と聞くので、「…やっぱり孫だろ?」「だよな!」という感じでした。あとは吉が僕の気持ちを汲み取ってくれて、ほどなくして届いたのが『恋しき孫よ』でした。
――レコーディングは、いかがでしたか?
吉がスタジオに入ってきた時に気がついたのですが、アイツお酒が入っていたんですよ。もともと明るいのにほろ酔いも加わって、スタジオは笑いに包まれていました。吉は喋れば面白いし、うるさいし、やかましいし、楽しい。でも、おかげでなかなかレコーディングが進まない。そこで僕が、「お前、もう帰れ!(笑)」って言ったんですよ。そうしたら吉のヤツ、「じゃあ帰る!」と言って喜んで人形町の方に消えていきました。間違いなく、また飲みに行ったんでしょうね。
「作詞・作曲の先生が、レコーディングの途中であんなに喜んで帰れるものなのか……?」とも思いましたが(笑)、その後のレコーディングはスムーズに進みました。実は『恋しき孫よ』はけっこうメロディーが複雑なのですが、「先生」が帰ってしまったので、肩の力を抜いて歌うことができましたね。ひょっとしたらCDは、吉の作ってくれたメロディー通りに歌っていないかもしれません。でも、そこは僕とアイツの仲ですから(笑)。
――奥様への感謝やお孫さんへの愛が詰まった50周年記念シングルですが、家族愛とは程遠い曲も収録されていますね。
ボーナストラックの『言論の自由』は、僕が初めて歌ったヘヴィメタルの曲です(笑)。もともとはスタッフが、山本譲二公式Xで何やら始めだしたのがきっかけでした。突然、「流行ってるからやってください」とメタルのポーズ(メロイックサイン)を写真撮影の時に毎回やらされて、初めは何が何だか分からなかったです。ただ、僕にも意識に変化が訪れたタイミングがあり、それがスタッフが作ってくれた山本譲二メタル風Tシャツでした。僕がゾンビを模したイラストを使ったメタル調のTシャツです。何も聞いていなかったので「なんじゃこりゃ?」とビックリしたのですが、通販でよく売れているというんですよ。どんな人が買っているのか想像もできませんでしたが、人気があると言われれば悪い気はしないですよね。その後、僕の『みちのく忘れ雪』のイントロをメタル調で弾くギターコンテストをしたりして盛り上がったので、やはりこれは僕が歌わなきゃいけないだろうと。そこで吉幾三に作ってもらったのが、僕の初めてのメタル曲『言論の自由』なんです。コンテストでグランプリをとった長谷川太一君もギタリストとして参加してくれました。歌ってみて思ったのですが、やっぱり演歌とは違いますよね。メタルは、がなってシャウトして詞をぶつけていく感じかな。
――ステージで歌うのが楽しみですね。
今のところ、ステージで歌う予定はまったくないんですけどね(笑)。
――ちなみに、最近ハマっていることはありますか?
休日はほとんどの時間を7歳の孫のために費やしています。今一番幸せを感じる時間ですね。それ以外だと「ギター」ですかね。今まであまり弾いてこなかったんですが、人から「上手いな」と言われるくらいになってやろうと思って、最近はよくクラシックギターを練習しています。
――お孫さんの前でも弾くのですか?
リクエストされて、童謡の『ぞうさん』を弾き語りで歌ったりしています。僕が歌うのはたいてい替え歌なんですが、それをものすごく喜ぶんですよ。そうやってギターを弾きながら孫と遊んでいるのもあって、ギターの練習に気合が入っているのかもしれません。
――今回シングルではメタルとコラボしたわけですが、お孫さんのために次は「アニメソング」に挑戦してみるのはいかがですか?
それはいいですね! 今まで考えたこともなかった。でも、お話をいただかないと始まりませんからね。アニメ関係者の皆さん、主題歌候補をお考えの際は、ぜひ山本譲二をよろしくお願いします!(笑)
――ギターの弾き語りで歌を歌ってくれる“じいじ”の影響で、将来お孫さんが「歌手になりたい」と言い出したらどうしますか?
めちゃくちゃ応援します。孫が売れる歌手になるためだったら、どんな協力も惜しみません。ダメだということはないですね。この世界の厳しい一面もよくわかっていますが、孫の夢を壊したくないですから、余計なことは言わずに背中を押します。そしてできる限りの応援をすると思います。レコード会社もプロダクションも、全部“じいじ”が決めると思いますね(笑)。
――吉幾三さんと、孫自慢で盛り上がったりすることは?
アイツは僕に孫が生まれるまで、ズーッと孫自慢していたんですよ。「孫はかわいいぞ、兄弟。早く娘に孫を生んでもらえ」なんて言うから、「オレは孫より娘二人の方がかわいいんだよ! 孫ができたって、それは変わらないよ」と答えていたんですが、孫が生まれたらコロッと変わりました。今はもう、完全に娘より孫です。3日も顔を見ないと、すっかり寂しい気分になりますからね。実は今日も、このインタビューの後に会いに行くんですよ。
――では最後に、「うたびと」の読者にメッセージをお願いします。
最近は猛暑日が続くと思えばビックリするような激しい雨が降ったりして、体調を崩す人も多いようですが、くれぐれも体調には気をつけてください。健康だったらなんでもできますからね。元気に夏を乗り切ったら秋に虫の声を楽しみ、寒い冬に耐えればすぐにお正月です。新年を迎えたら、もう1年頑張ろうという気分になりますから、その繰り返しでいきましょう。正月に計画を立ててもなかなかその通りには行きませんが、健康であれば大丈夫です。妻に感謝を伝えることもできますし、孫と楽しい時間を過ごすことだってできる。メタルを歌うことだってできるんです。僕の歌を聴きながら、健康に気をつけて楽しく1年を過ごしましょう!
山本譲二『妻よ・・・ありがとう』ミュージックビデオ
山本譲二『妻よ・・・ありがとう』
2024年7月24日(水)発売
品番:TECA-24036
価格:¥1,500(税込)
【収録曲】
1.妻よ・・・ありがとう(作詞・作曲:吉 幾三/編曲:伊戸のりお)
2.恋しき孫(作詞・作曲:吉 幾三/編曲:伊戸のりお)
3.言論の自由(ボーナストラック)
ユニット名:
J&J feat. HATTALLICA with 長谷川太一
作詞・作曲:IKZO
編曲: KIRZ(HATTALLICA)
Sound Producer:Takashi Shirayama(W.M.Production)
(上記1曲目と2曲目のオリジナル・カラオケ及び1曲目のメロ入りカラオケを収録)
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