“道の駅演歌歌手”として話題の不知火鈴香が『良くない恋泣くよ』でデビュー 「子ども7人、孫5人。波瀾万丈な私の人生を回文で綴った明るい曲です!」
地元・熊本県を中心に”道の駅演歌歌手“として話題の不知火鈴香が、デビュー曲『良くない恋泣くよ』をリリースする。子ども7人、孫5人の”ビッグマミー”である彼女は現在50歳。その波瀾万丈な人生を、軽快なリズムと回文で綴ったユニークな楽曲には、たとえ葛藤があっても笑い飛ばしてしまう姿勢が表現されており、本人の経験と生き方が凝縮された一曲となっている。うたびと初インタビューの今回は、仕事を掛け持ちしながらの子育てや、幼子を連れた熊本地震の避難所生活、コロナ禍など、”何回もいかんな”な人生や、それでもなお諦めなかった歌への夢と、自身の経験を活かした次世代ママ支援への思いを聞いた。
──デビュー曲『良くない恋泣くよ』は、タイトルはもとより歌詞にも回文が盛り込まれたユニークな楽曲。力強いこぶしも聞きどころですが、まずはこの楽曲が生まれた背景を教えていただけますか?
道の駅や商業施設、地元のお祭りなどいろいろな場所で歌っていたところ、今の事務所関係者経由で、演歌作家の鮫島琉星先生とご縁ができました。先生に私がこれまで歩んできた人生、生い立ちをお伝えしたところ、『ぜひ曲にした方がいいよ』と、歌詞を書いてくださいました。『波瀾万丈な人生だね』と言われることが多い私ですが、バタバタと必死でやってきたせいか、そこまで深く考えたことがなくて。そんな私のあっけらかんとしたところも曲に盛り込んでいただけたのかなと思っています。
──たしかに激動の人生が描かれた歌詞ですが、軽快なリズムで前向きな気持ちになります。ご自身が特に共感されたのはどのパートですか?
これも回文なのですが<何回もいかんな!>というところは、おそらく私が何度も結婚に失敗していることを書いてくださったのかなと(笑)。それでも変に重苦しくならないといいますか、メロディもリズムも本当に楽しい感じで、歌うたびに大好きになる曲ですね。
──すでに多くのステージで披露されていますが、聞いた方からはどんな反応がありますか?
覚えやすい曲調なので、子どもからお年寄りまで一緒になって楽しんでくださっているのがステージの上からもわかります。特に<上から読んでも 下から読んでも>のパートが耳に残るみたいですね。私は地元熊本市内で『カラオケBar鈴香』というお店を経営しているのですが、そのことをMCでお話ししたところ、ご来店してくださった方もいて。ある時は<上から読んでも~>と歌いながら入ってこられたお客さまもいました(笑)。
──50歳の遅咲きデビューですが、多くの方に親しんでいただけるこの曲でデビューできてよかったとお感じですか?
本当にそう思います。実は18歳の時にデビュー寸前までいったことがあるのですが、その時、私は母になることを選びました。そのことに一切後悔はないですし、子育てが落ち着いた今、この年齢でしか歌えない歌をいただけたことを、とてもありがたく感じています。
──不知火さんのこれまでの歩みも教えてください。初めて歌のコンテストに出場したのは3歳の時だったとか?
その時、歌ったのは森昌子さんの『おかあさん』でした。祖母が演歌好きで、私が歌うととても喜んでくれました。その頃は大月みやこさんの歌をよく歌っていましたね。歌詞の意味はぜんぜんわからなかったのですが、祖母が『こればやるけん』って500円札を私にくれて、それがうれしくて一生懸命歌ったのを覚えています。
──いつの間にか歌手を目指すように?
はい。それから自分で調べて歌のコンテストに出場したり、オーディションを受けたりして、ある事務所とご縁ができました。中学を卒業してから毎週土日に東京までレッスンに通っていました。ただ当時は若かったこともあり、アイドルとしてデビューすることを前提としたレッスンでした。私は演歌を歌いたかったのですが、長山洋子さんみたいにアイドルから演歌歌手に転身する例もあると説得されて。そしていよいよデビューの準備という矢先の18歳で、長男を妊娠しました。
──出産に迷いはなかったですか?
まったくなかったです。命は何物にも代え難いものですから。ただ周囲からは猛反対されました。特に母の失望は大きかったですね。私を歌手にするのは、母の夢でもあったのだと思います。子どもにも絶対に会わないと言われ、結局、実家の助けを借りずに出産しました。
──心細かったでしょうね。
そうですね。今のようにネットやSNSもなかった時代で、行政からどんな支援があるのかもわからなかったです。最初の夫と20代前半で離婚することになり、3人の子どもを連れて家を出た時は本当に大変でした。その後、再婚して3人の子どもを授かったのですが、結局、その結婚生活も長くは続かなくて──
──20代で6人のお子さんをお持ちのシングルマザーに?
あの頃は生きるのに必死で、仕事を3つ掛け持ちしていました。それでも子どもの入学が重なったりすると本当にお金がなくて、制服もお下がりだったりと、子どもたちも本当によくついてきてくれたと思います。子育てって親ばかりが頑張っているようですけれど、子どもも頑張ってくれるものですね。
──現在は7人のお子さんと5人のお孫さんを持つ”ビッグマミー”。ということは、その後またお子さんを授かったのですね。
はい。42歳で授かった一番下の娘が8歳になりました。夢中で子育てをしていた時期が去ってから授かったので、私もおばあちゃん感覚で上の子たちと比べて甘やかしてしまうせいか、上のお姉ちゃんたちから『私の時はこうじゃなかった』とクレームが入ることもあります(笑)。
──どんなことを大切にして子育てされてきましたか?
子どもって生まれた瞬間から1つの人格を持った人間だと思います。だから子どもの意思は最大限に尊重したいですね。たとえ失敗しても『やらないで後悔するよりも、やって後悔したほうがいい』と言って育ててきました。私自身もそうやって生きてきて、たくさん失敗はしたけれど、振り返ると後悔はなかったと思います。
──子育てと仕事の掛け持ちに奔走しながらも、歌は忘れなかったのでしょうか?
はい。バタバタと生活していてもやっぱり歌は大好きで、地元のお祭りや飲食店などから『鈴ちゃん、ちょっと歌ってくれんね』と声をかけていただくこともよくありました。その中でも大きな転機となったのが(2016年4月の)熊本地震でした。当時住んでいたマンションも被災して、一番下の娘が生まれてすぐだったのですが、同時期に長女も出産したばかりで、親子3代が半年ほど避難所で暮らしました。
──幼い子を連れての避難所生活は大変だったでしょうね。
そうですね。最初は体育館にいたのですが、やっぱり赤ちゃんなので泣きますよね。周りの方にご迷惑じゃないかと心苦しかったです。でも、授乳の個室を用意してくださるなど、みなさんに本当によくしていただきました。そのご恩返しじゃないですけれど、私にできることといったら歌うことくらい。歌には人を元気にする力があると信じていましたので『よかったら歌わせてください』と、避難所や被災者の会などで歌うようになりました。
──震災の翌年には『カラオケBar鈴香』をオープンされました。
はい。コロナ禍の時はお店も大変でしたが、落ち着いてからはお客さまも戻ってきてくださいました。震災にしてもコロナ禍にしても、人生は『なんでこんなことが起きるの?』の連続です。明日はどうなるかわからない。だからやりたいことをやって、毎日笑っていられたらいいね、と子どもたちとも話しています。
──現在は”道の駅演歌歌手”というキャッチフレーズでも活躍されています。どんなきっかけで道の駅で歌い始めたのですか?
もともと道の駅が大好きで子どもを連れてよく行っていたのですが、『歌ってみない?』と声をかけてくださった方がいて、それをきっかけに2022年頃から熊本県各地の道の駅で歌わせていただくようになりました。道の駅を巡っていると私も知らなかった熊本の名産品がたくさんあって、これを全国に発信したいという思いも芽生えてきました。
──特に不知火さんがおすすめの名産品を教えていただけますか?
デコポンはみなさんご存知だと思いますが、その仲間のシラヌヒというみかんがとても甘くて美味しいです。それと熊本県菊池市の郷土料理“とじこ豆”。素朴な甘さとお豆の食感がクセになるおやつです。でも何より道の駅で好きなのは、地元のお母さんたちが作る地元食材を使ったお弁当。温かくて愛情がいっぱい詰まっていて、いつも買って帰ります。
──目標は全国1221か所の道の駅を巡ることだとか。
歌を通してお客さまと触れ合えるのが道の駅の魅力です。何より道の駅は子ども連れの女性がたくさんいらっしゃいます。私は今、子育て支援活動もしていますが、地域によって支援のあり方も違いますし、道の駅ライブをしながら、日本各地で子育て支援活動をされている方と情報交換ができたらいいなと思い描いています。
──不知火さんには夜間学童保育を立ち上げるという夢もあるそうですね。
はい。子どもたちも大きくなりましたし、私に何かできることはないかと、地域の子育て支援コミュニティを立ち上げました。私もかつては仕事を掛け持ちしながら子育てをしていましたが、そういうお母さんはたくさんいます。中でも夜に仕事をしているお母さんは少なくありません。なぜならお給料がいいからです。だけど一般的に学童保育は夕方6時までしか預かってくれません。民間の施設もあるけれど、やっぱり高くて経済的にも厳しいのが現実です。
──子育てに必死な若いお母さん方を見て、ご自身のことを思い出すのでしょうか?
そうですね。私も子育てに必死でしたが、思い返せば1人で頑張っていたわけじゃなく、地域で助けてくれた方がたくさんいました。だけど今は人間関係も希薄で、1人で孤独を抱えている若いお母さんも多いのではないでしょうか。まずは困った時に気兼ねなく隣近所にヘルプを出せるような環境が必要だと思って、今は地域の方と小学校を繋ぐイベントなどを開催しています。
──なんともパワフルですが、息抜きはされていますか?
1人でボーッと海釣りをするのが、何よりの息抜きです。主人も『1人じゃ危ないよ』とついてきたがりますが、すぐに『もう帰ろう』と言うので、『頼むから1人にして~!』と思います(笑)。
──釣ったお魚をお料理しますか?
さばくのは長男に任せます。板前をしていたので料理上手です。『ママ、仕事増やさんでよ~』とボヤかれるのですが、『食材だよ!』と持っていきます(笑)。長男は演歌も上手で、ファルセットもよく声が出ます。でも6人の娘たちは『ママの前では歌わない』と歌を聞かせてくれないんです。
──波瀾万丈の人生を経て、今は穏やかな日々ですね。再び夢に向けて歩み出しましたが、歌手としてはどんな目標をおもちですか?
祖母の夢であり、また母の夢でもある紅白歌合戦に出場したいです。18歳で出産した時にはお互いに意地を張ってしまいましたが、どうしても行き詰まって母の元を訪ねたことがありました。その時に母がどれだけ私の夢を応援してくれていたかを知りました。デビューは遅れましたが、紅白のステージで両親や仲間に恩返ししたい、というのと、もう一つ、歌手活動を通して、子育て支援の活動も継続して、夜間児童保育を立ち上げたいです。
──それでは最後に、みなさんにメッセージをお願いします。
私らしく元気いっぱいに歌って、全国のみなさんに笑顔と勇気を届けていきたいと思います。今後とも不知火鈴香をどうぞよろしくお願いいたします!
不知火鈴香『良くない恋泣くよ』
2024年9月25日(水)発売
品番:CRCN-8692
価格:¥1,500(税込)
【収録曲】
1.良くない恋泣くよ(作詞:鮫島琉星/作曲・編曲:坂本孝輔)
2.百花繚乱~ひゃっかりょうらん~(作詞:鮫島琉星/作曲:大竹隼人/編曲:坂本孝輔)
3.良くない恋泣くよ(オリジナル・カラオケ)
4.百花繚乱~ひゃっかりょうらん~(オリジナル・カラオケ)
5.良くない恋泣くよ(一般用カラオケ・1音下げ)
6.百花繚乱~ひゃっかりょうらん~(一般用カラオケ・1音下げ)
配信はこちらから https://lnk.to/yokunaikoinakuyo
メジャーデビューBar記念イベント
日時:
2024年10月24日(木)14時〜
会場:
SHOTBAR MAO ANNEX -SHINJUKU-
東京都新宿区歌舞伎町1丁目15-7 榮喜堂ビル B1F
※参加は無料ですが、席に限りがあるため、先着順になります。
ドリンク代は別途かかります。
メジャーデビュー曲『良くない恋泣くよ』発売記念イベント
日時:
2024年10月19日(土)
1回目 13時~
2回目 15時~
会場:
宇土シティモール 1階 センターコート
熊本県宇土市善道寺町綾織95
※観覧無料
※キャンペーン当日、会場の販売コーナーで対象商品をご購入された方は、ステージ終了後の「特典会」にご参加頂けます。
不知火 鈴香(しらぬい すずか)プロフィール
生年月日:
1974年8月21日
星座:
獅子座
出身地:
熊本県熊本市
血液型:
A型
特技:
料理・ハンドメイド
趣味:
海釣り・映画鑑賞
好きなもの:
お酒・愛犬
さまざまな恋を経験し、
愛と勇気で人生を生き抜いてきた。
だからこそ、
彼女の歌には力がある。
幼少期から歌謡曲や演歌に親しみ、祖母から500円のご褒美をもらうために歌う日々を過ごす。
中学時代にはすでに歌手の道を志すも、若干18歳にして母となり、さまざまな職を経験しながら、熊本から東京・銀座の繁華街で歌を歌い、夢を追い続ける。
仕事と子育てに追われる多忙な日々の中、2016年には熊本地震で大きな被害に見舞われるも立ち上がり、現在は“カラオケBar鈴香”を切り盛りする。
子ども7人を産んだ母であり、孫5人をもつ祖母ともなって、ビッグマミーとでもいうべきこの経歴一つとっても、彼女が乗り越えてきた試練と生きる喜びを感じずにはいられない。
逆境に立ち向かいながらも夢を追い求める姿勢が、幅広い世代から支持を受けており、近年では、女性が働きやすい社会の実現に貢献するため、子育て支援や地域活性化にも多くの情熱を注ぐ。
彼女の人生を通し、幾度となく恋の痛みを経験し、良くない恋の危うさを身をもって知ってきた。
そうした過去があるからこそ、本当の幸せな恋を望む心を誰よりもリアルに歌うことができる。
そんな彼女の生き様には、上から読んでも下から読んでも「良くない恋は泣かされる」という警句が刻み込まれている。
紅白歌合戦に出場し、夜間学童保育を立ち上げる日を夢に描き、今日もまい進を続ける。
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