山内惠介がデビュー25周年記念シングル『北の断崖(きりぎし)』をリリース 「短いけれどドラマチック。一曲入魂という言葉がふさわしい作品です」

昨年末のNHK紅白歌合戦で『紅の蝶』を披露し、華やかなステージで多くのファンを魅了した山内惠介が、2025年歌手デビュー25周年を迎える。そのメモリアルイヤーを飾る新曲が、2月26日に発売される『北の断崖』(作詞:麻こよみ、作曲:水森英夫、編曲:竹内弘一)だ。3年ぶりに師匠の水森英夫が作曲した王道演歌で、それぞれカップリング曲が異なる「夢盤」「大阪盤」「名古屋盤」と、ミュージックビデオを収録したDVDがセットとなった「唄盤」の4タイプでリリースされる。デビュー四半世紀を迎えた演歌界の貴公子が、レコーディングでの制作秘話や紅白歌合戦の舞台裏のエピソードなどを交え、ファンへの思いや未来を見据え、常に前を向いて進化を続ける姿勢について語るインタビューをお届けする。
過去2作品で培ってきた表現力が活かされた
──前2作は、松井五郎作詞、村松崇継作曲の演歌のジャンルを超えた楽曲を連続でリリースされましたが、デビュー25周年記念シングルとなる新曲『北の断崖』は、師匠・水森英夫作曲による王道演歌となりました。この2年間の挑戦で歌い手としてどのようなことを得られたのでしょう?
歌手生活25周年を迎える2025年は、必ず師匠の水森英夫先生が作ってくださった新曲を歌いたいと以前から考えていました。そのためにも、これまでの演歌路線とは趣向の異なる作品に挑戦したいと考え、2023年に『こころ万華鏡』、そして2024年に『紅の蝶』を発表したんです。この2作に取り組んだことで、お客さまを引っ張っていく船頭は歌い手なのだと改めて実感しました。というのも、『こころ万華鏡』も『紅の蝶』も詞数が多くメロディラインも複雑な曲だったので、聴いていただくためには歌の世界観にお客さまを引き込んでいかなくてはならなかったんですよね。長い歌をアッという間だったと感じていただくためにはどうすればいいのか――。歌い方、聴かせ方、見せ方をしっかり考えるようになれたのは大きな収穫でした。
──新曲『北の断崖』を、どのような曲だと捉えましたか?
この2年間の挑戦を経て、『北の断崖』のデモ音源を最初に聴いたときは安心感を覚えました。シンプルな四行詞が肌になじむように感じたんです。一方で、非常にエネルギッシュかつ瞬発力も求められる歌で、一曲入魂という言葉がふさわしい、パワーが必要な作品でもあります。『こころ万華鏡』『紅の蝶』とは反対に、短いけれどドラマチックに感じてもらわなければならない歌。過去2作品で培った表現力を存分に生かすことを楽しみながらレコーディングしました。
──作詞家の麻こよみ先生は、山内さんと何度もタッグを組んでいらっしゃいますが、新曲に臨まれるうえで、麻先生からのメッセージは?
麻先生はこれまで、山内惠介の「女歌」を粘り強く書いてきてくださいました。今回の『北の断崖』は、その極めつけのような歌。「女性の気持ちを代弁してもらいたいし、泣かせてほしい。そして熱唱してほしい」というオーダーをいただいてレコーディングに臨みました。この歌の肝は、“断崖”と書いて“きりぎし”と読ませる印象的な言葉。よくぞこの言葉を山内惠介に授けてくださったなと感謝しています。
“き”一文字の表現が決まるまで試行錯誤
──レコーディングには水森先生も同席されたそうですが、先生との久々のレコーディングはいかがでしたか?
水森先生とのレコーディングは2年ぶりです。デビュー以来、先生とは毎年一緒にレコーディングをしてきて、それが当たり前となっていました。でもこの2年間のインターバルを挟んだことで、先生とのレコーディングが改めて新鮮に感じられる一方で、安心感もあり、この時間の経過もひとつのエッセンスになったのだなと感じています。先生とは年齢が離れていますが、いい歌を作りたい、届けたいという思いは一緒です。レコーディングを始める前の、先生の止まらないおしゃべりも健在で、僕を和ませようというお心遣いもうれしかったですね。
──収録で実際に歌を作り上げていく際に、水森先生とはどのようなやり取りを交わされたのでしょう?
レコーディングでは、山内惠介らしい歌の持っていき方を先生と一緒に模索しながら歌いました。やはりポイントは、出だしの「見下ろす断崖(きりぎし)」というフレーズ。特に“断崖”の“き”をどうやって表現しようかと、先生と試行錯誤しました。たった一文字の“き”がなかなか決まらなくて、歌手の大先輩の歌い方を参考にしながら、どのような表現方法がいいのかを追求したんです。レコーディングは生みの苦しみを味わうのですが、生まれたときの達成感はこの上ないんですよね。歌作りは大変な作業ですが、楽しかったです。
夜の海を照らす灯台に重ねた歌手としての自己の在り方
──ミュージックビデオの撮影エピソードも教えてください。
ロケ地は犬吠埼岬です。撮影前日に犬吠埼入りしたのですが、夜になったら星もきれいで月も出ていて、そこでしか味わえない時の移ろいを感じました。また、大海原を照らす灯台のサーチライトも印象的でした。船の安全を見守る灯台を眺めながら、歌を届ける僕もお客様に安心を与えるような存在でありたいと思いました。一方で灯台は孤独な存在だとも感じたんです。そんな灯台に自分を重ね合わせて、孤独な時間があるからこそ輝くことができるのではないかと思いました。僕も多くの方に歌を聴いていただくシチュエーションがあるけれど、ひとりの時間も大事にしなくてはいけないなと、灯台から学びましたね。撮影は、監督に崖のぎりぎりまで行ってほしいと言われて、かなりぎりぎりを攻めました。怖かったです!
──カップリングは、夢盤が『おおらい節』、大阪盤が『銭も少々 幸せ少々』、名古屋盤が『尾張城下の泣かせ雨』です。それぞれどのような曲ですか?
『おおらい節』は英語の「Be Alright」から「おおらい! 大丈夫!」と歌った応援歌です。ビッグバンドジャズアレンジで、昭和レトロなテイストでお届けします。コンサートでもペンライトを振って盛り上がっていただける曲だと思います。僕のオリジナルには大阪と名古屋のご当地ソングが少なかったので大阪が舞台の『銭も少々 幸せ少々』、そして名古屋が舞台の『尾張城下の泣かせ雨』を作っていただきました。『銭も少々 幸せ少々』は、人情味あふれる詞が印象的な浪花演歌で、セリフをしゃべるかのように歌うのがポイント。『尾張城下の泣かせ雨』は、地味かっこいいムード歌謡です。歌詞に名古屋市の花である百合が出てくるのですが、僕のシンボルマークも百合なんですよ! 大阪と名古屋にうかがって、その2曲を歌うのが今から楽しみです。
40代になって感じるようになった日々の小さな幸せ
──10年連続10回目の出場となった昨年末のNHK紅白歌合戦のステージはいかがでしたか?
2024年にリリースした新曲の『紅の蝶』を歌えたのはうれしかったですし、曲の世界観にこだわって和洋折衷の衣装を作りました。フルコーラス歌唱ではありませんでしたが、曲を作ってくださった作詞家の松井五郎先生も、作曲家の村松崇継先生も、短縮バージョンになっても絵になる歌に作ってくださっていたんですよね。おかげさまでSNSでも素敵な反応をたくさんいただきまして、これから『紅の蝶』がどのように皆さんに愛されていくのか、とても楽しみです。お笑い芸人の方たちと一緒に歌のお祭りらしい華やかなステージがお届けできたのではないかと感じています。紅白で歌い終えると、自然と涙が出るんです。やはり1年の歌い納めの舞台ですし、歌っているときに1年の出来事が次々と思い出されるんですよね。2025年につながるいいステージだったと思います。
──今は2025年ですが、もしタイムマシンに乗れるとしたらどの時代に行ってみたいですか?
以前も「タイムマシンに乗ったらどうしますか?」と聞かれたことがあって、そのときは「令和15年にタイムスリップしたい」と答えました。今も一緒ですね。未来に行ってみたいです。前を向いていたいし、前を向くためには何をしたらいいのかということを考えるんですよね。もちろん、過去を振り返って「あの時こうすればよかったな」と後悔することもあります。でも、25年間歌を歌ってきて、これまで歌ってきた歌を令和の時代にも歌い直すことができるのは素敵だなと思うんです。そうすることで過去も書き換えられますし、それが未来へと続く礎になるのだと感じるようにもなりました。今まで自分が発表してきた歌を改めてステージで披露していく。それを繰り返していけば令和15年にたどり着けるのではないかと思います。それにしても、直感で令和15年と言いましたが、その頃僕はなんと50歳! 楽しみですね。
──25周年のメモリアルイヤーをどんな年にしたいですか?
25周年という節目の年ということで自然と気合が入ってしまいますが、あまり気張らずに頑張りたいと思っています。今を大事に一歩一歩進んでいきたいですね。やはり40代になって、体力的にきついこともありますが、若いときには見えなかった幸せをたくさん感じられるようになりました。たとえば洗濯物が乾いただけでも幸せだと思うんです(笑)。そんな日々の小さな幸せを見つけつつ、今を大事にしていきたいですね。それから歌番組以外のバラエティ番組にも出演したいですし、お芝居にも興味があるんです。そんな機会があったらうれしいです。
──最後にファンの方へメッセージをお願いします。
歌手生活25周年というメモリアルイヤーに突入しましたが、僕だけの25周年ではありません。ファンの方たちの支えあっての25周年だと思っています。新型コロナによる自粛の世の中があり、たびたび地震にも見舞われました。もちろんまだ避難生活を送っている方がいらっしゃいますが、困難を乗り越えての今年が素晴らしい1年となることを願ってやみません。そんな思いを胸に、『北の断崖』を筆頭に、いろいろな歌を届けていきたいですし、みなさんの毎日が楽しいものになるよう、歌っていきたいと思います。
山内惠介 デビュー25周年記念曲 『北の断崖』告知映像
山内惠介 デビュー25周年記念曲 『北の断崖』
2025年2月26日(水)発売
夢盤
品番:VICL-37761
価格:¥1,500(税込)
【収録曲】
1.北の断崖(作詞:麻こよみ/作曲:水森英夫/編曲:竹内弘一)
2.おおらい節(作詞:いしわたり淳治/作曲:水森英夫/編曲:鈴木正人)
3.北の断崖(オリジナル・カラオケ)
4.おおらい節(オリジナル・カラオケ)
名古屋盤
品番:VICL-37762
価格:¥1,500(税込)
【収録曲】
1.北の断崖
2.尾張城下の泣かせ雨(作詞:石原信一/作曲:水森英夫/編曲:伊戸のりお)
3.北の断崖(オリジナル・カラオケ)
4.尾張城下の泣かせ雨(オリジナル・カラオケ)
大阪盤
品番:VICL-37763
価格:¥1,500(税込)
【収録曲】
1.北の断崖
2.銭も少々 幸せ少々(作詞:下田卓/作曲:水森英夫/編曲:伊戸のりお)
3.北の断崖(オリジナル・カラオケ)
4.銭も少々 幸せ少々(オリジナル・カラオケ)
唄盤
品番:VIZL-2422
価格:¥2,000(税込)
【CD収録曲】
1.北の断崖(作詞:麻こよみ/作曲:水森英夫/編曲:竹内弘一)
2.北の断崖(オリジナル・カラオケ)
3.北の断崖(女性用カラオケ)
【DVD収録内容】
1.北の断崖 ミュージックビデオ
2.北の断崖 ミュージックビデオ(男性用カラオケ)
3.北の断崖 ミュージックビデオ(女性用カラオケ)
音楽ストリーミングサービスおよびiTunes Store、レコチョク、moraなど主要ダウンロードサービスにて2月26日配信
※対応ストリーミングサービス
<オンデマンド型>
Apple Music / YouTube Music / Amazon Music / LINE MUSIC / Spotify /AWA /
Rakuten Music / KKBOX / うたパスオンデマンド / TOWER RECORD MUSIC / Deezer
<ラジオ(プレイリスト)型>
dヒッツ / うたパス / SMART USEN
新曲『北の断崖』発売記念イベント(ミニライブ&握手会)
2月28日(金)14時
阪急西宮ガーデンズ
本館4F スカイガーデン
兵庫県西宮市高松町14-2
3月7日(金)14時
プライムツリー赤池
1F プライムホール
愛知県日進市赤池町箕ノ手1
詳細はこちらから:
https://www.jvcmusic.co.jp/-/News/A015622/254.html
山内惠介 レギュラー出演番組
STVラジオ
「山内惠介の歌一本勝負」
毎月第1月曜 18:30~19:00
https://www.stv.jp/radio/keisuke/index.html
RKBラジオ
「山内惠介の歌の道標」
毎週日曜日7:40~7:59
https://rkbr.jp/keisuke/
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