竜 小太郎・花園直道「全国のみなさんを熱狂させたい」

2019.7.26

かつて〈チビ玉〉の愛称で知られ、「流し目のスナイパー」の異名を持つ俳優・竜 小太郎さんと、日舞パフォーマーで歌手の花園直道さん。一回り以上も年の違うふたりが初タッグを組んだ舞台「花と竜 熱狂宣言!! 豪華絢爛歌舞絵巻レビューショー」は、文字通り観客を熱狂の渦に巻き込んだ。公演のさなかに聞いた、ふたりが舞台にかける想いとは。

「一緒にやりたい」と言ったら、ふられちゃったんですよ!

――――まず、おふたりで舞台をやることになったいきさつを教えてください。
竜 小太郎(以下“竜”)「数年前、ぼくが彼の単独公演を観に行って、ぜひいっしょにやりたいとオファーをしたら……ふられちゃったんです!」
花園直道(以下“花園”)「すみません。小さい頃から小太郎さんの舞台を観ていたので、恐れ多くて(笑)」
「その3年後にお会いしたら、『そろそろ私も力がついてきたので、お願いします』と言われて、じゃあいっしょにやろうということになりました。

――――おふたりにとって念願の舞台だったわけですね。
竜・花園「もちろん!」
「あと、僕の先輩でもある梅沢富美男さんから、『きみも後輩を育てる年になってきた。花園くんとなら一緒にやってもいいんじゃないか』という力強いお言葉をいただきまして、この公演が実現しました」

――――そんな記念すべき舞台の初日の昼の部が終わりました(7月10日取材)。手応えはいかがでしたか?
「『花と竜 熱狂宣言!!』というタイトルにふさわしく、客席も熱狂していただきました」
花園「会場中が大いに沸きました。お客様もたくさん叫んでいらっしゃいました」

――――公演はどんな内容ですか? ドリフのコントにも挑戦されるとか。
「コントコーナーでは、ぼくと直道くんがセーラー服を着ます(笑)。ひげダンスや早口言葉など、いくつかドリフのネタをやって、お客様に舞踊だけじゃない時間も楽しんでいただけたらと思いました。公演の内容は舞踊ショー、歌謡ショー、コント、それからバックにチェロとパーカッションが入って、ぼくと直道くんが相舞踊(ふたりで踊る舞踊)を踊ります。最後は群舞なんですが、僕が『俵星玄蕃』という、三波春夫先生が歌った忠臣蔵の曲を歌わせていただきます。この曲は9分間もある長い曲です。ラストは出演者が全員舞台に出て、赤穂浪士47士でフィナーレを飾ります。正味1時間半のショーですが、内容は盛りだくさんです」

〈女形〉と〈日本最速の早着替え〉を伝授していただきました

――――今回は花園直道さんの女形も見所と聞きました。

「直道くんはもともと女形をやらないのですが、今回の舞台では挑戦してもらいました。お客様が沸きましたよ!」
花園「女形はかなり昔、15歳の頃に経験したことがありますが、それ以来やったことがなかったんです。お客様や関係者からは、『なぜやらないの?』と言われ続けてきました。今回はやはり、女形の第一線で活躍されている小太郎さんのリクエストということで、やらせていただくことになりました。本格的な女形は初めてなので、〈初の女形〉と言ってもいいと思います」

――――直道さんは、今回先輩といっしょに舞台に立って学んだことは何ですか?

花園「ずっと客席で観ていた小太郎さんを、同じの板の上で間近で見られるということで、本番はもちろんお稽古の時も勉強になりました。また、小太郎さんは今回構成も担当されていますので、ショーの構成という面でも勉強させていただいています」
「やはりふたりでお客様を熱狂させてなくてはいけないので、今回は直道くんにぼくと同じ早さで早変わりをしてもらっています」

――――〈早変わりの名手〉小太郎さんと同じ早さで!

花園「やり方は企業秘密!(笑)ラーメン屋の名店でいうと隠し調味料とか、そんな部分まで教えていただきましたので、本当にありがたいと思いました」
「今後、花園直道としての早変わりをやっていけばいいんです」
花園「ありがとうございます。小太郎さん直伝、日本最速の早変わりをされている方から教わったので心強いです」

――――ふたり舞台ならではの見所と、今後の目標を教えてください。

「直道くんは和洋折衷で〈花園マイケルジャクソン〉を踊ったり、ぼくも5枚の早変わりを1秒でやったりと、ふたりの持ち味を最大限に生かして、お客様を楽しませることができればと思っています。お客様にはもっともっと熱狂していただきたいので、ぼくたちの夢は『花と竜』で全国ツアーに行きたいんです。年は違っても板の上に立つ者同士、ぼくと直道くんは一心同体です」
花園「はい! 早く小太郎さんと全国に行けるように頑張ります」

古典も舞踊ショーも、〈歌は語れ、芝居は歌え〉の精神で

――――最後に、小太郎さんと直道さんの近況を教えてください。小太郎さんは、8月13日にバースデー舞踊会を控えていますね。
「はい、日本橋公会堂でやらせていただきます。今年で約10年続いている恒例の舞踊会です。1部は素踊り。紋付き袴姿で長唄の『風流船揃』を踊らせてもらいます。2部は「待ってました!」と声がかかるような早変わりの女形男形舞踊ショー。今回はお客様の要望もあって美空ひばりさんのメドレーを中心に、ぼくの持ち歌もも歌わせていただく予定です。

――――小太郎さんがエンターテイナーとして心がけていることは何ですか?
竜「先輩からよく言われていたことなんですが、〈歌は語れ、芝居は歌え〉ですね。舞踊でいうと、バレエもジャズダンスもタップダンスもひとつの舞踊。いろいろな表現が合わさったときに素晴らしい作品ができる。いつもそれを肝に銘じています。

――――新曲が出たばかりですね。
竜「新曲『新宿旅鴉』をこの舞台の初日7月10日に発売しました。実はこの曲は尾形大作さんの歌で、小さい頃から気に入っていた曲です。ぼくが〈チビ玉〉で名前が世に出たときは7歳、『紅色恋歌(べにいろれんか)』という曲を出したのが10歳の時。それから37年間たくさん曲を出しましたが、どれも女形で踊れる曲が多かったので、股旅ものの曲はなかったんです。今回、初めて股旅ものが歌えて幸せだなと思います。

新曲「百花繚乱~blossom」は花園直道らしいショーアップされた曲

————直道さんは、新曲「百花繚乱~blossom」が発売されたばかり。とても楽しい曲ですね!
花園『ありがとうございます。ミュージックビデオには、いつも応援していただいているデヴィ夫人にもご登場いただきました。映像では初めての共演です。花園直道らしいショーアップされた曲で、歌いやすく踊りやすい、どんな方にもなじみやすい楽曲だと思います。作詞の先生はジャニーズの楽曲やアニソンの歌詞を書かれている相田 毅先生。作曲は『ドラゴンボール』の主題歌も手がけられた池 毅先生。新感覚の楽曲が出来上がったと思います」

――――曲の聞き所を教えてください。
花園「〈花の咲かない 春はないから〉〈花の咲かない 夏はないと〉〈花の咲かない秋はないのさ〉〈冬は雪の下 夢見る蕾が〉と非常に勇気をもらえる内容で、人生いろいろあっても明るい未来が待っているという、メッセージ性のある歌詞になっています。カラオケで歌う時は、「サビの〈咲き誇れ 例え散りぬれど〉を、みなさんそれぞれ、ご自分の心地よい歌い方で気持ちよく歌っていただければと思います。サビの部分は振り付けがあって、みんなで盛り上がることができますよ」

 

竜小太郎「新宿旅鴉」

昭和の時代に<尾形大作>が歌ってヒットさせた作品のカバー。
C/Wは、歌舞伎の<鈴ヶ森>から始まり、傾城<小紫>との逢瀬、時代劇の醍醐味を!
2019年7月10日発売。1,204円+税(NHO-2)

花園直道「百花繚乱~Blossom」

日本舞踊の魅力を新しい形でみせる「若きエンターティナー」花園直道 ニューシングル発売!
新曲「百花繚乱~Blossom」は花園直道が目指す和を基調にしたボーダレスなダンス歌謡曲。
カップリング曲「きびなごレッツゴー」は花園直道が薩摩川内市甑島(こしきじま)・東京大学と共同開発した骨折予防体操「きびなご体操」を披露するオリジナルソング。
2019年7月10日発売。1,204円+税(TKCA-91186)

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