年男“36祭”の大江裕が新曲『十勝秋冬』をリリース! 「辛い時代を乗り越える力にもなる、家族の愛の歌です」

大江裕の新曲『十勝秋冬』(作詩:たきのえいじ、作曲:徳久広司 、編曲:佐藤和豊)は、前作に続いて北海道が舞台。北の大地の家族愛を深みのある歌声で表現し、新境地を拓いている。近年はバラエティ番組「いくらかわかる金?」の路上ライブ企画でも人気を集める大江に、若い世代に演歌を届ける思い、家族や幼馴染との絆、師匠・北島三郎との直近のエピソード、そして36歳年男としての意気込みを聞いた。
師匠の故郷・北海道を歌う喜び
──新曲『十勝秋冬』を初めて聴いた時の感想はいかがでしたか?
北海道は師匠・北島三郎先生の故郷。一度はこの土地を歌ってみたいという目標がずっとありまして、前作『北海ながれ歌』でようやく叶えることができました。北海道のテレビ局・HBCさんで「大江裕の北海道湯るり旅」という番組も始まり、いろいろな形で北海道を愛していけることに喜びを感じていた時に、徳久広司先生が書いてくださったのが『十勝秋冬』。初めて聴いた時は「これはチャレンジだぞ」と思いました。やはり僕は元気いっぱいの歌が多かったので、まず「難しそうだ」と感じましたね。
──カップリングの『北の縄のれん』(作詩:たきのえいじ、作曲:徳久広司 、編曲:佐藤和豊)も北海道が舞台ですが、むしろこちらのほうが従来の大江さんらしいかもしれないですね。
実はこちらを表題曲にしようという意見もありました。だけど僕はどうしても『十勝秋冬』をメインにしたかった。なぜならこれは家族の歌だからです。最近はあまりいいニュースを聞かないですね。誰もがご苦労なさっている時代だと思います。だからこそ自分の原点である家族の大切さに改めて思いを馳せること。それがこの辛い時代を乗り越える力にもなるんじゃないかと思ったんです。
──徳久先生からはどのようなお話がありましたか?
「大江くんの好きなように歌えばいいよ」とおっしゃっていただきました。自分のことを重ねて歌えば、必ずそこに深みは出るからと。そういう意味ではこの歌は、一度は花の都に出たけれど、お父さんが亡くなり、1人になったお母さんを支えるために故郷に帰った男の歌。僕も母1人に育ててもらいましたから、<親の苦労が 今さらわかる>といった歌詞が特に染みるんですね。
──まさにご自身と重ねて歌ってみて、どこが歌唱のポイントになったと思いますか?
この歌はモノローグと言いますか、主人公の男が家族への思いを物語る歌詞ですから、言葉一つひとつを大切に置くように、サビ前までは気持ちをグッと抑えて歌っています。そしてサビの<ここがふるさと 日高のふもと>で気持ちを一気に溢れ出すようにしています。北の大地で生きる男を感じていただけたらうれしいなと思っております。
歌がつなぐ祖父や幼馴染との絆
──カップリング『北の縄のれん』では酒場で繰り広げられる男の友情が歌われています。
僕は下戸ですけど、幼稚園の頃からの幼馴染がいましてね。彼も東京に出てきているのですが、2人で会うとまずは家族の話になるんです。「お父さん元気? お母さんはどう?」と。そして「たまには岸和田に帰りたいね」と、お酒は飲んでないけれど、まさにこの曲の歌詞のような会話になるんですよ。それがなんだかうれしくて、この歌をいただいてすぐに「2人の歌ができたよ」と彼に電話をしました。
──素敵なエピソードですね!
彼も演歌が大好きで、僕にとって同志みたいな存在でもあるんです。先日電話した時も「岸和田に帰ったら、昔よく行ったカラオケ屋さんで演歌を歌いまくろう」と約束しました。
──ちなみに幼い頃に大江さんに演歌を教えてくれたおじいさんは、今も岸和田でお元気にされていますか?
今年で89歳になりましたが、元気です。いまだに家で腕立て伏せをやっていますよ。「おじいちゃん、そんな無理しなくていいよ」と言うと、「お前に負けたくないから頑張って鍛えているんだ」と返してくるんですね。それを聞いて「ああ、そうか、おじいちゃんは僕を応援するために頑張っている」と思うと、ますます家族の大切さが染みてきて。岸和田の家族に会いたいなという気持ちが募ってきますね。
演歌は“縁歌”でもある
──最近はバラエティ番組「いくらかわかる金?」の路上ライブ企画の活躍でもすっかりおなじみとなりましたが、歌手としてバラエティ番組に取り組むことについては、どんなお考えがありますか?
僕のデビューのきっかけは16歳の時に出させていただいたバラエティ番組「さんまのSUPERからくりTV」なんですね。あの時は“演歌高校生”というキャッチフレーズをいただきまして、僭越ながら“演歌”という2文字を視聴者のみなさんに目にしていただくきっかけになったかもしれないと思っています。そして今回の「いくらかわかる金?」で、ディレクターの方の顔をパッと見たら、なんと「さんまのSUPERからくりTV」のADさんだったんです。その方が出世なさって、僕を番組に呼んでくれたんですよ。
──そんなご縁があったんですね!
ですから僕が歌っているのは“演歌”でもあり、“縁歌”でもあるんです。これからも1人ひとりとの出会いを大切しながら歌っていかなければと、そんな気持ちがますます強くなりましたね。
路上ライブで実感した演歌の力
──路上ライブ企画では演歌からポップスまで幅広いジャンルを披露されていますが、演歌へのリアクションはどうですか。
手拍子をしていただくなど盛り上がるのはポップスなんです。でも、道行く人が足を止めてくださるのは、圧倒的に演歌を歌っている時ですね。しかも高校生とか若い子が前のめりになって聴き入ってくれるんです。いつまでも足を止めてじーっと。これは本当に演歌の力だと思いますね。
──生の演歌を初めて聴く若い人もいるかもしれないですね。
そうだと思います。この歌が演歌というジャンルだということすら、わからないかもしれない。そこで僕の名前を検索してもらうと「演歌歌手・大江裕」と出る。この“演歌”の2文字に出会ってもらうために、僕はこの企画に取り組んでいると言っても過言ではないですね。
──路上で生歌唱を披露して道行く人に投げ銭をいただくというご経験については、どのように感じていますか?
幼稚園くらいのお子さんが50円とか入れてくれるんですよ。この子にとってはお菓子を買うために貯めておいたお金かもしれない。そう思うと金額じゃないと思うんですよね。足を止めていただくことだってそうです。若い子がゲームをしたり、勉強をしたりする時間を僕にくれているわけですから、今この目の前にいる方たちに100%の歌を届けなければいけない。言うなれば歌手の原点のような経験を、この路上ライブ企画ではたくさんさせていただいていますね。
生涯をかけて師匠を追いかけ続ける
──“演歌高校生”だった大江さんも今年は36歳。年男についてどんな心境ですか?
僕にとって36歳は生涯で最も大切な年齢になると思っていました。36という数字は幼い頃から追いかけ続けてきた北島三郎先生にまつわる数字でもありますし、一生でたった1度のフェスティバルとして“36祭”の歌をこの1年、精一杯届けていきたいですね。
──9月29日の「令和・歌の祭典2025 ~作詞家 星野哲郎生誕100年記念~」には北島三郎さんと共演されます。師匠とは最近はどのようなご交流があるのでしょうか。
2年前に北島三郎事務所を巣立たせていただきましたが、師匠と弟子の関係はまったく変わらないですね。ご挨拶に伺うと、すぐさま「裕、元気か。変わりはないか」と言われます。本当だったら僕のほうから気遣わなければいけないのに、師匠のほうからパッとその言葉が出るんですよ。
──師匠にとってもいつまでも「最後の弟子」なんですね。
先日「新・BS日本のうた」で師匠の『山』を歌った時は、「裕、『山』じゃなくて『崖』になってたよ」と言われました。「歌が粗い」ということですね。歌に関しては今も変わらず厳しいですが、何より見てくださっていたことが本当にうれしかったです。僕は生涯をかけて師匠を追い続けます。歌手としても人間としても。届かないことはわかっていても、それでも少しでも近づきたい。“36祭”には、師匠の歌をたくさん届けられる1年にしたいという思いも込めています。
──それでは最後にファンにメッセージをいただけますか。
「うたびと」をご覧の皆さま、大江裕でございます。『十勝秋冬』は北海道の歌ですが、皆さんそれぞれの故郷が思い浮かぶように大切に歌って参りたいと思います。たまには故郷に帰ろうかな。そんな気持ちになっていただけたらうれしいですね。また『十勝秋冬』を携えて北海道に伺うチャンスも増えるかなと思います。北海道から火がつくように、頑張って歌ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
大江裕『十勝秋冬』
2025年7月23日発売
品番:CRCN-8761
価格:¥1,500 (税抜価格 ¥1,364)
【収録曲】
1. 十勝秋冬 (作詩:たきのえいじ 作曲:徳久広司 編曲:佐藤和豊)
2. 北の縄なわん(作詩:たきのえいじ 作曲:徳久広司 編曲:佐藤和豊)
3. 十勝秋冬 (オリジナル・カラオケ)
4. 北の縄のれん (オリジナル・カラオケ)
5. 十勝秋冬 (一般用カラオケ・半音下げ)
6. 北の縄のれん (一般用カラオケ・半音下げ)
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