丘みどりが秋元康総合プロデュースの新曲『まだ半ば』をリリース 「20周年の節目に、まだ先があると背中を押してもらえる曲と出会いました」
20周年イヤーを駆け抜けた歌手・丘みどりが、秋元康の総合プロデュースによる新曲『まだ半ば』(C/W『丁稚羊羹』)で新たな一歩を踏み出した。10月16日には初主演映画『演歌の坂道』の公開を控えるなど、活動の幅もますます広がる今、〝永遠の挑戦者〟として次に見据える夢とは。新曲への思い、20年間の振り返りや家族と過ごすかけがえのない時間のことなど、等身大の言葉で語ってもらった。

──20周年を締めくくる新曲『まだ半ば』(作詩:秋元康/作曲:石崎光/編曲:樫原伸彦)は、丘さんにとってどんな1曲になりましたか。
20周年という節目を経た今の自分だからこそ歌える曲をいただけた、という思いがあります。歌手として20年歩んできて、もちろんまだまだではありますが、ひとつの区切りを迎えたと思えた時にこの曲と出会えたことで、「ここで終わりではなく、まだ先があるんだよ」と背中を押してもらえた気がしました。これまでの歩みを認めながら、これから先の自分にも目を向けさせてくれる、本当に大切な1曲になったと思います。
──作詩と総合プロデュースは秋元康さん。この初タッグはどのように実現したのでしょうか。
今年1月にテレビ番組(日本テレビ系『歌唱王 ~全日本歌唱力選手権』)で共演させていただいた際に、私からお願いしました。秋元先生の作品には好きな曲がたくさんあって、「いつか楽曲を提供していただけたら」という気持ちはずっとあったのですが、なかなかお会いする機会がなくて。ぶしつけかなと思いつつも、今しかないとダメ元で「書いていただけませんか」とお願いしたんです。
──そして完成した『まだ半ば』。初めて聴いた時の感想はいかがでしたか。
秋元先生に全面的にプロデュースをお任せする形だったので、楽曲が送られてくるまでは演歌なのか、ポップス寄りなのか、まったく知らされていませんでした。ですから初めて聴いた時には新鮮な驚きがありつつ、「こういう曲を歌わせていただけるようになったんだ」ということがとてもうれしかったです。
──この曲を歌う上で大切にされていることを教えていただけますか。
これまでの私の曲は、わりと歌詞に出てくる主人公の女性がどういう人なのかを考えたり、知らない言葉や地名を調べたりしながら、いわば“役作り”のような感覚で歌うことが多かったんです。でも今回は、秋元先生から「等身大で歌ってほしい」「すっぴんのような感覚で歌ってほしい」と伝えられていましたので、余計なことを考えすぎず、自然体で向き合うことを意識しました。
──おっしゃる通り、飾り気のないまっすぐな歌唱が印象的です。
ただ、それがなかなか難しくもありました。歌手生活が長くなると、ここでこぶしを入れたいとか、もっと声を張りたい、もっと歌い上げたいというふうに、いわばテクニックを“足す”ことができるようになるんです。でも、“引く”ことは本当に難しい。これまでもいろんな先生から抑えて歌うことの大切さを教わってきましたが、この曲はその学びの集大成のようなものがありました。飾りすぎずに歌ったほうが、真っすぐ届くこともあるという新たな発見を得られました。
──ミュージックビデオ(MV)にはAKB48の19期生・伊藤百花さんが、音楽への夢を追う女性として出演されています。
これまでのMVは私自身が主人公を演じるものが多かったのですが、今回その形にすると“42歳の丘みどりの物語”として受け取られてしまうのではないかと思ったんです。それよりもこの曲は20代の方にも80代の方にも、それぞれに人生を重ねながら聴いていただきたいと思ったので、誰か別の方に主人公を託したいとお願いしました。私の役どころは主人公の夢に寄り添い、背中を押す歌手。まさに歌手としてこうありたいという姿を演じさせていただきました。
──そしてカップリング曲『丁稚羊羹』(作詞:秋元康/作曲:蘭華/編曲:桃源郷)も秋元康さんプロデュースですが、『まだ半ば』とはまた違うノスタルジックで、愛らしい女性像が描かれています。
そうですね。『まだ半ば』が普遍的な人生観を歌った楽曲だとしたら、『丁稚羊羹』は物語性や郷愁を感じる曲だなと感じました。最初は『丁稚羊羹』という言葉も食べ物も知らなかったので、まずはお取り寄せするところから歌の世界に入っていったのですが、純粋においしかったです(笑)。
──歌詞にも登場する福井県小浜市などで古くから親しまれている和菓子だそうですね。
はい。小浜にはお仕事でもプライベートでもまだ訪れたことがないので、ご当地の風景などを調べて世界観を組み立ててからレコーディングに臨みました。こちらはわりとこれまで私が歌ってきた曲に近いこともあって、ファンのみなさんの間でも『まだ半ば』派と『丁稚羊羹』派の半々に分かれるくらいご好評をいただいています。

──『まだ半ば』のリリースをもって、昨年から駆け抜けてきた20周年イヤーが一区切りとなりますが、振り返ってどんな1年でしたか。
濃密に駆け抜けた1年でした。三越劇場で舞台初主演作『おちか奮闘記』を上演するなど大きなステージもあり、体力の限界まで頑張ったなという感じです。なかでも新歌舞伎座での初座長公演は、お芝居が1時間、コンサートが90分という大きな挑戦で、しかもほぼひとりで背負う形でしたから、声が最後まで持つかどうか緊張の毎日でした。
──昨年夏には喉の治療で入院。それを乗り越えて9月には女性演歌歌手として史上初となる両国国技館での単独公演を開催するという快挙も成し遂げました。
8月いっぱい声を出せない期間があったため、その間は歌詞や動きを覚えることに専念しました。それもあって9月の両国国技館では以前のようにちゃんと声を出せるのかという不安が大きかったです。だけどあのステージでは人生のなかでも本当に忘れられない、20年頑張ってきてよかったと思えるご褒美のような光景を見せていただきました。何より一番の支えはファンの皆さんの存在でした。皆さんが待っていてくださっているからこそ、どんなことでも乗り越えられる。そんなことを改めて実感した1年でした。
──20年の歩みのなかで、現在の丘みどりさんにつながる一番の転機は何だったと思いますか。
30歳の時に歌手を諦めようと決心したことです。歌は大好きだけど、10年頑張ってきて芽が出ないということは私には向いていないんだと、当時所属していた大阪の事務所を辞めることにしたんです。そして残りの契約期間は「この先はもう歌うこともないだろう」と、ただ純粋に歌を楽しみました。ただ、そうしているうちに「歌ってこんなに楽しいんだ」ということに改めて気付いて、それで辞める前にもう一度だけ挑戦してみようと、何も決まっていないまま東京に出てきたんです。
──そして31歳で『霧の川』に出会い、続いて『佐渡の夕笛/雨の木屋町』と代表曲が生まれていったわけですね。
あの時、行動しなかったら今の自分はないと思います。挑戦を後押ししてくれた存在もいました。大阪時代からかわいがっていただいていた美川憲一さんで、「東京のどの辺りに住んだらいいでしょうか」といったことまで電話で相談させていただきましたし、事務所探しについても「どうしても行くところがなかったらうちに来てもいい。だけど、あなたに合うところはきっと他にあるはずだから、自分で探しなさい」という言葉もいただいて、とても力をもらいました。
──東京へ向かう勇気につながったのですね。
はい。そしてもうひとり、大きな後押しをしてくださったのが徳光和夫さんです。大阪時代にBSジャパン『徳光和夫の名曲にっぽん 昭和歌謡人』に呼んでいただいたのですが、その時に徳光さんから「あなたは絶対に売れるから、東京で活動したほうがいい」と言っていただいて。その言葉を私は本当にまっすぐ受け取って、「徳光さんが言ってくださるなら大丈夫や」と思えたんです。自分ひとりの覚悟だけではなく、そうやって背中を押してくださる方たちの存在があったからこそ、あの時の一歩を踏み出せたのだと思います。

──2026年も後半に突入。複数の単独公演も発表されていますが、10月16日に全国公開される映画『演歌の坂道』に初主演されるというトピックもあります。
出演のお話をいただいた時は、「私でいいんですか?」と何度も監督に確認しましたが、「丘さんにやってほしい。気負わず、等身大で演じてほしい」と言ってくださったことに勇気をいただきました。現場も本当に楽しかったですね。20周年イヤーでコンサートスケジュールもぎっしりと詰まっていたこともあり、かなり過酷な撮影となりましたが、作中で描かれる夢を追うことの意味や、妻として母として生きながら歌手を目指す女性の思いには、今の自分と重なる部分もたくさんあって、共感しながら演じることができました。
──鳥羽一郎さんがゲスト出演されているのも、大きな見どころですね。
そうなんです。大物演歌歌手という役どころがあるということで、これはぜひ5歳の頃から大ファンの鳥羽さんに演じていただきたいと思い、私からお願いして実現しました。「出ていただけませんか」とお声がけしたら、「みどりちゃんのためならもちろんだよ」と快く引き受けてくださって。そういう意味でも特別に思い入れのある作品になりましたね。
──プライベートについても少しお伺いしたいです。多忙な20周年イヤーを走り抜けて、ご自身へのご褒美は何かされましたか。
この8月に夏休みをいただいて、家族とゆっくり過ごせたことが何よりのご褒美でした。特に印象に残っているのは実家に帰ったことで、91歳の祖母と娘の、家族4世代で一緒にご飯を食べて、一緒に歌を歌った時間は宝物になりました。祖母は私に民謡や演歌を教えてくれた存在なので、その祖母と娘が一緒に私の曲を歌ってくれたことが私にとっては20周年を頑張ってきた一番のご褒美になりましたね。
──21年目へ踏み出した今、これからの目標をどう見据えていますか。
いろいろな挑戦を続けていきたい気持ちはありますが、原点として自分は演歌歌手だということは、これからも大切にしていきたいです。演技でも、バラエティーでも、経験したことはすべて歌に返していきたい。そういう意味で自分をひとつの枠に自分を閉じ込めることなく、これからも“永遠の挑戦者”として、さまざまなことに挑んでいきたいと思っています。活動の幅を広げながら、歌手としてもっと深みを増していくことが目標です。そして最終的には、「丘みどりといえばこの曲だよね」と多くの方に言っていただけるような代表曲を1曲でも多く生み出していきたいと思っています。
──いつか必ず実現したい夢はありますか。
2019年にパラオ共和国で初めて海外公演をした際に、言葉が通じなくても歌は届くんだと実感したことがあって、「世界中の方に演歌の生歌唱を届けたい」という夢が生まれました。その最終目標がラスベガス公演です。20代の頃にラスベガスでセリーヌ・ディオンさんのコンサートを観た時、漠然と思い描いた「いつかこんなステージで歌えるアーティストになりたい」という夢は、今も持ち続けています。日本の名曲や着物の美しさ、和の文化を海外へ届けられる歌手になりたいですね。

──最後に『まだ半ば』を聴いてくださる皆さんへメッセージをお願いします。
いくつになっても「明日も頑張るぞ」と思える力をこの曲から受け取っていただきたいという思いを込めて歌っています。私自身、これまでは前だけを見て走り続けることばかり考えていましたが、最近は立ち止まって振り返る時間も大切だと感じています。聴いてくださる皆さんにも、ふと自分の人生を見つめながら「まだまだ先は長いんだから、ゆっくりでも頑張っていこう」と思ってもらえたら。じっくり、たくさん聴いていただけたらうれしいですね。
丘みどり『まだ半ば』ミュージックビデオ
丘みどり『まだ半ば』

発売中
<初回限定豪華盤>
品番:KICM-39006
定価:¥2,800(税込)
【CD 収録曲】
1.まだ半ば(作詩:秋元康/作曲:石崎光/編曲:樫原伸彦)
2.丁稚羊羹(作詩:秋元康/作曲:蘭華/編曲:桃源郷)
3.まだ半ば(オリジナルカラオケ)
4.まだ半ば(一般用カラオケ半音下げ)
5.丁稚羊羹(オリジナルカラオケ)
6.丁稚羊羹(一般用カラオケ半音下げ)
【DVD】
・「まだ半ば」ミュージックビデオ
・「まだ半ば」ミュージックビデオ
スリーブケース付+オリジナルステッカー封入

<通常盤>
品番:KICM-31201
定価:¥1,700(税込)
【CD 収録曲】
1.まだ半ば(作詩:秋元康/作曲:石崎光/編曲:樫原伸彦)
2.丁稚羊羹(作詩:秋元康/作曲:蘭華/編曲:桃源郷)
3.まだ半ば(オリジナルカラオケ)
4.まだ半ば(一般用カラオケ半音下げ)
5.丁稚羊羹(オリジナルカラオケ)
6.丁稚羊羹(一般用カラオケ半音下げ)
<あわせて読みたい>
丘みどり、7月30日放送のBS日テレ「歌謡プレミアム特別版」で鳥羽一郎と夢のデュエット! 「生きてて良かったなって思います」
丘みどり、新宿でリサイタル「演魅Vol.7」を開催! 演歌・ジャズ・ダンスと見どころ満載&ミュージカルにも挑戦
丘みどりの新曲『まだ半ば』MVにAKB48・伊藤百花がゲスト出演決定! 2人のコメント到着
丘みどりと秋元康が初タッグ! 新曲『まだ半ば』7月8日発売決定、ジャケット写真&アーティスト写真公開
