はやぶさ 新曲で初デュエット「声も見た目も違うからこそ2人ならではのことをやってみたかった」

2020.3.31

2012年のデビュー以来、歌謡曲・演歌系作品にとどまらず、人気テレビアニメのテーマソングも歌唱、幅広い年齢層に支持を受けているはやぶさ。昨年12月には、テレビ東京系アニメ『デュエル・マスターズ!!』のオープニングテーマ曲に起用された前作シングル『超天フィーバー!』とは一転、はやぶさの本道をいく歌謡曲『酔わせて朝まで』をリリース。ヒカルが女性パート、ヤマトが男性パートを歌うという初のデュエットに挑戦した。

ヒカル:これまでも2人で遊びゴコロから『昭和枯れすすき』や『麦畑』などのデュエットソングを歌っていたんです。その後、今から4~5年前くらいでしょうか。鏡五郎さんと真木柚布子さんのセリフ入りのデュエットソングをお客様の前で歌わせていただいたら、『面白い』とか、『2人がこういう歌を歌うとは思わなかった』とか、すごく反響をいただけて。でもその時はまさか自分達のオリジナルでデュエットソングを出すとは思っていなかったんですけどね

実際、デモテープの段階では、「男性の先生が1人で歌っていたのでデュエット作品だとは思わなかった」そうだ。
ヒカル:歌詞が男女の物語だったので、レコーディングの段階で、歌い分けをしようと決めまして、僕が女性パート、ヤマトが男性パートを歌うことにしたんです

しかし、この決断は、ヒカルにこんな苦悩をもたらした。
ヒカル:最初、普通に歌ったら、ディレクターさんに『面白くない』と言われまして。ならもっと女の人っぽく歌えばいいのかなとか、いろいろなことをやってみたんですけど、何回歌っても、『ちょっと違う』と言われ続けて。何が正解かわからないし、自分自身、もうこれ以上、どうにもならないって、これでダメならしょうがないって思って歌った最後の最後でOKになったんです。こぶしとか出さずに、自分の生の声で、女性になりきって、女性の心情を語りかけるように歌うのは、本当に難しかったです。正直、最初は恥ずかしさもありましたしね。でも、今は本当に恋人のような気持ちで歌っています

乗り越えた先には、こんな喜びもあった。
ヤマト:僕たちは、声も見た目も違うので、2人ならではのことをやってみたいという思いがずっとテーマとしてありました。『酔わせて朝まで』はものすごくわかりやすく、それを表現できたと思うし、自分たちがやるべきこと、これからやらせてほしいことが詰まっている作品になったんじゃないかなって感じています

 

はやぶさは、“新世代歌謡グループ”というキャッチフレーズでデビュー。歌謡曲から演歌系、アニメソング、そして今回のデュエットソングに至るまで、ジャンルにとらわれることなく歌う2人は、8年の活動を経て、まさにその名にふさわしいグループに成長した。
ヒカル:デビュー当時は、何が新世代なのかわからなかったし、そんな大きなネーミングをいただいて大丈夫なのかっていう不安が大きかったんですけど、“新世代歌謡グループ”という名をつけていただいたから、いろいろなタイプの歌を歌ってもいいのかなって思えたので、今は、素晴らしいネーミングをいただいたなって、すごく幸せに思っています

 

さらに、幅広いジャンルを歌ってきたことで、「大きな宝を手に入れた」と2人は微笑む。
ヒカル:アニソンを歌うようになってから、お子様がステージを観に来てくれるようになったんです。おかあさんとお子さんとか、おばあちゃんとお孫さんとか、さらに三世代でとか、そういうお客様が増えて、それはもう宝物です

その宝物は、2人を驚かせ、笑わせ、やる気にさせる、こんなエピソードももたらした。
ヤマト:お子さんが多いので、アニソンを歌ったほうがいいかなと思ってセットリストを組んだら、終わった後、小学3年生くらいの男の子が近づいて来て、『ムード歌謡が聞きたかったのに』って言われたんです(笑)
ヒカル:演歌を歌った時には、お子様が『いい声が出てたよ』って言ってくれたりするんですよ(笑)

 

ヒカルは3歳の頃から演歌を歌い、民謡や浪曲も大好き。一方、ヤマトは、祖父の影響で子供の頃からムード歌謡ばかり聞いて育ち、好きな歌手は、石原裕次郎、フランク永井、鶴田浩二、ディックミネ。自分たちが筋金入りの演歌・歌謡曲好きな子どもだったからこそ、「自分たちを通じて、子どもたちが演歌・歌謡曲を知り、好きになってくれたら嬉しい」と目を輝かす。

その思いは、国内だけにとどまらない。はやぶさは、2016年にパリで開催された「JAPAN EXPO」をはじめ、ロンドンで開催された「HYPER JAPAN」、ニューヨークのオフブロードウェイ劇場で開催されたイベント等にも出演。
ヒカル:日本には素晴らしい歌がたくさんあるんですよっていう思いで、演歌や、日本のお祭りをテーマにした、日本ならではの掛け声や手拍子が入る楽曲を歌わせていただきました。皆さん、『ダイナミックだ』とか『ソウルフルだ』って言ってすごく喜んでくださって。世界の舞台に出て、人間にとって大事なものは変わらないんだなってつくづく感じました

そんな2人の今後の夢は……。
ヒカル:ポップス系もあれば、歌謡浪曲もあればって、ジャンルにとらわれないで、これからもいろいろな楽曲を歌っていきたいですね。あと、今もやっているんですけど、コントとか、三味線とギターのセッションとか、お客様が大笑いしちゃうような、僕たちに興味がない方も『なんだこいつら』って思わず笑って見ちゃうみたいな芸も披露したいです。今、僕は、スタッフさんからのアドバイスで傘回しを始めたんです。最初は難しくて無理って思ったんですけど、悔しくて、誰にも言わずに黙々と練習を続けたら、次第にできるようになって、おもしろいじゃんって(笑)。まだまだ、あれもやりたい、これもやりたいってなっています


ヤマト:今は、歌手にとって、歌はうまくて当たり前で、余興じゃないですけど、それにプラスα、何かが必要な時代だと思うんです。それがあるってぜったい無駄にはならないですし、コンサートの中に盛り込めれば、お客様に楽しんでいただけますしね。僕自身はまだコレ!って言うものを見つけられていないので、まだ誰もやっていない、何か新しいことに挑戦したいなって思っています

作品情報

info01

はやぶさ『酔わせて朝まで』

前作『超天フィーバー!』のダンスサウンドから一転、今作はヒカルとヤマトのテンポ感のあるデュエット(デュオ)歌謡ソング! 2019年12月18日発売/¥1,350(税込)/【通常盤Aタイプ】(VICL-37512)カップリング:博多祭りうた、【通常盤Bタイプ】(VICL-37513)カップリング:ブルースカイ・ブルー

関連キーワード