江南しのぶ27歳デビュー曲「愛し過ぎて」 僕より年上の男性をイメージした“大人の愛の物語”

2020.4.10

1月29日、「愛し過ぎて」でデビューした江南しのぶ。祖母と一緒に見た氷川きよしのコンサートに感激し、演歌・歌謡曲の歌手になることを決意。高校卒業後に上京して8年半、アルバイトをしながらチャンスをつかんだ彼だが、不思議にも下積み時代は辛くなかったと言う。まっすぐな眼で演歌・歌謡曲の魅力を語る期待の新人に話を聞いた。

―――デビュー曲の「愛し過ぎて」、ノリのいい曲ですね。
ありがとうございます。僕は今27歳なんですけど、僕より年上の男性をイメージした“大人の愛の物語”です。僕くらいの年代だと、まだ恋愛感情が全面に出てしまうことも多いんですが、「愛し過ぎて」は大人の曲で、それとなく恋人への思いやりを伝えています。作曲家の徳久広司先生がキャッチーなメロディをつけてくださったので、重くなり過ぎずに歌詞の深い世界を表現することができます。素敵なデビュー曲を頂戴できて感謝しています。

―――徳久先生は「江南しのぶ」の名付け親でもあるんですよね。
そうなんです。先生に初めてお会いした時、「きみは男の子でも女の子でもない、中性的な感じだよね」とおっしゃって。僕、中学生の頃から周りにそう言われるんですけど、「やっぱりそうか」と思って(笑)。それで、中性的な名前がいいということで、ひらがなで「しのぶ」と付けていただきました。僕は新潟県出身なので、新潟にゆかりのある名字をつけようということで、会議を重ねて。僕、新潟の江南(こうなん)高校出身なんですけど、「えなみ」という読み方にして「江南しのぶ」になりました。信濃川の南にある学校なので「江南」なんです。そんなところでも新潟感が出せたらと思います。

―――お名前を聞いて最初は女性かと思いました。
よく言われます。演歌を目指すきっかけを与えてくれた僕の祖母が、お茶と着付けの先生をする時に名乗っていた名前が、実は「忍(しのぶ)」なんです。偶然ですが、すごくびっくりしました。芸名を祖母に伝えると、「生きてて良かった!」と。ちょっと大げさですよね(笑)。

 

―――演歌・歌謡曲の歌手を目指したのは?
中学生の時に、祖母と一緒に氷川きよしさんのコンサートを見に東京に行きました。僕は当時、EXILEみたいなポップスが大好きだったので、祖母の付き添い役として行ったんですけど、隣に座っていたおばあさんが、コンサートを見て見違えるほど元気になったのを目撃して。演歌・歌謡曲って、たくさんの人を元気にできるんだなと感動したのがきっかけです。

―――それまでは演歌・歌謡曲は聞いていなかったんですね。
祖母の家に遊びに行った時、テレビやラジオで流れているのを聞く程度でした。演歌・歌謡曲は、歌詞の世界観もそれまで僕が聞いていたのとは全然違っていて。J-POPって、「好き」「会いたい」といった恋愛感情を全面に押し出した曲が多いと思うんですけど、演歌・歌謡曲は、例えば「好きな人が札幌にいるから、自分も札幌に行って面影を探す」のように、歌詞に深味や広がりがあるところに惹かれました。音の方もそれまでポップス一辺倒だったので、演歌・歌謡曲を新鮮に感じて。氷川さんのコンサートに行って良かったと思います。

―――演歌・歌謡曲の歌手になりたいと言ったら、ご両親は驚かれたでしょう。
はい。厳しい家庭だったので、家を出ることもすごく反対されて。高校を卒業して、ほとんど家出同然で東京に来たんですけど、クラウンのオーディションを受けたりして頑張っている僕の姿を見て、エールを送ってくれるようになりました。今では熱心に応援してくれています。

―――上京されてからは?
何のあてもないですけど、どうにかしてチャンスを掴もうと。手探りで探したボーカルスクールに通ったり、レコード会社にデモテープを送ったりの日々が、アルバイトをしながら8年半くらい続きました。2017年と2019年にクラウンのオーディションを受けて、デビューに繋がりました。

―――8年半、大変でしたね。
過ぎてみると自分ではそう思わないんですが、結構長かったねと人からは言われます。それ以外にできることもないと思っていたせいか、大変だったとはあまり思わないですね。もちろん、たまに同級生に会ったりすると、大学進学、就職、昇進といった話題が出るので、「みんなちゃんとしてるんだな」と思いましたが、「僕もいつか」という思いで乗り切りました。決して腐らずにやってこれたのが良かったと思います。これからもいろいろあると思いますが、前を向いてやっていきたいなと思います。

―――アルバイトはどんなことを?
少しでも演歌・歌謡曲の近くにいたかったので、カラオケ喫茶でアルバイトをしました。演歌・歌謡曲が好きなお客様が集まるので、一緒にお話ししたり、盛り上がったり、飲み物を作ったり。デビューを目指していた時期は、お客様に支えてもらっていたなと思います。もちろん今も応援してくださるのでありがたいですね。

―――新型コロナウイルスの影響で、3月のキャンペーンが中止になったのは残念ですね。
イオンモールさんやショピングモールさん、都内のレコード店さんで予定していたキャンペーンが全て中止になってしまいました。でもイベントが中止になったのは僕だけじゃないですし、色々な方が本当に大変だと思います。イベント中止を受けて先輩方がネット配信をされているのを見て、僕もできるところからやっていきたいと思っています。デビューしたてなので、一人でも多くの方に僕のことを知っていただけるよう活動を重ねて、コロナウイルスが終息した頃には、いい意味で爆発していたいです(笑)。

―――さっそく今夜と明日の夜、インスタライブがありますよね(3月24日21時/25日21時配信)。
はい、自分で企画しました。ファンの皆さんと何にも接点がない日があると不安になっちゃうんですよね。今夜は皆さんからいただいた質問に答える形でトークをして、明日はギターを弾く友だちと、歌謡曲などを歌いたいと思います。

―――PVの再生回数も1万5千回を越えました(取材時)

嬉しいです! もっともっと頑張ります。デビュー直前に公開しましたが、ちょうど1カ月くらいで1万回を越えたので良かったなと思いました。雑誌「ミュージック☆スター」に取り上げていただいたりして、見てくださった方がいるんだなと実感しました。でも先輩方を見ているとPVの再生回数が本当にすごいですからね。嬉しいとか安心というよりは、逆に先輩方のすごさを数字で感じられるので、自分はまだまだだなと感じて、燃えます!(笑)

―――今後の豊富は?
まずは中止になったイベントをやらせていただきたいのはもちろんですが、よりたくさんの場所に赴いて、皆さんと直接触れ合える機会を作りたいです。メディアにもどんどん出て、江南しのぶに会ってみたいという方を増やしたいですね。僕、ディナーショーをやりたいんですよ。もちろん『紅白歌合戦』も目標にしながら、精力的に活動していきたいです。

1月29日にデビューさせていただいて、まだ2カ月。氷川きよしさんのコンサートで隣のおばあさんが元気になったように、皆さんがリフレッシュできる空間を提供することができたらと思います。歌手としてはもちろん、人間としても、皆さんに育てていただきながら頑張っていきたいと思います。

―――最後にお聞きします。江南さんの「愛し過ぎて」は?
僕の弟、今25歳なんですけど、この前娘が生まれたんです。僕、弟と友だちみたいに仲がよくて、毎日連絡を取り合っていたんです。でも娘が生まれたとたん、ピタッと連絡が止まって(笑)。弟が姪っ子を愛し過ぎて、ジェラシーです(笑)。LINEを送っても返事が適当なんですよ!

作品情報

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江南しのぶ「愛し過ぎて」

透明感のある歌声!!新潟出身の27歳の初作品。中世的な歌声とルックスで大人の男性の愛を歌う。2020年1月29日発売。C/W「砂時計」(CRCN-8307)¥1,227-(税別)

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