ハワイと日本の架け橋となる“昇る太陽”LAHIKI フラ好きも注目の『はじまりの歌』でメジャーデビュー

2020.8.3

７月１日にリリースしたミニアルバム『はじまりの歌』＝日本コロムビア＝でメジャーデビューを果たしたハワイ在住のシンガー、LAHIKI〈ラヒキ〉（23）。日本のハワイ／フラシーンに現れた新星だ。

実際に過ごしたからこそ分かる”今のハワイ”を収録５曲で表現

表題曲の『はじまりの歌』（詞／曲・ハマモトヒロユキ、編・木原良輔）は、心地よく吹きつける南国の風やエメラルドグリーンに輝く海、抜けるような青空を感じさせる、さわやかで伸びのある歌声が響きわたる。古典的なハワイアンミュージックとはひと味違う、きらめくようなポップチューンだ。

「この先５年後も10年後も歌い続けていく自分の原点となる曲。歌うたび、聴いていただくたびに新たな『はじまり＝スタート』ができるような思いを込めています。ポジティブになれる曲なので、なにかを始めたいときに聴いていただけるとうれしいですね」

前向きな気持ちが伝わるように、フレーズひとつひとつを「はきはきと、素直に」歌うように心がけているという。この『はじまりの歌』をはじめ、収録曲には“今のハワイ”を表現する思いが込められている。

「みなさんが思い浮かべるハワイの空気感はもちろん、僕ら世代が実際に住んでいてクールに感じていることやこの目で見てきた風景を、フレーズやメロディーに表現しています」

アルバム収録２曲目の『I feel good』（詞・LAHIKI／ハマモトヒロユキ、曲・ハマモトヒロユキ、編・木原良輔）では、作詞も共作し、LAHIKIが感じているハワイへの思いが色濃くでた作品かもしれない。

「“You only live once”“何色だっていいさ”など、今、ハワイの若者で流行っている言葉や自分で入れたいと思ったフレーズを、作詞のハマモトさんと話し合いながら取り入れました。ウクレレの音色も心地よいですし、イメージとしては、休日の朝や昼寝したりするときにぴったりの曲ですね。３曲目の『Hello again』（詞／曲・ハマモトヒロユキ、編・木原良輔）は、元気の出る王道ポップス。海岸沿いをドライブするようなときにかけていただくと気持ちいいと思います」

 

４曲目『I miss you』、最後の５曲目『はじまりの歌』は、日本語詞の曲を英語詞に変えたイングリッシュ・バージョン。日本語詞でも英語詞でも高いクオリティーで歌いこなすバイリンガルの歌い手LAHIKIの面目躍如だが、歌い方の違いには難しさもあるそう。

「英語詞は、音に対してのせられる言葉の量が多いので、歌う際は言葉の区切りや発音に注意して、英語詞だから出せるニュアンスを大切にしています。これからも英語詞の曲は取り組んでいきたいですし、日本語の曲で、イングリッシュ・バージョンで聴いてみたい曲があったらぜひリクエストしてください」

デビュー予定は４月――それまで順調だったはずの道のり

ホノルルに生まれ、小中学校時代を横浜で過ごした。中学卒業後はハワイに戻り、ホスピタリティーやツーリズム（観光学）を学ぶために地元のカレッジに通っていたが、ハワイにシンガーを探しにきていたプロデューサーの目に止まり、バイト先のお店で声をかけられたことがデビューのきっかけとなる。そんな彼が音楽に目覚めたのは、高校入学後。

「趣味を見つけたいと、たまたま家にあったベースギターをいじり始めました。レッド・ホット・チリ・ペッパーズのベース（＊１）が好きだったので、カバーしたいなと思って。高校にはポリネシアンミュージックのクラスがあったので、そこでバンドを組んで３年間ベースを弾いていました。アイランドレゲエの曲や、クリスマスシーズンにはマライア・キャリー（＊２）をはじめ、クリスマスソングも演奏しましたね。スカウトされたときは、半信半疑でしたけど、やらないで後悔するよりはやって後悔することを大切にしていますし、一度きりの人生、思いきって挑戦してみようと」

 

昨年、インディーズ・レーベルからアルバム『Mahalo』をリリースし、全国60カ所以上に及ぶハラウやハワイ関連のイベント、インストアライブを駆け巡った。

「ハラウはフラを習っている方々の教室です。フラをされている方は美しいイメージがありますね。昨年、全国のハラウの大勢の方々とコラボさせていただきましたが、みなさんフレンドリーで、ハワイにいるような不思議と落ち着く感じがしました」

 

LAHIKIとコラボしたフラ愛好家たちの多くが、『はじまりの歌』で踊ると楽しいと応援するように。濃密な１年間の活動を経て、メジャーデビューを４月に予定していたのだが……コロナ禍の影響で７月まで延期された。

「この春はハワイにいて、日本にいつ渡航できるかも分からない状況だったので、エンジンをかけながら足踏みをしている状態でした。それだけに７月のメジャーデビューが正式に決定したときは、本当にうれしかったです」

『はじまりの歌』をはじめ、LAHIKIの曲には、誰かと新たな一歩を踏み出すことやリスタート、ポジティブに前を向く気持ちが高らかにうたわれる。本人もメジャーデビューに向けてコロナ騒動に翻弄されたものの、そんな状況下の今だから、その歌声は一層聴く者が勇気づけられるメッセージともなる。

「僕の名前LAHIKIは、ハワイ語で“昇る太陽”という意味。両親がつけてくれた本名です。落ち込んだりするようなときでも、この名前のように、僕の曲を聴くことで元気になってもらえればいいなと思います。そして、今後もハワイと日本をつなぐ架け橋となるアーティストとして活動していきたいですね」

 

今回のミニアルバムには収録されていないが、松田聖子『SWEET MEMORIES』ほか、J-POPの名曲カバーにも挑み、憧れのアーティストにはブルーノ・マーズ（＊３）、ONE OK ROCKの名を挙げる。伝統のハワイアンミュージックから最新のポップミュージックまで、育んできたその音楽性は幅広い。

 

ハワイ、日本、その先の世界へ――。太陽は今、昇りはじめたばかりだ。

＊１）ロサンゼルスを拠点とする、’90年代以降のアメリカ西海岸を代表するロックバンド。名うてのベーシストのフリーが弾く、うねりまくる独特のベースラインは人気が高い。
＊２）アメリカのミュージック・シーンきっての歌姫。1994年発表の「恋人たちのクリスマス」はクリスマスソングの定番に。
＊３）多様な音楽ジャンルを融合したサウンドで、世界一のメロディーメーカーと評されるホノルル出身のシンガー。グラミー賞受賞は11回。

LAHIKI『はじまりの歌』配信リンク

URL；https://lnk.to/8AlnuJ