コロナ禍を逆手にとって成長できた一年――彩青3枚目のシングルでオリジナルアレンジのソーラン節を披露

2021.2.2

民謡出身の若手演歌歌手として注目を集めている彩青が、3枚目のシングル『津軽三味線ひとり旅“青春十八番(おはこ)”盤』を2月3日(水)にリリースする。昨年NHKの朝ドラ「エール」に出演した際にも披露した『ソーラン節』を、オリジナルアレンジで収録した1枚だ。コロナ禍でも、焦らず一歩ずつ努力していきたいと語る彩青に、これからの目標や歌にかける意気込みを聞いた。

 

3枚目のシングル『津軽三味線ひとり旅“青春十八番”盤』は、デビュー曲の『銀次郎 旅がらす』と近田春夫が評論の中で“歌唱と演奏の有機的なつながりの妙”“アレンジの良さが際立つ”(週刊文春「考えるヒット」)と絶賛した『津軽三味線ひとり旅』に加えて、数ある民謡の中から『ソーラン節』を彩青流にアレンジして収録した。彩青にとって『ソーラン節』は特別な意味を持つ曲のようだ。

生まれて初めて歌った民謡が『ソーラン節』なんです。5歳の頃に地元の北海道で民謡の勉強を始めたんですが、最初は恥ずかしくて何も歌えなかった。半年くらいしてやっと歌えたのが『ソーラン節』でした。でも歌ってみたら何だか楽しくなって、それからどんどん民謡の魅力にはまっていったという感じです。僕の歌手人生は、あの“ヤーレン、ソーラン”という節回しから始まったんです。昨年、朝ドラの『エール』の中で歌わせていただいたのが、正調の『ソーラン節』ですが、今回のCDでは、それを彩青バージョンにアレンジして収録しました。出だしは静かに、グッとテンポを抑えて、2番からノリのいいアップテンポにしています。三味線も尺八もすべて自分で演奏して収録しましたので、ぜひ聴いてみてください

民謡歌手になった人には、家族のなかに民謡をやっていたという人が多いが、彩青の場合は、周囲に民謡を歌っていた人はいない。5歳で民謡の世界の門をたたき、以来、歌い続けている民謡の魅力を、彼はどんなところに感じているのだろう。

両親がYOSAKOIソーランのチームに入っていて、毎年『YOSAKOIソーラン祭り』で踊っていたので、民謡が身近にあったのは間違いないと思います。でもお祭りを見に行くと、踊っている人より、YOSAKOIソーランを歌っている人のことばかりが気になって、心の中で“僕もあそこで歌ってみたい”って思っていたのを覚えています。歌に興味があったんでしょうね。
それに、いろいろ研究していくと、民謡の中にその土地その土地の匂いを感じることができるんです。例えば北海道や東北には寒さを乗り越えるために歌うような、厳しくて勇ましい感じの曲が多い。海で漁をする、山で狩りをする時に歌うような、どちらかというと“作業歌”が多い気がします。それが、関東などではお座敷なんかで歌う軽い感じの曲が出てきますし、九州に来ると明るくて、暖かい曲調が増えてきます。「ここは霧島、たばこは国分♪」など。その土地土地によって、節の回し方、旋律が違って、調べていくととても面白い。その土地の匂いのする音楽っていうところに惹かれています

 

民謡の話になるとグッと前のめりになり、熱く語る彩青だが、演歌歌手としてデビューしたこの2年間を振り返ってもらうと――。

あっという間の2年、あれよあれよという間に時間が過ぎていく感じでした。この1年はコロナで全国を回れなくなって悔しかったですが、あまりネガティブにならず、このコロナ禍を逆手にとって、自分を成長させる1年にしようと思いながらやってきました。ライブやイベントができないのは仕方ないことだと思って、コロナが落ち着いて、また皆様の前に立った時、「ああ、彩青、パワーアップしたね、よくなったね」って言っていただけるように、とにかく稽古をしようと。師匠(細川たかし)が場所を用意してくださって、合宿じゃないですけど、毎日その場所に通って、歌はもちろん、三味線も尺八も勉強し直しました

この1年は稽古、稽古、研究、研究の毎日をおくってきた彩青だが、稽古を積むほど課題も見えてきたという。

師匠からは、デビュー前より細かく、細部にわたって歌の指導を受けました。僕は民謡をやってきましたので、演歌や歌謡曲を歌う時に民謡が前に出すぎないように、歌い分けがしっかりできるようにというのが師匠の指導の根本です。今、少しずつ演歌の歌い方が身についてきて、いい感じになってきたので、今度は、その演歌で身についた歌い方を、どのように民謡に生かすかを課題として取り組んでいます。例えば三橋美智也先生の『武田節』を歌う時、この曲は三橋先生の曲ですから、あまり民謡っぽさを前面に出しすぎてはいけないと思うんです。演歌の歌い方をしっかり残しながら、少し民謡のテイストも加えたいと思うのですが、つい民謡が勝ってしまう時があります。民謡を歌う時、高音を意識しすぎて、喉をしめて歌ってしまうのが僕の癖なのですが、今はそうならないように注意して練習しています。いつかは彩青オリジナルの歌い方を身に着けたいと思っていますが、今は世界中の歌手の歌い方を勉強している最中です

 

コロナ禍がなかなか終わりを見せない中、今年はどんな活動をしていきたいかを尋ねると、

今のような状況では、できないことも多いのですが、逆に工夫すればいろんな発信の仕方があるとも思っています。YouTube、SNSなどいろんな技術を活用して、とにかく発信を続けていくことが大事だと思います。先日もYouTubeで師匠と対談をさせていただきましたが、歌以外にも、楽しいトークをお届けするとか、できることはやっていきたいです。
まだ1,2回ですが、インスタライブも開催しました。インスタライブって見てくださるファンの方から直接コメントが届くのがいいですよね。リアルなキャンペーンとかだと、握手会以外では、あまり皆さんと直接会話はできない事が多いのですが、インスタライブは、ずっとファンの方々とお話ししているような感覚になれて、これは初めての経験でした。高齢のお母様と一緒に応援してくださる娘さんからのコメントで『(母は)彩青君の歌で、毎日、元気をもらっているようです』と言っていただいた時は、本当にうれしかったです

自分の歌で少しでも笑顔や勇気、エールを届けたいと言う彩青。その思いは、彼自身がかつて歌から勇気をもらった経験があるからだという。

小学校3,4年の頃、民謡を勉強しながら、いろんな大会にも出ていました。周りの方からは“楽しんで歌ってきなさい”って言われていたのに、『絶対に優勝しなくちゃいけない』というような変なプレッシャーを感じていて、苦しかったんです。その時、ある歌が僕の心に刺さりました。それは、美空ひばりさんの『柔』です。あの“勝つと思うな、思えば負けよ”という歌詞に、小学生ながら『勝とう勝とうって気負いすぎていた』って気づかされました。とにかく今の自分の一番いい歌をお客さんや審査員の先生方にお届けすれば、それでいいんだって思うことができたんです。演歌の歌詞には短い言葉の中に、本当に深い意味が込められているんですよね

弱冠18歳。まだまだこれから大きな夢に向かって挑戦していく年齢だが、将来はどんな存在を目指しているのだろう。

僕の両親は、福祉施設で働いていました。それを見て育った自分も、大きくなったら両親と同じような福祉の仕事に就こうかと思っていたんです。ただ、その頃、民謡を勉強していましたので、時々高齢者や障碍者施設などに慰問に行かせていただくことがあって、そこで僕の歌を喜んでくださる方がいるのを見た父から、『彩青、福士の仕事に就くのもいいけれど、彩青は歌で皆さんに元気や笑顔を届けられる、歌で福祉に貢献できる。それは誰にもできることじゃないんだから、歌を磨いていく道を進む方がいいと思う』って言ってもらったのが歌手を目指すきっかけなんです。だから、僕の歌を聴いて『いやー、良かったね』って笑顔になってもらえるような歌手になりたいと思っています。歌って、皆さんにエールを送ることができるのですから。コロナが始まって、それまでは歌は当たり前のようにそこにあるものだと思っていましたが、本当はもっと特別な力のあるものだって改めて思うようになりました

 

評価の高い、津軽三味線についても、

民謡を歌い続けてきた自分が今思うのは、昔から歌い継がれてきた民謡や三味線を、自分たちの世代で途絶えさせてはいけないということ。ちょっと大げさな言い方かもしれませんが、伝統文化を伝承することの大切さを感じていますし、さらにそれを世界に向けて発信していきたいというのはありますね。
そのためにも、基本を若いうちに固めておきたい。基本さえしっかりしていれば、その先はいろんな可能性があると思っています。7歳で習い始めた三味線の研究会では、例えば三味線と和太鼓のコラボとかロックテイストを入れたりとか、いろんなことをやっていました。自分にもそういう発想がないわけじゃないですけれども、今は基本を大事に技術を磨いていくことが大事だと思っています。先輩方の三味線の演奏を聴くと、どうすればあんなに手が動くんだろうって驚かされる、もっともっと稽古しなくてはと思いますね。津軽三味線を独自のテクニックで独奏楽器として世に広めた高橋竹山先生のように、生涯、音色の追求をしていきたいです。これは歌でも同じだと思っています

最後に、なかなか会えないファンへのメッセージをお願いした。

今は、コロナが落ち着いたら一回でも多く皆さんの元に行って歌わせていただきたいという気持ちでいっぱいです。それまで皆さんも体に気を付けて、対策ばっちりで、元気でいらしてください。今回の『津軽三味線ひとり旅 青春十八番盤』は歌、三味線、尺八と”三刀流”の彩青をお聴きいただけます。コロナでなかなか、お会いできませんが、その分、CDで僕の歌をお楽しみいただければと思います

 

そんな彩青と直接、会える機会が6月にある。カラオケ大会の開催が決定した。

6月26日、僕のデビューした記念日にカラオケ大会を開催します。課題曲は『銀次郎 旅がらす』と『津軽三味線ひとり旅』の2曲。音源審査を通過した10組の皆さん限定の決勝大会となります。『銀次郎~』のほうは尺八を、『津軽三味線~』のほうは三味線を、僕が演奏させていただきます。2曲とも結構、高音が続きますので、そこを無理なくきれいに歌えるように、そしてコロッと節が回ったりすると加点が付くかもしれませんよ(笑)。挑戦してみてください。また、観覧者も25組50名様、ご招待します。ミニライブもやりますので、ぜひおいでください。久々にファンの皆様とお会いでるのを楽しみにしています!

――編集後記――

物作りが得意な彩青さん。なんとマイ尺八を自作!
昨年春、コロナで自粛生活を余儀なくされた頃、彩青は自分で和柄の生地を調達してマスクを作っていたというから驚き。「物を作るのが楽しいんですよね。コロナが始まった頃、マスクが不足したじゃないですか。なので自分で作ろうと思いました

さらに驚いたのが、マイ尺八の作製!稽古場の近くにあった竹林から、許可を得て採ってきた竹で一から尺八を作ったそう。

採ってきた竹の節を抜いて、根っこの部分も、尺八のようにきれいに整えて、穴をあけて。穴もドリルがあれば簡単なんでしょうが、まずキリで穴をあけ、そこを削って、最後は棒ヤスリで整えました。本職の方のように中に漆を塗ったりはできませんので、簡易的なものですが、自分で作ってみたくて。竹は火であぶると、油が抜けてあの尺八の白っぽい色になるんです。そういう油抜きのやり方などはユーチューブで師食べましたが、他はほぼ独学で作りました
意外な特技を披露してくれた彩青さん。さてその尺八はどんな音色なのか、いつか舞台で披露してくれることを楽しみにしたい。

※この様子は連載を担当している、月刊カラオケファン「彩青のハマりもんです!」でも紹介されております。
月刊カラオケファン公式ホームページ:https://www.muse-s.co.jp/

『津軽三味線ひとり旅』“青春(せいしゅん)十八番(おはこ)”盤 発売記念イベント

<彩青の三味線・尺八生演奏をバックに歌おう!彩青の 『歌い者です!』 カラオケ大会2021>

◆開催日・開催内容
2021年6月26 日(土)都内某所にて開催
審査を通過した10 名様の決勝大会&彩青ミニライブ

◆カラオケ大会応募方法
「津軽三味線ひとり旅」“青春十八番” 盤CD 内に封入されているカラオケ大会応募用紙に必要事項を明記し、『銀次郎 旅がらす』、『津軽三味線ひとり旅』のいずれかの歌唱を吹き込んだ“カセットテープ”、“CD-R”いずれかを下記の住所までお送り下さい。
※1通の応募用紙で1曲のご応募が可能です。2曲ご応募の際は応募用紙を2通ご用意ください。

◆応募先
〒107- 0062 東京都港区南青山6 -10 -12 フェイス南青山
日本コロムビア株式会社 コロムビアレコード「彩青カラオケ大会係」

◆カラオケ大会応募締切:2021 年5 月10 日(月)消印有効

彩青『津軽三味線ひとり旅』 “青春十八番”盤

2021年2月3日(水)発売

【CD】 COCA-17852 /税込¥1,350

配信リンク:https://va.lnk.to/4VjxZniA

【収録内容】 ※収録内容が変更になる場合がございます。
1. 津軽三味線ひとり旅 (冬木夏樹/四方章人/伊戸のりお) ※津軽三味線演奏:彩青
2. 銀次郎 旅がらす (高田ひろお/四方章人/伊戸のりお)
3. ソーラン節 (北海道民謡) ※津軽三味線・尺八演奏:彩青
4. 津軽三味線ひとり旅(オリジナル・カラオケ)
5. 銀次郎 旅がらす(オリジナル・カラオケ)
6. 津軽三味線ひとり旅(2コーラス・カラオケ)
7. 銀次郎 旅がらす(2コーラス・カラオケ)
8.ソーラン節(オリジナル・カラオケ)
※カラオケ大会応募用紙、観覧応募QRコード封入

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