青山新 コロナ禍の中迎えたデビュー2年目、そしてハタチ 新曲『霧雨の夜は更ける』で魅せる大人の雰囲気

2021.3.17

昨年2月にデビューした大型新人・青山新が第二弾シングル『霧雨の夜は更ける』をリリース。デビュー曲『仕方ないのさ』に続き、昭和の日活映画主題歌のような哀愁ただよう世界をのびやかに歌い上げる。作曲はもちろん氷川きよしなどの育ての親で、青山も中学時代から師事してきた巨匠・水森英夫だ。
テイチクレコード創立85周年・芸映創立60周年記念アーティストとして、華々しいスタートを切った矢先のコロナ禍から約1年。対面のキャンペーンなどがことごとく休止した中、どんな思いで活動を続けてきたのか。デビュー時のキャッチフレーズ”歌にまっすぐな19歳”から20歳になった青山に、今の率直な思いを聞いた。

 

──新曲『霧雨の夜は更ける』には”港の酒場”が登場しますが、そこでも20歳になったことを実感したのでは?

「そうですね。初めてこの曲を聴かせていただいたのは、水森先生のギターと歌唱だったんですけど、歌い出しから大人の雰囲気が漂っていて。20歳になったことですし、早くそんな味わいを出せるようになりたいと思いました」

──レコーディングまでにはかなり練習されたのでは?

「それが実はそんなにたくさん歌い込んでないんです。水森先生の『歌が新鮮なうちにレコーディングはしたほうがいい』というお考えもあって。ですから、音源には一番フレッシュな歌声が収められたんじゃないかなと(笑)。これから何年も歌っていくうちに僕もこの歌も一緒に成長というか、変化していけたらいいなと思っています」

──では、この曲の聴きどころ、カラオケでのポイントを教えていただけますか。

「どんな曲も歌い出しが肝心だと思うんですが、この曲も『何も言うなよ』の『よ』をいかにきれいなロングトーンで響かせるかで、曲のスケールの大きさが決まります。もっと細かく言うと『な』にしっかりアクセントを付けることで、続く『よ』がまっすぐ前に伸びます……というのは水森先生の受け売りなんですけど(笑)。先生は常に歌の研究をされていて、指導も『聴いて覚えろ』ではなく理論的に、しかもわかりやすい言葉でしてくださるので、1つ1つの言葉に説得力があるんです」

 

──ちなみに20歳になったのは昨年5月ですが、お酒は飲むほうですか?

「それがぜんぜんダメなんです。たまたま誕生日がレッスン日だったので、水森先生と奥様がシャンパンとケーキでお祝いしてくださったんですが、すぐに真っ赤になってしまって(笑)。でも先生とお酒が飲めたことそのものがうれしかったです。僕は中2で門下に入ってるんですが、先生も『もう6年もいるんだなあ』としみじみおっしゃられて。その日は修行中のことをいろいろ思い出しましたね」

 

──昨年2月、まさにコロナ禍の直前のデビューからこの1年を振り返っていかがですか?

「いろんな番組にも出させていただいたりと、仕事の面では悔いがないくらい充実していたと思います。2月いっぱいはキャンペーンなどお客さまの前で歌う機会もたくさんあって、そのたびに歌える幸せを実感できました。もしデビューが1ヶ月遅れていたら、そういった経験もできなかったので恵まれていたと思います」

──自粛期間中など、思うように活動できずにもどかしい思いはなかったですか?

「もちろんお客さまの顔を見て歌えない寂しさはありましたが、たぶん長年活動されてる先輩方のほうがいろんなことがガラッと変わってしまって大変だったと思うんですよね。去年デビューしたばかりの僕に何もかもが初めてだったので、コロナでできなくなったことに戸惑うというよりは、今できることを頑張ろうという感じでした」

 

──配信ライブやブログ、インスタグラムやTwitterといったSNSの積極的な活用は、さすが若い世代ですね。

「それがデビュー前にはぜんぜんSNSをやってなかったんですよ。自分の生活なんか興味ある人いるのかな?とか思ってたので(笑)。でも歌手になった以上は自分から発信していくことも大事だということで、ブログの更新も毎日しています。フォロワーさんからのコメントにはいつも励まされますね。この前インスタライブで『修行中、何度も諦めようと思った』というお話をしたときに返ってきた、『諦めないでデビューしてくれてありがとう』というコメントにはウルッとしてしまいました」

 

──ちなみにプライベートでは自粛期間中どんな過ごし方をされていましたか?

「好きなことばっかりしてましたね。ギターを弾いたり、あとレコードを聴く環境を整えたので中古レコード屋さんでいろいろ買いました。安いのはありがたいんですけど、『この名曲が100円?』とか見るとなんとなく悔しいというか、モヤモヤしてしまって……。しかも100円シールが剥がれにくいんですよ(苦笑)」

──この1年の特に印象深かったお仕事について教えていただけますか?

「『徳光和夫の名曲にっぽん』という番組の憧れの歌手の名曲をカバーするという企画で、八代亜紀さんの『もう一度逢いたい』を歌わせていただいたんですが、なんと2コーラス目で八代亜紀さんご本人が登場されたんです。完全にドッキリだったので思わず号泣してしまって、3コーラス目から歌えなくなってしまったのが、そのまま放送されてしまいました」

 

──デビュー当時から八代亜紀さんの大ファンだとおっしゃってましたね。

「昔からコンサートにも何度も足を運ばせていただいていたので、目の前にいらっしゃるのが信じられなくて。でもステージのままのお人柄でしたね。デビュー1年目の新人である僕にも本当に優しく接してくださって。今は『月刊カラオケファン』という雑誌で連載をさせていただいてて、そこで演歌の先輩方のイラストも描いてるんですね。その連載で描かせていただいた八代さんのイラストを見てくださったみたいで、『絵が上手だね』って褒めてくださったんですよ」

 

──八代さんに絵を褒められたって、相当すごいことですよ!

「ですよね! もう本当に感激してしまって。昔から大ファンではありましたけど、今ではもうなんと言うか……人間を超えて”八代亜紀という新たな生命体”なんじゃないかと思っているくらいです」

 

──すごい迷言が飛び出しましたね(笑)。

「すいません(笑)。MCをやらせていただく機会も少しずつ増えてるので、語彙力を鍛えなければと思ってるんですけど、なかなか……。真田ナオキ先輩から『落語や漫才を見るといいよ』とアドバイスをいただいたんですが、まだ行動に移せていなくてダメですね(苦笑)」

──では、それも課題の1つとして(笑)。今後はさらに活動が広がっていくと思いますが、どんな歌手になっていきたいですか?

「僕と同世代だったり、それより下の10代の若い人たちにも演歌を身近に感じてもらうきっかけになりたいです。そのためにSNSを頑張ってるところもあるんですが、すごくうれしかったのが、レギュラーをやらせていただいてるラジオ番組(東海ラジオ『青山新の歌う青春一直線!』)に、17歳の男の子からメッセージをいただいたんですよ。しかもおハガキで。今はradikoというアプリもあって、ラジオが若い人にも身近になってるみたいです。氷川きよしさんに憧れて演歌歌手を目指した僕のように、これからどんどん『演歌を歌いたい』という若い人たちが出てきたら、こんなにうれしいことはないですね」

青山新『霧雨の夜は更ける』

2021年2月3日発売
TECA-21007
¥1,350(税抜価格 ¥1,227)

【収録曲】

1.『霧雨の夜は更ける』(作詞:麻 こよみ/作曲:水森英夫/編曲:伊戸のりお)

2.『がまん桜』(作詞:麻 こよみ/作曲:水森英夫/編曲:伊戸のりお)

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