LAST FIRSTメンバーを徹底解剖! グループの現在・過去・未来を本音で語り合う
メンバー個々の高い歌唱力が織りなす極上のハーモニーで魅了する4人組コーラスグループ・LAST FIRSTが、新曲『Life is Beautiful』をリリースする。
健康センターや大衆演劇場などを中心に活動し、純烈から「弟分」との公認を受けたことでも話題の4人は平均年齢40歳。
それぞれ多様な音楽経歴を経て、2016年結成。2019年にメジャーデビューを果たした“遅咲きのルーキー”だ。
約1年9か月ぶりのシングル『Life is Beautiful』がBS-TBS『噂の!東京マガジン』のエンディングテーマに選ばれるなど、全国区の注目度も急上昇している。
さらなる飛躍が期待される4人に、決して平坦ではなかったこれまでの道のりやメンバーの素顔について語り合ってもらった。
リーダー・YOUSUKEは策士だった!? LAST FIRSTの結成秘話
【YOUSUKE】今年で結成5年目に入ったLAST FIRSTだけど、お互い知り合ってからはけっこう長いよね。
【ATSUSHI】それこそリーダーとは20歳のときに同じオーディションで知り合ってるから、もう20年近く前になるのか。
【GACKY】OSAと俺も20代からの仲。俺はLAST FIRSTの前にバンドやソロで活動してたけど、みんなジャンルが近かったこともあって、リーダーやATSUSHIともライブハウスで知り合ってた。OSAは一時期、現場を離れてたけど。
【OSA】俺は前のグループを解散してからは、表舞台で歌うのはもういいかなってボイストレーナーの仕事をしてて。だからリーダーから「もういっぺんやらないですか?」って電話がかかってきたときも断ったんやで。
【YOUSUKE】2回電話して2回とも断られたけど諦められなくて。「やるやらないは別にして、久しぶりに飲みに行きましょう」って当時ATSUSHIが働いてたバーに連れてったんだよね。
【OSA】あれ絶対、作戦やったよなー。
【YOUSUKE】まあ、ATSUSHIは絶対に断らないという目算もあったしね(笑)。
【ATSUSHI】俺は2人が店に来た時点では何も聞いてなかったんだけど、3人で話してるうちにリーダーが「とりあえずこの3人で一度ステージに立ってみましょう」と言い出して、そのうち「OKしてくれるまで今夜は帰らんけえ」って広島弁になって(笑)。
【OSA】で、その場でライブハウスに電話して日程を押さえて。2016年12月8日やったっけ? 強引やなー。
【ATSUSHI】でもそのときは「楽しくやってきましょう」という話だったから、OKできたところもあったんだよね。OSAさんと俺は結婚してたし、収入的にそこまで本腰を入れて活動するのは難しかったし。
【OSA】そうやな。それこそ若い頃は「結果を出さなきゃ」って変に肩に力が入ってたけど、今だったらどこか余裕を持って楽しくできるかなと思えたのは大きかった。けどリーダーは悪い男やで。ひとたびステージで歌う気持ち良さを思い出したら、俺らが戻られへんくなることもわかってたやろ?
【YOUSUKE】そこは完全に確信してたから、ライブの回数もちょっとずつ増やしていって。それで3人で活動をスタートして半年くらい経った頃かな。GACKYがライブを見に来てくれたんだよね。
【GACKY】そのライブがめちゃくちゃカッコよくて衝撃的で。小さいライブハウスだったけど、「ここは武道館か!?」って錯覚したもん。
【OSA】覚えてるで、GACKY。そのとき「俺が入って4人組になったら、間違いなく武道館に行ける」って言ったの(笑)。
【GACKY】いや、マジでこのグループなら行けると思ったから、なんとか俺も絡ませてもらいたいなと思ったんだよね(笑)。
最年少のATSUSHIはLAST FIRSTのお母さん? 熱き4人の男たちの素顔とは
【YOUSUKE】GACKYの歌声は3人の誰にもないから加入を申し出てくれたのはすごくうれしかったし、何より人間性をよく知ってたからね。OSAとの関係のことも含めて。
【OSA】そうやな。俺が音楽の現場を離れてずいぶん経った頃、GACKYが「俺のソロのステージでコーラスをしてくれないか」と誘ってくれたことがあって。
【GACKY】昔からOSAの歌声が大好きだったから、歌をやめたのが残念でならなかったんだよ。けど表舞台で歌えない事情もわかってたから、コーラスならいいんじゃないかって。でもお客さんにはOSAの歌声をちゃんと聴いてほしかったから、そのときはメインパートも歌ってもらったんだよね。
【OSA】あれは本当に感謝してる。結果、そのステージを見てくれたリーダーが俺をLAST FIRSTに誘ってくれたわけだから。
【YOUSUKE】OSAのことも昔から知ってたけどね、改めていい声だなあって。
【ATSUSHI】そういう大胆なことをサラッとできちゃう純粋さがGACKYさんにはあるんだよね。見た目は柔らかい感じだけど、いざというときに大胆に振る舞える少年のような強さというか。
【YOUSUKE】だって結成したばかりのグループに武道館なんて、普通恥ずかしくて言えないよ? それをサラッと言ってくれて、救われたところは大きかったな。
【OSA】いいヤツだよ。ムカつくところもいっぱいあるけど(笑)。
【GACKY】ケンカってほどじゃないけど、4人の中では一番言い合いをするかもね。
【OSA】で、俺は家に帰って「今日は言い過ぎたな……」って反省するいつものパターン(笑)。
【GACKY】俺は俺で、OSAにいっぱい助けてもらってきたんだよ。ソロ時代も悩んだり迷ったりするたびにOSAを呼び出して、黙って聞いてくれるOSAにどれだけ救われたか。
【ATSUSHI】OSAさんの優しさは懐が深いんだよね。緊張した場面で「大丈夫だったか?」ってさりげなく声をかけてくれたり。
【YOUSUKE】過去の音楽活動でもめちゃくちゃ苦労してきてることもあって、リーダーの俺とは違う言葉の重みがある。正直、すごく頼りにしてるんだよね。
【ATSUSHI】俺の中ではOSAさんはLAST FIRTSのお父さん。俺にとっては先輩パパでもあるしね。で、リーダーはお兄ちゃん。GACKYさんは弟っていうイメージ。
【OSA】あ、なるほど。それはめちゃくちゃ腑に落ちる。この絶妙なバランス感は作ろうと思って作れるもんじゃないよな。
【GACKY】え、ってことはATSUSHIは?
【OSA】嫁やろ(笑)。もしくはお母さん。
【YOUSUKE】あーっ、まさに! ちょっと前にさ、みんなでうどんを食べてるときに、ATSUSHIが店員さんに何か声をかけてたの。そしたら店員さんがうちの女性スタッフさんにエプロンみたいなのを持ってきて。「白い服だから汁が飛んだら困るだろうから」って。
【OSA】そうそう。ホントよく気が利くの。それも計算とか一切抜きで。
【YOUSUKE】俺、それ見て「くやしー!」ってなったもん。いや、別に競ってるわけじゃないけどさ。この圧倒的な優しさ、敵わない……って。
【OSA】まあまあ、リーダーは体育会系やし(笑)。
【GACKY】うん。融通がきかないところもあるけど、4人の中では最も漢らしいよね。こうと決めたことはどこまでも貫き通すし、筋もしっかり通す。
【OSA】大変だったと思うんだよ。ゼロから、しかもこの年齢になってから新しくグループを作るって。だけどそれを信念で実現させて、しかも何があっても一切ブレない。
【ATSUSHI】やっぱり一番頼り甲斐があるのはリーダーだよね。
【OSA】頼れる背中ってやつな。年々、体もがっちりしてきて。
【YOUSUKE】鍛えるの好きだしね。ジム行ったり、キックボクシングやったり。いずれLAST FIRSTの活動のかたわらでリングに立ってるかもしれないよ(笑)。
ファンともメンバーとも裸の付き合いで絆を深めてきた健康センターでの活動
【OSA】健康センターで歌うのはどうかって事務所から提案されて、「やろう」って即断したのもリーダーだったよな。
【YOUSUKE】ライブハウスでしか歌ったことがなかったし、純烈さんのこともまだ知らなかった頃だったからイメージはできなかったけど、迷いはなかったな。LAST FIRSTがこの先に行くためには、このままやっててもダメだと思ったから。
【OSA】そうやな。ライブハウスのシーンにもどんどん若い世代が台頭してきて、これから俺らどうする? ってときだったから。
【GACKY】OSAは前向きだったけど、俺は反対だったんだよね。「酔客相手」とか「宴会の余興」みたいなイメージにどうしても抵抗があって。でも百聞は一見に如かずで、純烈さんのステージを見に行ったら、そこには見たことがない世界が広がってた。
【YOUSUKE】お客さんの熱狂とかリアクションがすごくてね。
【GACKY】そのとき純烈さんがお客さんと触れ合う姿を見て、こうやってファンと絆を築いていくんだって。まさに目から鱗が落ちたような感覚だった。
【OSA】結局、ライブハウスって音響もいいから歌ってる側が気持ちいいんだよ。だけどお客さんに足を運んでもらう、これが実は一番しんどい作業で。一方で健康センターは、すでにそこにいるお客さんのところに歌を届けに行く。これはまったく逆転の発想やった。
【ATSUSHI】けっこうびっくりするのが、初めて行った健康センターで「待ってたよ」とか言われること。見るとそこにLAST FIRSTのポスターが貼ってあって。
【GACKY】たぶんそこの常連さんなんだよね。わざわざ俺たちを見に来たわけじゃなくて。
【OSA】ありがたいよな、本当に。名前を知ってもらうのがどんだけ大変か、これまでの音楽活動で身にしみてきたことだから。
【YOUSUKE】それでライブで汗をかいたあとはお風呂もいただくでしょ。そうすると「よかったよ、さっき!」って声をかけられたりして。
【OSA】「純烈みたいになれよ」とか言ってくれてね。歌だけじゃなくてすべてをお客さんにさらけ出してきたわけだから、もう隠すものはないというか。
【YOUSUKE】まさに裸の付き合いで築く絆というかね。それで言ったら健康センターで活動するようになってから、メンバーとさらに裸の付き合いをするようになったわけだけど、そこでもまたATSUSHIには敵わないと思った出来事が……。
【ATSUSHI】え、なんすか?
【YOUSUKE】一切隠さないじゃん、ATSUSHI。ぶらんぶらんじゃん。
【ATSUSHI】あー、俺は隠さない派だから。
【YOUSUKE】俺はどうしても隠しちゃうからさ。やっぱATSUSHIはかっこええなあって。
【ATSUSHI】ちょっと(笑)! 俺は一度は抜けたLAST FIRSTに改めて呼んでもらって、リーダーにはマジで感謝してるんだから。
“遠回り”をポジティブなものしてくれる新曲『Life is Beautiful』でさらなるステップへ
【YOUSUKE】(2020年1月に)ATSUSHIが戻ってきてくれて、「ここからエンジンかけて行くぞ」と意気込んでた矢先のコロナ。世の中、暗いニュースばかりで、自分たちも歌える場所がどんどんなくなって、ファンとも触れ合えなくなって──。どうにか光を灯したくて作った曲だったんだよね。躓いたり落ち込んだりする出来事も、ちょっとだけ見る角度を変えたらポジティブに見えてくるんじゃないかって。
【OSA】そういうことってたぶん人生のいろんな場面であると思う。この4人もいろいろ遠回りしてLAST FIRSTに行き着いたわけだし。この曲に「救われたよ」って言ってくれるファンは多いけど、実はメンバー自身かなり救われてて。やっぱりリーダーの作る曲はすげえよ。
【GACKY】去年の秋くらいからライブで披露してきたけど、歌い重ねるたびに歌詞の意味もどんどん自分たちの中で深まっていって、今ではものすごく特別な1曲になってる。ATSUSHIが再加入して最初のシングルがこの1枚で本当によかったなと思ってるよ。
【YOUSUKE】ファンと一緒に武道館。あの小さなライブハウスでGACKYが口にした言葉を実現させないとね。