【「うたびと」オープン記念】杜このみ独占インタビュー

2019.3.25

――2013年『三味線わたり鳥』でデビューし、第55回日本レコード大賞新人賞を受賞した杜このみさん。3月6日にリリースされた新曲『花は苦労の風に吹く』は、春を待つ花に人生を重ねた応援歌。民謡で培った抜群の歌唱力が一段と輝く本格演歌だ。

「歌手生活ももうすぐ7年目になりますが、その間に支えてくださったみなさんから少しずつ水を与えられるように育てていただいたと、とても感謝しています。それだけに、今回の新曲は、聴いてくださるみなさんの心に花を咲かせられるような応援歌になるよう心がけて歌わせていただいています。また、私自身、これからも、1年1年積み重ねていくことで、大きな花を咲かせられるようになりたいと思っています」

 

――このみさんが民謡を習い始めたのは4歳のとき。テレビで民謡番組を見て「カッコイイ!」とときめいたことがきっかけで、民謡教室に通い始めたそう。

「とても有名な先生の教室で、すごく厳しかったんです。腹式呼吸など基礎練習が多くて、なかなか民謡を歌わせてもらえなくて、早く歌えるようになりたいなと思いながら通っていました。とにかくどんな音楽よりも民謡が好きでしたね」

 

――そんな努力と天性の資質で、小学6年生で「江差追分全国大会少年の部」で当時史上最年少優勝を獲得。以来、数々の大会で優勝を重ね、高校3年生のとき、NHKの『それいけ!民謡うた祭り』に出演したことをきっかけに、民謡の名取でもある演歌界の大御所・細川たかしさんに見出され、デビューへの道を切り拓いた。師匠である細川たかしさんからは、プロの歌手として多くのことを学んだと語る。

「師匠はコンサートをすごく大切にしていて、チケットを買って、わざわざ足を運んでくださるというのはすごいことなのだから、来てくださった方々にとにかく全身全霊を届けなさいと教えてくれました。また、あそこまで大御所になっても師匠はまだ満足していなくて、常に上を目指し続けているんです。その向上心も見習いたいですし、民謡を大事に歌われている面も見習いたいと思っています」

 

――細川たかしさんと同様に、このみさんも演歌と民謡の二刀流がコンセプト。その2つの表現の変化を楽しめるのが、うたびと・杜このみ最大の魅力だ。

「民謡は、声やこぶしなど技術的な部分が一番大事で、振りもなくシンプルに歌うのですが、聞いている人がなぜかホロッとくる魅力があります。一方、演歌は振り付けなど演出が派手で、歌詞も情熱的で、演じる面白さがあります。クラシックである民謡と、流行歌である演歌の両方を二刀流として広めていきたいです!」

 

――ファンクラブには小さいお子さんもいて、「民謡を『すごくいいね』って喜んでくれることがとてもうれしい」と笑みをこぼす。

「師匠はものすごく明るい方なので、私も日本中のみなさんに、杜このみの音楽を聴いているとすごい元気になるよねって言ってもらえるような明るい歌手を目指しています」

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