【「うたびと」オープン記念】川上大輔独占インタビュー

2019.3.25

―― 一度聴いたら忘れられない、聴く人の魂に染み入るハイトーンボイスで、「唯一無二のプラチナボイス」と称され、2013年のデビュー以来、ヒットを飛ばしてきた川上大輔さん。デビュー7年目となる今年4月にリリースする9枚目のシングル『女神のリズム』は、そんな川上さんの新たな魅力が表現されたラテン調のダンスナンバーだ。

「カバー曲の『ベサメムーチョ』でデビューして、その後、アップテンポの曲からバラード、歌謡曲、いろいろやってきましたが、ここでまたひとつ、ファンのみなさんに喜んでいただけるような、また、僕のことをまだご存じない方にアピールできるような新しいことに挑戦できたらという思いから生まれた新曲です。今までよりもポップスに寄っているので、J-POP世代の僕にとっては等身大の自分を表現できる曲。でも、J-POPと歌謡曲の中間のような立ち位置の曲なので、年配の方や洋楽がお好きな方にも聞いていただけると思います。より自分の声の特性を活かして、この曲をみなさんに届けたいと思います」

 

――J-POPや洋楽を聞いて育った川上さんが、歌手を目指してライブ活動を始めた大学時代、歌っていたのは、マライア・キャリーやマイケル・ジャクソン、ホイットニー・ヒューストンといった洋楽だった。それまで「歌謡曲は“古い”というイメージがあって、聞いたことがなかった」と言う川上さんだが、ライブハウスでスカウトされた後、デビューを目指す過程で様々なジャンルの歌を歌う中で、歌謡曲を知り、考え方が大きく変わったと言う。

「あのとき、歌謡曲に出会わなかったら、今の自分の歌い方や伝え方はなかったと、今、すごく正直に思っています。とくに、一番好きになったのがちあきなおみさんなのですが、ちあきさんの歌詞の伝え方、言葉の置き方はそれまで僕が聞いてきたJ-POPにはまったくないものだったので、すごく感銘を受けまして。今は、ちあきさんから吸収したものを、僕なりに、自分のフィールドで昇華していけたらと思っています」

 

――その言葉どおり、川上さんが“うたびと”として最も大切にしているのは、歌詞。

「歌詞を伝えられる歌手になるためには、日々の生活で感じたことを大切にしています。心が躍動したり、落ち込んだり、その全てが歌に生きると思うし、自分が理解していなかったり、感情移入できないと、聴いてくれる人たちに伝わりませんからね。そのためには、歌手として歌わせてもらっているときの自分と、家に帰ったときの自分、友達と遊んでいるときの自分など、仕事と生活に境目をつけず、日々の生活の延長線上に歌手という自分の仕事があることが理想だと思っています」

 

――近々の目標は、新曲『女神のリズム』のように、「J-POPでも昭和歌謡でもなく、その中間の、僕ならではのジャンルを築いていくこと。それから、舞台やミュージカルにもトライしたいですね」さらに20年後30年後を聞いてみると……。

「ボイストレーニングを始めた当初から今も継続して追求しているのは、高いだけではなく、より深みをもたせた発声です。親からいただいた自分の声を大事にして、50代、60代、70代になったとき、この声でどういうふうに歌っているのか、自分自身も楽しみにしています」

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