三山ひろしのこだわりすぎる趣味の世界 「歌とは関係のない趣味で、気持ちの切り替えをするようにしています」

2021.11.16

11月17日(水)に師匠・松前ひろ子とのデュエット曲『人生援歌』をリリースする三山ひろし。三山といえば『NHK紅白歌合戦』でけん玉でギネスに挑戦するなど、広く深く追求する趣味でも有名だ。今凝っている趣味は何なのか、趣味は彼に何をもたらすのかについてインタビューした。

――師匠とのデュエット曲『人生援歌』、前向きになれる曲ですね。
コロナ禍で大変な今の時代、みなさんに元気に前向きになっていただける一曲だと思います。人生、山あり谷ありですが、そんな時こそ一生懸命に生きることが大事だと改めて感じました。まだまだ大変な状況が続きますが、前を向いて一緒に頑張りましょう!

――ところで、三山さんといえば「こだわりすぎる趣味」について聞きたくなります。最近凝ってらっしゃるのは何ですか?
裁縫です! 型紙を自分で書いてバッグを作ったりしています。もともと僕は、おじいちゃんが大工だったこともあって手先が器用で、裁縫が好きだったんです。小学生の時、家庭科の授業でドテラというか半纏を作ってミシンの楽しさを覚えました。その時、迷彩柄の半纏を作りました。

――迷彩柄の半纏とは、かっこいいですね!
コロナ禍でコンサートなども減ってしまったので、地方のお客様に元気な姿を見ていただけるのは動画しかない。だからYouTubeチャンネルで頑張っている姿をみなさんに見ていただこうと、久しぶりに裁縫を初めました。

以前、『歌の手帖』というカラオケ誌で「三山ひろしのソーイングマイウェイ」という連載ページを持っていました。僕が裁縫をして、出来上がった品物を読者プレゼントにする企画です。コースター、ランチョンマット、巾着袋、スリッパ、結構いろいろ作りましたね。
最終的に自分のステージ衣装を作るということで、シャツを作りました。1年かけてパーツごとに作って、12カ月で1枚のシャツを完成させて、最終的にそのシャツでステージに立ちました。1枚でも透けない厚手の生地のワイシャツで、キラキラ光るボタンをつけました。生地もボタンもこだわりがあるので、全部自分で選んで作りました。

――最新作は何でしょう?
エコバッグです(写真)。きちんとした型紙なしで作ってみようと思って、メモ書き程度の型紙を自分で書いて、その通りに生地を裁断して作りました。ポケットがついていますが、ここに全体を収納すると小さなポーチになります。マチも大きめに作ったので、いっぱい買い物ができます。
一つだけ失敗したのは、肩ひもは丈夫な方がいいから太くしようと思ってこのひもをつけてみましたが、かさばってしまって収納に苦労します(笑)。後から気がついて、「しまった!」という顛末も動画で見ることができます。

ーー他に凝っているものは?
カブトムシの飼育です。昨年130匹生まれた幼虫を、今年の譲渡会でみなさんにプレゼントしました。夏休みに開催したこともあってお子さん連れで来ていただいて、お子さんが「どれにしようか」と夢中で選んでいる姿を見てうれしかったですね。
最近はクワガタの飼育も始めまして、これがまた良い感じです!(笑)

――すごくお忙しいはずなのに、なぜ多趣味なのでしょう?
空いた時間があると何かやりたくなっちゃう。子どもじみたことばっかりですけど(笑)。
歌とはまったく関係ないことが気分転換になります。歌は大好きだけど仕事なので、そればっかりだと気が休まらないんです。
関係ないことを趣味にして、気持ちの切り替えをするようにしています。最近はプラモデルを作ったりもしています。

――どんなプラモデルですか?
24分の1のカーモデルです。カローラGTとか昭和37年式のトヨペットクラウンとか、今では公道を走るのを見ることができない一昔前の国産車を、自分のコレクションの中にプラモデルとして保存しておきたいんです。

――ぜひ展示会をしてください!
展示会、やりたいですね!
本来のキットのドアが開かなければ、自分で改造してドアを開けられるようにしたり、荷台を開けられるようにしたり、イラストレーターで作った「三山商会」というデカール(シール)を貼ったりしてカスタムしています。
昔ながらの雰囲気を出すためにできるだけ実車に近づけたいので、実車のカタログや画像をインターネットで探して作り込んでいます。「どこからどう見ても本物にしか見えない!」という域をめざしていますが、まだまだですね。
今作っているのはスバルのサンバートラックという軽トラです。「農道のポルシェ」と言われている、田舎のおじいちゃんやおばあちゃんが畑仕事に使う車です。

――作業はいつやるんですか?
家にいても1時間空いたらやります。塗装をしようとすると、エアブラシで吹いたら乾かさないといけないんです。しばらく乾燥機に入れておいて、その間に別のパーツを作るなど、寸暇を惜しんで作業を進めています。

新しい趣味・落語は歌に通じるものがある

――さらに、落語を始められたとお聞きしました。
先日、テレビ番組で落語に挑戦しようという企画があって、1カ月間、古典落語を練習して披露しました。
実は、僕の初めての明治座公演で、第一部のお芝居が落語を題材にした「坂田三吉物語」でした。その時、脚本を担当してくださった立川志の春さんが師匠になって教えてくださいました。番組では無観客で披露しましたが、志の春師匠から「間がいいから、これからもいろいろな噺に挑戦してみてください」と言っていただいて。
その番組の評判が良くて、お客様から生で観てみたいというお声をいただき、9月17日に開催したファンクラブのバースデーイベントで、お江戸両国亭の高座に上がりました。

お客様はファンのみなさまですが、コロナ禍でコンサートが中止や延期になってお会いするのも久しぶりで、とても喜んでくださいました。落語を披露する三山ひろしを見るのはお客様も初めて、ぼくも人前で披露するのは初めて。むこうもこっちもドキドキしながらやりましたが、いつか落語を極めてみたいと思いました。新しい古典落語を覚えて、お客様の前で披露できる日が来るといいなと思っています。

――バースデーイベントで披露した演目は、先日亡くなった柳家小三治師匠が得意とした「金明竹」だったそうですね。
僕、小三治師匠が好きなんです。YouTubeで師匠の映像を見ると、人物描写が巧みで鳥肌が立ちます。
僕の高座を見た志の春師匠からは、女将さん役がとってもチャーミングで「いるよね、こういうおかみさん」という雰囲気が出ていると言っていただきました。
「僕に似合いそうな古典落語はないでしょうか」と聞いたら、「厩火事(うまやかじ)」を薦められたので、今はいろいろな落語家の「厩火事」を見て勉強させていただいています。

――インプットの時期ですね。
はい。そのうち覚えたらみなさんの前でアウトプットしたいと思います。僕、落語に関しては歌の延長上にあるように思うんです。表現したり、間をとったり、そういう意味では歌に似たところがあって、落語に携わっている時間は仕事に近いものを感じますが、面白いですね。
結局、僕は裁縫でもカーモデルでも落語でも、自分なりにものを作るのが好きなんです。歌を歌うのも一緒なのかもしれません。

――そんなお忙しい三山さんですが、コロナ禍で気分転換が上手にできない人にメッセージをお願いします。
「うたびと」をご覧になっているみなさんなら、きっと前向きで、「何かやりたいな」と思っている方だと思います。やることは身近なことでいいと思うんです。
僕、この間掃除機を直したんですよ。ある日、掃除機をかけていたら何か重いんです。よく見たらヘッドの下のフェルトがすり切れていたので直しました。ついでに細かい部品を分解して水で洗ってつけかえると、スーッと軽く動くんです。気持ちよかったですよ! そんなことでも気分転換になって、前向きな気持ちになるはずです。

――掃除をしながら『人生援歌』を流すとなおいいですね。
いいですね!(笑)。ぜひ『人生援歌』をみなさんのお役に立ててください。

松前ひろ子/三山ひろし『人生援歌/祝い川』

2021年11月17日発売
12CDS / TKCA-91378 / ¥1,350(税抜\¥1,227)
師弟競演!師匠・松前ひろ子と三山ひろしのデュエット作品!
希望と笑顔を届ける人生の応援歌!
『祝い川』は、三山ひろしシングル『お岩木山』Cタイプのカップリングとして収録された楽曲。

01. 人生援歌(松前ひろ子・三山ひろしデュエット)
02. 祝い川(松前ひろ子ソロ)
03. 人生援歌 オリジナル・カラオケ
04. 祝い川 オリジナル・カラオケ
05. 人生援歌 松前ひろ子VO入り
06. 人生援歌 三山ひろしVO入り

三山ひろし『浮世傘』

好評発売中!
品番:CRCN-8417
価格:¥1,350

【収録曲】

1. 浮世傘
2.風の旅人
3.せられん
4.浮世傘(オリジナル・カラオケ)
5.風の旅人(オリジナル・カラオケ)
6.せられん(オリジナル・カラオケ)

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