カラオケで定番の演歌・歌謡曲10選~女性歌手編~【カラオケバトル王者歌手のアドバイス付き!】
学生からご年配まで幅広い年齢層が楽しめるものの一つとして、カラオケが思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。もちろん、歌うだけでも楽しめますが、カラオケが好きな方の中には、「せっかくなら上手に歌えるようになりたい」と考えている方もいるかもしれません。
そこで今回は、うたびとがピックアップしたカラオケ定番曲10曲に関するエピソードとともに、カラオケバトル王者である演歌歌手・門松みゆきから歌い方のアドバイスをいただきました。歌が上手になりたいと考えているカラオケ好きの方は、ぜひ参考にしてみてください。
カラオケの定番演歌・歌謡曲を10曲紹介
それでは、ここからうたびとがピックアップしたカラオケの定番曲を、門松さんのワンポイントアドバイスとともにご紹介します。
【門松みゆき プロフィール】
2歳の時に演歌に目覚め、小学生の頃から歌手の道を目指す。2009年(16歳〜)作曲家・藤竜之介に師事。演歌・歌謡曲からポップスまで幅広くレッスンを受け、第一興商カラオケガイドボーカル150曲以上を担当したこともある実力派。2019年に『みちのく望郷歌』でメジャーデビューし、2021年5月30日にテレビ東京で放送された「THEカラオケ★バトル」では初出場で初優勝を勝ち取るなど、若手実力派演歌歌手として注目されている。
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天城越え(石川さゆり)
1986年に発売した石川さゆりの45枚目のシングル。
「歌唱力のある石川さゆりにしか歌えない、難易度の高い作品にしたい」と吉岡治(作詞)、弦哲也(作曲)、桜庭伸幸(編曲)の3人が天城湯ヶ島町(現・伊豆市)にある「白壁荘」に泊まって制作した楽曲で、激しい情念を抱えながら生きる女性を表現しています。
紅白歌合戦では合計12回披露されており、近年では同じく石川の代表曲である『津軽海峡・冬景色』と交互に披露されていることでも知られています。
ちなみに、本楽曲は静岡県・伊豆半島にある天城山を舞台にしたご当地ソングでもあり、歌詞にも登場している「浄蓮の滝」のふもとには本楽曲の歌碑が設置されています。
【門松みゆきのワンポイントアドバイス】
「難易度の高い作品」…その言葉の通り女の情念を描いた王道演歌の中でも非常に難しい楽曲ですよね。出だしの語りからサビにかけてのメリハリが重要となってきますが、そもそもメロディーやアレンジ自体がその歌い方を促してくれるような楽曲でもあるので、感情は表現しやすいと思います。
サビの最高潮から「あなたと越えたい」で一度グッと引いて、タイトルでもある一番の見せ場「天城越え」にどう繋げていくかが最終的に大きなポイントになりますかね!
また君に恋してる(坂本冬美)
2009年に発売された坂本冬美の37枚目のシングル。もともとは2007年に発売したビリー・バンバンの楽曲で、坂本がカバーしたことでも知られています。
坂本が歌唱しているバージョンは2008年からCMソングとして使用され、同月に着うた配信を開始すると、10代、20代といった若い年齢層がダウンロードしたことで、若い世代にも人気を博しました。カラオケDAMにおける2010年の年間カラオケ・リクエストランキング結果では1位を獲得しており、NHK紅白歌合戦でも、第60回と第61回に出場した際に本楽曲を披露しています。
【門松みゆきのワンポイントアドバイス】
ビリー・バンバンさんは柔らかい男性デュオのハーモニーを奏でながら歌われていましたが、坂本冬美さんが歌われるとどこか女性の切なさ繊細さが加わりまた違った世界観だと感じました。とにかく心地よくメロディーにのせて、あまり気張りすぎず流れるように歌うのがポイントです!
この曲は、サビの「また君“に~”」の高い部分を、地声でいくか裏声でいくかで少し色が変わると思います。サビだから強調したいのか、あえて抜いて感情を伝えたいのかそこは皆様のお好みで表現して頂くといいと思います!
魅せられて(ジュディ・オング)
1979年に発売されたジュディ・オングの26枚目のシングル。下着メーカーのCMソングとして起用され、累計200万枚のセールスを記録したジュディの代表曲です。
第21回日本レコード大賞・大賞を受賞するなど輝かしい実績を誇る楽曲でもあり、歌唱する際に、両手を広げると裾から手首まで袖が扇状に広がる白のドレスを着用した姿が印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
また、桑田佳祐、石川さゆり、野口五郎らジャンルを超えたさまざまなアーティストにカバーされています。
【門松みゆきのワンポイントアドバイス】
あの印象的な衣装を、日本中の誰もが真似されたと思います(笑)
美しく妖艶なジュディ・オングさんが歌の世界観にピタッとはまり、聴いているこちらもすっかり引き込まれてしまう一曲ですよね。始めからわりと畳み掛けるメロディーやリズムが多いので、一つ一つの言葉をハッキリ明確に発音することが大切です。メロディーにのせる前に台詞として、声を出して練習してみるのがオススメです!
川の流れのように(美空ひばり)
美空ひばりの生前最後に発表されたシングル曲。
もともとはアルバム『川の流れのように〜不死鳥パートII』に収録されていた楽曲で、美空自身の強い要望でシングルカットが実現しました。本楽曲は美空が亡くなった後に売り上げを伸ばし、その結果第31回レコード大賞では「金賞」「作曲賞」「特別栄誉歌手賞」を受賞しました。
ちなみに、作詞を務めた秋元康は当時ニューヨークに在住しており、楽曲のテーマとなっている「川」はニューヨークを流れる「イースト川」のことを指しているそうです。
【門松みゆきのワンポイントアドバイス】
美空ひばりさんという偉大な歌い手さんの凄みをひしひしと感じる、素晴らしい日本の名曲だと思います。人生を語る一曲なので、サビまではとにかく淡々でありつつもしっかりと言葉に重みを持って丁寧に置くように歌うのがポイントです。語尾がぶっきらぼうにならないように、注意しながら歌って下さい!サビの「あぁ~」からは思いっきり声を出して歌って優雅に頂くと、この曲の持つ壮大さ・スケールの大きさを最大限に表すことが出来ると思います。
タッチ(岩崎良美)
1985年に発表された岩崎良美の20枚目のシングル。同名アニメのオープニングテーマとして起用されたことでも知られています。第27回日本レコード大賞・金賞を受賞するなど、岩崎のシングルとして自身最大のヒットを記録し、アニメソングの代表格としてアイドル・ミュージシャン・声優ら多くの人がカバーしています。
【門松みゆきのワンポイントアドバイス】
カラオケで盛り上がる定番アニメソングですよね!イントロからワクワクするようなアレンジで、伴奏でも強いリズムが刻まれているのでとっても乗りやすい一曲です。特に裏拍のリズムに注意をしながら歌うとより一層躍動感が出て、軽快になります!
こういったテンポ感のある曲は、ブレスを素早くとることと、ビブラートの幅をしっかりリズムに合わせると非常に心地よくなりますよ!
鳥取砂丘(水森かおり)
2003年に発表された水森かおりの11枚目のシングル。作曲は弦哲也、作詞は木下龍太郎が手掛けています。
本楽曲はオリコン登場回数107回というロングヒットを記録し、第45回日本レコード大賞・金賞を受賞。水森は2003年に行われた第54回NHK紅白歌合戦に念願の初出場を果たしました。本楽曲のヒット以降、水森は「ご当地ソングの女王」として毎年ヒット曲をリリースし、2021年に開催された第72回への出場を含めると、なんと19年連続でNHK紅白歌合戦に出場を果たすという快挙を成し遂げています。
【門松みゆきのワンポイントアドバイス】
水森かおりさんの大ヒット曲「鳥取砂丘」は、凄く歌い応えのある曲でカラオケ演歌好きの皆様から多く愛されているご当地ソングの代名詞ですね!
サビの高音ファルセットが非常に印象的な一曲ですよね。跳び箱(サビ)を飛ぶようなイメージで、サビ前の「あなたの、愛の、大きさを」を助走と踏み台だと思ってしっかり勢いを付けましょう!強調したいポイントは、その前後のフレーズに注意して歌うことが大切です。
ラヴ・イズ・オーヴァー(欧陽菲菲)
台湾出身の歌手、欧陽菲菲18枚目のシングル。もともとは1979年7月に発売された17枚目のシングル『うわさのディスコ・クィーン』のB面曲で、悲しい気持ちを押し殺し、別れた男性を送り出す気丈な女性を表現した楽曲です。
リリース当初は売り上げが伸び悩んでいましたが、歌い続けたことで口コミなどから話題に。その結果、青山テルマ、JUJU、氷川きよし、鈴木雅之らにカバーされる、世代を超えた名曲となりました。
【門松みゆきのワンポイントアドバイス】
ジャンルや男女問わず、色々な方がカバーされている名曲!切なさ悲しさの中にも、必死に前を向こうとする女性の強さを感じられる一曲ですよね。前半は、本当に彼に話しかけているかのように語りかけて、ちょっと言葉を吐き捨てたり息を使ったりして歌うことがポイントです。
「誰に抱かれても忘れはしない~きっと」「本当の自分をじっと見つめて~きっと」この部分はノンブレスで行って感情を切らさないようにすると、歌詞の説得力がよりでてきますよ!
瀬戸の花嫁(小柳ルミ子)
1972年に発表された小柳ルミ子の4枚目のシングル。
瀬戸内海を代表するご当地ソングで、瀬戸内海の島に嫁ぐ主人公の心情と、夫となる男性とともに生きていく決意を表現しています。
1972年のオリコン年間チャートで2位を記録するほどの人気を誇り、小柳にとって『わたしの城下町』に匹敵する代表曲となりました。
【門松みゆきのワンポイントアドバイス】
小柳ルミ子さんの伸びのある綺麗なファルセットが心地よい一曲ですよね。この曲は、短い詞の中にもしっかりと場所や情景・登場人物の気持ちや想いも解りやすく描かれている作品なので、物語が明確な曲ほど主人公になりきりながら感情を込めて歌うことができますね!
また、ファルセットが苦手な方は無理をして使う必要はありません。自分が一番出しやすい音域にあった《キー》を探すことも、カラオケでは凄く重要なポイントです!
時の流れに身をまかせ(テレサ・テン)
1986年に発表されたテレサ・テンの16枚目のシングル。
自身のヒット楽曲『つぐない』『愛人』に続き、作曲を三木たかし、作詞を荒木とよひさが手掛けました。『つぐない』『愛人』はマイナー調な楽曲でしたが、本楽曲はメジャー調に仕上がっており、運命の男性に出会えた喜びを歌っています。
NHK紅白歌合戦では第37回(1986年)、第42回(1991年)に出場した際に披露しています。
【門松みゆきのワンポイントアドバイス】
テレサ・テンさんの繊細な絹の糸のような歌声と、三木たかし先生の美しいメロディー、荒木とよひさ先生の切ない詞が最高にマッチしたロングヒットの名曲。タイトル通り、曲の《流れに身をまかせて》肩の力を抜いて軽く歌うことを心掛けて下さい。
「そ”ば”に置いてね」の高音部分は、高いからといって力んであまり強く出しすぎずに少し息を使って抜きめに出すと、主人公の女性の健気さ優しさが表現されると思いますよ!
いい日旅立ち(山口百恵)
1978年に発表された山口百恵の24枚目のシングル。日本国有鉄道(国鉄)が行っていた旅行誘致キャンペーンのキャンペーンソングとして制作された楽曲で、子供の頃の思い出を胸に秘め、幸福を求めて日本全国を旅する主人公の様子を表現しています。
作詞・作曲を歌手・谷村新司が手掛けた本楽曲は累計売上枚数100万枚を記録し、山口にとって最大のヒット作となりました。
また、1985年以降、高等学校で使用する音楽教科書に採用され、2002年以降には中学校の音楽教科書に掲載されるなど、若い世代にも広く知られる楽曲となりました。
【門松みゆきのワンポイントアドバイス】
伝説の歌姫、山口百恵さんの代表作。谷村新司さんの独特な世界観もありつつ、また山口さんの歌声により更に奥行きができたというような非常に深い一曲ですよね。
《歌う》というよりもひとつの物語を《語る》ように意識して言葉の運びをしていくと、目の前にその状況が浮かんできやすくなり感情が乗せやすいと思います。主人公の立場に目線を合わせて、ご自身も日本全国を旅してる気分で歌ってみましょう!
門松みゆき おすすめの楽曲
今回アドバイスいただいた門松さんの歌のなかにも、カラオケでおすすめの楽曲があるそうです。
花の命(門松みゆき)
2021年に発表された3枚目のシングル。
主人公自身を「花」に例えて、愛する男性のもとで咲き誇ろうとする様子を表現しており、ローテンポの曲調と門松さんの力強い歌声が耳に残る楽曲です。
【門松みゆきのワンポイントアドバイス】
聴く人、歌う人によって花の《種類》《色》《匂い》《大きさ》などを、それぞれの経験や想いで想像して頂けるような楽曲となっております。この曲は“どんな人にも通じる深い愛の歌”です。
前半は、マイクを好きな人の耳元だと思って優しくひとつひとつの言葉を大切にしっかり語って下さい。そして、サビの「エンヤさ」というフレーズはかけ声のようでどうしても力強く歌いあげたい所ではありますが、実は「艶冶」という意味が隠れています。女性の美しさ・艶かしさを表す言葉ですので、息を使って暖かみのある雰囲気で歌って下さいね!
今の門松みゆきが表現させて頂いている「花の命」も、きっとこれから5年・10年と月日を重ねていくごとに変化していくと思います。今後も大切に歌って参りますので、応援の程宜しくお願い申し上げます!
アドバイスを参考に歌ってみよう!
感情の込め方や高い音程の出し方など、歌が上手になるためにはさまざまな点を意識することがポイントとなります。「カラオケが好きで、もっと上手くなりたい!」と考えている方は、今回ご紹介したカラオケバトル王者からのアドバイスをもとに練習してみましょう。
最後に、各楽曲のアドバイスをしてくれた門松さんからのコメントをご紹介します。
私なりの解釈で大変恐縮ですが、アドバイスさせて頂きました!少しでも皆様の歌唱の参考になれば嬉しく思いますが、最終的に歌は自由です(笑)ご自身の思うままに気持ちよく歌って頂くのが一番だと思います。
ただ、ほんの少しの意識で歌は変わります!この曲の主人公は男性かな?女性かな?季節は冬かな?夏かな?など…少しでも歌詞の内容を理解して歌ってみると、また表現の幅も広がってくると思いますので、まずは声を出す前に歌詞を一度読んでみるという事をオススメします!