【石川さゆり】デビューから50年の軌跡

石川さゆり
2022.12.27

今年の3月にデビュー50周年を迎えた石川さゆり。NHK紅白歌合戦での熱唱は、毎年大晦日の風物詩となっています。
『津軽海峡・冬景色』や『天城越え』で有名ですが、最初はアイドルとしてデビューしていたこと、ご存知でしたか?

今回は、そんな石川さゆりのデビューからの経歴を、各時代を彩る名曲とともにご紹介します。

アイドルデビューから大ヒットまで

ここでは、デビューから大ヒットに至るまでを見ていきましょう。

『かくれんぼ』でアイドルとしてデビュー

1973年、石川が15歳のときにシングル『かくれんぼ』でアイドルとしてデビューしました。

しかし、世間では「花の中三トリオ」と呼ばれる山口百恵・森昌子・桜田淳子のトリオがもてはやされ、石川はあまり注目を浴びていませんでした。

ちなみに、デビューしたシングルB面は『津軽の里』。
後に大ヒットする『津軽海峡・冬景色』と同じ地名が入っていることに、運命を感じますね。

二葉の門下生となり歌を磨くことを決意

なかなか軌道に乗らなかった石川は、同世代との差が開いたことで、深い挫折と劣等感にさいなまれたようです。
そんな状況を打破するために、二葉百合子の門下生となって歌うことを基礎から学び直しました。

また、歌に奥行きを持たせるべく民謡や日舞にも打ち込み、新たな技術をどん欲に吸収したそうです。

カバーした『青い山脈』が映画の主題歌に

デビュー後はすぐに芽がでなかったものの、少しずつ成果を積み上げていきます。

1975年にリリースされた『青い山脈』は、リメイクを重ねている映画の主題歌で、潮哲也とのデュエット曲です。
映画の主題歌に起用されたことで、石川の名が世に広まるキッカケとなりました。

この楽曲『青い山脈』の歴史は古く、1949年に藤山一郎と奈良光枝がリリースしたのが始まり。その後は美空ひばりや河合奈保子、桑田佳祐らがカバーしており、今でも高い知名度を誇っています。

『津軽海峡・冬景色』で大ブレイク

順調な走り出しとは言えない石川でしたが、1977年、ついにあの名曲『津軽海峡・冬景色』で大ブレイク。

もともとは1976年に発売されたアルバム「365日・恋もよう」の中の最後の1曲でしたが、話題となったことで、1977年にシングルとして発売。

その結果、大ヒットを記録し「日本レコード大賞」「FNS歌謡祭」など名だたるコンペティションで受賞を重ねました。
年末には第28回NHK紅白歌合戦に初めて出場することとなり、ブレイクの起点となった楽曲です。

リリースから45年を経た今もカラオケの人気ランキングで上位に位置しており、『天城越え』とともに世代を超えて愛されている楽曲となっています。

その後も続々とヒットを記録

『津軽海峡・冬景色』で大ブレイクを果たした石川は、その後も続けてヒット曲を打ち出します。

『波止場しぐれ』

1985年7月21日にリリースされたシングルで、同年の大晦日には第27回日本レコード大賞・最優秀歌唱賞を受賞している楽曲です。

同日の第36回NHK紅白歌合戦でも同楽曲を歌い、嬉しさで感極まる場面もあったとか。

この楽曲は、瀬戸内海の香川県小豆島にある「土庄港」を舞台にしたご当地ソングとなっています。
1992年には、香川県小豆郡土庄町にこの曲の記念碑が設立されました。一度見に行ってみたいですね。

『天城越え』

1986年7月21日にリリースされた曲で、今や知らない人はいないと言っても過言ではないほどの名曲となりました。
年末の紅白歌合戦では、『津軽海峡・冬景色』に並んで歌われる楽曲です。

発売年である1986年には、第28回日本レコード大賞で金賞を受賞し、同年の第37回NHK紅白歌合戦では紅組のトリも務めました。

『夫婦善哉(めおとぜんざい)』

1987年2月1日に発売されたシングルです。
小説をモチーフにしており、しっとりとした曲調で夫婦の愛を歌っています。

こちらの楽曲は、第29回日本レコード大賞では金賞を受賞し、第38回NHK紅白歌合戦でも当楽曲を披露。
この後も石川の快進撃はまだまだ続きます。

『風の盆恋歌』

1989年6月18日にリリースされたシングルで、富山県の「おわら風の盆」という祭りをテーマにした楽曲となっています。

この曲は、第31回日本レコード大賞の最優秀歌唱賞を受賞し、日本作詞大賞の大賞も受賞した作品です。

第40回NHK紅白歌合戦では当楽曲で大トリを務めており、その後の1998年、第49回NHK紅白歌合戦でも同曲を披露。当楽曲が人気曲であることを物語っています。

NHK紅白歌合戦は女性歌手で最多出場

大晦日の風物詩であるNHK紅白歌合戦。

石川は紅白常連歌手となっており、今年を含めると通算45回の出場、39回の連続出場を記録しています。
どちらも女性歌手では最多の記録となっており、年越しは石川の歌を聞いて年を越す方も多いでしょう。

今年はどの楽曲を披露してくれるのか、楽しみですね。

演歌だけじゃない!ジャンルを問わず歌い上げる日本歌謡界のまぎれも無いディーヴァ

2010年代からは、垣根を超えたコラボレーションにも精力的に取り組むようになりました。
ここでは、その中から代表的な3曲を紹介します。

椎名林檎による楽曲提供『暗夜の心中立て』

椎名林檎が楽曲提供をした『暗夜の心中立て』。

石川を“平成の花魁(おいらん)”とイメージした椎名が、イメージをそのままに楽曲にしたのだとか。
妖しく艶っぽい世界観を、石川の情緒あふれる歌声で表現しており、引き込まれる作品となっています。

ルパン三世の主題歌に!『ちゃんと言わなきゃ愛さない』

2015年10月21日にリリースされたシングル。アニメ「ルパン三世」のエンディングテーマに起用されました。
作詞はモーニング娘。で有名なつんく。さらに作曲・編曲は大野雄二と、大物ぞろいのコラボで話題を呼びました。

曲はジャズテイストでポップさを兼ね備えており、石川の可愛らしくも力強い艶やかな歌声が、ルパン三世の世界観とマッチしています。

ラップとのコラボ『火事と喧嘩は江戸の華』

ラッパー・KREVA、ギタリスト・MIYAVIとのコラボ曲。演歌とラップとギターという、異色のコラボレーションが話題になりました。

このプロジェクトは、コロナ禍の中で「世界中の皆さんに、日本の音楽を持ち帰って頂きたい…」と石川が発したそんな思いからスタートしたそうです。

当楽曲は第72回(2021年)NHK紅白歌合戦で歌唱されており、スケールの大きなステージを披露しました。

2022年デビュー50周年!

1973年3月25日に「かくれんぼ」でデビューした石川ですが、2022年3月25日にデビュー50周年を迎え、節目となる年になりました。

「50年を迎えられるなんて、自分でも正直驚いている」とコメントしている石川さゆり。
その時々で出会った方々への感謝とともに、今後も頑張るぞ!と意気込みを語っています。
参考:石川さゆり50周年記念サイト

今後の活躍も楽しみですね!

今後も石川さゆりを応援しよう!

デビュー当時は一筋縄では行かなかったものの、今では日本の歌謡界をけん引するほどの存在感を示す石川。
NHK紅白歌合戦では女性最多・連続出場記録を誇り、たくさんのファンが心待ちにしていることがうかがえます。

近年は演歌の枠にとどまらず、様々なアーティストとのコラボレーションも見せている石川さゆり。
デビュー50周年を迎えた今年は、年末にどんなパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか。

年末を心待ちに、これからも石川さゆりを応援しましょう!

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