世代を超えてカバーされる名曲とは?70~80年代ヒット歌謡曲からご紹介!
カバーされることによって新たに生まれ変わった楽曲は、カバーした歌手や編曲者など各々の個性が詰められており、カバーされたことがきっかけで幅広い世代に知られるようになった曲もあります。
カバーされるということは「この曲をカバーしたい!」と思わせるような楽曲ということ。
名曲の証といっても過言ではないでしょう。
そこで今回は、70年代・80年代にヒットした歌謡曲を中心に、多くのアーティストにカバーされている名曲に注目。
音楽の新たな楽しみ方を見つけていきましょう!
そもそも「カバー」とは?
音楽の分野において、カバーとは過去に他人が発表した曲を歌唱・編曲・演奏して発表することを指します。
原曲に忠実に歌唱されるものもあれば、独自のアレンジを加えてリズムやサウンドが大きく異なっているもの、中にはタイトルや歌詞が変更されている場合もあるでしょう。
過去にリリースした楽曲を、のちに本人が歌唱し発表することを「セルフカバー」と言います。
あなたはいくつ分かる?カバーされている名曲紹介
それでは、ここからは、現在カバーされている名曲をご紹介します。
東京ブギウギ(笠置シヅ子)
笠置シヅ子は、戦前から戦後にかけて活躍した歌手。
日本の音楽に多大な影響を与えており、「ブギの女王」として爆発的な人気を巻き起こしました。
『青い山脈』『リンゴの唄』など、この時代に生まれた多くの名曲の中でも特にカバーされているのは『東京ブギウギ』でしょう。
東京ブギウギは、1947年に発表されて大ヒットを記録しました。
ステージでは、舞台上をダイナミックに踊りながら歌い上げるパフォーマンスが特徴的で、開放的な気分を感じられるブギのリズムは戦後の音楽シーンの象徴となっています。
当楽曲はジャンルや世代を超え多くの歌手によってカバーされ続けており、その中には美空ひばり、雪村いづみ、福山雅治、氷川きよしらが名を連ねています。
上を向いて歩こう(坂本九)
歌手・俳優・タレント・司会者などで幅広く活躍した坂本九。「九ちゃん」という愛称で知られています。
『見上げてごらん夜の星を』や『明日があるさ』といった数多くの名曲を残し、世界的にヒットしたことでレコードの総売上は1500万枚以上となっており、日本音楽を世界に広めました。
数多くの代表曲の中で、最もカバーされているのが『上を向いて歩こう』でしょう。
アメリカのビルボード誌では、1963年6月15日付で、Billboard Japan Hot 100の週間1位を3週連続で獲得。
さらに、1964年にアメリカ国内でのレコード累計販売枚数が100万枚を超えたため、日本人初の「ゴールドディスク」を受賞しました。
これまでに、ASKA、岩崎宏美、宇多田ヒカル、桑田佳祐ら多くの歌手がカバーしていることもあり、世代を超えて愛され続ける楽曲となっています。
真赤な太陽(美空ひばり)
9歳という若さで歌手デビューを果たして以降、圧倒的な歌唱力で日本音楽界を席巻した美空ひばり。
その活躍ぶりから「歌謡界の女王」と評されていました。
『真赤な太陽』は、美空ひばり、ジャッキー吉川、ブルー・コメッツによって歌われた楽曲で、グループ・サウンズらしさを強調した楽曲となっています。
ステージでは美空が今までのイメージを覆す、ミニスカート姿でゴーゴーダンスを踊りながら歌唱するパフォーマンスが、一躍話題となりました。
これまでに黛ジュンをはじめ、テレサ・テン、さだまさし、島津亜矢、氷川きよしといった昭和・平成を代表する歌手によってカバーされています。
夢の中へ(井上陽水)
唯一無二の世界観と圧倒的な表現力を持つシンガーソングライター・井上陽水。
1970年代のフォークソング全盛期において、吉田拓郎と並んで日本の音楽シーンをけん引し、現在も精力的な活動を続けています。
代表曲『夢の中へ』は、約20万枚の売り上げを記録。東宝映画「放課後」の主題歌に起用され、他にもテレビ番組・CMソングなどで使用されている人気曲です。
小柳ルミ子、桑田佳祐、斉藤由貴らとても多くの歌手にカバーされています。
初恋(村下孝蔵)
日本のフォークソングに大きな影響を与えた村下孝蔵。特に恋愛をテーマにした楽曲で数々のヒットを記録しました。
村下の代表曲の中で、最もカバーされているのが1983年にリリースされた『初恋』でしょう。
約52万枚を売り上げ、オリコン週間チャートでは最高3位を記録。以降、ライブ・コンサートの締めの定番曲として披露されてきました。
これまでに三田寛子、杏里、玉置浩二、純烈といった日本の歌手のほか、中国の歌手にも中国語版としてカバーされてます。
翼をください(赤い鳥)
1970年代を中心に活動したフォークグループ・赤い鳥。それぞれのメンバーがボーカルを担当することができ、多彩なハーモニーが特徴的でした。
グループ名の「赤い鳥」は、鈴木三重吉の児童雑誌から取って名付けられたそうです。
代表曲『翼をください』は、1971年にリリースしたシングル『竹田の子守唄』のB面曲として発表されましたが、後にやまがたすみこがカバーしたことで注目を集めており、音楽の教科書にも掲載されていることから、日本人にとって馴染みの深い楽曲となっています。
川村かおりや、赤い鳥のメンバーの山本潤子によるセルフカバー、紙ふうせん&フレンズによるセルフカバーなどとても多くの歌手がカバーしています。
なごり雪(かぐや姫)
1970年にデビューしたかぐや姫。大御所歌手・南こうせつを中心に結成されており、結成当初のグループ名は「南高節とかぐや姫」でした。
『なごり雪』は、1974年にリリースしたアルバム「三階建の詩」に収録されており、当アルバムはオリコンアルバムチャートにおいて、年間5位を記録する大ヒット。
翌年の11月にフォークシンガーのイルカがカバーしたバージョンも爆発的な大ヒットを収めたことで、後世にも名を残す名曲となりました。
他にも岩崎宏美、五木ひろし、坂本冬美ら名だたる歌手によってカバーされています。
「いちご白書」をもう一度(バンバン)
1971年にシングル『何もしないで』でデビューしたフォークグループ・バンバン。ばんばひろふみ、今井ひろし、高山弘の3人で結成しました。
1975年にリリースしたシングル『「いちご白書」をもう一度』がオリコンチャート週間1位を記録。
当楽曲は、当時から人気シンガーソングライターだった荒井由実(現・松任谷由実)が手掛けました。
その後は、制作者である松任谷由実によるセルフカバー、研ナオコ、吉幾三といった大物歌手がカバーしています。
木綿のハンカチーフ(太田裕美)
透き通るような歌声と抜群の安定感を持つ太田裕美。
ピアノやギターによる弾き語りなど多彩な才能でファンを魅了しています。
1975年にリリースした『木綿のハンカチーフ』は、オリコンチャート週間2位を記録。
昭和を代表する作詞家・松本隆と作曲家・筒美京平による強力なタッグは注目を集めました。
これまでに、チェリッシュ、岩崎良美、天童よしみ、いきものがかりらジャンルや世代を超えて多くの歌手がカバーしています。
いい日旅立ち(山口百恵)
歌手以外にも女優やキルト作家などマルチな才能を持っている、昭和の元アイドル歌手・山口百恵。
1978年にリリースされた『いい日旅立ち』は、もともと日本国有鉄道が行なっていたキャンペーン用ソングとして制作されました。
作詞作曲は、アリスで人気を博していた谷村新司によるもので、累計売り上げは100万枚に達し、山口の代表するヒット曲となっています。
これまでに、制作者である谷村新司によるセルフカバーや、石川さゆり、森山良子、氷川きよしら多くの歌手がカバーしています。
ブルー・ライト・ヨコハマ(いしだあゆみ)
女優、歌手などさまざまなメディアで幅広く活躍したいしだあゆみ。
大人気テレビドラマ「北の国から」での、五郎(田中邦衛)の妻役・令子は印象的でした。
1968年にリリースした『ブルー・ライト・ヨコハマは』、オリコンチャート週間1位を記録。横浜のご当地ソングとして愛されています。
当楽曲で第20回NHK紅白歌合戦に初出場。CMソングやテレビ映画、テレビ小説などで起用されました。
ちあきなおみ、欧陽菲菲、天童よしみ、水森かおりらがカバーしています。
新たな魅力が見つかるカバー曲
カバーされている曲は、やはり名曲ぞろいですね。
この記事をご覧の方は、原曲、そしてカバー後の楽曲をいくつご存知でしたか?
原曲とカバー曲を聴き比べてみても、面白いかもしれませんね!