竹島宏が“踊らされちゃう”ワンマンコンサート『Enjoyカラフルカーニバル』を開催!

2019.5.21

歌って踊れる演歌歌手としてファン層を広げている竹島宏が19日、渋谷文化総合センター大和田さくらホール(東京・渋谷区)にて単独コンサート「Enjoy! Colorful Carnival」を開催した。
同会場では毎年恒例で単独公演を行っている竹島だが、昨年発売のヒットナンバー「恋町カウンター」に続く”踊らされちゃう歌謡曲シリーズ”第二弾の「噂のふたり」が今年3月に発売されたこともあってか、ファンも踊る気満々!? 会場には汗をかいてもOKとばかりに、ピンクの竹島宏Tシャツを着込んだ気合い十分のファンが数多く見受けられた。

公演はカーニバルというタイトルにふさわしく、「愛の嵐」「あなたの唇」という熱烈求愛ラブソングで幕開け。「あなたの唇奪いたい」と歌い踊りながら、客席を指差す竹島に「ヒロシ!」というコールと歓声が上がる。「特に指差した方向の方を深く思っているわけではございません(笑)。みなさんを等しく思っております。どうぞ誤解のないよう」と照れ隠しのように冗談を飛ばす竹島に、会場からドッと笑いが起きた。 現在デビュー17年目の竹島は15周年を機に“ノンジャンル”をテーマに掲げ、幅広い楽曲にチャレンジしている。この日もまた「竹島宏の未来に向けたステージをお届けしたい」と語り、井上陽水の「ジェラシー」や沢田研二の「カサブランカ・ダンディ」、ビリー・ジョエルの「Honesty」、和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」など、まさにノンジャンルのカバーを披露。

中でも竹島にとって「ときに心を優しく包んでもらい、ときにみぞおちあたりに深く突き刺さる」というさだまさし作品はコンサートのたびに取り組んできた。この日は日露戦争を描いた映画「二百三高地」の主題歌で、万葉集に基づいて作詞された「防人の詩」に挑戦。万葉集原文の朗読に続けて、「夜が明けるようにいつか悲しみが癒えても、そのとき起こった出来事はすべての人の心から消えませんように。人間の命の尊さ、愛おしさを歌います」と楽曲への思い入れを語った。
続けて新曲「噂のふたり」のカップリング曲「思ひ人」をしっとりと披露。ノスタルジックなメロディに乗せた旅立つ人への思いを歌った同曲は、タイプは違えど「防人の詩」に通じる人間愛に満ちている。
近頃は”踊らされちゃう歌謡曲”シリーズで話題を集める竹島だが、持ち前の伸びやかな歌声はこうした懐の深い楽曲にもしっくりとくることを証明してくれた。

しかし、やはりこの日はカーニバル。ひとたび袖にはけて衣装チェンジするやいなや、バンドが演奏を始めた「恋町カウンター」に観客も待ってました!とばかりに大歓声。竹島のダンスのキレもさることながら、観客の振付も完璧で会場がまさに一体となった時間だった。
昨年40歳を迎えた竹島にとって、”踊らされちゃう歌謡曲”シリーズは「不惑の新境地」であり、「これまで品よくキレイにまとめてきたのに(笑)」と最初は不本意だったという。しかし「人間って下手なりに続けていると、ちょっとずつでも成長するんですね。しかもみなさんお願いしてるわけでもないのに、率先して踊ってくださる(笑)。ステージから見ているとそれは素晴らしくキレイで……ウルウルしてしまうんです」と、ファンが共にシリーズを育ててきてくれたことへの感謝を口にした。
さらにBS時代劇「大富豪同心」の主題歌に起用された最新曲で”踊らされちゃう歌謡曲”第三弾となる「夢の振り子」(6月12日発売)については、「ドラマの主題歌を歌うのはデビュー以来の夢のひとつでした。初回放送日にはうれしすぎて、自分の名前をエンドロールで見逃してしまったくらい(笑)」と喜びを語り、刀剣を振る殺陣が盛り込まれた振付と歌唱を堂々披露した。なお「夢の振り子」のリリースは主題歌の起用に伴って緊急に決まったもので、竹島の注目度の上昇ぶりが伺える。

もちろん、2019年の楽曲としてすでに発売中の”踊らされちゃう歌謡曲”シリーズ第二弾「噂のふたり」も好セールス中。アンコールで「これを聞かずして帰れないというお客様のために、全身全霊、もう倒れてもいいというくらいすべてを振り絞って踊らされちゃいます!」との呼びかけとともに「噂のふたり」のイントロが流れると、ステージにはなんとあのスクールメイツが登場。ポンポンを振るメンバー6人と息の合ったパフォーマンスにポップでノリのいい歌唱は昭和のアイドルさながらで、会場はさらなる熱狂に包まれた。
アンコールでは竹島のコンサート恒例の、メディア各社をステージに呼び寄せての公開囲み取材を実施。改めて”踊らされちゃう歌謡曲”について質問が飛ぶと、「最初は嫌で嫌で、いつやめようかと思っていました。だけど僕の下手なダンスにお客様が笑顔になってくれるのを見て、もうちょっと続けようかなと」と振り返った。もっとも最近は「硬かった股関節も柔らかくなり、踊っていて息切れもしなくなりました。それはそれでつまらないとおっしゃる方もいますが(笑)」とスキルアップを実感しているようだ。
当初は演歌歌手が歌い踊ることに批判的な声がなかったわけでもないという。それでも「ダンスは気持ちを前向きにしてくれる。最近では『生きててよかった』とおっしゃってくれるお客様もいて──。いろんな意見があるのは重々承知ですが、しばらくは踊りをテーマに頑張っていきたい。そうですね、還暦くらいまでは」と宣言すると、会場からは大きな拍手が上がった。

カーニバルさながらのコンサートの幕を閉じた1曲は「明日の為に空を見る」。ゆったりしたテンポの暖かな人間賛歌だ。
トークではときに冗談めかして観客をいじったりする、そんな明るく可愛げのあるキャラクターは”踊らされちゃう歌謡曲”のコンセプトにぴったりだ。
しかしそれに終始するだけでなく、竹島は演歌・歌謡曲の幅広いジャンルにひたむきに取り組んでいる。さらにコンサート後の握手会では、気さくで誠実な素顔をのぞかせる。幅のある歌と人柄、それこそが竹島が愛されるゆえんなのだろう。

<セットリスト>
M1:愛の嵐
M2:あなたの唇
M3:ジェラシー
M4:哀愁物語
M5:19:00の街
M6:この身を投げて
M7:カサブランカ・ダンディ
M8:Honesty
M9:テネシーワルツ
M10:防人の詩
M11:思ひ人
M12:恋町カウンター
M13:月枕
M14:紫の月
M15:濡れて帰って
M16:すずめの涙
M17:うたかたの風
M18:ブルースカイブルー
M19:あの鐘を鳴らすのはあなた
M20:夢の振り子
-アンコール-
M21:噂のふたり
M22:明日のために空を見る

作品情報

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竹島宏「噂のふたり」

前作「恋町カウンター」で、“踊る歌謡曲”(恋町ダンス)に初挑戦し、新境地を開いた竹島宏による昭和の歌謡曲黄金期を彷彿とさせる、“ワクワクさせる”歌謡曲 2019年3月13日発売/¥1.204(税抜)/【Aタイプ】カップリング:それは幻(TECA-13909)【(Bタイプ】カップリング: 思ひ人(TECA-13910)【Cタイプ】DVD付き(TECA-13911)

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