美川憲一、恒例開催の「ドラマチックシャンソン」公開リハ&取材会レポート! 生誕100年の越路吹雪に捧ぐ熱唱「これからも歌手の道をまい進したい」
歌手の美川憲一が9月26日、東京・千代田区のよみうり大手町ホールで「美川憲一 ドラマチック・シャンソン 2024」を開催した。
今年、歌手生活60周年を迎えた美川憲一。9月25日には、60周年記念シングル『これで良しとする』を発売。同作は、自然体の生きざまを歌うミディアムテンポの作品で、B’zの松本孝弘が作曲、GLAYのTAKUROが作詞を担当したことでも話題を呼んでいる。
この日のコンサートは、ライフワークとして通算23回目を数える、毎年秋恒例のシャンソン・コンサートとなる。今年は、美川が敬愛するシャンソン歌手・越路吹雪の生誕100周年を記念して、越路のナンバーを中心に構成。500人の前で、豪華衣装4着を披露し、『ろくでなし』『愛の讃歌』『生きる』など全19曲を歌唱した。
公演前日、美川は報道陣向けに公開リハーサルと囲み取材を開催。『ろくでなし』『愛の讃歌』を披露し、甘美な歌声を響かせた。
越路吹雪とのエピソードを明かす「神様のような、師匠のような存在」
囲み取材で、恒例のシャンソンコンサートへの意気込みを聞かれた美川は「おかげさまでちょっと仕事が忙しくて。プレッシャーがあります。1年に1回ですから、披露する楽曲もほとんど歌ってない楽曲なんです。それをまた新しく、自分で勉強するのも大変でしたけど、なんとか上手くやれそうです」と明かした。
今年、生誕100周年を迎えたシャンソン歌手の故・越路吹雪。美川が大先輩と慕う越路とは、歌手・淡谷のり子の紹介で知り合ったという。
「『柳ヶ瀬ブルース』がヒットしてから、淡谷さんと対談させてもらって『シャンソンやった方がいいわよ』って言ってくれて仲良くなりました。うちの母が越路さんのファンで、淡谷さんに『紹介してちょうだい』ってお願いしたら、淡谷さんが『私はどういう立場になるの』って言うから、『“あねさま”のような、師匠のような感じ』って答えたわ。淡谷さんが電話をかけてくださって、日生劇場の楽屋にお邪魔しました。化粧台の前に越路さんがいて、フランス映画のワンシーンみたいだった」と振り返った。
その後、越路の自宅へも遊びに行く仲になったという。美川は「ご自宅にはブランドのバッグのコーナー、毛皮のコーナーとか、そういうブランドの洋服がいっぱいあって、もうそれはそれはびっくりして。宝石屋さんができるぐらいのいろんな宝石があって、テーブルに並べてくれた。可愛いのがあったから『これだったら私の指にちょうど合うから欲しいな』って言ったら、『はめてなさいよ。貸しといてあげるわよ』って。『あげる』とは言わなかったわよ。借りときゃよかったわよ。そしたら形見になってたのに」と明かし、笑いを誘った。
美川は越路を「神様のような、師匠のような存在」と明かす。美川がオートクチュールの衣装にこだわるのも、越路の教えがあったからだという。「越路さんがあって、今の私がある」と感謝の思いを込めていた。
美川が越路吹雪に贈った、自作のブーツを披露!
そして美川は、越路に贈ったというルイ・ヴィトンのブーツを披露。まだ日本に同ブランドの直営店がなかった時代に、美川がパリで買ってきたボストンバッグを切り、越路のためにブーツを作ったというエピソードがある。
「これが、越路さんが履いていたブーツなんですけど、亡くなった後に私のところに戻ってきたの(笑)。どちらかというと、越路さんは大きい足なんですよ。『いつできるの』と大変でした。その時の箱もそのままで、よっぽど大事にしてくださったのね」と振り返った。
紆余曲折の60年を振り返る「ドン底の時代もあった」
今年歌手生活60周年を迎えた美川。生きるコツを聞かれると「くよくよしないことです。悩みはひきずらない。変なことはすっぱりと切る。そういうスタンスで前に進んでいます」と明かす。
また美川は「デビューした時は60周年を迎えるなんて思ってないですよ。誰もそんなこと思ってない。60年は早かったです。新曲『これで良しとする』を、B’zの松本孝弘さんとGLAYのTAKUROさんが作ってくださって、60周年記念曲としては最高ですね。私は自然体でやっていますから、結構若いファンも多いんですよ。追っかけをしてくれる方たちも今回の新曲を喜んでくださっています。幅広くいろんな方に支持されるのはうれしい」と話していた。
歌手生活60年を振り返った美川は「一番絶頂の時は、365日のうち250日ぐらい営業をやっていました。もう何十億と稼いでも、事務所の社長が儲かったんです。私は自分が欲しいお金だけもらってて。もっとがめつくもらっておけば、もっとお金貯まったのに」とボヤいた。
一番ドン底だったという当時のエピソードとして「私も失敗したりして、営業でいろんなところに行って、スナックの大きいお店で歌っていた時代もあって、それが自分としてはキツかった。控室もなくて、隣のラブホテルで着替えて出ていた。そういう時代もあった。それで今までこうやって来られたっていうのは最高に幸せ」と明かしていた。
そして今後の目標について「一生懸命、新曲のキャンペーンをしていきます。そして、与えられた歌手の道を精進してまい進していきたい」と“生涯現役”を明言した。
“芸能界のご意見番”の美川が世相を一刀両断!
“芸能界のご意見番”として知られる美川。翌27日に行われる自民党総裁選の話題に絡めて、自身の政界進出について「そんなことありえないわよ、歌手は歌手なの。タレント議員はみんな中途半端じゃない。やらない方がいいと思います」と明かした。記者から「絶対当選する」との声が上がると「おだまり! そんなおだてに乗らないわよ。歌が一番」と返し、取材陣の笑いを誘っていた。
歌手生活60周年を迎え、自然体と語りながらもますます輝く美川憲一。歌手の道をまい進する、その今後に注目していきたい。
セットリスト
M1 バラ色の人生
M2 嘘
M3 夢の中に君がいる
M4 枯葉
M5 明日は月の上で
M6 ろくでなし
M7 アプレ・トワ
M8 ラスト・ダンスは私に
M9 愛の讃歌
M10 火の鳥
M11 想い出のサントロペ
M12 街角のアヴェ・マリア
M13 貴婦人
M14 朝日のあたる家
M15 インシャラー
M16 初日の夜
M17 歌いつづけて
M18 黒い鷲
M19 生きる
美川憲一 60周年記念シングル『これで良しとする』
発売中
品番:CRCN-8694
価格:¥1,500(税込)
【収録曲】
1.これで良しとする(作詞:TAKURO/作曲:松本孝弘/編曲:松本孝弘・徳永暁人)
2.華散れど月は輝く(作詞:TAKURO/作曲:松本孝弘/編曲:松本孝弘・徳永暁人)
3.これで良しとする (オリジナル・カラオケ)
4.華散れど月は輝く (オリジナル・カラオケ)
各音楽配信サイトのリンクはこちら:
https://lnk.to/koredeyoshitosuru
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