氷川きよしデビュー20周年記念コンサートは龍の姿で日本武道館に登場 43曲の熱唱、絢爛たる衣装の数々にファン大歓喜

2019.7.12

現在、テレビCMにてロックを歌う姿も話題の歌手・氷川きよしが自身のデビュー20周年を記念して、「氷川きよし デビュー20周年記念コンサート~龍翔鳳舞~」を日本武道館(東京)にて7月11日、12日の2日間、合計3公演を行った。

 

氷川きよしが日本武道館で単独公演を行うのはこれで4回目。

デビュー5周年を記念して行った際は、360度客席のセンターステージで観客を魅了。続くデビュー10周年には宇宙から隕石とともに登場する演出で会場を沸かせ、デビュー15周年ではペガサスに乗って登場するなど、毎回こだわりの演出をみせており、今回の演出についても注目が集まっていた。

 

開場を心待ちにする大勢のファンらが早くから日本武道館に詰め掛ける中、いざ開場すると8,000ある客席はすぐに満席に。

全国各地からこの日を心待ちにして駆けつけたファンたちは会場に流れるBGMの「大丈夫」に手拍子をたたくなど、開演前からボルテージはあがりっぱなし。

 

そして、ついに会場は暗転し、コンサートが始まった。

期待が集まる登場の演出はなんと、サブタイトルにある”龍”を身にまとっての登場。しかも、そこから一気にリフトアップし、地上から約7mの高さで初披露曲「龍翔鳳舞」を歌唱。龍の尻尾をイメージしたというひらりと舞うトレーンはなんと長さ20mもあるそう。「龍翔鳳舞」には龍のように羽ばたき(人生をかけ上っていく)、鳳凰のように舞う(美しく生き抜いていく)という想いがこめられているそう。

 

そしてモニターに「私らしく、そしてあなたらしく」という言葉が映し出されると、その場で全身に花の刺繍があしわれた真っ赤なドレスに衣装が変わり、こちらも初披露曲「それぞれの花のように」を歌唱した。

曲が終わる度に力強くガッツポーズする姿が印象的だ。

 

「私らしく、そしてあなたらしく」。氷川は最近、ビジュアル系の衣装で歌い踊る姿やテレビCMでロック歌手を演じるなど、演歌歌手の姿以外でも脚光をあびることが増えてきた。「休むことなく歌の道を走ってきました。特に20代は(スケジュールが)ハードで、その分いろいろな経験もできた。40代になって落ち着いてきました。これからはもっと人間・氷川きよしとしての思いを歌っていきたい」と語るようにもはや、”演歌歌手”という肩書きにこだわらず「自分らしく、美しく、そしてみんなに喜んでもらうこと」が今後の目指す姿だという。

衣装を金色のスパンコールがあしらわれたスーツに着替えると、「勝負の花道」、「星空の秋子」、「みれん心」などオリジナル曲を西寄ひがしのナレーションとともに立て続けに披露。

いまや氷川のコンサートに欠かせない存在となった西寄だが、最初の出会いは今から18年前、2001年の中野サンプラザでのチャレンジステージ。当時はまだ27歳だった西寄は人気絶頂の氷川の前説で緊張したことを今でも覚えているという。そんな昔話がでてくるのも20周年コンサートならではだ。

 

氷川は20年間歌手として活動できていることについて、観客とスタッフへの感謝を語った。そこで、今年42歳を迎えることに因み、自身のオリジナル楽曲を42曲披露する本公演が、3時間にわたるコンサートとなることを観客に伝えると、会場からは間髪入れずに「大丈夫!」の掛け声が響いた。

そして、7色の氷川きよしを表現すると冒頭に言っていたとおり、ピンク色の着流しに着替えると「大丈夫」、「きよしのズンドコ節」など自身の大ヒット曲を観客と一体となって歌唱した。

 

コンサートの当日(筆者は12日の公演に訪問)はデビューしてから7,101日目だという。そんなこエピソードを聞いて、デビュー当事の氷川が脳裏をよぎるとステージ上にはなんとあの股旅姿の氷川が。

デビュー曲「箱根八里の半次郎」や「近江の鯉太郎」、「三味線旅がらす」など股旅演歌を立て続けに披露。氷川の真骨頂を見せつけた。

そして、「内向的だった幼少期、歌だったら自分を表現できると思い始まった歌手人生。苦悩や喜びを歌にのせ、時には自分もその歌に勇気付けられてきた。今後も氷川きよしの歌を愛してください」という氷川の想いを西寄が代弁すると、紫の紋付袴に着替えて、ロック演歌「男花」や「春嵐」を披露。

歌詞の主人公かと思われるくらいになると歌を演じきったといえる」と本人が語るように、思わず息をのんでしまう迫真の歌唱ステージだ。

 

転換のタイミングでバックバンドが演奏を行っているとカラフルな衣装にハートのサングラスをかけた氷川が登場。

「抱いてロマンティカ」や「ときめきのルンバ」、「情熱のマリアッチ」などアップテンポなナンバーを披露した後、やはりこの曲、と、「限界突破×サバイバー」を披露。

クレーンに乗って会場を縦横無尽に舞い、激しくヘッドバンディングをする氷川。終演後の囲み取材では「少し首周りが痛い」とおどけていたが、無理もない。

 

そしてコンサートもクライマックスに突入。

唯一のラブバラード「Jewel」を披露し、歌詞にあるとおり人を愛することの素晴らしさに触れる。

「冬のペガサス」では今の自分をありのままに歌ったといい

自由ほど大切なものはないから、見えない翼背中に秘めて、人はみな希望の旅人

という歌詞からジャンルやしがらみに縛られたくないという思いが詰まっていた。

続いて、引っ込み思案だったという幼少期の頃の自分に向けた「メトロノーム」を歌うと涙する場面も。

そしてGreenから提供された楽曲「碧し」を披露しコンサートは幕を閉じた。

しかし、これで終わることはもちろんなく鳴り響くきよしコールに応えて、白いドレスに着替え、ブランコに乗って再び登場した氷川は初披露曲「あなたがいるから」を熱唱。ブランコは地上から約6mの高さまで上がり、最後はアカペラで会場中に生声を響かせた。

実は氷川は元々、高所恐怖症だと囲み取材時に打ち明けた。リハーサルのときも正直、怖かったと話す。しかし、本番になると“氷川きよし”のスイッチが入り、全く怖くなくなるという。これが氷川きよしだ。

ここまでで42曲を歌唱。最後は未来に向けた43曲目として「大丈夫」を再び会場一体となって熱唱し、デビュー20周年記念コンサートの幕を閉じた。

3回あった公演は全て満席で合計24,000人を動員した。

 

今後は演歌を歌い続けながら、シャンソンやジャズなどいくつになっても綺麗に見える音楽をやっていきたいと語る氷川。

歌手・氷川きよしのこれからますますの活躍から目がはなせない。

 

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