三山ひろしが企画、歌と芝居の特別公演「1PPO」の取材会と本編を独自レポート! 辰巳ゆうと・木村徹二・彩青・藤井香愛・津吹みゆら共演「それぞれの一歩になれば。来年も開催したい」

「1PPO~歌と芝居の贈り物~」
2025.8.25

演歌歌手の三山ひろしが企画した新イベント「1PPO~歌と芝居の贈り物~」が8月21日、東京・狛江エコルマホールで初公演を迎えた。

芝居と歌の2本立てのステージで、演歌歌手と俳優が共演する新しいエンタメイベント「1PPO~歌と芝居の贈り物~」。三山が今後の演歌・歌謡界を、若手歌手とともに盛り上げていきたいという強い思いから立ち上げた同イベントには、レコード会社の枠を越えて、三山の考えに共感した若手演歌歌手たちが集結した。

来場の650人を魅了! 再帰を誓う人々を描いた芝居「道〜こころざし」

第1部の芝居パート「道〜こころざし」には、三山ひろしをはじめ、辰巳ゆうと木村徹二藤井香愛津吹みゆ彩青、俳優の山口良一、タレントのけん玉ちばちゃん、脚本・演出の大森博が出演。舞台は長野県上田市近郊。駅前のにぎわいとは対照的に、地元商店街はシャッターが目立つなか、シェアハウス「むくろじの里」で物語は繰り広げられる。そこに集う人々がそれぞれの過去や想いを語り合い、未来に向けて「一歩」踏みだしていく——。人生の岐路に立つ人々が前を向いて歩き出す姿を描いた。

「1PPO~歌と芝居の贈り物~」

芝居は、主人公の男性・小寺弘之(三山ひろし)が恩師・神林善次郎(山口良一)と、仲間と共に暮らした日々を回想するシーンから始まる。その当時、小寺は、神林が家主を務めるシェアハウス「むくろじの里」に、元不動産屋勤務の熱い性格の男性・草野謙二(木村徹二)、男勝りな性格の女性・冴木翔(藤井香愛)、福島弁を話す女性・内田優子(津吹みゆ)、寅さんの口上が得意な若者・鈴木隆一(彩青)という個性豊かな住人たちと楽しく平和に暮らしていた。

「1PPO~歌と芝居の贈り物~」

そんなある日、けん玉で会話をする市役所勤務の男性・長野佳夫(けん玉ちばちゃん)から、シェアハウス「むくろじの里」に空き家バンク対策課からの取材依頼が届いたと伝えられる。町の空き家をシェアハウスのように上手く再活用できれば、地域の再生につながると考えた住人たちは取材を快諾する。しかし住人たちが提示した撮影の条件は「顔にぼかしを入れること」だった。

「1PPO~歌と芝居の贈り物~」

住人たちと家主の出会いの場となったのは、おやじ(大森博)に感化され、神林が経営するようになった屋台そば。その当時の出会いをお互いに再現したりと和気あいあいとした雰囲気の中で撮影が行われた後、ド派手な風貌のディレクター・町田真司(辰巳ゆうと)から「自分の過去から目をそらし、他人の過去を演じて自分の心の傷を癒す“演劇セラピー”をしているだけ」と揶揄される。

「1PPO~歌と芝居の贈り物~」

その挑発的な言葉をきっかけに、住人たちは胸の奥に秘めていた過去や心の傷を打ち明け、初めて互いの心に寄り添うことに。そして小寺自身も、今まで話すことがなかった過去と未来への夢を語り始め、住人たちが心の奥に抱いていた夢を語り始めるのだった。

「1PPO~歌と芝居の贈り物~」

約1時間に及ぶ芝居では、出演者の個性を感じさせるユーモアを交えたかけ合いや、けん玉を使ったやりとりなど、軽妙なシーンも盛り込まれた心温まる物語を見せた。一方で、過去の挫折や家族との別れといった重いエピソードが語られる場面では、出演者たちが心の葛藤と繊細な感情をこまやかに表現。出演者たちが普段みせる歌のステージとは異なった、新たな魅力を浮かび上がらせ、観客の心に残る貴重な舞台となった。

「1PPO~歌と芝居の贈り物~」

出演者の多彩な魅力あふれる「歌謡ショー」も

「1PPO~歌と芝居の贈り物~」

第2部では、歌だけでなく楽器演奏や踊りなど、見どころ満載の歌謡ショーを開催。三山ひろし『祇園闇桜』をはじめ、津吹みゆ『夜桜の宿』辰巳ゆうと『運命の夏』藤井香愛『純情レボリューション』木村徹二『雪唄』彩青『津軽三味線物語』と、それぞれ最新曲を歌唱し観客を魅了。さらに出演者全員で、ヴィレッジ・シンガーズ『バラ色の雲』ザ・テンプターズ『エメラルドの伝説』などのカバーを披露するコーナーも。多彩なセットリストで、会場に集まった650人の観客に活気あふれるステージを届けた。

「それぞれの一歩になれば。来年もまた開催したい」

出演者たちは開演前に取材に応えた。

「1PPO~歌と芝居の贈り物~」

初日公演に向けた心境について、三山ひろし「2年ぐらい前から構想を考えていました。私も皆さんもスケジュールが忙しい中で、レコード会社も事務所も違う出演者が集まって『1PPO~歌と芝居の贈り物~』という催しを届けさせていただけるのは、本当の“一歩”だなと思います。出演者それぞれがスキルを上げる一歩であったり、自分の歌を前進させようという一歩、芝居や表現力においての一歩ということを考えていただきながら、私も取り組ませていただきました」

辰巳ゆうと「稽古に参加できる日数が少なかったですが、周りの皆さんにサポートしていただきながらこの日を迎えることができて感謝の気持ちでいっぱいです。歌手の皆さんと一緒にお芝居をするレアな機会をいただいたので、今日1日で大きな一歩を踏み出せるように一生懸命頑張りたいですね。今回のような役柄を演じることは少ないので、自分が知らない一面を知ることができていい経験になりました」

「1PPO~歌と芝居の贈り物~」

木村徹二「演技を初めてやらせていただき、会話している時に相づちを返すというのを意図的にやるとこんなに難しいのかと実感しました。お客さんにとって演技をしている自分が新鮮に映るのかなと思うので、精いっぱいやらせていただきます」

彩青「こんな素晴らしい機会をいただき感謝の気持ちでいっぱい。芝居を通じて、今をどう過ごしていくか、1日1日を大切にどう成長していくかということを学びました。私もこの一歩を大切に、いろんなところでも踏み出せるように頑張りたい」と語った。

津吹みゆ「本番を迎えるまであっという間でした。3週間の稽古で、三山さんが舞台にかける思いや、舞台の作り方を身近で学ぶことができてうれしかったです。大森さんと山口さんが出演する舞台をプライベートで拝見させていただいているので、たくさんご指導いただき感謝の気持ちでいっぱいです」

「1PPO~歌と芝居の贈り物~」

藤井香愛「お芝居の経験はほとんどなく、本読みからリハーサルまで全てが新鮮でした。稽古期間中は、家に帰ると知恵熱みたいな感じで、熱が出そうなぐらい頭がいっぱいでした。楽しく厳しく指導してくださりすごく楽しかったです。今回演じる役柄がジェンダーレスな女性で、あぐらをかいたり膝を立てて座ったりと、普段のイメージとは違う一面を見ていただけるのかなと思います。今回の脚本の内容も、今年新たな決断をした自分自身と重なる部分がありましたので、そういう気持ちを重ねながら本番に挑みたい」と、刺激を受けた様子で明かしていた。

そして脚本・演出の大森博「三山さんからお話をいただいた時は、熱い想いに応えたいと思いました。出演者の年齢も演技歴もバラバラの中で、今日まで頑張ってまいりました」山口良一「お芝居という団体競技の中で、皆さんがどれだけの輝きを放つのかが楽しみです」けん玉ちばちゃん「今日は舞台から歌謡ショーまで盛りだくさん。私はけん玉をセリフのように使うという役柄でぜひお楽しみいただけたらと思います」と笑顔で語った。

「1PPO~歌と芝居の贈り物~」

歌や芝居など舞台経験が豊富な三山は、今回の若手歌手たちとの共演について「初日の立ち稽古から今日に至るまで、伸び率はすごいものがありました。私たちが芝居をするにあたってのご指導というのが、そのまま歌の世界の表現力と理解力に直結するところがとても多く、毎日勉強になりました」と振り返っていた。

最後に、今後の1PPOの公演について聞かれた三山は「私個人はやりたいと思っています。タレントさんやアーティストだけでなく、一致団結した部分が必要になってくるので、レコード会社や事務所の皆さんの協力体制が整えば、来年もやりたいですね」と意欲を込めると、出演者も「はい! 来年もやります!」と力強く語った。

「1PPO~歌と芝居の贈り物~」

演歌界の第一線で活躍する三山ひろしが新たな試みとして始まったイベント「1PPO」。熱意あふれる若手演歌歌手たちと共に踏み出す“1PPO”が、演歌界の未来をより華やかに輝かせていくに違いない。

本プロジェクトがこの先どんな景色を見せるのか、期待はますます高まるばかりだ。

「1PPO~歌と芝居の贈り物~」

セットリスト

M1 それが大事
M2 会津・山の神
M3 雪月花
M4 お岩木山
M5 その気もないくせに
M6 二代目
M7 津軽三味線ひとり旅
M8 バラ色の雲
M9 エメラルドの伝説
M10 想い出の渚
M11 ブルー・シャトウ
M12 運命の夏
M13 雪唄
M14 夜桜の宿
M15 祇園闇桜
M16 純情レボリューション
M17 津軽三味線物語
M18 明日があるさ

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