松前ひろ子、都内で歌手人生55周年記念ツアーの最終公演を開催! 三山ひろしとスペシャルゲストが祝福「泣いた涙の数だけうれしい涙を流したい」

歌手の松前ひろ子が9月6日、東京・かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホールで「歌手人生55周年記念コンサート〜出逢いと縁に感謝を〜」を開催した。
昨年、歌手人生55周年を迎えた松前ひろ子。6月に発売した55周年記念曲『矢越岬』が、月間 USEN HIT 演歌/歌謡曲ランキング(8月度)で自身初の1位を獲得し、カラオケファンを中心に人気を博している。同作は、故郷の北海道・知内町にある矢越岬をテーマにした作品で、夫婦演歌『命みちづれ』との両A面シングルとして発売。いとこの北島三郎が両作の作曲を手がけた話題作となる。
この日のコンサートは、6月に北海道・函館で開幕した全国8カ所を巡る記念コンサートツアー「松前ひろ子・三山ひろし〜師弟の絆コンサート〜」の最終公演。オープニングを飾ったのは、松前ひろ子の人気曲『祝いしぐれ』。“夫婦演歌”を歌い続ける松前ひろ子の代名詞ともいえる同曲を歌い上げると、会場は万雷の拍手に包まれた。
松前は「歌手人生55年という一つの節目を大勢の皆さまに祝っていただき、心よりお礼申し上げます。もしかしたら最後になるかもしれない、そんな気持ちでコンサートをしっかりつとめたいと思います」とあいさつ。
この日のステージには、師匠思いで知られる愛弟子の三山ひろしが特別出演。デビュー曲『人恋酒場』から『四万十川』『お岩木山』と人気曲を歌い上げ、登場から巧みなトークで客席を楽しませた。
また、松前が代表を務めるミイガンプロダクションに所属する新人歌手・小山雄大も登場。最新曲『じゃがいもの花』をデビュー2年目とは思えぬ堂々たる歌唱でステージを盛り上げた。
その後、松前ひろ子と三山ひろしの師弟コンビによるデュエットコーナーも。人生の応援歌『祝い川』『人生援歌』などをメドレーで披露した。
第1部の締めくくりに松前が披露したのは、三山ひろしが「中村心一」名義で作詞・作曲を手がけた未発表曲『片恋文』。先立たれた女性のもう届くことのない想いを歌った一曲で、心を込めて歌い上げる松前の姿を見ていた三山が感極まる場面もあった。
豪華スペシャルゲストが祝福
第2部には、松前とゆかりのある二葉百合子、瀬川瑛子、山本譲二、藤あや子が出演。緞帳が上がると同時に登場した豪華な顔ぶれに会場は騒然となった。
4人に祝福の言葉をかけられた松前は、感謝を述べてから「55周年のコンサートをやることを知らせたら、一番に『私、出る!』と言ってくれたのが二葉百合子先生でした。弟子ではないですが、二葉先生は私にとって東京のお母さんのような存在。
瀬川瑛子さんは、クラウンレコード時代に仲良く遊び歩いていた仲で、藤あや子さんは、主人の中村典正(別名義・山口ひろし)が作った『むらさき雨情』で紅白歌合戦に出てくれました。山本譲二さんは北島音楽事務所の中でも一番仲良くしてくれた弟のような存在」と紹介。
エピソードを交えたトークで客席を楽しませた後、それぞれが代表曲を1曲ずつ熱唱。中でも、94歳の二葉百合子が名曲『岸壁の母』を披露すると、その魂を込めた熱唱に、共演者の目にも涙が浮かんだ。
さらに、いとこの北島三郎からも愛のこもった応援ビデオメッセージが届けられ、エールを受け取った松前は「もう少し頑張って歌っていきたいと思います」と力強く語った。
第3部は、最新曲で観客魅了!
第3部の始まりには「松前ひろ子物語」と題した映像がバックスクリーンに流れ、松前ひろ子の出生から歌手になるまでの歩みを紹介。
山あり谷ありの歌手人生を振り返った松前は「長女が成人の時、私に手紙をくれました。今だから言えるけど本当は歌手をやめてほしかった、学校で“売れない歌手の子供”って言われるのは辛かったからと。だったら、売れない演歌歌手じゃなく、売れる演歌歌手になろうと、その時から子供のために頑張りました。今があるのは、皆さまのおかげです。感謝の気持ちを忘れず、これからも頑張っていきたい」と涙ながらに語った。
その後『母ざくら』や『夫婦草』などを披露してから、最新曲『矢越岬』『命みちづれ』を全身全霊で歌い上げると、続く三山も最新曲『酒灯り』、そして第56回 日本作詩大賞を受賞した人気作『北海港節』を熱唱。
この日は、最初から最後まで見どころ満載のステージで、会場に駆けつけた1300人と55周年の節目を華やかに祝った特別な一日となった。
「泣いた涙の数だけうれしい涙を流したい」
開演前に取材に応じた松前は「一口に55年と言っても55年も経っていません。デビューしてすぐに事故で8年休みました。なぜそこまで頑張るのかというと、家出した私は必ず親孝行をしたいという思いがあったからです。自分のことよりも周りのことが気になって、みんなが幸せになってほしいという思いでこれまで歩んできました。台風がどこかに行ってくれたおかげで、今日は幸せなステージになると思います。胸がいっぱいですが、記念コンサートツアーの最後を一生懸命つとめたい」と意気込み。
三山は「師匠、55周年おめでとうございます。この僕が言うのも本当に生意気ですけども、自分が歌の道を歩んできて思うことは、大変厳しい道だということ。そんな中で、55年も歩き続けるのは並大抵ではないと感じています。ここまで一人で頑張れたのはお客さまの熱い応援と、そして師匠の人徳ではないかなと思います。『たくさんの方に支えていただいた』と師匠はおっしゃっておりますけれども、ご自身も皆さんの力になろうと思って一生懸命頑張ってきたからこそ、現在の55年があるんじゃないかなと思います。その弟子として誇らしいですね。師匠の弟子としてデビューさせていただいたことに感謝しています。師匠が最も輝けるような一日にしたい」と語った。
今回のツアーで披露された未発表曲『片恋文』の制作秘話について、三山は「中村先生には『いつか曲をかけるように勉強しておきなさい』と言われていましたが、なかなかそのような機会がありませんでした。この55周年という節目に、師匠にプレゼントできるものはないかと考えた時に、新曲を作ろうと思いました。
中村先生の弟子ですので、中村という名字を頂戴させていただきました。『忠臣は二君に仕えず』という言葉がありまして、私はどこまで行っても師匠の弟子で、心は一つという想いを込めて、心一という名前をつけて作詞・作曲をしました。松前先生が師匠の墓前で手を合わせて心で喋っている姿を後ろから見ていて、きっとこんなことを言っているんだろうなと思ったことを詞にしました」と説明。
松前は「もうびっくりしました! いきなり『歌ってください』とデモテープをもらった時は、いつからやっていたんだろうと思いましたね。今日は間違わないで歌います(笑)」と話し、報道陣を笑わせた。
9月3日には、松前の最新曲『矢越岬』が月間 USEN HIT 演歌/歌謡曲ランキング(8月度)で自身初の1位を獲得したことが発表されたばかり。松前は「おかげさまで55年にして月間USENランキングで1位になりました。55年ってこんなに素晴らしいんだと感激しています。作曲を手がけてくださった北島三郎さんには、昨年8月に会った時には『そろそろお前、もうやめろ』って言われていました。ですが、新曲の収録が終わった時に『いい声してるな、当分歌えるから頑張れ』って言われました(笑)。どこまで歌えるか分かりませんが、三山の後ろについて頑張っていきたい」と熱意を明かした。
先日報じられた橋幸夫さんの訃報について、松前は「ソニー時代に橋さんのスタジオでレコーディングをしていました。時間があるときは顔を出してくださり、『利用してくれてありがとう』と温かい言葉をかけてくれました。大変悲しいニュースでしたが、私も一日を大切に頑張って、泣いた涙の数だけうれしい涙を流したい」と、三山は「私は何度かご一緒させていただいたことがあって、一度引退される時に『次はお前たちに託したぞ』と背中を優しく叩かれたことが印象に残っています」と偲んだ。
1300人の観客を前に約2時間半にわたり、温かい声援に支えられながら最新曲『矢越岬』などを熱唱した松前ひろ子。その感動は、観客の心に深く刻まれたに違いない。揺るぎない意志で歌の道をまい進する、松前ひろ子の飛躍にますます期待が高まる。
セットリスト
M1 祝いしぐれ
M2 函館慕情
M3 望郷千里
M4 人恋酒場(三山ひろし)
M5 四万十川(三山ひろし)
M6 お岩木山(三山ひろし)
M7 じゃがいもの花(小山雄大)
M8〜M13 祝い川〜仁義〜祝い舟~男の燈台~終着駅は始発駅〜人生援歌
M14 片恋文
<ゲストコーナー>
むらさき雨情(藤あや子)
みちのくひとり旅(山本譲二)
命くれない(瀬川瑛子)
岸壁の母(二葉百合子)
M15 母ざくら
M16〜M22 浮草慕情(’82)〜追分酒場(’94)〜夫婦草(’95)~いたわり坂(’05)〜北のおんな物語(’13)~夢(’14)~望郷酒がたり(’22)
M23 北海港節(三山ひろし)
M24 酒灯り(三山ひろし)
M25 祇園闇桜(三山ひろし)
M26 命みちづれ
M27 矢越岬
M28 漁り火情歌
M29 愛につつまれて
松前ひろ子『矢越岬/命みちづれ』
発売中
品番:TKCA-91629
価格:¥1,500(税込)
【収録曲】
1.矢越岬(作詞:麻こよみ/作曲:原譲二/編曲:遠山敦)
2.命みちづれ(作詞:麻こよみ/作曲:原譲二/編曲:遠山敦)
3.矢越岬(オリジナル・カラオケ)
4.命みちづれ(オリジナル・カラオケ)
5.矢越岬(半音下げカラオケ)
6.命みちづれ(半音下げカラオケ)
7.矢越岬(1音半上げカラオケ)
8.命みちづれ(1音半上げカラオケ)
松前ひろ子・三山ひろし ディナーショー 〜愛につつまれて・いい夫婦の日〜
日時:
2025年11月22日(土)
16:30開場/17:00お食事/18:00開演
会場:
東京プリンスホテル
鳳凰の間
料金:
M&H会員 ¥31,000
一般 ¥33,000
お問い合わせ:
ミイガンプロダクション株式会社
03-6231-1481
(平日11時〜16時)
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