氷川きよしが初代アンバサダーを務めた“世界初?!” となる演歌だけの音楽フェスで38組43名の歌い手が一堂に会す

2019.9.27

演歌フェス2019<第3部>


出演者全員での「皆の衆」で始まった第三部は、冒頭からスペシャルステージに突入。坂本冬美、藤あや子、伍代夏子、香西かおりという歌謡界を代表する4人の歌姫が勢ぞろいし、ステージ上がこの日一番の華やぎに包まれた。平成7年に阪神・淡路大震災の被災者支援のため、長山洋子を加えた5人で発表した「心の糸」から始まったステージは、坂本「夜桜お七」、藤「むらさき雨情」、香西「無言坂」、伍代「ひとり酒」とそれぞれの代表曲へと続き、さらに“みんなでコラボしたかった曲”という「女ひとり」「恋のバカンス」「愛燦燦」と昭和歌謡の選りすぐりをソロパートあり、美しいハーモニーありで聴かせた。最後は藤の「秋田音頭‐AKITA・ONDO-」で場内はお祭り騒ぎに。
あでやかな歌姫たちのステージの後は一転して、鳥羽一郎、山川豊兄弟の男歌の世界に。鳥羽の「兄弟船」、山川の「函館本線」のそれぞれの大ヒット曲を、一番を本人が歌い、二番を兄弟が歌うという、ファンにとってはたまらない演出だ。味わいのある鳥羽の骨太な歌唱に、山川の繊細な美声と兄弟でも異なる魅力を持つ2人のデュエットは、続く「男の港」で最高潮。北島兄弟、船村兄弟も参加し、さらに大漁旗を手にした竹島宏、こおり健太、川上大輔、真田ナオキ、中澤卓也、辰巳ゆうとらで舞台は男たちの世界となった。
第三部の話題の新曲コーナーには、川上大輔、辰巳ゆうと、中澤卓也、水雲‐MIZMO-(NAO、AKANE、NEKO)、こおり健太、走裕介、川野夏美と注目の歌い手たちが続々と出演。五ツ星演歌男子のひとりで、「茜色の恋」を歌った中澤卓也は持ち前の伸びやかな歌声で観客を魅了し、水色のスーツ(ネクタイも!)に身を包んだ辰巳ゆうとは直球演歌の「おとこの純情」を披露。場内からは“ゆうと”コールも飛び出した。3人組ガールズグループの水雲は、演歌では史上初の主旋律・高音・低音の美しいハーモニーを響かせた。メンバーのNEKOはアメリカ出身と異色ずくめのグループだが、大勢の観客の前で、その実力の一端を十分示した。

そして「演歌フェス」の大トリを務めたのはアンバサダー、氷川きよし。デビュー20周年という節目の年となった今年は、ロックやアニソンフェスへの出演など、他の音楽ジャンルにも意欲的に挑んできたが、「“演歌”フェスなので、今日はとことん演歌で!」と宣言。デビュー曲「箱根八里の半次郎」から「三味線旅がらす」「一剣」「男の絶唱」と、言葉にたがわぬ王道氷川演歌にファンたちから大きな歓声が沸き起こった。「今日は五木さん、細川さんとコラボさせていただき、最高の時間でした。先輩方が作っていただいた道、僕も長く歌っていきたい」と語り、最後の曲「大丈夫」では、場内が手拍子でひとつになった。
イベントの最後は、第三部出演者全員による「川の流れのように」。エンディングでは出演者たちが「最高でした」「幸せでした」「またやりたい」と口々に声をそろえた「演歌フェス2019」。濃密すぎる5時間30分という長丁場だったが、終了後、家路につく観客の多くは、疲れもみせず満ち足りた顔ばかりだった。“令和の日本に、演歌の心を――”を掲げた初のイベントは、出演者と観客の多幸感に満ちた祭典だった。

「演歌フェス2019」の模様はNHK・BSプレミアムで放送!

■チャンネル
NHK-BSプレミアム
■放送日時
2019/9/22(日)19:30〜20:59
2019/9/29(日)19:30〜20:59
2019/10/6(日)19:30〜20:59

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