みちのく娘!「がんばれ東北!」を掲げてファーストコンサートを開催 千昌夫や美空ひばりなど昭和の名曲の数々を元気いっぱい披露

2019.9.26

「3.11 東日本大震災」から8年。まだまだ道半ばの東北地方の復興を願って、東北出身の3人による歌謡ユニット「みちのく娘」の『ファーストコンサート~がんばれ東北!』が、東京・新宿区の四谷区民ホールで開かれた。

みちのく娘は工藤あやの(25・山形県山形市出身)、津吹みゆ(23・福島県矢吹町出身)、羽山みずき(27・山形県鶴岡市出身)の3人によるユニットで、2018年にNHK『新・BS日本のうた』への出演後、問い合わせが殺到。大きな話題となり、今年5月、『春ッコわらし』でユニットデビューを果たした。

 

コンサート前に行われた報道陣との会見では、「見てくださる方たちに笑顔と元気を届けたい」(羽山)、「ユニット結成1年ちょっとでコンサートを開けるなんて驚き。3人で稽古を積んだ成果を見せたいです。楽しんでいただけるよう頑張ります」(工藤)、「コンサートは夢の一つだったので、うれしい。頑張ります!」(津吹)と、3人とも元気一杯。

さらに、今後の目標を聞かれると、「日本だけでなく、世界制覇を目指します。100年以内に世界全部行きたい」と工藤が宣言すると、羽山が「その頃には、“みちのくおばあちゃん”になってるかも」とすかさず返し、笑いを誘った。年末の紅白歌合戦を目指すかとの問いには、工藤が「出たいです。この3人ならきっと実現できます。そのためにも、まず今日のコンサートをしっかりやりたいと思います」ときっぱり。

(左から)羽山みずき、工藤あやの、津吹みゆ

全23曲、アンコールを含めると24曲を熱唱したこの日のコンサートのオープニングは、デビュー曲、『春ッコわらし』。

3.11で被災したみなさんに元気をとどけたい」とパワー全開で熱唱。キャンディーズの『やさしい悪魔』で知られる喜多條忠氏が作詞を、『マツケンサンバⅡ』の宮川彬良氏が作曲を手掛けており、舞台がパッと明るくなるようなダンサブルな曲調の中に、昭和のアイドル歌謡の懐かしい旋律が交じり、耳に心地いい。見事なフォーメーションダンスを披露する3人に、観客もペンライトを振って応え、一曲目から大いに盛り上がった。

ここからコンサートは、おのおのソロの演歌歌手としても活躍する3人の真骨頂、演歌と民謡と懐メロのコーナーへ。『津軽じょんがら』、『花笠音頭~会津磐梯山~花笠』から戦後、暁テル子が歌ってヒットした『ミネソタの卵売り』まで8曲を歌い、年配のファンを喜ばせた。

舞台上では着物の早着替えにも挑戦。「3秒でできるように、朝、8時半から夜10時まで練習した」という成果を発揮して、見事なステージングを見せた。

軽妙なトークを挟んで、次はソロのコーナーへ。トップバッターは最年少、みちのく娘の「元気担当」、津吹みゆ。

ティアラを着け、淡いピンクのドレスに身を包んだ津吹は、坂本冬美の代表曲『夜桜お七』と自らの新曲『みちのく恋桜』を、情感を込めて歌いあげた。

 

次に登場したのは振袖姿の「癒し担当」、羽山みずき。

1曲目は1980年代の島倉千代子のヒット曲『鳳仙花』。温かみのある羽山の声質にぴったりの曲で、歌声でも会場のファンを癒していた。2曲目は7月にリリースした新曲『雪割酒』。

 

最後に3人の「まとめ役」工藤あやのが登場。

石川さゆりの『北の女房』と新曲の『大阪花吹雪』を披露した。『北の女房』は、海へ出た夫の帰りを待つ漁師の妻の気持ちを歌った名曲だが、工藤らしく豊かな表現で熱唱した。

ステージはここから後半戦へ。前半の盛り上がりそのままにステージを進行する3人は、冒頭の爆笑トークでさらに会場を沸かせ、『銀座カンカン娘』から『月影のナポリ』『夢見るシャンソン人形』『真赤な太陽』をメドレーで。

続く3曲はソロで、羽山が『ひとりじゃないの』、工藤が『星の砂』、津吹が『たそがれマイ・ラブ』と、ファンには懐かしい昭和のヒット曲が次々と披露される。

『夢見るシャンソン人形』では、機械仕掛けの人形の動きを取入れたダンスを見せるなど、エンタテインメントの要素がそこここにちりばめられたステージとなった。和装が多かった前半と打って変わって鮮やかなオレンジのミニのワンピースでの登場に、会場は華やかな歌謡ショーの雰囲気に包まれた。

クライマックスに向かって、ファンの盛り上がりが最高潮になる中、続く2曲は『春ッコわらし』のカップリング曲、千昌夫の『北国の春』と美空ひばりの『お祭りマンボ』。誰もが知る昭和の名曲に、会場中が手拍子と掛け声で一体に。最後の一曲、『好きになった人』で全23曲を締めくくった。

 

すかざず会場からアンコールがかかり、再び舞台に姿を現した3人は、ここで師匠であり、このコンサートの構成・演出を務めた花柳糸之を呼び込む。

子供たちを宜しくお願いします」と挨拶した花柳に客席からは暖かい拍手が送られた。そしてアンコールの一曲は、いわずもがなの『春ッコわらし』。

歌い終わると客席に降りた3人が、『春ッコわらし』のカラオケをBGMにお客様をお見送り。3人の笑顔と張りのある歌声に包まれた1時間半のファーストコンサートは「みんなに元気を与えたい」と語っていた通りのステージとなった。

セットリスト

M1:『春ッコわらし』(みちのく娘!)

―MC-

M2:『望郷じょんから』(みちのく娘!)

M3:『つんつん津軽』(みちのく娘!)

M4:『花笠音頭~会津磐梯山~花笠』(みちのく娘!)

M5:『愛のさざなみ』(みちのく娘!)

M6:『みちのく小唄』(みちのく娘!)

M7『ミネソタの卵売り』(みちのく娘!)

―MC-

M8:『夜桜お七』(津吹みゆ)

―MC―

M9:『みちのく恋桜』(津吹みゆ)

M10:『鳳仙花』(羽山みずき)

―MC-

M11:『雪割り酒』(羽山みずき)

M12:『北の女房』(工藤あやの)

―MC―

M13:『大阪花吹雪』(工藤あやの)

―MC―

M14:『銀座カンカン娘』(みちのく娘!)

―MC―

M15:『月影のナポリ』(みちのく娘!)

M16:『夢見るシャンソン人形』(みちのく娘!)

M17:『真赤な太陽』(みちのく娘!)

―MC-

M18:『ひとりじゃないの』(羽山みずき)

M19:『星の砂』(工藤あやの)

M20:『たそがれマイ・ラブ』(津吹みゆ)

―MC―

M21:『北国の春』(みちのく娘!)

M22:『お祭りマンボ』(みちのく娘!)

―MC―

M23:『好きになった人』(みちのく娘!)

~アンコール~

M24:『春ッコわらし』

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