中澤卓也 初の日本青年館でコンサートを開催 応援に駆けつけた美川憲一と初生デュエット

2019.10.1

2017年にデビューして以来、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍の場を広げている歌手・中澤卓也が26日、日本青年館ホール(東京・新宿区)にて「中澤卓也コンサート2019〜令和の幕開け、新たな世界を切り開く〜」と銘打ったコンサートを開催した。

 

中澤は2017年、2018年と2年連続で9月にライブハウス赤坂BLITZでコンサートを開催しており、今年はさらに規模を大きくした自身初の日本青年館でのコンサートとなる。

開演前の囲み取材では「気持ちが引き締まる。お客さんの雰囲気も今までと変わるはず」と不安を口にしながらも「1部と2部で構成を変えてお届けするので自分も楽しみたい」とこの日を誰よりも楽しみにしていた様子を窺わせた。

コンサートの第1部はセカンドシングル『彼岸花の咲く頃』で幕開け。

照明が明るくなると、ソファやテーブル、間接照明に観葉植物、と部屋を意識した舞台セットが見えてくる。

本公演のサブタイトルに”新たな世界を切り開く”とある通り、1部は「卓也の歌」と題して中澤が女役と男役を演じた語りで物語を進行させながら歌い継いでいくという新たな試みに挑戦する。テーマは”小さな愛の物語”。

客席からは今まで見たことの無い”演じる”中澤に時折、笑いが起きながらも、役を演じることに徹する中澤の語りと効果音によって徐々にストーリーの世界に引き込まれていく。

ストーリーは学校の先輩との久々の再会から交際、同棲、すれ違い、そして別れという流れで進んでいき、その時々の心境に合わせた楽曲を熱唱。

再会のシーンでは『知らず知らずのうちに』(ダウンタウンブギウギバンド)と『シルエットロマンス』(大橋純子)で募る恋心を表現。そして『君がいるだけで』(米米CLUB)で交際の喜びを爆発させる。

お互いにすれ違っていき玄関に残されたお揃いのスニーカーを眺めながら楽しかった日々を思い返すという設定のもと、『虹とスニーカーの頃』(チューリップ)を歌い、別れの置手紙を読みながら『わかってください』(因幡晃)『22才の別れ』(伊勢正三)で別れていく。

そして、『私鉄沿線』(野口五郎)『このまま君だけを奪い去りたい』(DEEN)で時が経っても残る未練を歌い、最後は『さよなら』(オフコース)というニクい演出でストーリーが終わると会場は盛大な拍手に包まれた。

 

幕開けに歌った『彼岸花の咲く頃』は彼岸花の咲く頃に別れてしまった、ほろ苦い恋の思い出を歌った作品でありストーリーが終わってようやく1曲目に選ばれた理由が分かる。そんな伏線の配置や、時代設定は現代で楽曲は昔懐かしの名曲というギャップで客を魅了する構成・演出を手掛けたのは宮下康仁氏だ。

ただ、やはり称賛すべきは1時間を超える間、転換も無く、長い語りと歌唱を滞ることなくやってのけた中澤であり、相当な準備をしてきたことが窺える。

そして皆、思い返したであろう『青春時代』(森田公一とトップギャラン)で第1部は幕を閉じた。

第2部は2階の客席に突如登場してスタート。2階席から1階席までくまなくラウンドして観客と握手を交わしながら『青いダイヤモンド』『愛する君へ』を熱唱。そしてステージに戻ると『冬の蝶』を日を追うごとに明らかにキレを増しているダンスとともに披露。

そして出身地の新潟と同じく思い入れの深い日本海を舞台にした『越冬つばめ』(森昌子)の歌唱を終えるとここでスペシャルゲストの登場。

中澤と同じレコード会社の大先輩・美川憲一だ。

美川は『青いダイヤモンド』でデビューする中澤に私物のダイヤのブローチ(『青いダイヤモンド』ジャケットでも使用されている)をプレゼントするなどデビュー時から気にかけており、2年前の赤坂BLITZの公演ではモニター出演し、『さそり座の女』をデュエットしている。今回、中澤の強い希望により舞台上での初共演が叶った。

初めて中澤に会った時はまだ学生だったが随分喋られるようになった姿に驚きつつ、「おしゃれも大事。これからも自分磨きをしてもっとビッグになるように」とエールを送り、美川の3大ご当地ソングの1曲『新潟ブルース』をデュエットで披露した。

歌についても「丁寧に歌っていて高音がとても綺麗。低音がもっと響くように勉強すると良い思う。私も年を重ねるごとに高音が出るようになってきた」と先輩歌手としてのアドバイスを送り、自身のステージで『柳ヶ瀬ブルース』『愛染橋を渡ります』を熱唱した後、衣装替えを終えた中澤と2年振りに『さそり座の女』をデュエットで披露してステージを後にした。

ここからラストに向けて怒涛の歌唱ラッシュ。まずは最近のコンサートでも定番になりつつある「ダンシング卓也」のコーナーで『仮面舞踏会』(少年隊)『パラダイス銀河』(光GENJI)などジャニーズの往年の名曲をダンサーを交えてのダンスとともに披露。コーナー最後の『TOKIO』(沢田研二)まで踊り続け、会場の熱は最高潮。

そして熱を帯びた会場をそっと優しく包み込むように『東京タワー』『いつまでもどこまでも』を披露。カップリングにも恵まれていると本人も話す通り、ともに歌唱の幅の広さを感じることが出来るファンにも人気の曲だ。

そして最後は今年の勝負曲『茜色の恋』で舞台を後にした。

しかし、3時間もの時間をともにしてもファンにとっては物足りないもの。鳴りやまないアンコールに応え再び登場。

ファンやスタッフ、家族、友人らへの感謝の気持ちを込めて『ひまわりの約束』(秦基博)を歌い、感動に包まれたままコンサートの幕を閉じた。

ゴールはまだまだ先にあるがちょっとずつでも前に進んでいくと話す中澤。賞の獲得や大舞台に立つことは応援してくれている方々への一番の恩返しだと考える。

今でも2017年に新人賞を獲得した 「輝く!日本レコード大賞」の時の景色が忘れられないという。

日々、大きくなる中澤卓也をレコ大や紅白で観られる日はそう遠くないはずだ。

セットリスト

M1:『彼岸花の咲く頃』

M2:『知らず知らずのうちに』(ダウンタウンブギウギバンド)

M3:『シルエットロマンス』(大橋純子)

M4:『君がいるだけで』(米米CLUB)

M5:『虹とスニーカーの頃』(チューリップ)

M6:『わかってください』(因幡晃)

M7:『22才の別れ』(伊勢正三)

M8:『私鉄沿線』(野口五郎)

M9:『このまま君だけを奪い去りたい』(DEEN)

M10:『さよなら』(オフコース)

M11:『青春時代』(森田公一とトップギャラン)

M12:『青いダイヤモンド』

M13:『愛する君へ』

M14:『冬の蝶』

M15:『越冬つばめ』(森昌子)

M16(美川憲一&中澤卓也 歌唱):『新潟ブルース』(美川憲一)

(美川憲一 歌唱):『柳ヶ瀬ブルース』(美川憲一)

(美川憲一 歌唱):『愛染橋を渡ります』(美川憲一)

M17(美川憲一&中澤卓也 歌唱):『さそり座の女』(美川憲一)

M18:『ギザギザハートの子守唄』(チェッカーズ)

M19:『仮面舞踏会』(少年隊)

M20:『スシ食いネエ!』(シブがき隊)

M21:『パラダイス銀河』(光GENJI)

M22:『硝子の少年』(KinKiKids)

M23:『TOKIO』(沢田研二)

M24:『東京タワー』

M25:『いつまでもどこまでも』

M26:『茜色の恋』

M27(アンコール):『ひまわりの約束』(秦基博)

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