森昌子が出身地・栃木県宇都宮市でラストコンサート 47年間の活動に笑顔で幕

2019.12.26

1972年7月1日に『せんせい』でデビューし、48年目を迎えた今年12月25日で引退することを決意した歌手・森昌子(61)が同日、栃木・宇都宮市の宇都宮市文化会館 大ホールでラストコンサートを開いた。

 

同会場がある宇都宮市は、彼女が生まれ育ったところで、9歳のとき上京。1971年、13歳のとき、日本テレビ系オーディション番組『スター誕生!』に出場し、初代グランドチャンピオンになったのをきっかけに翌年、レコードデビュー。デビュー曲『せんせい』がいきなり大ヒットし、一躍スターの仲間入りを果たした。

 

小学校3年まで過ごした故郷・宇都宮市でのコンサートで歌手人生に幕を閉じることになり、そんな彼女の最後の姿を見たいという地元ファンはもちろん、全国から大勢のファンが詰めかけ、2000席の会場は満席の中、2部構成で、第1部は、テレビのバラエティー番組でも人気を博した「ま~ちゃん」という名前の小学2年生に扮して登場し、父親役の司会者・牧野尚之を相手に爆笑コントを繰り広げながら昭和歌謡から『好きになった人』『勝手にしやがれ』などを披露し、同コーナー最後は『青春時代』を客席と一緒に歌唱。

続いてセーラー服に着替えて、「学園三部作」の『せんせい』『同級生』『中学三年生』の3曲をメドレーで当時の気持ちになって歌った。

第2部からは、振り袖やドレス姿で往年のヒット曲から『なみだの桟橋』『哀しみ本線日本海』『立待岬』『越冬つばめ』などを切々と歌い上げ、フィナーレはラストシングル『あなたの愛に包まれながら』を歌って幕を閉じた。

その後、客席からは割れんばかりのアンコールの声が沸き起こり、自身がデザインしたTシャツ=20代のころ飼っていた故愛犬「太郎」のイラスト、背中には「とちぎ愛」という文字をプリント=とジーンズに着替え、登場。「今日は、泣いても最後まで歌いきりたい」という言葉通り、大粒の涙を流しながらも笑顔で全25曲のプログラムを2時間半近くにわたって熱唱。

 

最後のあいさつでは「いいなあ、故郷って……。ここには、いっぱい、いっぱい、いろんな思い出があるの。だから、今日は最後まできちんと歌わなきゃいけないと思いました。去年の秋からずっと130カ所以上も全国いろんなところで歌わせていただきました。でも、やっぱり故郷が一番いい……。そして、今日この日を迎えられたのは、私一人だけではなく、照明さん、音響さん、森の音楽隊(バックバンド)、牧野さん(司会者)などのお力があったからこそです。こうやってもう皆さまに歌やメッセージを伝えることができなくなります。だけど私はずっと皆さまの心の中にいます。もしどこかで見かけたら声をかけてください。これが森昌子としての最後になりますから、いろいろと考えて今日の曲順を決めました。皆さん、お楽しみいただけたでしょうか」とニッコリ。

ラストは、彼女の原点でもある『せんせい』を涙を堪えながら歌い上げ、「私は、皆さんと歩んだこの47年を忘れません。どこにいてもこの思い出を宝に元気に生きていきます。森昌子は永遠に皆さんの心の中で一緒です。本当にありがとうございました」と、持ち前の笑顔を見せながらステージを後にした。

(提供:サンニュース)

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