後編も本日5/1再放送!!『北島三郎からの恋文』~ゲスト木梨憲武とのスペシャル対談~

2020.5.1

日本の歌謡界に燦然とそびえる頂・北島三郎。その“終わりなき挑戦”にスポットを当てた、チャンネル銀河オリジナル番組『北島三郎からの恋文(ラブレター)』。3月に放送され大好評だった本番組の後編が、本日5/1(金)に再放送される。後編のゲストは、年齢を越えて大の仲良しという木梨憲武。再放送をより楽しんでいただくため、2人の爆笑トークを「うたびと」限定でお届けする。

北島家の高級酒を無断でラッパ飲み!?

北島「憲ちゃんと出会って、もう何年になる?」
木梨「もう30年になりますね。あの頃、僕は20代です。北島さんは50代ですね」
北島「そうだよね。最初の出会いは、八王子のうちに来てくれたんだよね。勝俣(州和)とか連れて」
木梨「(山本)譲二さんも」
北島「で、僕がちょっと目を離している間に……」
木梨「リビングにナポレオンとかものすごい(高級な)酒が並んでて」
北島「みんなでラッパ飲みしてた(笑)」
木梨「譲二さんが、『おやじは酒飲まないから』って言うから(笑)。譲二さんと北島さんはもう長い生活がありますから、譲二さんからOKが出たんだからって飲んでたら、北島さんが来て、『何やってんだ、お前ら!』って(笑)。いやぁ~、あの時は変な汗かいてね」
北島「(爆笑)」

多い時は、70頭

北島「仕事以外でも、憲ちゃんとはいろんなところで会ったよね。例えば、大井競馬場に行って、ふと見ると、憲ちゃんがいる」
木梨「オーナーである北島さんが自分の馬を走らせるとき、僕らも一緒に応援させてもらってね。1着のときもあれば、着外のときもあるけど、『こればっかりは勝負の世界だからしょうがない』って北島さんはいつも言ってて。俺が肩を落として駐車場を歩いていたときも、北島さんが『金あるのか?』って声かけてくれて、『ないっす』って言ったら、『飯食え』て金くれて。北島さんの車を見送りながら、いただいた金を握りしめて、『おやじ、今日、焼き肉食います!』って。北島さんだってやられてるのに、大丈夫か、同じ気持ちだよな、競馬は難しいよなって。そうやって帰り際まで面倒みていただいたりっていうのが何回もだから」
北島「俺はどうしても憲ちゃんが好きなんだよ。あなたには素晴らしい(人を)惹きつける何かがある。優しさみたいな、温かみみたいな、情があるんだよな。ただちょっと残念なことに、あなたが(競馬で)勝ったというのはあんまり聞いたことがない。いつ聞いても、『ダメです』っていうほうが多くて(笑)」
木梨「すぐキャッシュがなくなっちゃうから、誰か貸してくんないかなー、1回家に帰って取って来るのも面倒くさいし、北島さん、10万貸してくんないかなーって(笑)」
北島「(爆笑)」
木梨「ちなみに、オーナーとして、一番多い時は、何頭(馬が)いたんですか?」
北島「北海道にいる親と、子どもと、現役と、これから走る馬を合わせると、70頭くらいいたかな。そのお金が大変だった(笑)」
木梨「(爆笑)」
北島「お金がかかるけど、なんで馬が好きなんですか? ってよく聞かれたけど、馬は、骨折して倒れても、また起き上がってゴールに向かって走ろうとするんだよね。その姿に、なんとしても決めた道は行かなければならないっていうのを感じてさ。俺たちに大事なことを教えてくれるような気がしたの。それから馬が好きになって、だんだん増えて、70頭近くなっちゃったんだよね」

木梨&譲二の『浪漫-ROMAN-』制作裏話

木梨「北島さんには曲を書いてくださいってお願いしたことがあるんですよね。普通、レコード会社や事務所やいろんな方がいるのに、(その人たちを無視して)直接、お願いして、『いいよ』って言ってくれて。忘れもしないですね」
北島「あの時ね、憲ちゃんと山本(譲二)と2人で組んで出すってことで、俺はやっぱり演歌だと思って書いて、うちの嫁さんに聞かせたの。そしたら、『あんたね、木梨憲ちゃんとうちの山本と一緒にやるんだったら、演歌と違うものを考えて書きなさいよ。これじゃあ自分たちが歌っているのと一緒じゃん』って言われてさ。せっかくいい曲を書いたつもりだったのに、ガックリして、なんかムカムカして。その後、洋楽の歌をずっと聞いて、こういう感じがいいのかなって思ってできたのが、朝6時。嫁さんを起こして聞かせたら、『こういうのがいいのよ』って」
木梨「いやぁ、本当にありがとうございます。昔、(夢を)語り合っていた2人が一人前になって旅立っていくみたいな曲で、この年代になってあの曲の良さが浸み始めるというか。北島さんは、そういう曲だらけじゃないですか。だから詞が(聞く人の胸に)届いちゃうんですよね」

日本歌謡大賞の壇上で

木梨「歌といえば、覚えているかわからないですけど、今から29年前、まだ若くて威勢がいいとんねるずが日本歌謡大賞で大賞を受賞したとき、同じ壇上に北島さんがいて。発表後、僕が北島さんの前を通るとき、『すみません』って挨拶したら、『今回だけだぞ!』って(笑)」
北島「失礼しました(笑)」
木梨「いや、本当にそう思いましたもん。なんだ、この若いやつら、歌手じゃねえだろうみたいな感じでしょ」
北島「ごめんねー(爆笑)。(若い頃、映画の撮影で)京都撮影所に行ったときね、大勢脇役がいるわけですよ。でも、あそこの世界では、彼らの方が俺より俳優としてはずっと先輩ですから、一人ずつによろしくお願いしますって。だからお2人が入ってこられて歌手だって顔をされると、ちょっとなー、1回きりだよなって(笑)」
木梨「そりゃそうですよ。逆の立場だったら、僕もなんなんだ、お前らって思いますよ(笑)。
でもその後、北島さんちに行ったら……」
北島「もう変なこと思い出さないでくれる?(笑)」
木梨「賞いっぱいもらってるから、トロフィーだらけで。1個くらい、いいじゃんって(笑)」
北島「(爆笑)」

『まつり』を歌い継いで

木梨「この前、4~5千人の前でライブをやったとき、ラストに、北島さんの許可なしに、『まつり』をロックテイストにして、テンポを倍くらいにして歌ったんですよ。新宿コマ劇場の北島さんのステージで、『まつり』で大エンディングになって、お客様全員とひとつになるのを観させてもらっていたから、自分も歌ってみたくて。そうしたら、会場がものすごいいいムードになって。『ラッセーラー、ラッセーラー、ヘイヘイホー、ヘイヘイホー』って全力でいったら、みんな全力で返してくれるんですよ。今までにないくらいお客さんとひとつになった。今日はぜひそのことをお伝えしたくて」
北島「ありがとうございます」
木梨「これからも歌っていいですか?」
北島「OK、OK」
木梨「うれしーーーー!」
北島「『まつり』は最初、あんな感じじゃなかったんですよ。ステージで歌うようになったときに、フィナーレにいいなと思って、サンバ風とか、ビートを変えながらいろいろやってみたの。そうするとまた違った『まつり』ができあがってくるわけ。だから憲ちゃんが倍くらいにテンポを上げてやったっていうのも正解。何やっても『まつり』は許されるの。ある年齢の人たちだけでなく、若い連中もノッちゃう。元来、日本人が好む歌なんですよ。だから絶対やって」

新曲は母がテーマ

北島「うちのおふくろが今、生きていたら107歳くらいになるのかな。憲ちゃんね、いくつになっても親父よりは母なの。強さというか、大きさというか、母のぬくもり、肌の優しさ……。もしおふくろがここにいたら、膝枕で寝たいなって思うね」
木梨「いいですね」
北島「姿がなくなっちゃうと、不思議とおふくろの映像ばっかり出てきてね」
木梨「母に感謝」
北島「だんだん親の年齢に近づくにつれて、望郷というか、ふるさと、おふくろ、親父が恋しくなる。その中でどうしても母のほうにいっちゃう。金なくて、おふくろは朝から畑仕事に行って、まっくろけになって帰ってきて、晩飯の支度をしてくれて。涙ふいてる姿とかね、辛かっただろうなって。やっぱり思い出すね」
木梨「そうですか。焼きついた昔のお母様がいつも出てきちゃうんですね。で、今回の新曲は母がテーマだったんですね」

今の若い子たちが好き

木梨「何年か前に新宿コマ劇場でのステージのスケジュールを見せてもらったら、公演回数がジャニーズの若い子たちよりすごかった。幕間の休憩時間に楽屋にご挨拶に行ったら、北島さん、点滴しながら、なんか食っておかないともたないって言いながら『こんなふうにやってるんだよ』って。このエネルギーはすごいですよ!」
北島「勘定してみるとね、北島三郎ショーとしてワンマンショーで劇場をやってきた回数が4578回。それで座長公演を締めました。紅白歌合戦も50回をけじめに引きました。俺が引っ込めば、誰かが出られるからね。俺は今の若い子たちが好きなの。俺も何十年前か、同じ年のときもあったんだなって思いながら、何十年も前に置いてきたものをその子たちから少しもらわなきゃって。そんなことを思いながら、できるだけ置いてけぼりにされないようにって。憲ちゃんも、人様を笑わせ、人様に夢を売り、人様に喜んでもらい、すごく元気をくれるんだよね。あと、奥様がすごく素晴らしいと思いますよ」
木梨「言うことをきいて生きています。いつもいい指導をいただいています(笑)」
北島「私も同じでございます(笑)。我が家は嫁さんでもっています」
木梨「やっぱりそうですか(笑)、じゃあ、いいんですね」
北島「いいんです」

人生は一度きり

木梨「(北島が書いた色紙を持って)今日はたくさんお話をいただいて、最後に、うちのおやじ、北島三郎さんから、『人生は一度限り』というメッセージをいただきました」
北島「2回も3回も生まれ変わるって言う人もいるけれど、私は人生は1回限りだと思います。だから悔いを残さず、それなりの道を歩いて、ひとつの証を遺していったらいいかなって思います」
木梨「じゃあ、わたくしからは……(メッセージを書いた色紙を北島に渡す)」
北島「『10万貸してください』(爆笑)」
木梨「(爆笑)」
北島「これくらいはいつも持っていますので。あとひとつ(ゼロが)増えるとビックリするんですけど(笑)」
木梨「人生は1度きりなんで、10万貸してください!(笑)」
北島「(爆笑)」

再放送情報

「北島三郎からの恋文(ラブレター)」

チャンネル銀河 歴史ドラマ・サスペンス・日本のうた

前編(ゲスト:里見浩太朗)4月30日(木)17:00~18:00

後編(ゲスト:木梨憲武)5月1日(金)17:00~18:00

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