吉永加世子が兄・ゆうたろうを従えて無観客配信ライブを開催 吉幾三プロデュースの新曲リリース&ファンクラブ発足を記念

2020.8.25

コロナ禍で歌手やアーティストたちが軒並みコンサートやライブの中止を余儀なくされている今、ネット配信でファンとつながろうという新しい試みが盛んになってきた。そんな中、1994年に『涙の浜千鳥/女の花道』でデビュー、2008年には吉幾三の命名により吉永加世子と改名し、吉の書下ろし楽曲『永遠に愛して/ひとり…湘南で』で話題を集めた吉永が、東京・六本木のライブハウス「バードランド」でネット配信ライブを開催した。

 

このライブは、改名後、吉が曲作りも含めプロデュースを担当するようになってから2作目となる『燃え尽きて/明日にワインを』のリリースとファンクラブ発足を記念したもの。残念ながら無観客ライブとなったが、ネットの向こうにいるファンに向かって心をこめたパフォーマンスを繰り広げた。

オープニングは新曲の『燃えつきて』。真っ赤なドレスに身を包み登場した吉永の、よく伸びる声が無観客にも拘わらず場をパッと明るくする。ダンサブルで情熱的なラテンサウンドが印象的な曲だ。ラテンテイストを取り入れた歌謡曲やJ-POPは、例えば昭和の名曲、西田佐知子の『コーヒールンバ』からユーミンの『真夏の世の夢』、乃木坂46の『インフルエンサー』まで枚挙にいとまはないが、また1曲、長く歌い継がれていきそうなラテン系歌謡曲が生まれた。

吉(幾三)先生にプロデュースしていただいて22年、そして今回、11年ぶりに先生に曲を作っていただき、新曲を出すことができました。本当にうれしくて、こうして話していても涙がでそうです。今回はお客様を入れない形でのライブとなりましたが、ネットの向こうで見てくださっているファンのために精一杯歌います」と吉永が万感の思いで冒頭のあいさつをした後、会場後方で見守っていた吉幾三が突然、ステージに登場。「加世子の曲が売れるかどうかは俺の生活にもかかわるので、どうかよろしくお願いします」と軽く笑いをとって、緊張気味の吉永をリラックスさせていた。

2曲目は、『燃えつきて』『明日にワインを』とともにCDに収録された曲、『すべてがパリ』。亡くなった夫と過ごしたパリの街に思いをはせた切ない女心を、お洒落なシャンソン風に仕上げた一曲。そして3曲目が『明日にワインを』。デュエット曲で、吉永の相手をつとめるのは、なんと実兄のタレント・ゆうたろう。明日は嫁いでいく妹に対する兄の「幸せになって」という気持ちと「今日までありがとう」という妹の気持ちが交錯するほのぼのとした兄妹愛がつづられた曲。「ワインの曲なのにブランデーグラスを忘れてしまった!」と笑いを取りながら登場した、ゆうたろうだったが「皆さんに耳ざわりがよくて覚えやすい曲だっていっていただいています。多くの方に歌っていただきたいと思います。僕も妹のためにできる限り協力していきます」とアピール。続けて十八番の石原裕次郎『ブランデーグラス』と『北の旅人』を渋く決め、見事に妹のバックアップ役を務めた。

ライブ後半は、白のロングカーディガンとパンツ姿に着替えた吉永が、ファンからのリクエストが多い曲から厳選した名曲の数々をカバーするコーナーでスタート。師匠・吉幾三の『雪國』を熱唱した後、ラテンの名曲『ベサメムーチョ~キエンセラ』のメドレーを軽快に歌い上げた。続けて、鈴木聖美が歌ったバラード『TAXI』とBEGINのヒット曲『恋しくて』。両曲とも、情感たっぷりに歌い上げて、聞く側も心地よく歌の世界に浸ることができた。

ここでステージにゲストが登場。歌謡界ではほぼ同期という水森かおり西尾夕紀が花束を持ってお祝いに駆け付けた。プライベートでもよく飲みに行ってお互いに状況を報告したり、愚痴を言い合ったりする仲だという3人。水森と西尾は「吉先生も、後ろでずっとナプキン(笑)を片手に涙を拭いていらっしゃって。皆さんの気持ちがこもった素敵なライブでした。これからも仲良く、そしてお互いに頑張っていきましょう」と吉永にエールを送っていた。その後、秋元順子の『愛のままで』、テレサ・テンの『時の流れに身をまかせ』を披露してカバーコーナーは幕。

ライブの最後は『燃えつきて』を再び。子どものころから楽器が好きで、中学校では、当時学校になかった吹奏楽部を作ってしまった程だという、ゆうたろうが青いマイトランペットを持って再登場。「妹の門出ですから一生懸命、吹きます」という兄のトランペット演奏に乗せて、再び新曲を熱唱した。

今日は、ちょっとふざけ過ぎたかもしれませんが、そうでもしないと涙が出そうだったので、すいません。妹がもっともっと活躍してくれることが家族全員の願いだったものですから。今後とも吉永加世子をよろしくお願いします!」と目を真っ赤にしながら挨拶をするゆうたろうに、吉永もこれからの活躍を誓っていた。

なお、このライブは、8月28日(金)18:00から、YouTube徳間ジャパン 演歌・歌謡曲チャンネルで配信される予定。

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