みちのく娘!が今できること 約11カ月ぶりのコンサートで来場ファンを目と耳で楽しませる

2020.12.1

東北出身の女性演歌歌手(工藤あやの=山形県山形市出身、津吹みゆ=福島県矢吹町出身、羽山みずき=山形県鶴岡市出身)3人によるユニット・みちのく娘!が11月30日、有楽町よみうりホール(東京)にて約11か月ぶりとなるコンサート「みちのく娘!今できること~ソーシャルディスタンスコンサート~」を開催した。

 

構成と演出は普段3人が朝から晩まで稽古をうけ、師匠と仰ぐ花柳糸之氏が手がけ、会場にはソーシャルディスタンスを保つため、キャパシティの半分の500名のファンが駆け付けた。

 

開演前、記者らの取材に応じた3人は今回、久々のコンサート開催について

羽山)「久しぶりのお客様と一緒のステージで血が騒ぎ、胸が躍っています。皆様の心に歌と踊り、心が届けばと思っています」
工藤)「久々にみなさんとお会いできるのは楽しみでもあるけれども、どことなく不安な気持ちもあります。成長したなって思ってもらえるかという緊張もありますが、長い間お稽古して頂いたので、今日は楽しみながらお届けしたいです。早替えで魅せる演出で目でも楽しんでいただければと思います」
津吹)「お客さんがいるステージに立たせて頂くのは本当に久々なので今日はお一人お一人のお顔を目に焼き付けるような気持ちで歌と踊りと心をお届けできるように頑張っていきたいと思います」

と目でも魅せることをアピール。何より3人とも”ステージに立たせてもらっている”という言葉を口にし、支えてくれるスタッフや大道具さん、照明さんにも感謝の気持ちを口にするのもみちのく娘!らしい。

 

コンサートは最新曲『べっぴん音頭』でスタート。

元気いっぱいに披露した後、波音のBGMが流れると3人とも舞台上セットの裏へ。
ものの30秒程度で可愛らしいそれぞれのカラーのドレスに着替えて再び登場すると、客席からは思わず「早い!」と口にする声が漏れ聞こえた。そして、そのまま『真赤な太陽』(美空ひばり)を体を揺らしながら披露した。

今回のコンサートのタイトルにある”ソーシャルディスタンス”だが、客席の前後左右間隔を空けるだけでなく、彼女たち同士の間隔も保つべく振り付けも今回のために一新したそう。
稽古では一間(180cm)は絶対に離れることを意識して、斜めに位置する際も巻き尺を持って図りながらそれぞれの間隔を体に覚えさせたと話しており、確かにいつもに比べて3人の距離が空いているように感じられるのはそのためだ。歌って踊って、目でも耳でも楽しませるために相当な稽古を重ねたことがそんなところからもうかがえる。

 

コロナ禍の中、駆け付けたファン達に御礼を述べたあと、『大阪ラプソディー』(海原千里・万里)、『もしも明日が』(わらべ)、『こまっちゃうナ』(山本リンダ)、『いつでも夢を』(橋幸夫・吉永小百合)の4曲を続けて披露した。

そして再び舞台セットの裏へ行くと、スクリーンが下りてきて映像が流れる。
どうやら稽古中の様子で、3人による『secret base ~君がくれたもの~』(ZONE)がBGMだ。
また、それぞれに質問が投げかけられるシーンもあり、「みちのく娘!とは」の問いに工藤が答えた「人生そのもの。宝物」の言葉が特に印象的であり、師匠の花柳氏から見たみちのく娘!について「大切な子供たち」と答えたシーンはBGMもあいまって心を揺さぶった。

映像が終わると、黄色に赤とピンクの花が印象的な着物に着替えた再び元気いっぱいステージ上を踊り周りながら工藤と羽山の出身地・山形県の民謡『最上川舟唄』、『花笠音頭』、津吹の出身地・福島の民謡『会津磐梯山』、そして『北国の春』(千昌夫)を披露した。そして『春ッコわらし』のイントロが流れると再び早着替え。ものの10秒程度で赤い着物に着替えて再び登場した。

ここでは花柳氏からの無茶ぶりにこたえる形で漫才を披露。アコーディオン奏者の山岡秀明氏の演奏のもとそれぞれ特徴的な自己紹介をテーマに会場を笑いに包んだ。

ビッグベンを描いたはずが麩菓子にしか見えないと言われ”フガシ画伯”と名付けられた羽山みずき

仲睦まじい3人の姿に漫才の感想を求められた観客からは「さすがみちのく娘!」「面白かったよ!」の声が。
続いてのソロコーナーではそれぞれ最新曲とカバー曲を披露。

『嫁入り峠』、『涙の連絡船』(都はるみ)を披露した津吹みゆ

『弓ごころ』、『紅とんぼ』(ちあきなおみ)を披露した羽山みずき

『大阪花吹雪』、『恨み節』(梶芽衣子)を披露した工藤あやの

いよいよコンサートも終盤。
なにやらミュージカルのオープニングを思わせる英語での煽りナレーションが流れるとステージ中央から全身黒のドレスで髪をおろした大人な装いの3人が登場。

みちのく娘!としては珍しい装いで『恋の季節』(ピンキーとキラーズ )、『ブルー・ライト・ヨコハマ』(いしだあゆみ)、『天使の誘惑』(黛ジュン)を情感たっぷりに歌い上げた。
新たな魅力を魅せてくれた3人。最後は再び着替えて、『お祭りマンボ』(美空ひばり)、『つんつん津軽』(林あさ美)、そしてみちのく娘!のデビュー曲『春ッコわらし』を披露して舞台を後にした。

アンコールでは師匠・花柳糸之も登場し、笑顔で「(この娘たちを)よろしくお願いします」と挨拶。
たくさんのスタッフ、師匠に支えられてできたと話す今回のコンサート。なんと、途中流れた映像は羽山のマネージャーが撮影・編集、その時のキュー出しを工藤のマネージャーが担当し、英語の煽りナレーションは津吹のマネージャーが担当していたこともこのタイミングで明かされた。

最後は最新曲『あっちむいてほい』を披露した後、『好きになった人』(都はるみ)の「♪さよなら~さよなら~元気でいてね~」で久々のコンサートの幕を下ろした。

 

終演後、観客が皆、笑顔で帰っていく姿が印象的だった。
日々稽古を重ねてコンサートの度に新たな魅力をみせてくれる彼女たち。たくさんの人たちに支えられていると話すが、応援したくなる魅力が確かにある。
この先どんなステージ、楽曲で魅せてくれるのか。これからも追いかけ続けたい。

「みちのく娘!今できること~ソーシャルディスタンスコンサート~」

M1. 『べっぴん音頭』
M2. 『真赤な太陽』(美空ひばり)
M3. 『大阪ラプソディー』(海原千里・万里)
M4. 『もしも明日が』(わらべ)
M5. 『こまっちゃうナ』(山本リンダ)
M6. 『いつでも夢を』(橋幸夫・吉永小百合)
M7. 『最上川舟唄』
M8. 『花笠音頭』
M9. 『会津磐梯山』
M10. 『花笠音頭』
M11. 『北国の春』(千昌夫)
M12. 『嫁入り峠』※津吹みゆソロ
M13. 『涙の連絡船』(都はるみ)※津吹みゆソロ
M14. 『弓ごころ』※羽山みずきソロ
M15. 『紅とんぼ』(ちあきなおみ)※羽山みずきソロ
M16. 『大阪花吹雪』※工藤あやのソロ
M17. 『恨み節』(梶芽衣子)※工藤あやのソロ
M18. 『恋の季節』(ピンキーとキラーズ )
M19. 『ブルー・ライト・ヨコハマ』(いしだあゆみ)
M20. 『天使の誘惑』(黛ジュン)
M21. 『お祭りマンボ』(美空ひばり)
M22. 『つんつん津軽』(林あさ美)
M23. 『春ッコわらし』
M24. 『あっちむいてほい』
M25. 『好きになった人』(都はるみ)

作品情報

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みちのく娘!『みちのく物語』

みちのく娘!待望のファーストアルバム。オリジナル曲のほかステージでおなじみのカバー曲も収録 2020年11月4日発売/CRCN-20471/¥1,636(税抜)/【収録曲】 1. 春ッコわらし 2. 真赤な太陽 3. お祭りマンボ 4. いつでも夢を 5. もしも明日が  6. つんつん津軽 7. 好きになったひと 8. 北国の春 9. べっぴん音頭(盆踊りバージョン)

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