松阪ゆうき クリスマスディナーショー開催で作詞作曲楽曲を初披露「ありがとう ありがとう 歌える喜び 歌にのせて」

2020.12.23

音楽大学で声楽を学び、民謡や演歌・歌謡曲を歌い、過去にはミュージカルの舞台に立ったこともあるなどスーパー・ハイブリッド・シンガーの異名を持つ松阪ゆうきが16日、「東武ホテル レバント東京」(東京)にて「松阪ゆうきクリスマスディナーショー2020」を開催した。

 

観客の耳と心を鷲掴みにした歌唱はもちろんのこと、日本伝統芸能集団 井坂斗絲幸社中 喜楽座をゲストに迎えてのお祭りさながらのステージ、そして自ら初めて作詞作曲した曲を初披露するなどまさに圧巻だったショーの様子をお届けする。

全身白のスーツで登場すると、『O Holy Night』でショーの幕を開けた。伸びやかで心地の良い声と徳永洋明氏によるピアノ伴奏でのクリスマスソングに会場はロマンチックなクリスマスムードに。

続いて、黄色のジャケットを新たに羽織り、Carole King(キャロル・キング)の『You’ve Got A Friend』で会場をロックオン。
コロナ中太ってしまい……痩せた方が良いかと思い、今日はこの会場まで歩いてきましたよ。……駅からね」と、笑いを誘い、MCでも掴みばっちりの中、一旦衣装を着替えにステージを後に。その間は徳永洋明氏によるピアノがつなぐ。この日はベートーヴェンの250回目の誕生日ということでベートーヴェンの楽曲を演奏するという粋な計らい。

黒のラメが入ったスーツに着替えて再び登場すると、連続テレビ小説「エール」の主人公モデル・古関裕而氏作曲の楽曲を続けて披露していく。
『イヨマンテの夜』では和太鼓も登場し、雄たけびにも似た歌いだしから難しいリズムまで持ち前の歌唱力で見事に歌い上げ、迫力満点のステージを繰り広げた。

そして、客席中央に設置されたセンターステージに移動して(移動時にはマスクを着用)、観客の間近にて『好きだよ』『愛の欠片(かけら)』『伊勢の女』と、男女の愛をテーマにした自身の楽曲をメドレーで披露。
この日は作曲家の浜圭介氏、作詩家の友利歩未氏も来場しており、ちょうどセンターステージ横のテーブルに座っていたことから非常に緊張したとも。
そして、メインステージに戻り、そんな二人が作詞作曲した最新曲『遥かな人よ』を通常編(2、3番)と情熱編(1番)の歌詞を混ぜたスペシャルバージョンで披露した。

そして、ここで前半一番の見せ場がやってくる。
今年デビュー5周年を迎え、浅草公会堂での記念コンサートも予定していたが、コロナの影響で中止に。そんな中、今回ディナーショーを開催するにあたって、デビューするまで、そしてデビューしてからお世話になった方々やファン全員に対して言葉だけでは伝えられない感謝の思いを綴った自身初の作詞作曲楽曲『ありがとう・・・あなたに』を初披露。

 

♪ありがとう ありがとう 歌える喜び 声にのせて

 

涙をこらえるように情感たっぷりと感謝の思いを歌い上げ、会場は感動で溢れかえった。
歌唱が終わっても余韻に酔いしれ、会場換気のための休憩に入るもしばらく席を立てない観客の姿が目立った。確かに思いは伝わったようだ。

ショーの後半は、初音ミクの『千本桜』を日本伝統芸能集団 井坂斗絲幸社中 喜楽座の演奏とともに盛大に披露し、ステージはお祭りの様相を呈す。
この『千本桜』は以前、紅白で小林幸子が歌ったことでも話題になった楽曲で、MCの際にその話題に触れて、小林幸子のモノマネを披露する場面も。今年、本人の前でこのモノマネを披露して公認を得たのだそうだ。

続いては、『ふるさと日本、しあわせ音頭!』を喜楽座考案の振り付けで披露し、会場一体となって盛り上がる。

その後、いまだにオケ撮りの時の音が忘れられないと話す、思い入れの強いデビュー曲『ふるさと帰り』を披露した後、再び喜楽座の演奏と演芸とともに名曲の数々を披露していく。

美空ひばりの『リンゴ追分』では「♪つらい娘はないたとさ つらい別れをないたとさ」といった歌詞の世界を演技でも表現していく。
松阪ゆうきほどの歌唱力を持つアーティストは生の歌唱だけでも歌詞の世界をイメージさせる素晴らしい表現力を持つが、喜楽座の演技はそれを邪魔することなく歌唱による世界観をよりはっきりと、力強く具現化させてくれるため、すっかり別世界に誘われてしまう。

細川たかしの『望郷じょんから』ではあまりの迫力に息をのむ。
民謡の素晴らしさを再確認させてくれるとともに、ステージの勢いに圧倒されてしまう。

そんな気迫あふれるステージに夢中になっていると気付けばショーは終わり、アンコールの声が。
最後は『令和夢追い太鼓』で「東武ホテル レバント東京」での5回目のディナーショーの幕を閉じた。

スーパー・ハイブリッド・シンガーの異名を持つ松阪ゆうき。
多彩な能力を持つ彼だが、一貫しているのは音楽への愛だろう。「ありがとう・・・あなたに」の歌詞にもある通り、歌える喜びを爆発させたかのようなショーであった。

生のコンサートこそ一番素晴らしい。このショーが確信させてくれた。
早く心置きなく、会場でコンサートを楽しみたいものだ。

「松阪ゆうきクリスマスディナショー2020」

M1.『O Holy Night』
M2.『You’ve Got A Friend』(Carole King)
M3.『高原列車は行く』
M4.『黒百合の歌』
M5.『長崎の鐘』
M6.『イヨマンテの夜』
M7.メドレー(『好きだよ』『愛の欠片(かけら)』『伊勢の女』)
M8.『遥かな人よ』
M9.『ありがとう・・・あなたに』
M10.『千本桜』
M11.「ふるさと日本、しあわせ音頭」
M12.喜楽座「荒波」
M13.『ふるさと帰り』
M14.『りんご追分』(美空ひばり)
M15.喜楽座「風の唄」
M16.『望郷じょんから』
M17.『令和夢追い太鼓』

関連キーワード