北島三郎作曲『ありがとうの空』 原田悠里・山口ひろみ・北山たけし・大江裕が届ける”ファミリーの絆”
2021年4月21日、この日は演歌界が大きく盛り上がる日だ。というのも、北島音楽事務所所属の原田悠里、山口ひろみ、北山たけし、大江裕が揃って新曲をリリースするのだ。
更に各曲のカップリングには、北島三郎書き下ろしで前出4人が声を揃えて歌う『ありがとうの空』が揃って収録。レコード会社をまたいだ北島ファミリー一丸となった展開だ。
今回、このカップリング曲『ありがとうの空』について、制作の経緯やレコーディング時のエピソード、そしてこの曲を通して伝えたい思い、強まった”ファミリーの絆”について4人に話を伺った。
――まずは『ありがとうの空』について制作の経緯や楽曲の内容について教えてください。
山口「北島三郎先生が皆さんに元気を与えたいという思いで書いてくださった曲です。何よりライブで歌うことが楽しみなので、一人でも多くの方にこの曲で元気になったよと言ってもらえるように頑張りたいと思います」
北山「このコロナ禍の中、歌い手としてファミリーとして何か出来ないかということで北島三郎師匠から今回の企画を作って頂きました。覚えやすい楽曲になっていて、子供からおじいちゃんおばあちゃんまで一緒になって歌えるような前向きな歌になっています。ファミリー4人で力を合わせて少しでも希望と勇気と元気を届けていきたいと思います」
大江「当たり前にできたことが出来なくなったいま。朝が来て昼が来て夜が来るということがすごいことなんだと改めて感じられる歌になっております。是非みなさん聴いて、歌って、踊って、と色々なかたちで楽しんで頂ければと思います」
原田「ファミリーには親族だけでなく、仲間や会社など色々あると思いますが、会えないだけに絆を意識したコロナ禍だったと思います。そういったものをこの歌に込めて頂けたように思いました。とても素敵な作品です」
――最初にこの曲を聴いた時、率直にどう感じましたか?
大江「メロディーを最初に聴いた時、これを先生が作られたのか!という驚きがありました。北島先生ってこんなにも引き出しがあるのかと」
原田「歌詞をみた時に今回のメロディーがついてくることが予想できなかったので、譜面をみた時に驚きました。演歌姉弟の私たちには刺激的でしたね」
――レコーディングはいかがでしたか?
山口「レコーディングでは4人一緒に顔を合わせてできたので、その分息があったところをお聞かせできるのではないかと思います」
北山「(師匠に)淡々と歌うように言われました。子供からおじいちゃんおばあちゃんまで歌うことを意識して、こぶしはいらないと言われていたのですが、裕はこぶしを回していましたね(笑)」
大江「今までは、こぶしを回すようずっと言われてきてのですが、今回はこぶしをとれと。そういう曲もあるのか、と考えさせられました(笑)」
原田「(レコーディングの時)その場でリズムが変わったりしたので、楽しい中にも緊張がありました。先生もすごくノリノリで、嬉しそうにされていたのが印象的でした」
山口「(レコーディング時に)あんなに優しい先生、見たことなかったですね!先生に曲を書いていただいたレッスンの時は厳しく指導して下さるのですが、今回は皆が楽しそうに歌ってくれればいいとおっしゃられて。間違えた時も皆が歌いやすいようにしてくれればいいとおっしゃられていたのが衝撃的でしたね。聴いて下さる方にもその楽しさが伝わると思います」
――1曲通して4人で声を揃えて歌っていますが、他のパターンもあったのでしょうか?
山口「スタッフさんも色々考えて分けたりしてくださっていたのですが、当日、先生が『せっかくだからみんなで歌おう』とおっしゃられて、今回の形になりました」
原田「キーについても(女性陣の)私たちにはちょうど限界の高さで、張り上げて歌いました」
大江「先生も皆さんのキーをご理解いただいていて。それを考えて曲を作ってくださっていたので僕も低い音が苦手なのですが(声が)出ましたね」
山口「レッスンの時、私たち(原田、山口)には”♪Oh Yeah Yeah”の部分で(音が高くて)声が出づらくてうまく歌えないでいたんです。その際、”Oh”の部分は歌わず”Yeah”のところから歌うように指導頂いたらだんだんと”Oh”の部分も出るようになってきたんです。先生の(指導の)マジックだな、と思いました」
原田「”♪Oh Yeah”の部分は苦労しましたね。”イェイ”と歌っていたら最後の”イ”はいらないだろ、と言われたり(笑)」
大江「僕も分からなくなってしまって、だんだんと、自分の名前で”大江ィ~”と歌ってしまっていて、皆様にはご迷惑をおかけいたしました(笑)」
北山「レコーディングも早くに録り終わることができました。やっぱりファミリーなのでそれぞれどうやって歌ってくるか、空気感が分かるんですよね」
――”♪Oh Yeah”の箇所は最初違う歌詞だったそうですね
北山「最初は”♪Wow Wow”だったんです。ある時、先生に『たけし、何かいいのないか』といわれ、”♪Oh Yeah Yeah”はどうですか、と」
一同「えー!そうだったんだ!」
――コロナ禍で辛かったのは皆さんも同じだったかと思いますが、みなさまはどのように過ごされていたのですか?
原田「うちの事務所は本当にコロナ対策を徹底していて、私自身もPCR検査を12回受けています。月1~2回ほど検査して頂いていました。(コロナを)うつさないこと、うつされないことを徹底するために家の中で自粛していなければならないことは辛かったですね。その中でウォーキングすることが心を落ち着かせるための手段でした。
北島先生には色々とご配慮を頂きまして、今回もこのような作品、機会を頂けました。改めて先生の温かさを感じました。本当に北島ファミリーであることがとても心強く、一層感謝の気持ちが強まりました」
山口「私の周りは実際に病んでしまった人が多くて。私自身もそれに対してなにもできないことに悩みました。それもあって今、心理カウンセラーの勉強をしているんです。最近では家族のように親しくさせて頂いていた方が亡くなって、それでもコロナの影響があって、亡くなるまで会いに行けないということがあって……それが一番辛かったですね。そういう人たちを見ていて改めて先生に笑顔で長生きして頂いてたくさんの方にいい曲を届けて頂きたいと強く思いました。また、早く恩返しをしなければと改めて決意しました」
北山「コロナ禍になって歌もうたえず、ファンの方にも会えずに不安な時間を過ごしました。歌える幸せや、コンサートに足を運んで下さる皆さんの大きな存在を改めて感じた時間でした。
そんな中、今回の曲のような前向きで元気で希望のある歌を作って下さって。4人で力を合わせて発信できるんだなと思うと自分たちも前向きになれますし、姉弟4人で歌えることはすごく嬉しいですね。たくさんの人たちにこの歌をお届けして、みなさんにも前向きになっていただけるように頑張りたいと思います」
大江「昨年は辛い時期が続いていて、そんな中、北島先生とお会いしたときに『コンサートが中止になって辛いです』と思わず言ってしまったんです。そうしたら『辛いと思ったら辛いだろう。休みを仕事だと思え。そうしたら家の中でやることがたくさんあるだろう。あんまり暗く考えるとお前はダメなタイプだから』と。全部、先生は分かって下さってるんです。なので休みの間は北島兄弟でインスタライブを行うなど今だからできることを色々とチャレンジすることができました。こうして今回、先生の曲を頂いて、ファミリーの絆、家族の絆を感じることもできました。そんなファミリーの優しさや絆をみなさんに届けていきたいです。皆さんに伝えていったその先に先生への恩返しがあるのだと思っています」
――最後に皆さまそれぞれの新曲についてPRをお願いします。
原田「『港町シネマ』をリリースさせて頂きます。この歌は実は27年前にアルバムに収録していた楽曲です。ずっとこの歌が大好きで、自粛中にウォーキングしている時もついつい口ずさんでしまって。ロマンチックな歌を皆さんにお届けしたいと思い、今回リリースさせて頂きます。シネマと言えばオードリー・ヘップバーンということで、彼女の写真集を買ってきて、それを真似てジャケットを撮りました(笑)」
山口「『大間崎』をリリースさせて頂きます。『最終出船』、『悲恋半島』に続く海を舞台にした3部作の最終作となっております。今回は主人公の女性に訳ありで、女性のことを想って男性が身を引くのですが主人公はその男性の事を諦められず、全てを捨てて追いかけるという情熱的でドラマティックな内容になっています。私自身もデビュー前の歌を始めたところに戻って、まっさらなところから積み上げていくんだと、岡千秋先生にレッスンして頂きました」
北山「『風物語』をリリースさせて頂きます。作曲を浜圭介先生にお願いさせて頂いたのですが、実は10年位前から浜先生の作品を歌わせて頂きたいという思いをディレクターに相談していました。北島先生の『漁歌』や八代亜紀さん『舟唄』などその世界観が大好きで、今回曲を書いて頂けることとなり非常に嬉しく思います。ニシン漁で働く人たちの生活の歌です」
大江「『登竜門』をリリースさせて頂きます。小さな鯉でもその川を登れば竜になるという歌です。私はまだまだ小さな鯉ですので、北島先生のように大きくなって帰ってきたいという思いで歌っています。この前、北島先生に『裕はタイトルだけでかい歌が多い。タイトルに負けないように今回は”登竜門”を歌ってみなさい』と激励を頂きました」
コロナ禍で4人も辛い時間を過ごしてきた中で、元気を与えられ、そして改めてファミリーの絆を更に強めてくれたと話す『ありがとうの空』。世の中に元気を与えるべく作られたこの曲はライブでこそ魅力を最大に発揮してくれるだろう。
そんな気になる今後の北島ファミリーでのコンサートの予定は5月28日(金)〜30日(日)には福岡・博多座で、6月25日(金)~27日(日)には大阪・新歌舞伎座にて「北島三郎ファミリーコンサート 2021」が開催予定(2021/5/17更新 両公演について新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み、中止となりました。)。今まではみんなで歌う曲といえば『まつり』や『函館の女』であったが、今回新たに『ありがとうの空』が加わることでコンサートをより一層盛り上げてくれるに違いない。
一早く4人が歌う姿をご覧になりたい方は4月24日(土)放送の「サブちゃんと歌仲間」(BSテレ東/朝5:30~)で歌唱映像が放送予定とのことで、こちらもお見逃しなく。
リリース情報
原田悠里『港町シネマ』
2021年4月21日発売
KICM-31017
定価:¥1,273 (税抜 )
【収録曲】
1.『港町シネマ』(作詞:たきのえいじ /作曲:弦哲也/編曲:若草恵)
2.『ありがとうの空』(作詞:もりちよこ/作曲:原譲二/ 編曲:遠山敦)
山口ひろみ『大間崎』
2021年4月21日発売
TECA-21015
定価:¥1,227(税抜)
【収録曲】
1.『大間崎』(作詞:麻こよみ /作曲:岡千秋/編曲:南郷達也)
2.『ありがとうの空』(作詞:もりちよこ/作曲:原譲二/ 編曲:遠山敦)
北山たけし『風物語』
2021年4月21日発売
TECA-21018
定価:¥1,227(税抜)
【収録曲】
1.『風物語』(作詞:石原信一 /作曲:浜圭介/編曲:矢田部正)
2.『ありがとうの空』(作詞:もりちよこ/作曲:原譲二/ 編曲:遠山敦)
大江裕『登竜門』
2021年4月21日発売
CRCN-8398
定価:¥1,227(税抜)
【収録曲】
1.『登竜門』(作詞:伊藤美和 /作曲:徳久広司/編曲:南郷達也)
2.『ありがとうの空』(作詞:もりちよこ/作曲:原譲二/ 編曲:遠山敦)