本格派演歌ガールズグループ・水雲-MIZMO- 最後のライブを開催 「皆さんに出会えたことが一生の宝物」
NAO(高音)、AKANE(主旋律)、NEKO(低音)の3人のハーモニーで演歌を歌うガールズグループ・水雲-MIZMO-が、7月17日(土)、四谷LOTUSにて「水雲-MIZMO-ワンマンライブ NEXT STAGE」を開催した。
9月いっぱいで解散することが決定している水雲-MIZMO-にとっては、これが最後のライブ。
各50名ずつの有観客で行われた一部、二部に続き、三部は生配信ライブの形で行われ、3人は全国のファンに歌声とメッセージを届けた。
打掛をアレンジしたゴージャスなドレスを着て、ステージに登場したNAO、AKANE、NEKOの3人。
まずは最新シングル『松竹梅』を、お得意のハーモニーを響かせながら力強く歌い上げる。続いてカップリング曲『小江戸捕物帖』を、立ち位置を入れ替えながらキュートな振り付けで魅せてくれた。
「水雲-MIZMO-です。よろしくお願いします!」と挨拶の後、リーダーのNAOは「ライブ配信は初めてですが、残念なことに、初めてで最後のライブ配信になってしまいます。水雲-MIZMO-は9月いっぱいをもちまして解散ということになりました」と報告。そして「悲しい気持ちもあるんですけど、せっかくのワンマンライブなので、最後まで涙はしまって、楽しい気持ちで歌っていきたいと思います」と宣言した。
3人それぞれ自己紹介をすると、NAOが「皆さん、観てください、この衣装。私たちのセカンドシングル『みれん節』のジャケットで着ていた衣装です」と衣装の紹介も。
2017年のデビュー以来、ラジオ、テレビなどでカバー曲を多数歌い、カバーアルバムも4枚もリリースしている水雲-MIZMO-らしく、ここからカバー曲のコーナーへ。
まずはNAOがセンターに移動して『ウェディング・ベル』。歌い出しから3人のハーモニーの美しさが際立つ楽曲だ。
続いて、AKANEが真ん中に戻って『うっせぇわ』をド迫力のアカペラで歌い上げた。
「この調子でどんどん盛り上がっていきましょう!」とのAKANEの掛け声から『ボヘミアン』、そしてキャンベーンでもたくさん歌ったという思い出の曲『好きになった人』などを次々と披露していく。
『男はつらいよ』をメインで歌ったNEKOが「楽しかった。普段はあまりハモられる側に立ってないから、(今回は)美しくハモってくれてありがとう」と2人にお礼を言うと、「こちらこそですよ。いつもありがとう」とAKANEが返す。
NAOが「いつも私とNEKOちゃんがハーモニーを歌っているから、たまに主旋律を歌うと『あれっ?』ってなるよね。本当のメロディーがわかんなくなって。それくらい水雲-MIZMO-で歌いこんできているから」と言うと、「水雲-MIZMO-あるあるだね」とNEKO。
そんな仲良しトークで楽しませつつ、「どの曲も思い出深いです。良い思い出も失敗した思い出もあります」というシングル曲を披露。まずはNEKOの母国アメリカでも歌ったという思い出の一曲『米~kome~[海外バージョン]』、そしてセカンドシングル『みれん節』、サードシングルにして初の股旅演歌『泣いちゃえ渡り鳥』と続けた。
「皆さん、観てますかぁ~」とカメラに向かって手を振った3人は、ここで改めて今の気持ちを一人ずつ語った。
NEKO「終わってほしくない。このグループの一員として活動できたのは奇跡みたいなもの。人生ってうれしいものだなと改めて思います。いろんな人たちと出会って、勉強になりました。救われています、水雲-MIZMO-に。この場を設けていただき、私は幸せ者だと思います」
AKANE「全国各地から観てくださって、ありがとうございます。こうしてライブができるのも1年半ぶり。これが最後のステージかと思うとこみ上げるものがありますが、歌を届けることができて幸せです。水雲-MIZMO-をデビュー前から応援してくれたファンの皆さんのおかげで歌ってこられて、本当に幸せだなと思います」
NAO「こういう(コロナ禍の)状況の中でもワンマンライブを開いていただけたことは本当に奇跡のようで、感謝の気持ちでいっぱいです。ステージが中止になっても、これまでずっと応援し続けてくださった皆さんに出会えたことが一生の宝物になりました。ありがとうございます」
ライブはいよいよ大詰め。「カバー曲の中でも、最も数多く歌わせてもらった曲です。2019年にはご本人と一緒に歌わせていただきました」という『兄弟船』を。
そしてラストは「これが最後の曲になります。私たちの大切なデビュー曲です」と『帯屋町ブルース』を歌い上げた。
冒頭のMCでNAOが「最後まで涙はしまって、楽しい気持ちで歌っていきたい」と語っていた言葉通り、最後まで笑顔で歌い切った3人。「ありがとうございました」と全国のファンに向かって手を振りながら、目を潤ませてステージを後にした。
ライブを終えて、今の心境を聞かれた3人は、次のようにコメントした。
NEKO「最後のステージができて良かった。活動が終わることについては、まだ現実味がないです。複雑な心境ですが、この夢のような4年間には感謝しかありません」
AKANE「今日開催できたことをうれしく思います。3人で歌うことの喜びを感じて、幸せでした。インディーズ時代から応援してくれた皆さんのことを思い出して、感謝でいっぱいです。これからも一期一会の出会いを大切にして、歩んでいきたいです」
NAO「一部と二部が終わった時は『本当にこれで終わってしまうんだ』という辛くて悲しい気持ちが大きかったけど、三部のライブ配信まで全部終えたら『水雲-MIZMO-として歌えてうれしい』という気持ちの方が大きくなりました。すごくいい時間を与えてもらったなと思います」
4年間での一番の思い出を聞かれると、NAOは「一番緊張したステージは、南こうせつさんの『GREEN PARADISE』というフェスに出させてもらった時。『妹』を歌ったのですが、バンマスの方が水雲-MIZMO-のためだけにアカペラ部分を付け足してくれたんです。それが難しくて。でもバンマスの方がギリギリまでご指導くださって、本番で歌い終えた時は号泣してしまいました。今でも思い出すと震えます」と答え、AKANEが「NAOさんがすごく緊張していたことを覚えています。こうせつさんのファンの方が温かかったので救われました」と続けた。
さらに「水雲-MIZMO-とは、どういう存在か?」と聞かれると、
NEKO「水雲-MIZMO-とは救いです。私にとってこの2人は、友達以上、家族以上、戦友?……説明できないくらい大事な、大事な2人です」
AKANE「3人で家族と同じくらい濃密な時間を過ごしてきました。乗り越えないといけないこともたくさんありましたし、それを乗り越えた後は『良かったね』と言い合えました。友達であり同志です。NEKOちゃんの“戦友”という言葉もいいですね」
NAO「メンバーチェンジも何回かあったけど、ファンの方が『この3人が水雲-MIZMO-だよね』と言ってくれるのがうれしいし、私もこの2人だからやってこられたと思います。普段生活している中で音楽を聴くと『これ、水雲-MIZMO-で歌いたいな』と思って、2人に『この曲、水雲-MIZMO-に合うよね』って何度もそういう話をしました」
そう話しながら涙ぐんだNAOだが、最後は「解散しても水雲-MIZMO-は皆さんの記憶の中で、CDの中で残っていけたらと思います。そして水雲-MIZMO-のことを思い出してほしいなと思っています」と締めくくった。
セットリスト
M1 松竹梅
M2 小江戸捕物帖
M3 ウェディング・ベル
M4 うっせぇわ(アカペラ)
M5 ボヘミアン
M6 好きになった人
M7 男はつらいよ
M8 おーい中村くん
M9 妹
M10 米~kome~[海外バージョン]
M11 みれん節
M12 泣いちゃえ渡り鳥
M13 兄弟船
M14 帯屋町ブルース