三山ひろしが“浪曲”初挑戦! 都内で開催の「玉川奈々福の有楽町でうなりましょう!」にゲスト出演、「三波春夫先生が隣にいるような気がしました」と絶賛の声

歌手の三山ひろしが3月9日、東京・千代田区の有楽町朝日ホールで開催された「玉川奈々福の有楽町でうなりましょう!」にゲスト出演。日本三大話芸の一つである浪曲を初披露した。
NHK紅白歌合戦に10年連続出場を成し遂げ、1月にリリースした“酒もの演歌”の最新曲『酒灯り』が好評を得ている三山ひろし。デビュー15周年を迎えた2023年には、落語と歌を融合させた新ジャンル「落語歌謡」にチャレンジし、アルバム『三山ひろし全曲集~落語歌謡『厩火事』入り~』を発売。2025年の今年は、日本三大話芸を極めるべく、落語に続き浪曲に初挑戦した。
三波春夫の「南部坂雪の別れ」を披露
この日は、浪曲を愛するファンや三山ひろしの公式法被を着た大勢の観客の前で、浪曲師の玉川奈々福が「仙台の鬼夫婦」と題した演目を披露。その後、観客の大きな拍手を浴びながらスペシャルゲストの三山が登場した。
三山は「今日は人生初の浪曲をやらせていただけるということで朝から緊張しています。日本の三大話芸の浪曲は大好きな世界の一つ。長編歌謡浪曲や浪曲の世界からたくさん学び、自分の歌の世界に取り入れていきたいと思っています。三波春夫さんの偉大さはCDやDVDから感じているのですが、ご縁がありまして、三波春夫さんのお嬢さまの三波美夕紀先生から歌唱指導をしていただき、現在、歌謡浪曲を勉強させていただいています。ありがたいことに、三波春夫さんがお召しになっていたお着物までいただき、今日は、そのお着物を着てまいりました。三波春夫さんの息吹を感じながら勉強し、一歩ずつ前進していきたい」とあいさつ。
三山が披露した演目は、三波春夫の名作「南部坂雪の別れ」。三味線を奏でる曲師の広沢美舟との息もぴったりで、約17分にわたって渾身のステージを見せた。
客席を大いに沸かせた後には、三山と玉川、広沢の3人によるトークコーナーも。三山は「緊張して途中で何をやっているか分からなくなりました(笑)。めちゃくちゃうれしかったです。三味線を弾く曲師と2人でお届けするというのが新鮮でした」と話すと、曲師の広沢は「三波春夫先生が隣にいるような気がしました。すごく幸せです」と感激した様子を見せた。
玉川が「所作を含めてここまで完璧に演じられて素晴らしかったです」と称えると、三山は「日本三大話芸の中に演歌のルーツがあると思うんですね。その三大話芸を勉強させていただくことによって、自分の演歌の味わいがより深いものになるのではないかと思っています」と語っていた。
浪曲は「デビュー前からやりたかったこと。15年練習してきました」
取材会で、三山は「浪曲は今日初めてのことで緊張しました。この浪曲のお話の風景を存分にお届けすることができたかと言われると、ちょっと足りなかったかなとは思っていますが、最後までやり切りました。この作品は、いつかやりたいと思っていた演目なんですね。長編歌謡浪曲の世界はいろんな形で皆さまの前で披露させていただいていますが、浪曲というのはやりたいと思っても、曲師の方がいらっしゃらないとできないものですから、ずっとできませんでした。そんな中、玉川奈々福さんと広沢美舟さんのお2人とテレビで共演したのをきっかけに浪曲の披露が実現しました。とても楽しかったです」とこの日の感想を語った。
また、浪曲の練習期間については「デビュー前からずっと長編歌謡浪曲をやりたいという思いがあって練習していたものですから、いずれステージでできるかもしれないと思い、三波春夫さんの4枚組のアルバム『三波春夫の大忠臣蔵』を頭から最後までずっと聴いていました。ですので、練習し始めたのは15年、16年前になると思います」と話した。
そして「三波さんにお会いしたことがないので、基本はCDから学ぶことになりますが、CDの尺で練習しているのでCD通りになるんですよね。実際に舞台でやるとテンポが揺れていたり、三味線を聴きながら歌うのはすごく難しいです。歌を歌うのとは違うなと落語をやっている時から思っていましたが、浪曲も難しかったですね」と苦悩を明かす場面も。
落語や浪曲など、新たな学びを取り入れることで三山ひろしの歌の世界を広げていきたいと語る三山。「落語の世界も浪曲の世界もそうですが、日本の三大話芸という、この素晴らしい話芸の世界を、自分の演歌の世界で披露できるような形にしたいと思っているので、いわゆる“うなり”をこれから自分の歌の1つの技として取り入れていきたい」と意気込んだ。
三山は、6月にLINE CUBE SHIBUYAで、毎年恒例となっているリサイタルコンサート「三山ひろし リサイタル2025~心に響く温もりの唄~」を開催予定。「やはりお客さまが楽しんでくださって、『今年は昨年よりいいね』『来年は一体何をやってくれるんだろう』という期待感が大事だと思っています。右肩上がりにお客さまが増えていくようにするためには、自分がブラッシュアップして、新しいことを見つけてお届けしていかなきゃいけない」と意欲を込めた。
三山ひろし、“エゴサ”で浪曲初挑戦を知る
最後に三山は、今回の浪曲初挑戦を「SNSで知りました」と驚きのエピソードを明かす場面も。「3カ月前にSNSで“エゴサ”していたら出てきたんです。最初は歌謡浪曲か何かをやるのかなと思って、よくよくチラシを見たら、“三山ひろしが浪曲をやる”って書いてあって(笑)。落語の時も1カ月前に知りました。本当にびっくりしましたね」と話していた。
NHK紅白歌合戦でけん玉の世界記録に挑戦し、長編歌謡浪曲から落語、そして浪曲までさまざまな芸に挑戦し続ける三山ひろし。これからファンをどのように驚かせてくれるのか、引き続きその今後に注目していきたい。
三山ひろし『酒灯り』
発売中
品番:CRCN-8722
価格:¥1,500(税込)
【収録曲】
1.酒灯り(作詞:さいとう大三/作曲:弦哲也/編曲:南郷達也)
2.昭和の恋歌(作詞:結木瞳/作曲:弦哲也/編曲:南郷達也)
3.酒灯り(オリジナル・カラオケ)
4.昭和の恋歌(オリジナル・カラオケ)
5.酒灯り(一般用カラオケ)
6.昭和の恋歌(一般用カラオケ)
三山ひろし リサイタル 2025
日時:
2025年6月3日(火)
14:15開場/15:00開演
開場:
LINE CUBE SHIBUYA
(渋谷公会堂)
料金:
S席¥8,000、
A席¥5,000
問い合わせ:
ベルワールドミュージック
03-3222-7982
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