山本譲二が都内で開催の50周年記念コンサートを独自レポート！ 盟友・吉幾三＆HATTALLICA、前川清、堀内孝雄、川中美幸が登場、「友人や仲間たちの絆に感謝」
歌手の山本譲二が5月25日、東京・江東区のティアラこうとうで「山本譲二デビュー50周年記念 コンサートファイナル」を開催した。
2024年にデビュー50周年記念曲『妻よ…ありがとう』を発売した“日本歌謡界のレジェンド”こと山本譲二。この日のコンサートは50周年を記念したもので、チケットは発売後すぐに完売。会場には幅広い年齢層のファンが駆けつけ、開演前から熱気があふれた。
場内が暗転すると、ステージのスクリーンにギタリストの山本恭司が演奏する『みちのくひとり旅』をBGMに、伊達春樹時代からこれまでの歩みを振り返る映像が映し出された。その後、ステージに登場した山本は『花も嵐も』『夢街道』と往年のヒット曲を熱唱し、客席を沸かせた。
山本は「今日は本当にありがとうございます。友人と仲間たちとの絆を感じています。山本譲二も75歳になりました。ゲストの吉幾三の手を借りて、彼がいなかったら僕は良い50周年を迎えられなかったと思っています。何かあると寄り添って、何かあると俺のつまみをとって、そんな素敵な男が『山本、やれ！」と言うから、『じゃあやってみるわ』とチケットを発売して10日経ったら完売でした。ですから、僕は本当にうれしかったんです」とあいさつ。
ジョーク交じりのトークで客席を楽しませた後、『旅の終りはお前』、木梨憲武と共に「憲三郎&ジョージ山本」名義で発売したヒット曲『浪漫〜ROMAN〜』を歌い上げた。
大先輩の前川清、堀内孝雄、川中美幸が登場！
MCで山本が大先輩・前川清宅で起こしてしまった“ウォシュレット事件”を語り客席を笑わせていると、なんと前川清本人がステージに登場。前川が代表曲『そして、神戸』を熱唱すると、客席から大歓声が上がった。
福岡から駆けつけたという前川が金一封を手渡すと、山本が「僕ももらってきてますからね、触っただけで分かるんです。これは10万ウォン」と話し、客席を笑いの渦に巻き込んだ。そして、前川は山本と共に『東京砂漠』を披露した。
前川と和やかにトークで盛り上がっていると、堀内孝雄が登場。続々と登場する大物ゲストに客席がざわめく中、堀内は山本に花束を手渡してから『恋唄綴り』を伸びやかに披露した。
2人のサプライズ登場に明るい笑顔を見せた山本は、『ひとりで泣くなよ』『時は流れても』『望郷しぐれ』を情感たっぷりに歌い上げた。
その後、山本が「昨日素敵な女性から電話がありました。『50周年おめでとうございます。私も見に行くけど、美幸も歌いたい』。川中美幸さんを紹介します」と話すと、川中美幸が花束を持ってステージに登場。2人はデュエット曲『仁川エアポート』で息ぴったりの歌唱を披露し、客席から歓声と拍手を浴びた。
ギター弾き語りから激しいメタル曲まで披露
上京後の下積み時代に、ギターの弾き語りで活動していたという山本譲二。『北の旅人』『今日でお別れ』『恋しき孫よ』をギターの弾き語りでしっとりと披露し、観客を酔わせた。
コンサートも中盤を迎え、“山本譲二メタル化計画”の活動を通じて出会ったHATTALLICAがゲストとして登場。
HATTALLICAは「METALLICA本家公認バンドのHATTALLICAです。山本さん50周年おめでとうございます。今日はお呼びいただき本当に光栄です。昨年から山本譲二メタル化計画に微力ながらお手伝いさせていただきました。今からうるさい曲が始まりますが、皆さん、心の準備はいかがですか」と穏やかにあいさつしてから、METALLICAの楽曲メドレーを披露。山本の孫がリクエストした楽曲を含む『Master of Puppets』『Enter Sandman』『Battery』を爆音でぶちかまし、白熱したステージを繰り広げた。
その後、メタル風のギラギラ衣装に着替えた山本がHATTALLICAとの共演で『人は旅人』『ローリング・ストーン』をメタルアレンジで披露し、客席は熱気に包まれた。
“メタル化”を手伝った盟友・吉幾三が登場！
続いて山本がMCで紹介したのは、50周年記念曲『妻よ…ありがとう』にボーナストラックとして収録されたメタルソング『言論の自由』。作詞・作曲を手がけたのは、メタル界の新星IKZO（吉幾三）。編曲はHATTALLICAのKIRZが務めたことで大きな話題に。
ゲストのギタリスト・SAKIがステージに登場してから、『言論の自由』の演奏が始まると、ゲストの吉幾三がステージに乱入。「おい、やめろ！ 純粋で素朴だった山本譲二がどうしちゃったんだよ。矢沢永吉の真似したのかなと思ったよ」と客席を笑わせてから『言論の自由』をノリノリで披露。HATTALLICAとSAKIがかき鳴らす激しいギターに合わせ、2人は体を張った力強いパフォーマンスで観客を魅了した。
山本が衣装替えをしている間に、吉が代表曲『酒よ』、ステージに戻ってきた山本を前に目を潤ませながら『You Were There〜あなたが居たから〜』を情感豊かに歌唱した。
コンサートの終盤には、山本がファンや仲間に感謝を伝えてから、妻の悦子さんをステージにあげ、デビュー50周年記念曲『妻よ…ありがとう』をしっとりと披露。吉が手がけた『いつまでも…沖縄』『揚子江』を歌い上げた後、代表曲『みちのくひとり旅』をHATTALLICAとSAKIの共演で歌唱し、会場の盛り上がりは最高潮に。その後、ステージのスクリーンに北島三郎から激励のコメント映像が流れると、客席からは万雷の拍手が送られた。
恩師の思いを胸に、山本は『山本譲二物語』を歌い上げ、ゲストとファンと共に作り上げた50周年の集大成を飾った記念コンサートは、大盛況のうちに幕を下ろした。
デビュー50周年「友人や仲間たちの絆に感謝」
開演前に取材に応じた山本は「今日のチケットがすぐソールドアウトになったそうで、すごくうれしいです。友人や仲間たちの絆を感じ、感謝しています。今日はアイツ（吉幾三）がまだ来ていないものですから、本当に来るかどうか分かりません（笑）。一昨日会った時に『ポスターに俺の顔写真を出してほしくなかった。ゲストは吉幾三、だけど来ないかもしれないという思いでいてくれると助かる』と言っていました。パジャマ姿でも来てくれると信じています」とこの日の意気込みを語った。
“山本譲二メタル化計画”が始動するも「それまでヘビメタを知らなかった」
山本のデビュー50周年を語るに欠かせないのが、“山本譲二メタル化計画”の活動だ。これは「ジャンルを問わずさまざまな音楽に耳を傾けてほしい」と感じていた山本のマネジャーS氏が独断で始めたプロジェクトで、2023年に第一弾として発表された“山本譲二メタル風Tシャツ”は異例の売り上げを達成。その活動は演歌界を越えて大きな話題を呼び、ヘビーメタルなどを中心に扱うギタリストのための専門誌・ヤング・ギターでは、日本を拠点に活動する元メガデスのマーティ・フリードマンとの対談企画が実現するなど盛り上がりを見せた。
山本は「それまでヘビメタのことは知りませんでした。HATTALLICAと一緒に活動していると、ヘビメタのお客さんは40代から60代の、俺たちのことを分かってくれる年齢層が多いんだと気づきました。ちゃらんぽらんな気持ちではなく、真剣にヘビメタにぶち当たっていかなきゃいけないという気持ちになりました。山本譲二と吉幾三がCDまで出して本気でやったという思いを、ヘビメタファンの皆さんに感じてもらいかった」と明かす。
そして、この計画の経緯について「1年前のことでしたが、いつも写真撮る時にピースやちっちゃいハートをやりながら撮っていたんですね。そしたらスタッフが『譲二さん、それやめてください。似合いませんから』と言うので『他にポーズがあるのか』と聞いたら『これをやってください』とメロイックサインをするように言われました。そのポーズで写真を撮り始めてからTシャツも作るようになって。バカ売れしました。それからもっと何かやろうという話になって、ギターコンテストをやることになりました。ヘビーメタルのギタリストさんたちのギターを聴いて、かっこいいな、共演したいなって気持ちに変わりましたね。それからHATTALLICAの演奏で『言論の自由』を発売することになりました」と話していた。
50年の歩みを支えてくれたファンに対しては「皆さん、俺は大好きだ。それをまず伝えたい。ありふれた言葉ですけど、感謝しています。ショーが始まったら、歌と歌の間に50年を振り返った言葉を喋ると思うんですけど、何を喋るか自分でも分からないですけど、きっとなんかいい雰囲気でお客様を包んでくれるんじゃないかな。そういう風に思ってるし、今日はこのショーを僕らが作るんじゃなくて、お客様が作ってくれる。お客様が声援をくれるから、歌い手は乗れると思います。お客様にすごく期待しています。山本譲二には何の期待もありません」と冗談交じりに感謝を伝えた。
最後に、山本は「一生懸命やらなきゃいけない、それが今日来てくれたお客様に対する感謝の気持ちだと思います。とにかく最後まで悔いのよう熱唱したい。また今度やる時には早めにソールドアウトになるように、皆さんに買ってくださいねってお願いしたいですね」と語っていた。
“山本譲二メタル化計画”の成功で50周年イヤーを華々しく駆け抜けた山本譲二。その新章に向かって、さらなる飛躍に期待したい。
セットリスト
M1 花も嵐も
M2 夢街道
M3 旅の終りはお前
M4 浪漫〜ROMAN〜
M5 そして、神戸
M6 東京砂漠〜恋唄綴り
M7 ひとりで泣くなよ
M8 時は流れても
M9 望郷しぐれ
M10 仁川エアポート
M11 北の旅人
M12 今日でお別れ
M13 恋しき孫よ
M14 奥入瀬
M15 METALLICAメドレー
M16 人は旅人
M17 ローリング・ストーン
M18 言論の自由
M19 酒よ
M20 You Were There〜あなたが居たから〜
M21 妻よ…ありがとう
M22 いつまでも…沖縄
M23 揚子江
M24 みちのくひとり旅
M25 山本譲二物語
山本譲二『妻よ…ありがとう』
発売中
品番：TECA-24036
価格：¥1,500（税込）
【収録曲】
1.妻よ…ありがとう（作詞・作曲：吉 幾三／編曲：伊戸のりお）
2.恋しき孫（作詞・作曲：吉 幾三／編曲：伊戸のりお）
3.妻よ…ありがとう（オリジナル・カラオケ）
4.恋しき孫（オリジナル・カラオケ）
5.言論の自由（ボーナストラック）
ユニット名：J＆J feat. HATTALLICA with 長谷川太一
作詞・作曲：IKZO／編曲: KIRZ(HATTALLICA)／Sound Producer：Takashi Shirayama（W.M.Production）
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